さあ、いよいよ大晦日。2020年もこれにて仕舞い。
そこで今回はこの2020年を振り返りながら、年末のご挨拶とさせていただきます。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日…では今年はなかったですが、2021年にはできるだけ毎日、皆様にお教えしています。

2020年を振り返る

本日は2020年12月31日。
大晦日、と言われる日です。

つまり2020年も残すところ、あと今日一日。
そこで今日は2020年という年は、食品衛生においてどんな1年だったのか。
を改めて振り返ってみることにしましょう。

今日はね、もうできるだけサクサクいきますよー。
そう、まるで年越しそばの後のせ天ぷらのようにね!(うるさい)

新型コロナウイルスに揺さぶられた2020年の食品業界

思えば、日本のみならず、それこそ世界中が新型コロナウイルスによって、右往左往された1年がこの2020年でした。

当然、食品業界においてもその影響は免れません。
多くの食品メーカーと毎日接しているぼくが知る限り、食品業界もまた大きく揺さぶられた一年でした。

より具体的に、そしてはっきりと、言うのであれば、食品業界はこの新型コロナウイルスによって大きく二極化されました。
それは、「新型コロナウイルスの影響によって特需を得たメーカーと、ダイレクトにその影響を受けて大打撃を受けたメーカー」です。

緊急事態宣言、そしてステイホーム。
そんな巣篭もりへの流れを受けて、皆が外食を控え、また旅行を極力しなくなり、イベントが延期・中止され、そして皆がうちでご飯を食べる機会が増えるようになりました。
その流れは、やもすれば今もそれほど変わってないのかもしれません。
そりゃ以前に比べれば外食もできるようになったし、テイクアウトも増えた。
でもこの年末の忘年会、年始の新年会は中止であるところも多い、というかほとんどであることでしょう。

事実、「一般社団法人日本フードサービス」は最新11月の「外食産業市場動向調査」結果報告において、外食産業の全体概況として、新型コロナウイルスの新規感染者数増加の急増のため客足が遠のく傾向が進んでおり、10月に見えていた回復への期待が失速しており、全体売上が低下していることを指摘しています。

 

このように、「食べる」ということに直接的に関わってくるのが、このぼくらの生きる業界です。
生活が変われば「食べる」も変わります。
「食べる」が変われば、大きな変動にさらされるのがこの業界です。
ではどんな変動があったのか。

当然ながら人間が食べる量自体は、変わらない。
ということは、その「食べているもの」のバランスが変わった。
つまりこの新型コロナウイルスによって、より食べられるようになったところと、食べられる機会が激減してしまったところが大きく出てしまった。
それがこの1年でした。
具体的に言うなら、飲食店の営業自粛や消費者の外食離れにともなう外食の需要激減と、弁当総菜、冷凍食品などの「中食」、素材を使っての家庭内調理で食べる「内食」の需要拡大です。

勿論、あの緊急事態宣言の頃に比べたら生産、出荷はようやく戻ってきた、というところも多いでしょう。
でも1ヶ月や2ヶ月、売ることが出来ないため作るに作れず、やむなく工場を止めていた。
そんなところだって少なくはありませんでした。

では、実際にどのような食品メーカーが業績を伸ばし、そしてどのような食品メーカーが業績をやむなく落とすしかなかったのか。
もう少し具体的に見ていきましょう。

まず業績が伸びたのは、言うまでもなく「家庭用食品」、つまり自宅での食事を前提とした商品を作っているメーカーです。
例えば、顕著だったのは保存の効く冷凍食品や即席麺、レトルト食品やスナック菓子類、パン類やコンビニ弁当、牛乳・乳製品やハム・ソーセージなどの食肉加工など、スーパーで販売されている食料品を手掛けているメーカー。
あるいは、お取り寄せや通販、お届けものなどに関わる食品。
家庭での料理に使う調味料や、材料に関わる食品。
特にこれらは一斉休校、緊急事態宣言などが続いた3~5月、スーパーマーケットなどに購入を求めて消費者が殺到。
備蓄のために多くの加工食品に、その需要が拡大し、一時店頭から商品が消えるといった騒動が繰り返されていました。
そういえば、あの自粛期間中、バターや、小麦粉、ホットケーキミックスなどが品薄になっていたことを思い出すとおわかりかとおもいます。

こうしたメーカーは、緊急事態宣言時に大量に購入されることになりました。
さぞかし工場もフル稼働だったことでしょう。
どちらかといえば食品メーカーというのは、こちらサイドのところが多いはずです。
ぼくの感覚では7割位がこっちなんじゃないかな。
尤も、勿論ですがその新型コロナウイルスの恩恵(やな言い方だな!)の程度は、業種ごとに違うでしょうが。

ちなみに、インスタントラーメン業は過去最高レベルの売上を挙げているところが多いようですね。
なんでも日清食品ホールディングス、東洋水産などの4-9期利益は過去最高なんだとか。

 

しかし一方で、残り3割(てぼくの感覚ですが)。
いわゆる「業務用食品」は大きなダメージを受けたかと思います。
とにかくこの2020年というのは、外食需要が壊滅的な状況に追い込まれていました。
例えば、時期の宴会、歓送迎会などの催しや企業の懇親パーティ、団体観光での食事会、そして4000万人が目標だっら訪日外国人観光客によるインバウンド需要。
これらで見込んでいた収益が全て蒸発したのですから、これはもうたまったもんじゃない。

例えば、外食産業に卸していたメーカー、あるいは観光地への遠出や旅行を前提に販売されるようなメーカー。
これらは飲食店同様、かなり手痛い業績となったことでしょう。

あるいは、インバウンドビジネスに関わっていたようなメーカー。
例えば、チェーン店で調理される食品を作っていたり、観光地でのおみやげ品、ホテルなどでの食事、そこに至るためのお弁当や食事を作っていたりといったメーカーにもまた、苦しい日々が続いていたかと思います。
いや、こちらは今もなお、苦労されているかもしれませんね。
実際、彼らの中では、この年末年始の見込みが取れないところも少なくありません。
また緊急事態宣言時はデパートも閉まっていましたから、そこで売られるものを作っているメーカーさん、例えば高級スイーツ屋さんなども大変でしたね。

勿論、同じ社内においてもこっちの商品は大きく売れたけれど、こっちの業績が落ちてしまった、なんてところもあります。
外食産業をも手掛けていたメーカーを筆頭に、それらの双方に関わる商品を展開していたメーカーです。
彼らは微妙なところでしょうね。その割合次第かと思います。

このように、新型コロナウイルスで食品メーカーは大きく二分され、そのどちらかに影響を受けた一年だったかと思います。

2020年の食品衛生業界はどうだったのか

「よその業界だけでなく、お前のところはどうなんだ」
と、ここまで話すと言われそうですね(笑)。

ということで、ぶっちゃけこの業界のことを話しましょう。
結論から言えば、そう大きくは変わらない、でも正直に言えばまあ少しばかり需要や注目が高まったかな、といったところです。

コロナがあろうがなかろうが、食品の流通量、人が食べる量自体は変わらないです。
この点において、我々の業界の恩恵も影響もそれほどありません。

ですが、意識が変わりました。
これは大きく変わりました。
手洗い、微生物対策、従業員の個人衛生、これらの教育やシステム構築。
こういうところは以前とは比べ物にならず高まっており、これらに対する相談は大きく増えています。

それから、検査依頼のニーズも大きく高まっています。
まあ、そりゃそうですよね。こういう時代ですから。

そういえば「PCR検査」なんて、今や田舎のおっさんでも言葉として知っていますよね。これ、凄い時代だなって思います。
というのもPCR検査ってのはご存知の通り遺伝子検査(ってこれを「ご存知」と言う自体が隔世の感しかない!)なんですが、これまで食品検査の世界でも、例えば遺伝子組み換え食品検査やアレルギー検査、カビなどの微生物同定検査などでしかやらないマニアックな検査でしたからね。
だって、去年の今頃に「PCR検査って知ってる?」と聞いて「ああ、遺伝子のDNA配列の検査でしょ」と答えられる人なんて、ほぼ存在しなかったんですよ!?

 

尤もこの業界は、次でお話するHACCP制度化との関わりのほうが新型コロナ云々よりも、遥かに影響が大きいです。
そういう意味では、むしろこれから、完全義務化がなされる来年以降の制度の広がり次第なのではないでしょうか。

それと、うちは物売りではないので全く他人事なんですけど、やっぱり衛生関連グッズは飛ぶように売れたみたいです。
アルコールやマスク、体温計は勿論ですが、割と意外なところでは殺菌ランプや洗浄機械、手洗いチェッカーなどなど、意外と恩恵を被ったところも多いようですね。
施設内に除菌設備を入れるところも増えたので、こうした業務用の消毒、除菌設備も飛ぶように売れてましたね、傍目で見てましたが。

…まあ、こりゃ他人ですからぼくには微塵も関係ないけど。

改正食衛法施行とHACCP制度化の2020年

思いがけない新型コロナウイルスによって、全国の保健所はその対応に追われていたことでしょう。
PCR検査不足だ云々と騒がれていましたが、実は保健所こそが逼迫し崩壊しかけていたんだ、なんて話を直接に職員さんからぼくは後に聞きました。

ていうか、少しでも考えてみれば、そりゃあそうでしょう。
だって、今年この2020年は改正食衛法、そしてHACCP制度化元年です。
オリンピックの開催とともに、保健所のリソースだってそっちに向けようとしていたところに、まさかのコロナウイルスです。
この一年、どうもお疲れ様でした。
というか、今も頑張って頂いてありがとうございます。
彼ら厚労省の行政の頑張りを見て知ることは非常に少ないと思いますが、商売柄つきあいのあるぼくからすれば、本当によくやってくれているなあと、感謝しきり。

おっと、話が逸れました。
先に触れたようにこの2020年というのは、2018年の食品衛生法の大改正を受けてから2年、その改正食衛法の施工がなされた年でした。

そして、中でもその柱となっているのが、HACCP制度化です。
コロナウイルス大直下、緊急事態宣言は解けたものの、未だ皆が得体のしれないウイルスに騒いでいる最中の6月。
改正食衛法とともに、いよいよスタートしたのがHACCP制度化でした。
これを感慨深くない、と言ったらやっぱり嘘になります。
ぼくがこの仕事に関わったときは「HACCP何それ?」という世でしたからね。

その結果、このブログで以前書いたように(↓)、今年の7月時点調査で多くの事業者がHACCPにガチで取り組むようになった。これは確かですし、「導入に動いている事業者が(導入済み+導入途中)34.5%から40.5%に急増した」と、そのデータにも現れていました。
しかしその一方で。
よくよく見てみると、HACCP導入未定事業者が増えた(18.9%から25.9%に)という事実も、またそこにある。
尤もこれは昨年秋調査の結果なのですが、しかしそれでも翌年6月にはHACCP制度化が本格的に始まるというのに、導入が未定だという事業者が増えていたわけです。
実はこれが食品業界の現実でした。

 

そして、あれから半年。
それなりに世には浸透したであろうHACCPは、この猶予期間を終えて来年6月、本格的に完全制度化が始まります。
行政もそれに向けて大きく進展を進めていくことでしょう。
これらの動きについては、引き続きぼくらも注目していきたいと思います。

まとめ(年末のご挨拶)

今回は、2020年の年末のご挨拶をも含めて、この食品衛生の1年を振り返ってみました。

皆さん、今年一年、微弱なこのブログを読んでいただきありがとうございました。
申し訳ないことに時折、更新が遅れてしまったこともありました。
にも関わらず、読み続けていただいている方々には感謝しかありません。

ところで、ぼくはこの世界でトップの衛生管理屋になる、と心に決めています。
というか実を言えばもうそのくらいは技術的、知識的にも身につけているんじゃないかって思うときもないわけでもないのですが(笑)、いやいやそれでもトップを狙うには、まだまだ研鑽が足りません。
ですから、その夢に向かって、次の2021年も全力で走っていきたいと強く思っています。
そしてそのためにも、このブログにも最新の情報や知識をここに書き続けていこうと思っています。

どうぞ皆様、引き続きご贔屓にしてくれたら嬉しいです。
皆様、今年一年、どうもありがとうございました。
そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。

以上、このようにここ一年も、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話してきました。
次の20221年も、明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?