「ぶらり、衛生管理屋」。さすらいの(?)衛生管理屋が、日本全国、東西南北津々浦々、あちこちにぶらりと出かけては、食品衛生のプロとしての鋭い眼差しをご披露。
た、ただの散歩や観光やドライブじゃないんだからね!
3回目となる「ぶらり」は、この4月に新たにオープンしたというアサヒビール茨城工場の「スーパードライミュージアム」、そしてその工場のある茨城県守谷市を探索してきました。
今回はそんな様子を、今回、そして次回と、二部構成でお話させていただきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

ぶらり、アサヒビール茨城工場「スーパードライミュージアム」

(こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。)

毎度毎度、さすらいの(?)衛生管理屋が、日本全国、東西南北津々浦々、あちこちにぶらりと出かけては食品衛生のプロとしての鋭い眼差しをご披露する、この「ぶらり衛生管理屋」。

今回は「アサヒビール」さんがこの4月20日にオープンしたばかりだという、アサヒビール茨城工場に出来た「スーパードライミュージアム」に行って参りました。

はーい。
はいはいはい、はーい。
オーケー判ってる、も十うーっ判っとる、皆までゆーな芝崎唯奈。

まずね、
コロナなんだよ。
緊急事態宣言なんだよ。

こいつのせいで、お出かけが出来ないわロケが出来ないわ、しかも日本全国ほぼ全ての工場の工場見学が無期延期になるわ。
おかげでお出かけ企画の見込みが、全く立たなくなってしまいました。くそう…。

そのため、折角企画した「工場見学一本勝負」も、しばらく出来ませんでした。
だって工場見学できねーんだもん。工場見学軒並み無期延期なんだもん。どーすんだよ畜生…!

と、腐ってたそんな最中にですね、前回挙げたように、こんなニュースが入ってきたわけですよ。

アサヒビールは、「スーパードライ」ブランド初の常設施設となる「スーパードライ ミュージアム」を、茨城工場(茨城県守谷市)内にて4月20日にオープンし、体験ツアーを提供する。
無料試飲や、ビールの泡に文字や画像を描く泡プリンター体験などができる。
要予約で、料金は無料。(略)

これだ!
これだよとなりましてね、速攻でダメ元で予約を入れたんです。
そうしたらなんと皆さん、
全然楽勝で週末の予約ができるじゃないですか!
(注:4月20日段階)

そんなわけで、先日4月24日、早速ながらこの新しくオープンしたての「スーパードライミュージアム」に行ってきたわけです。

…がね。
そうなんですよ。

これね、ぼくの中ではこの企画は、完全に「工場見学一本勝負」だったのです。

だってそりゃそうでしょ、工場見学できるんですから。
そりゃあプロの衛生管理屋の腕も鳴るというものですよ。
でもね、
行ってみて、よーく、よくよく、判った。

これ、普通の工場見学ちゃうやん!

いや、楽しいんですよ。めちゃくちゃ楽しいから、オススメなんですよ。
でもね、
その楽しみというのは、完全にテーマパーク、アミューズメントパークのそれなんですよ。
だって、工場の製造ライン、全く見ないんだもん。
これじゃ勝負になんないよ!あれこれもう不戦勝でいい!?でも記事になんないよそれじゃ!

はい、言い訳以上。毎回前置き長いねん。
そんなわけでここからは企画変更、「ぶらり衛生管理屋」で進めさせていただきたいと思います。

なお、このアサヒの「スーパードライミュージアム」については、前回の記事で詳しく解説させていただいていますので、そちらをご覧ください。
何故、この茨城工場に今、このタイミングでオープンしたのか。
何故、スーパードライなのか。
それらがよくお判りになられるかと思います。

さあ。
では、アサヒビール茨城工場の「スーパードライミュージアム」に向かうとしましょう!

いざアサヒビール茨城工場へ

東京方面から常磐自動車道を下ること、しばらく。
見えてくるのが、「谷和原IC」。
ここから10分程度車で走ると、守谷駅が見えてきます。

一応少しだけ説明しておくと、今回は嫁さんも一緒。
というのも、ビール工場の見学にはビールの試飲が必ず付きもの。なので帰りの運転手が必要です。
(ちなみに嫁さんは、ぼくが工場見学している間、お買い物を楽しんでくるとか)

そんなわけで、守谷駅に降ろされたぼくは、一人工場行きのバスを待つことに。

工場行きのバスを待つ間、少しばかり駅前をぶらぶら。
地元の名物などを扱った駅前アンテナショップを覗いてみたり、関東鉄道のショップを覗いたり。

そこでなんと銚子電鉄の名物、「濡れ煎餅」を発見。
鉄道の売上よりもこっちの売上のほうが高いという噂のこれ。本物見るのは初めて。ちょっと食べてみたいぞ。
(この日は買わなかったけど)

そうこうしていると、間もなくシャトルバスが到着。
早速乗り込んで、いざ工場へGO。

アサヒビール茨城工場は、守谷駅から車でおよそ10分程度でしょうか。
守谷市役所を超えたすぐところに、どん、と構えています。

駐車場に到着し、バスから降りてみると、びっくり。
ちょっ、えっ、ちょっと、何ここ!?
公園?いや、庭園!?

敷地内に作られた池や、木々。そして、そこにガラス張りの大きな建物。
まるで美術館とか、ホテルや旅館とか、およそそんな感じ。
とてもじゃないが、食品工場とは思えません。

え、ちょっ、ちょっと待てよ?
ぼく、工場見学に来たんだよな?
これ、とても食品工場には見えないんですけど。

食品工場としては完全OUT!?

予想を超えた庭園空間に出鼻をくじかれ、気圧される衛生管理屋。
ぐぬぬ、こう見えてもぼくは一流の衛生管理屋。この程度で負けるものか。

とはいえ、だ。
そう少しばかり冷静になると、これってどうなんだ、という気になってくる。

大体、食品工場の敷地内に池や小川などを作って、そりゃ見かけはいいでしょう。
でも、それ以外にいいことなんて一つもありません。
何故なら、水場というのは何よりも虫にとってこの上なく好ましい最適な生息域となるからです。
それが、まるで工場自体が水面上に浮いているかのように作られている。
何を、アサヒは一体、何を考えているんだ…!?

大体、こんなことをすれば、春から秋はユスリカ類の大群が飛び交うことうけあい。
河川の近くに立地している工場をぼくは何度も見ていますが、真冬でも数千頭単位のユスリカ類の大量侵入がやまないくらいです。
ましてや敷地内なんて、狂気の沙汰以外の何物でもない。
これではもう虫を養殖しているようなものです。
さあどうぞ、ウチの工場内に入ってくれと、そんなウェルカム状態がこちらでございます。

しかも木々にあふれたご立派な緑地帯付きときた。
これも緑地由来の昆虫にとっては、この上なく嬉しい環境でしょう。

それに加えて「ガラス張り」というのも、実はあまりよろしくない。
「ガラス」ってね、反射させるんですよ、紫外線を。
紫外線ていうのは、虫を誘引するんです。

工場をガラス張りにすると、どうなるか。
外灯の紫外線が工場のガラスに跳ね返り(水面もそうですね)、さながら工場そのものが虫にとっての誘因源、いわば巨大な広告塔となるのです。
防虫管理のプロからすれば、虫の侵入を少しでも避けるべき食品工場がやっていいことが、ここには何一つない。

そりゃ、ビールだからストレイナーを経て充填されるのだから、昆虫の製品混入リスクは限りなく少ないだろう。
でも、だからといってやっていいもんじゃない。

でもね、
そんなことをですね、アサヒビールさんレベルの一流企業が勉強していないわけがないんです。
これ作るのに、とんでもない設備投資です。
それをこのレベルの大企業が何も考えず、設計するわけがないんですよ。

一体、これは、どうなっているんだ…!?
少しばかり首をかしげながら、工場内に入場する衛生管理屋。

さあ、この防虫対策の謎ときは、後編で行いますのでお楽しみに。

いざ「スーパードライミュージアム」へ

どーん。
はい、建物の中は、さらなる豪華オシャレ空間。
何ここ、一流ホテルか何かなの?
あの、ぼく、本当に工場見学に来たんです…よ…ね…?

受付で入場手続きをすませると、ナビゲーターによる見学案内が始まるまで10分くらいある。
その間に場内を物色する。
アサヒビールの歴史を語る、さまざまな陳列品。

すると、上の大きな「SUPER DRY」のロゴの前でお客さんのカップルが記念撮影しているではないですか。
そう、前回の記事のアイキャッチ、白石麻衣さんのようにです。
スマホを渡され、撮影役となったガイドさんが、カップルに向かって大きな声で、

「それじゃあ、『スーパードラ、イー!』て言ってくださいねー。
はーい、行きますよー!

スーパードラ、イーッ!」

うわっ、恥ずかしっ!
いや、カップルならまだいいだろう。
でもぼくは無理だわ。あんなこと、一人じゃとてもとても出来ねーわ。
大体、大の大人がポツンとぼっちで、一人「スーパードラ、イー!」って。
言えるか、んなこと。

何が、「スーパードラ、イー!」だ。アホか。
何が、

「スーパードラ…

イーッッッ!!」

はーい、よく撮れました。
って、うおーい!

ガチ本気のシアター映像から始まる工場見学

そうこうしているうちに、見学時間に。
ガイドさんに声をかけられ、シアターホールへと案内される我々一向。

そう、アサヒビールの工場見学は、このシアターホールから始まります。
なんというか、ちょっとした小ぶりの立派な映画館。
で、ここでまずは見学案内の映像が流されるのですが、これがね。
もうゴリッゴリの、本気。

3つのスクリーンを使って可視域内に広がる、一流企業が大金出してプロ使ってガチで作った、本気映像。それが凄くないわけがない。
いや待って、工場見学の最初の映像でこのクオリティって、ヤバないすか!?

未来空間のような見学通路

さてそこからガイドさんに導かれ、見学通路を進みます。
いや、見学通路つってもアレですよ、普通の工場の通路じゃないですからね。

このように、赤い照明と映像で演出された、近未来のようなデジタル空間。
あ、あのー。
もう一度聞くけど、これ、工場見学、だよね!?

なんでも、赤はスーパードライカラーなのだとか。
そういえばこれまでも黒と赤でカラーが統一されていたけど、そういうことか!

さて、間もなく到着したエレベーターの横の階段には、スーパードライの缶が並んでいる。
これ、なんとこのエスカレーターに乗っている間に製造されるスーパードライの数なのだとか。
いやエスカレーターって、実際乗っているのって1分ないくらいでしょ?え、45秒?まあそんなもんだよね、普通。
で、これらのスーパードライが全部で1,200本。
たったその間に、これほどの量のスーパードライを製造しているんですかあ。へえ…。

さあ、エレベーターを昇り進むと、なんだこの香りは…?
んー、麦だ!

そう、スーパードライに使われる麦とホップが置かれています。
本来ならこれらは手に取って実際に触ることができるようなのですが、現在コロナ禍中につきかなわず、残念。

微生物によって作られるビール

さて、ここでようやく工場内を見ることができました。
まあ工場内といっても、醸造のタンクなんだけどね。

さて、ちょっとここでお勉強です。
ビールの作り方を、ざっくりと確認しておきましょう。

まずビールは、発酵食品です。ビールは、ワインや日本酒と同様、醸造酒です。

ビールの原料は、大麦です。
この大麦の中のデンプンを加水分解し、ブドウ糖にしてやる。これが「糖化」という工程です。
ビールの製造にはこれが欠かせません。
というのもアルコール発酵を行う酵母は、デンプンのままだと分子が大きすぎて食べられないからです。

そしてそのブドウ糖を酵母が食べ、アルコールと炭酸ガスに分解することでアルコール発酵する。
ビールはこのように「糖化」と「発酵」の2つの工程を持つ、単行複発酵酒です。

ではこれらを踏まえて、ビールの製造工程を。

一般的にビールは、大麦に水を含ませて発芽させ、これを熱風で乾燥させます(製麦)。
というのも麦は麦芽時に大量の酵素(アミラーゼ)を作るからです。

で、乾燥した麦芽を砕いて温水と一緒にタンクに入れておくと、発芽による酵素によって麦内のデンプンがブドウ糖へと「糖化」するのです。

そしてこの麦汁をろ過し、ここでホップを加えて煮沸。そして冷却します。

で、ここに酵母を加えて発酵タンクに入れたまま7~8日間保管。するとその間に酵母が麦汁のブドウ糖をもとにアルコール発酵を行います。
これでできた「若ビール」を熟成させ(後発酵)、最後に不純物の除去のためにろ過し、ビールが作られることになります。


KIRIN

…という説明があまりされないままタンクを見せられるので、このような微生物の知識を持っているぼくはさておき、一般の人にはそれがやもすればよくわかりません。
まあ仕方ないよね、時間もないんだし、一般の方々は複雑なそれらを聞いても「は?」となるだけかもしれませんし。

いずれにせよこのタンクは、それらを行うためのものです。
まあ実際に作業をおこなっているところは見られないのですが。

まとめ

「ぶらり、衛生管理屋」第3回目、アサヒビール茨城工場見学。
まずの前編では、「スーパードライミュージアム」見学の前半について、お話させていただきました。
次の後編では、見学の後半と出来たてビールの試飲、さらにはこの工場の防虫対策の謎ときと、そしてこの工場がある守谷市のグルメなどについても紹介させていただきます。

なお、前回も書きましたが、ぼくがこの「スーパードライミュージアム」に行ったのは実は先週土曜日、4月24日のこと。
同月20日にその存在を知り、早速予約の電話を入れたところ、この段階ではすんなり週末の予約を取ることが出来ました。
尤もゴールデンウィークに突入した今(2021年4月29日現在)どのようになっているかは知りませんが、近隣の方はこのお休み中に行ってみてはいかがでしょうか。
(注:茨城県・東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・群馬県・栃木県・山梨県在住の方に限るようです)

皆さんも連休の楽しみに、いかがでしょうか。
(緊急事態宣言対象地域は残念でしょうが)

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
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だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
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