これを書いている本日は、2020年12月24日、クリスマスイブです。
そしてもう数日すれば年末です。
しかしそんな楽しいクリスマスや年末年始でも、意外と食品事故が起こることもあります。
そこで今回は、クリスマス・年末年始と食品事故について、お話していくことにします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

楽しいクリスマスや年末年始にも起こる食品事故!?

さあ、12月24日。今年もまたこの日がやってきました。
そう、クリスマスイブです。
皆さんはどこで、どのようにクリスマスを過ごしていますか?
家族と、恋人と、友人と、同僚と、あるいは一人で。

確かに今年は新型コロナウイルスもあって、いつもよりは都合が違うかもしれませんが、それでもお店やおうちで美味しいお酒を飲んだり、美味しいものを食べ、楽しくお過ごしかと思います。

またもう少しすれば年末年始ですね。
これもまたちょっと今年は事情が違うかもしれませんが、家族や昔の友人に会ったり、あるいはおうちでゆっくりと楽しく過ごしたり、なんて人が多いことでしょう。

しかしそんなクリスマスや年末年始にも、時として起こりうるのが食品事故というものです。
ではどんな食品事故が、クリスマスや年末年始には起こる危険があるのでしょうか。

クリスマスにも起こる食中毒、カンピロバクター

皆さん、クリスマスのディナーと言ったら、どんなメニューを想像するでしょうか。
やっぱり一番人気といったら、チキン、鶏料理じゃないですかね。

例えば、ローストチキン。
よく漬け込んだ鶏の骨付きもも肉や丸鶏を、野菜などと一緒にオーブンで焼き上げる。
うちの子供たちも喜んで食べてくれるので、ぼくも毎年よく作ります。

さてそんなクリスマスの人気者である鶏肉ですが、その鶏肉に関わる食中毒といえば、やはりカンピロバクターでしょう。
「カンピロバクター」というと、夏に多い食中毒のイメージがあるかもしれませんね。
なるほど確かに冬季はそれに比べれば多いわけではありません。
ですが、クリスマスや年末年始など人が集まり、ディナーや会食などをする機会などには、例え真冬であろうとも起こる可能性は否定できません。

実際、このように千葉県内で先日、カンピロバクターの食中毒が発生したばかりです。

 

カンピロバクターというのは、もともと動物、例えば牛や豚、鶏などの家畜、鳥類、さらにはペットなどの腸管内に生息している食中毒菌です。
しかし鶏をはじめとした多くの動物には何も害をなさないため感染している鶏は異常な症状も示さず、よって鶏肉の生産段階での汚染は発見が極めて難しいし、汚染も広がりやすいのです。
事実、2014年に行った関東近県での市販鶏生肉のカンピロバクターの汚染調査では、なんともも肉で42%、胸肉で40%が陽性だったというほどです。

さらに言うなら、一般的に国産鶏肉は冷凍よりも冷蔵状態での流通が主流です。
凍結すれば菌は著しく減少することは知られているのですが(そのため冷凍品がほとんどである輸入鶏肉は、カンピロバクターの汚染が少ないといわれています)、やっぱり美味しく新鮮な国産が食べたいというもの。

そしてカンピロバクターは微好気性菌ですから、空気に触れているとやがて仮死状態になっていきます。
要は、新鮮な鶏肉のほうがカンピロバクター菌による汚染リスクが高いということ。
つまり美味しい新鮮な国産鶏のほうが、カンピロバクター食中毒は危険であるということになるのです。
いかに鶏肉の生食が危険であるかが、ここからもわかるでしょう。

ただし空気や乾燥、熱に弱いカンピロバクターは、通常の加熱調理で十分食中毒を防ぐことができます。
ですので、ほとんどのカンピロバクター食中毒は、生食もしくは加熱不足が原因だったりします。

チキンの皮部にいるカンピロバクター

先のように、カンピロバクターは何も鶏の腸管内にのみ生息しているわけではありません。
牛や豚の腸管にも同様に生息している食中毒菌です。
ではなぜ、鶏でのカンピロバクターの食中毒が多いのでしょうか。

第一に、鶏肉は皮つきで売られていることが多い、ということがあります。
この皮の、とくに毛穴にカンピロバクターがいることが多いのです。
鶏を皮目からよく焼くというのは、勿論美味しいということもあるのですが、その一方でカンピロバクター食中毒の防止の異味もあったりするのです。
しかも柔らかな鶏肉は、その中にカンピロバクターを潜ませてしまうこともあります。

一方で、豚や牛の場合はスライスされているので、鶏よりはカンピロバクターによる汚染率が低かったりします。
ですが、ひと昔前までは牛レバーによるカンピロバクター食中毒も結構あったものです。

クリスマスのチキン料理では二次汚染に注意すべし

先の通り、カンピロバクターは熱にそう強い菌ではないため、しっかりと加熱されれば食中毒が起こることはそれほどありません。
ましてや一定時間をオーブンなどで加熱するようなローストチキンなどを食べてカンピロバクター食中毒になる危険性はほぼほぼないといっていいでしょう。

ですがそれでも場合によっては、食中毒が発生することがあります。
どういうことか。
それは生の鶏肉に付着していたカンピロバクターが、手や調理器具などに付着し、それらが違う食材に触れることで汚染してしまうような状況です。
いわゆる「二次汚染」というものです。

カンピロバクターに汚染されている生の鶏肉をまな板にのせ、包丁で切るとしましょう。
次にこれをしっかり洗浄し、菌を洗い流さないで生野菜やそのほかのものをカットする。すると包丁やまな板に付着したカンピロバクターが、今度は野菜を汚染することになります。
で、その野菜を付け合わせのサラダなどとして生食したら、ここで食中毒の危険性が生じます。

実は結構、こうした生肉からの二次汚染による食中毒は少なくないものです。
カンピロバクターではありませんが、2011年に北海道の小中学校の学校給食で1500人以上もがサルモネラ食中毒になるという集団食中毒が起こりました。
このときの原因は鶏肉を調理した釜の洗浄不足でサルモネラ菌を流しきれておらず、その後にブロッコリーサラダを汚染してしまったためだといわれています。
これも鶏の生肉を原因とした二次汚染によって集団食中毒が発生した一例です。

 

クリスマスと年末年始は、ノロウイルスに要注意!

さらにこの時期、寒くなってくると急激に増加する食中毒があります。
もうわかりますね、それがノロウイルスです。
クリスマス、年末年始は特にノロウイルスが流行りやすいシーズンです。

尤も今年の場合、新型コロナウイルスの流行で皆が衛生に気を付けていることもあって、感染症としてのノロウイルスの事件数自体はかなり低いといわれています。
しかし食費汚染によるノロウイスル食中毒は、少々話が違うところもあるでしょう。
例えば製造している人、調理している人がもしノロウイルスに感染しているとしたら、そこから食品を通じてノロウイルスが広がる危険があります。
これがノロウイスル食中毒です。

しかもカンピロバクターに対し、一回の患者数が大規模化しやすいのがノロウイルスの特徴でもあります。
例えばつい二日前にも、長崎県内の給食センターで製造した弁当でノロウイルスの食中毒が発生しました。
この件でも、5歳から67歳と幅広く老若男女70人が発症しています。

 

このように先のカンピロバクターに比べると、大規模となりやすいものなのです。
しかも実際に昨年の2019年には、茨城県でクリスマス会で出したホールケーキによって、ノロウイルス食中毒が発生。
82人が発症するという事件が起こりました。

 

このように、クリスマス時期にもノロウイルスの食中毒というのは発生しうるものなのです。

なお、ノロウイルスについてはまた次にもお話をしたいと思いますので、そちらもよろしくお願いします。

クリスマスに関わる異物混入はあるのか?

食品事故というのは、何も食中毒だけではありません。
では、クリスマスに食品への異物混入というのはあるのか、ということについて少しだけ話しておきます。

尤も、食品業界においては、すべての異物混入事故が報告されているわけでは、実はありません。
普通に消費者への謝罪で終わっていることが多いですし、また製造元で発見されたり、販売店舗で発見されて内内で終わるケースだって、実のところ珍しくはありません。
つまり世では、割と小さな異物混入がぽつぽつと人知れず起こっているものです。

ですから、これは長らくこの業界で働いての体感でしかありませんが、しかし。
あるかないかで言うのであれば、割とあるんじゃないかなってぼくは思います。
いや、はっきり「ある」と言うべきかもしれないですね。

例えば、ちょっと前になりますが、こんなこともありました。

 

しかしこんなことは、ごくごくごーく!一部の話であって、その裏には山程の異物混入事故があるものです。

これはぼくがまだ検査分析屋として大手衛生管理企業に在籍していたときの話です。
業界用語ですが、「駆け込み検査」と言われるものがあります。
ぼくら衛生管理屋も人間ですから、当然ながら年末年始は連休をいただきます。
他の検査機関なども皆そうでしょう。当たり前の話ですが。

ですから普通の企業勤めのサラリーマン同様、もうクリスマス位から、年度の仕事はそろそろシメに入ります。
ということは、年内の検査受付の締め切りはもう大体が、このあたりになります。
これ以降の依頼は、分析結果が出るのは年始以降ですよ、というリミットが大体クリスマス前かそこらです。
ちなみにこれは異物の分析検査であって、微生物対象の培養検査の場合、さらに早めに締め切ることになります。

ところが。
こうしたリミットを超えたあたりに、メーカーの品質管理さんが慌てて「すみません、これ大至急検査してもらいたいんですけど!」などと連絡してくることが時々あります。
まあ、それだけではないですが、比較的クリスマスや年末年始に繁忙期を迎え、売れている商品でそれがよくみられることが多いかもしれません。

こういう場合は、消費者からの異物混入クレームを受けて、年内になんとかカタをつけたい、という事情が容易に想像がつくところ。
でなければ新年を迎えて、三が日後になってしまいますからね。
末端ユーザーの消費者さんに、「すみません、年末年始休みたいので三が日後に対応します」とはなかなか言いづらい。
そこで「なんとか年内に結果が出ないものでしょうか…」と青い顔で訴えてきたりすることがあります。

とはいえ無理なものは無理です。ぼくらも人間ですからね。申し訳ありませんが、と断ることもあります。

…というのはタテマエ。

こっちもも企業ですから、なかなか大きな契約のあるお得意さんや大手さんの泣きつきにはそうそう無下には出来ない都合があります。
そこで特急料金を支払うから、という言い訳で特別に、うーん、まあ今回だけですよ…ということになることがあります。
これが「駆け込み検体」の実態です。
ぼくが大手衛生管理会社の検査屋を離れてもうそれなりに年月も経ってますが、まあ事情はそう大きく変わってはいないはずです。
他の検査機関なども、まあ似たり寄ったりの話があるでしょう。検査屋年末、あるある、です。

まとめ

今回はクリスマスや年末年始における食品事故についてお話いたしました。
いや、メインはやっぱりクリスマスになってしまいましたね。
すいません、クリスマスイブには更新を間に合わせたかったのですが、ちょっと遅れてしまいました…。

年末年始のお話、ノロウイルスのお話に関してはもっともっと触れたいことが一杯あります。
これらについても、近い間に取り上げていこうかと思ってます。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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