昨今、めきめき美味しさのレベルを高めまくっている冷凍食品。
今回はTV番組で紹介されていたNO.1人気のスーパーマーケット冷凍食品、「味の素」の「ギョーザ」をレビューしてみるとともに、冷食業界が今このときまさに立たされている変革、改正食衛法の完全施工についてお話していきたいと思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。


味の素

「味の素」の冷食餃子がヤバい!?

先日、何気なく朝TVを付けていたときのこと。
TBSの朝番組「ラヴィット!」で、たまたま冷凍食品の特集をやっていたんですね。
いつもはこの番組全く見ていないんですけど、これにはちょっとだけ興味をひかれた。
というのも、スーパーマーケットの冷凍食品のトップ10レビューをしていまして。

そう、冷凍食品って特にここ近年、やばいじゃないですか。レベルえげつないじゃないですか。
下手するともう、普通にお店で売ってるレベルですらありますもんね。
しかも今やバラエティも、めちゃくちゃ豊か。
このコロナ禍で売上も爆上がりして、市場もヒートアップし、注目度も高まっている。

で、そんな冷凍食品の中で、何が本当に美味いのか。
番組では、集められた一流シェフ5人が「味の素」製の冷凍食品を実食し、アンケートを取るという企画をやっていました。
で、ここで堂々一位、というかもうブッチギリでトップに選ばれ輝いたのがこの餃子、「パリっと焼けるギョーザ」だったのです。


味の素

そう、例の広瀬すずさんのCMでもお馴染みです。

ぐはーっ!
何ぞこれ、すずちゃん可愛すぐるだろ!

すずちゃんが目の前で焼いて出してくれるんだったらんなもん黒焦げでも全然幸せに食べられる所存なんですが、いやそんなことはとにかくですね、この餃子がダントツで1位だったのですよ。

それもそのはず、聞けばこの冷食全メーカーにおいて、17年連続売上No.1がこの「パリっと焼けるギョーザ」なのだという。
そう、冷食餃子界どころか、完全に冷食界に君臨する覇王でした。
マジかよ!?
すみません、知らなかったし、食べたこともありませんでした…。

ということで、今回はこの味の素さんの冷食餃子を焼いてつまみながら、冷凍食品業界に今差し迫っている食品衛生法上の変革の波について、お話していきたいと思います。


味の素

6月から完全施工される改正食品衛生法

さ。
ここからは衛生管理屋モードに切り替えて、キリっと背を正しますよ!?

先日のこと。
「食品産業新聞」さんのニュースで、このような記事が掲載されていました。

改正食衛法が6月に完全施行、営業許可制度「一施設一許可」に、冷凍・冷蔵倉庫業は「冷凍食品製造業」に移行、新たに「複合型」も

冷食業界に関連して、営業許可制度の見直しにおいては、従来の「食品の冷凍又は冷蔵業」が「冷凍食品製造業」と「冷凍・冷蔵倉庫業」に再編され、後者は届出の対象に変わった。
さらに製造業にはHACCPに基づく衛生管理を条件に「複合型冷凍食品製造業」という業種が新設された。

そろそろ4月も下旬に向かっている今日このごろなのですが、ここから1ヶ月半もたった6月。
いよいよ再来月、2021年6月から改正食品衛生法が完全施工されることになります。

「完全施工」というのは、もうたっぷり準備期間を取ったんだからいい加減ガチでおっぱじめるからな、という話です。
泣こうが喚こうが、ハイこっから改正食衛法ガチ完全開始。
この6月1日をもってして、改正食衛法が完全施工されることになります。

改正食衛法の完全施工、というとHACCP義務化(正確には「HACCPに沿った衛生管理」)だけが取り沙汰されがちです。
まあ確かにメインであることは確かなのですが、実はそれだけじゃないんです。
これに加えて、今回のお話のメインでもある「営業許可精度の見直し及び届出制度の創立」、そして「リコール情報の行政への報告制度」、さらには「食品容器具・食品包装に対するポジティブリスト制度」なども、すべてここからヨーイドンで始まることになります。

改正食品衛生法7つのポイント
  1. 原則すべての事業者に「HACCPに沿った衛生管理」を制度化
  2. 「営業届出制度」の創設と「営業許可制度」の見直し
  3. 食品の「リコール情報」は行政への報告を義務化
  4. 特定成分等を含む食品の「健康被害情報の届出」を導入
  5. 食品容器具・食品包装に「ポジティブリスト制度」を導入
  6. 広域に及ぶ「食中毒への対応」を強化
  7. 「輸出入食品の安全証明」の充実

 

この通り、実際にはこれら7つのことが食品衛生法改正によって行われることであり、そしてそれらがこの6月1日から本格的に始まる、ということになります。

尤も、この6月からの改正食衛法完全施工は、すでに何度も書いてきたことであり、今更別に新しいことでもなんでもありません。
事実、このブログでも何度か、この食品衛生法改正に関する解説を何度か書いており、今更新しいことがここに加わっているわけでもありません。
とくにこの7つのポイントのうちの2つ目である「営業届出制度の創設と営業許可制度の見直し」についても、以前、前編・後編に分けて詳しく解説を行わせて頂いています。
よって、詳細を知りたいという方はどうぞ、こちらをお読みになってください。

ま、細かいことはこれらをよく読んで頂くとして、一応改めてこちらでも簡単にまとめておくと、ですね。
HACCP制度化に向けて、国が事業者の情報を把握するために営業許可制度を今一度整備し直そうじゃないか、というものです。
ついでに、これまで自治体ごとでバラバラだった許可業種を統一するとともに、時代の事業実態にあった営業許可制度にしようじゃないか、というのが目論見だというわけです。

というのも、なにぶんこの営業許可制度というのは、昭和47年から見直しが全く行われていなかった。
そのため、多様化・情報化・高度化している今の食品業界の実態とは著しくかけ離れたものとなっていたんです。
そこで、いい機会なのでこの食品衛生法の一大改正にあわせて、これらも改めて整備していこう、ということになったのです。

冷食業界の営業許可はどうなるのか

さて、ここで再び紹介したニュースに戻ります。
今回挙げたニュース記事は、こと冷凍食品業界に向けた話となっています。

めたくそ当たり前な話なんですが、この営業許可制度の整備は全ての食品業界において行われる話であって、何も冷食業界のみに限った話ではありません。
よってこの記事は、あくまで冷食業界の方々に向けて、「改正食衛法の完全施工によって、冷食業界はこのように変わります」ということを書いたものに過ぎません。
ただし、その中でも確かに冷食業界は、この営業許可制度によって再編が大きく求められている業種の一つであるため改正法の影響が大きく、よって改正法への業界の対応例として取り上げるのには、それなりにうってつけのものであるのは間違いありません。

というわけで、ここでの冷食業界の対応を見ていくことにしましょう。
まずは、改正法での営業許可制度改正によって行われる、冷食業界の対応ポイントを判りやすくまとめてみるとします。

冷食業界の営業許可制度改正に対する対応
  • 従来の「食品の冷凍又は冷蔵業」から、冷食の製造業である「冷凍食品製造業」と、「冷凍・冷蔵倉庫業」に再編
  • うち「冷凍・冷蔵庫倉庫業」は、許可業種から届出業種に移行
  • 「冷凍食品製造業」に加えて、「複合型冷凍食品製造業」という業種が新設された
  • ただし、これまでのように冷凍食品製造において必要とされていた「そうざい製造業」の許可は不要になる

 

まず、これまで冷凍食品というのは「食品の冷凍又は冷蔵業」という業種でした。
しかしこれには、一般的なそうざいなどの冷凍食品の製造業に加え、魚介類の冷凍冷蔵に関わる業種なども含まれていたのです。
というのも、これまでの「食品の冷凍又は冷蔵業」の法的定義は以下のようなものだったのです。

「食品の冷凍又は冷蔵業」の定義
  • 冷凍食品の製造又は魚介類を冷凍又は冷蔵する営業をいう
  • 冷凍食品とは、「製造し、又は加工した食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、魚肉練り製品、ゆでだこ及びゆでがにを除く。以下同じ。)及び切り身又はむき身にした鮮魚介類(生かきを除く。以下同じ。)を凍結させたもいの。」とされている
  • 冷凍した食肉や冷凍した鮮魚介類の販売には、それぞれ食肉販売業や魚介類販売業の許可が必要となる

 

と、このようになっていたのです。
しかしそれが、6月からは一般的な冷凍食品製造を行う「冷凍食品製造業」と、冷凍・冷蔵の倉庫業である「冷凍・冷蔵倉庫業」へと再編されることになります。

そして、この「冷凍・冷蔵倉庫業」においては、これからは許可業種ではなく、届出が必要な届出業種と移行することになります。
「届出」の場合、「許可」とは違って施設基準などはありません。
届出者の氏名や施設の所在地、営業形態、扱い食品情報、そして食品衛生責任者名などを書いて届け出るだけでよくなります。
つまり、より簡易的な手続でできるようになるわけです。
ちなみにこれらは自動的に移行されるため、各事業者の手続は必要ありません。

一方、冷食の製造業はどうなるのか。
こちらはちとややこしいのですが、「冷凍食品製造業」だけでなく、新たに「複合型冷凍食品製造業」が新設されることになります。
つまり、冷食の製造業者は自身の業態にあわせて、「冷凍食品製造業」か「複合型冷凍食品製造業」かの許可が必要になります。

この2つの業種の説明は、それぞれ以下のようにされています。

「冷凍食品製造業」と「複合型冷凍食品製造業」
  • 「冷凍食品製造業」とは:そうざい製造業に該当する営業で製造されるそうざいの冷凍品の製造を行う営業
  • 「複合型冷凍食品製造業」とは:冷凍食品製造業を行う者が、HACCPに基づく衛生管理を行う場合に限り、冷凍食品製造業と併せて食肉処理業において処理された食肉、菓子、麺類、水産製品に関わる食品の冷凍品の製造を行う営業

 

うーん、なんだか判るような判らないような説明かもしれませんが、要するに一言でいうと「複合型冷凍食品製造業」にはHACCP必須条件だ、ということです。

このように、なんだかややこしげな営業許可見直しですが、しかしこの改正はあれこれと複数業種の許可が必要だったこれまでの許可制の見直しという目的も含まれています。
つまり、ありがたいことにこの改正は「一施設一許可」を原則と掲げています。
結果、今までのようにこれをやるならあれもこれもそれも許可が必要だというような手続き上の無駄をなくす、という狙いを果たせるようになるとのことです。

例えばこれまでであれば、(それこそ冒頭の冷凍餃子のような)スーパーマーケットなどでの冷凍そうざいの製造を行う営業許可には、従来の「食品の冷凍又は冷蔵業」に加えて、「そうざい製造業」の許可が必要でした。
しかしこれからは、「冷凍食品製造業」の許可一つですむ、ということになります。
ちなみにここには、小売販売用に包装された農水産物の冷凍品も含まれています。

一方、要HACCPな「複合型冷凍食品製造業」ですが、そうした高度な衛生管理を行っているよという条件として、この営業許可によって菓子、麺類、水産製品(魚肉練り製品を除く)の製造許可、あるいは食肉処理の許可が不要になります。

まあ、ややこしいながらも、そうした再編の意義は大きい、ということころでしょうか。

味の素の冷凍餃子を食べてみる

さあ、勉強の次は実学です。(?)
実際に番組で報じられていた「味の素」の冷凍餃子、「パリっと焼けるギョーザ」を食べてみることにしましょう。


味の素

なんでもこの「味の素」の「パリっと焼けるギョーザ」、ここ15年で売上規模を3倍近くにまで伸ばしており、また冒頭でも触れた通り国内冷食売上日本一、しかもそれを17年間連続で取り続けているという正真正銘の化け物冷食、まさに冷凍食品界の不屈の覇者だったりするのです。

ちなみに今回の冷凍食品を作っているのは、天下の味の素さん。
これだけの規模の大企業ですから、製造工場は「複合型冷凍食品製造業」の許可が今後は必要となることでしょう。

さて、近所のヤオコーに早速寄ってみると…。

おお、さすがは業界トップの冷食そうざい王。
がっつりと大量に置かれ、最も目立つ第一線を堂々と陣取っています。
あ、あれ…
もしかして、この餃子ってみんな知っている存在なの?
もしかして知らなかったの、ぼくだけだった…?

これに加えて、ランキング2位の「ザ・シュウマイ」もご購入。
今夜はこれをアテに、一杯やるとしようか。

帰宅後、早速餃子を開封。
これはフライパンで焼いて食べるという。
調理のひと手間は必要だが、しかし油も水も不要とか。
それでパリッパリの羽根付き餃子が楽しめるという。
どうやら餃子の下に、「羽根の素」が付いており、それが加熱によって溶け出すのだという話。
成程、よくできている。


味の素

さ、それでは早速作ってみるとしましょうか。

フライパンで加熱すること5分程度。
おお、確かに水分が出てきてる。これが「羽根の素」か。
この「羽根の素」をパリパリになるまで加熱。
初めてなので火加減がよく判らないけど、中火で、うーん、まあこんなもんかな。

はい、完成。

って焼きすぎだろ!
めちゃ焦げとるやん。
すずちゃんに全く及んでないよ。

一方のシュウマイは、レンジで袋ごとチンするだけ。
こりゃ楽でありがたい。

では試食。
嫁さんの作ってくれた自家製メンマや自家製ナムルと一緒に、乾杯。
今回のお供は、初めて買ってみた、サントリーの「パーフェクトサントリービール」。糖質0のありがたいやつ。
そして、今宵は「若波 純米吟醸」を。

では、餃子からいただきます…。

うん、美味い!
美味いよすずちゃん。
焼き具合はすずちゃんに全く及んでないけれど、でも十分に美味いようちの餃子も。

ほどよくもっちりとした皮に、パリっとした羽根。
…正直、焼きすぎたからパリっと感は少ないけれど、でもこれはぼくの責任だ。
ハイ、次からは気をつけます…。

そして肉の味わい。
にんにくも程よく効いていて、しかも強すぎない。
王道。
あくまで、王道の味だ。
つまりは、普通。
だけどこれ、例えばラーメン屋なんかで出てきても、多分ぼく、普通に「美味い」と思って食べると思う。
多分、いやマジで冷食だと言われるまで絶対にわからないんじゃないだろうか。

そんなものを、おうちで、しかも買い置きしておけばお腹へったいつでも、たった5分少しフライパンで加熱するだけで食べられるってのもすごくないすか!?

さて、次はシュウマイ、いってみようか。
こっちはレンジで温めるだけで調理ができる。ありがたい。

では、こちらもいただきます…。

あ、これも美味い。
かなり、いや、相当美味いぞ!?
いや待てよ、
個人的な、これはあくまで個人的嗜好なんだけど、さっきの餃子よりもぼく、こっちのが好きかも。いや好きだわ、美味いわこれ!
ごめんなさい、すずちゃん。

じゅわーっとした豊潤な肉汁の広がり。
タケノコなどの具の食感と、マッチ感。
凝縮された旨味が噛むと炸裂する。
そして当然ながらその旨味がビールもさることながら、日本酒にすらめちゃくちゃ、合う。
あー、これ店に出されても判らないどころか、絶対におかわりするわ、ぼく。
これ、レンチンでできるの?嘘だろおい!?

うーん、改めてだけど、冷凍食品侮りがたし。侮りも何も、やっぱり美味いわ。
おかげですっかりお酒も進んじゃった。
あかんぞ、平日から実にあかんぞもし。
んじゃ、もう一杯だけ…。

まとめ

今回は「味の素」の冷食帝王「パリっと焼けるギョーザ」を試食するとともに、この6月に待っている改正食品衛生法の営業許可制度の見直しについて、特に冷凍食品業界の対応についてお話させていただきました。

当然ながら、改正食品衛生法の営業許可制度の見直しは冷凍食品業界のみに限った話ではなく、広く食品産業全般を対象としたものです。
よって他業種などについても、今後も触れていきたいと思います。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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