先週金曜日、先日1月22日に、第5回となる「スマート工場EXPO」に行ってきました。
今回はそのレポートや感想などをお伝えいたします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

第5回スマート工場EXPOに行ってきました

緊急事態の最中ではあるのですが、これも大事なお仕事。
というわけで、先日1月22日、東京ビッグサイトで開催された「第5回スマート工場EXPO」に行ってまいりました。

ちなみにぼくが参加したのは、三日間開催の最終日でした。

この「スマート工場EXPO」というのは、工場のスマート化、DX化に関わる最新技術を集めた展示会です。
別に食品工場だけというわけではなく、広く製造業に開かれた展示会となっていました。
会場は、東京ビッグサイト。
2021年1月20日から22日までの3日間開催されており、「IoT/AI/FAによる製造革新展」というテーマのもとに、1,006社の企業が出展。
といってもこれは同時開催されていた展示会と合わせてのものとなるようです。

というのもこの展示会は例によって、幾つかの製造業に関わる展示会と一緒に開催されており、会場内は自由に行き来できるようになっていたのです。
まずここ青梅会場では、製造業ロボットをテーマには「ロボデックス」が開催。
さらにビッグサイトの西・南展示棟では、エレクトロニクス開発をテーマとした「ネプコンジャパン」や、車をテーマにした「オートモーティブワールド」が開催されており、さらにこれらの中でも幾つかの展示会が行われる、などというように、今回は結構大々的に開催されたのです。
まあ、そっちはぼくは行ってはいないし、関わりもないのでよくわかりませんが。

「スマート工場」とは

さて、そもそもスマート工場って何よ?という人もおられるかもしれませんね。
「スマート工場」、あるいは「スマート・ファクトリー」という言葉を見聞きするようになったのは、それほど前ではなく、恐らくは5、6年前くらいからなんじゃないかな、と思います。
ぼくはスマート工場の専門家でも何でもないので、説明は簡単かつ表層的にしか出来ませんが、ざっくり言うなら製造業のDX化です。

「コトバンク」から引用すると、こうなります。

高度なファクトリーオートメーション(工場自動化)を実現した上で、工場内の機器や設備を相互にネットワーク(インターネット)で接続し、IoT (Internet of Things:設備と設備、設備と人をネットワークで接続する) 化することで生産革新を実現する工場。

(略)

(コンピューターを利用した第3次産業革命に対し)更にこれに引き続き、人工知能(AI)やビッグデータを使ってものづくりやサービスの生産性を高める第4次産業革命を起こすとする。
IoTにより、工程や品質、進行状況など様々な情報のやり取りを行う「見える化」「つながる化」をもって、相互に連携を深め協調して働くことのできる次世代型のシステムの構築が可能となるという。
また、単なる大量生産ではなく、顧客のニーズに細かく対応できる柔軟な製造システムが組めるとする。

うーん、よくわかんないけれど、最近流行りのIoTとかAIとか無人ロボットとかそういう最新テクノロジーによって工場の生産効率を高めたりするのかな。
そのくらいの理解でええかと思います。
思いますというか、ぼく自身がそのくらいの理解です。

まあ色々と言われてますし、企業は夢のようなことを並べていますが、実際のところ見た感じ「スマート工場」化というのは、少なくともこの現在においてはまだもう少し先の話のように思います。

ウィズコロナの展示会

さて、実際に会場に行ってみると。
この緊急事態宣言下の開催であったこともあってか、来客数はそれほど多くはないかな、といった印象でした。
尤も、もしかしたらこの日がたまたまだったのか、あるいは西棟や南棟での開催展示会ではそんなことはなかったのかもしれませんが(行ってないので知りません)、こちら青海会場での「スマート工場EXPO」に関しては割と空いてるなあ、という感じ。
ちなみに、開催社によれば三日間で14,804人が来場した、とのこと。

まあそれは正直どうでもいいんですが、興味深かったのは「展示会のオンライン化」、つまりは「展示ブースの無人化」です。
結構多くの企業が、「緊急事態宣言中につき無人化しています」として、社員を置かず、パンフレットをただ置いていたり、あるいはオンラインで対応するだけとなっていたり、としていました。
まあ最新IoTテクノロジーに関わる企業が多いから、というのもあるのかもしれませんが、とにかくそんな「展示ブースの無人化」が目立っていました。

さらにぼくが出たセミナーでは、なんと講師がリモートで講習。

これって、もう、展示会来なくてよくない!?
展示会ももうオンラインでよくない?

実際に展示会のオンライン化はこのコロナ下でもかなり進んでいるのですが、しかしこうやって目の辺りにすると本当にそんなことを考えさせられます。

工場のスマート化の実情とは

さて、様々な最新技術によるスマート工場サービスや商品を見させていただきました。
ぼくは食品製造、しかも食品衛生の分野しか知らないので、他のことについては専門家におまかせします。

で、そのうえでの感想、ぼくがここで実感したポイントなどを以下、いくつかお話します。

とっくに始まってる検品工程のAI化

まず、「検品」というのはこれから完全にAI化していくだろう、と改めて実感させられました。
「これから」というか、もうすでに始まっていることですね。
何よりこういうマンパワーありきの、しかし非常に重要ながらそれゆえにムラが生じやすい作業というのは、まさにDX化の独壇場。
すでにあちこちの企業でAIを用いた検品システムを作っており、実際の導入実績なども出しています。
やがては製品の検品もさることながら、原材料の検品や加熱後の検品など、あらゆる検品工程においてそれが進むことでしょう。

そもそも今や異物検出の技術はかなり高まっています。
金属探知のみならず、それ以外の異物検出技術もここ10年くらいで大きく高まりました。
これらをAI化することは、検品精度を大きく高めることになるでしょう。
さらにこれらに加えて、製品異常などの検出など、検品工程のAI化のメリットはかなり大きくなるはず。

しかしながらこうした技術は、作ること自体はさておいて(知らないですが笑)、実際の現場導入で使い物になるかどうかが難しいもの。
現段階ではまだまだとても、というところでしょうが、それもまた時間の問題なのでしょうね。

帳票のデジタル化はやがて食品業界の常識に

IoT化、ネットワーク化が進むにつれて、ペーパーレスもまた同時進行していくことでしょう。
そしてやがては、帳票の多い食品業界においてもこれらのほとんどがデジタル化していくのは当然の流れ。
今は紙ベースでどこでも行っている帳票類ですが、これもそう遠くない先にはデジタル化がなされるはず。
そしてこれらのデータ管理も、AIなどで一元化され、本社部門などでビッグデータ化する、なんてこともあるのでしょうね。

IoTによる食品トレーサビリティ精度の劇的な上昇

そしてこれらが進むことで、トレーサビリティ技術も急速に高まっています。

トレーサビリティとは本来、「食の安全安心」が問われた2000年代初頭、ぼくらの食品衛生業界でどこよりも先に問われていた問題です。
こと食品トレーサビリティにおいては、ブロックチェーンによる記録透明性の担保が重要だったわけですが、しかし実際には複雑なサプライチェーンの追跡というのはそんな簡単なわけでもなく、またこれらも結局は人間が紙とペンで行うものであり、それゆえの問題を孕んできました。

しかしあれから20年、ようやくここにきてテクノロジー技術がその精度をもう一歩進めてくれつつあります。
原材料から製品までの社内における内部トレーサビリティは勿論ながら、最も難しい他業者をまたいでのトレース技術がIoTなどで可能になれば、それこそ理想的な生産から製造加工、物流、そして小売までをトレースすることが出来ます。
そこまでしてこその本来のトレーサビリティなわけですから、これらがもたらすメリットは社会的にも大きいことでしょう。
勿論、企業側においても事故時の原因究明や回収対応は勿論のこと、需要供給の予測データ化というメリットが生まれるようになるかもしれません。

現段階ではまだせいぜい温度管理の一元化、くらいしか出ていませんが、しかしその後様々な広がりにも期待出来るんじゃないかな、とちょっと思っています。

製造業の現場を判っていないIT企業

とはいえ、です。
ブースを回って、話を聞いたり、商品を見て、やはり思うのは、今はまだ過渡期、いやそこにすら至っていないような「まだまだ」感です。

いや、ぼくはほんと食品衛生、食品製造の現場しかわからないので、もしかしたらそうでもないのかもしれません。
ですが、少なくともぼくらの世界からすればやっぱり商品としてはまだまだ「これじゃない」「そこじゃない」といったものを多く見かけました。
HACCPビジネスなどでも何度か話してきましたが、多くの他業種が、製造現場のニーズをつかめきれていないように思います。

セミナーの感想

今回の展示会では、もう最初からこれを見たい、と目星をつけていたセミナーがありました。
それが、三日目の「三品産業におけるロボット・AIイノベーション」です。
というのも、ここでは「キューピー」の生産本部の人が出て、自社のスマート工場化の取組事例について話される、ということでちょっと楽しみにしていたのです。

確かに、このセミナーが開催三日間のうち、唯一の食品工場事例の話だった、というのもあります。
あるんですが、んじゃどの食品メーカーでも良かったのか、というとそういうわけでもない。

というのも、あのマヨネーズなどの調味料で知られる大手食品メーカー「キューピー」は、当業界に先駆けて他社よりいち早くAI技術による検品技術の開発に力を入れており、数年前からがん材料のじゃがいもの不良品除去のためのAIシステムを工場生産に組み込んで実績を出しているのです。


キューピー

しかもこの新技術によってキューピーは、政府(内閣府)の主催する2019年の「第2回 日本オープンイノベーション大賞」において、他の産業ジャンルに並んで「農林水産大臣賞」を受賞しています。


内閣府

これ以上のことについては年始に書いたこちらの記事に詳しいので、そちらを読んでみてください。

いずれにせよ、そんなわけで「食品衛生のDX化」「食の安全におけるフードテック」の先駆けといったら、このキューピーさんは適役といえるでしょう。
それを手掛けた担当者さんの話が聞けるというのだから、ちょっと期待したくなるところです。

というわけでぼくも少しばかり楽しみにしていたのですが、なんと講師は当日、リモートでの参加。
いや別にリモートだから駄目、というわけではないんですが、途中何度も何度もブツブツと回線が落ちたり、資料が見えない、というトラブル続き。
うーん、なんとも中途半端な講習となってしまいました。

ただし一点なるほどと頷かされたのは、「こうした最新技術というのは一企業だけで開発して完結するものではない」という話です。
ではなく、共有され、広がることによって新しい技術というのは進化していくのだということをキューピーは実際に実践しており、その点には非常に共感が持てました。

展示会を終えて

先のセミナーを終えて、夕方にも展示会は終了。
いつもだったらここでどこかに寄って一杯…なんてなるところですが、さすがに今は緊急事態宣言下。
ここはやっぱり真っ直ぐおうちに帰って、セルフ打ち上げ。

仕方ないですね。
んじゃ、自宅で「お疲れー。」
高薙家の今夜は、おでん。寒い夜の最高の楽しみです。

さて晩酌をしながら、頂いたパンフレットを整理しつつ、お土産も広げていきます。
各ブースを回っていると、結構色々なノベルティや無料サンプルなどをいただくものです。
そんな、本日の戦利品がこちら。
今回もぐっと少なめ。

ベトナム最大IT企業の日本法人「FTPソフトウェア」さんのボールペン。
高薙嫁が、ノベルティのわりに書き心地が悪くない、と気に入ってもっていかれてしまいました。

それからネットワーク機器総合メーカー「アライドシステム」さんの、消せる黒赤ペン。
これは、高薙娘ちゃんがお勉強用に持っていきました。

そして、ペーパーレス化、IoT化のためのタブレットを提案するネットワーク機器で知られる「エレコム」さんのこれは…タブレットだけに、ミントタブレット!
くだらねえーーーーっ!(笑)。
い、いや、勤務中の気分転換にありがたく頂かせてもらいます。

まとめ(と次回開催予定情報)

今回は「第5回スマート工場EXPO」の感想、レポートなどについて、お話させていただきました。

ちなみにこちらの展示会は、次年度もすでに計画が進められているようで、来年2022年の1月に第6回を予定している、とのこと。

第6回スマート工場EXPO
  • 【開催展名】第6回スマート工場 EXPO -IoT/AI/FAによる製造革新 展-
  • 【会期】2022年1月19日[水]~21日[金]
  • 【会場】東京ビッグサイト
  • 【主催】リード エグジビジョン ジャパン 株式会社
  • 【併催企画】スマート工場 EXPO セミナー

 

ご興味ある方はぜひお楽しみに。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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