最新の食品業界ニュースから気になった話題を定期的にピックアップし、食品衛生管理のプロの目線からコメントさせていただきます。
今回はローソンで回収対象となったローソンオリジナル菓子についてのお話を、実際にそのお菓子を食べながら、進めていきたく思います。

本日の時事食品ニュース

 

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

ローソンのオリジナル菓子類数種が回収対象に

先生(師)も走る12月。
ぼくも(って別に先生、というほどでも全然ない立場ですが)ドタバタしている間に、もう12月半ば。
あらら、今年2020年も残るところ、あと2週間ですよ。

先週日曜、娘ちゃんと一緒に「鬼滅の刃」をようやく見てきたところなんですが、来年のことを話すと鬼に笑われるといいますね。
コロナ禍でまだよく見えていないところもありますが、どうぞ皆様。全集中で残りを駆け抜けるとしましょう。

てなことで、こちら。
ふと食品リコールの情報を見ていると、今月早々にローソンでオリジナル菓子類が回収対象になったということが報じられていました。


ローソン

この度、全国のローソン店舗にて、10月17日(土)~12月2日(水)の期間に販売いたしましたローソンオリジナル菓子・珍味の下記13品において、製造工程で一部の商品のパッケージに0.2ミリ以下の穴があいている可能性があることが判明しました。

ではこれについて、プロの衛生管理屋として少しばかり考えてみたいと思います。

対象はローソンオリジナルの菓子・珍味類

上の通り、先日12月3日、全国のローソンで販売しているローソンオリジナル菓子・珍味の回収が報じられました。
対象になっているものを、まずは挙げてみるとします。

回収対象商品(製造者)
  • NL素焼きミックスナッツ(共立食品製)
  • NL素焼きアーモンド(共立食品製)
  • NL素焼きくるみ(共立食品製)
  • Lmまろやか味わいカシューナッツ(共立食品製)
  • NLメープルミックスナッツ(福楽得製)
  • NLアーモンドストロベリーチョコレート(三菱食品製)
  • NLアーモンドチョコレート(三菱食品製)
  • NL京挽ききなこくるみ(ミツヤ製)
  • NL黒糖ナッツ&ナッツ(ミツヤ製)
  • NLマヌカハニーアーモンド(ミツヤ製)
  • NLクランベリーチョコレート(フクイ製)
  • NLくるみとココナッツのキャラメリゼ(ハース製)
  • Lmクワトロチーズミックスナッツ(ハース製)

 

全部でなんと13品も、です。
それも日本全国のローソンというコンビニで販売されているというのだから、それなりに結構な規模です。

これは一体どういうことが起こったのか。
少しばかり想像しながら、探っていくとしましょう。

問題と原因は何だったのか

まず回収対象となった商品をもう一度、よく見てみましょう。
原料に使われていると思われるもいのが共通していますね。
アーモンド、くるみ、カシューナッツ…。
13品とも、そんなナッツ類を使ったお菓子であることが、いずれも共通しています。

また上の表の()内には、その商品の製造者を書いておきました。
ここから、全部で9社もの別の工場で作られているものであることがわかります。
つまり、今回はローソンのPB(プライベートブランド)で起こった問題であり、そのためOEMの9社の商品が回収対象になった、ということです。

おっと、この「PB」や「OEM」というのがよく判らない、という人もいるでしょうから、少しだけ詳しく説明しておきますね。

ローソンというのは販売が専門であって、独自の製品開発や自社工場での製造を行っているわけではありません。
ローソン自体には、何の製造技術もノウハウも持ってない。
しかし、ローソンという独自ブランドというのは、これだけの販路を持っているコンビニとしては実に強みになります。
実際にローソンに行ってみてください。
ローソンオリジナルの商品、つまりはローソンのPB(プライベートブランド)というのは結構店内に置かれています。
これは別にローソンに限ったころではなく、セブンイレブンもそうだし、大手流通業者なら皆そうです。
今回はその説明がメインの話ではないので、関係あるところだけお話します。

要するに、ローソンらと製造メーカー側双方がWin-Winとなる相互の様々なメリットから、ローソンのオリジナルブランド(PB)として様々な業者に委託して独自の商品製造を作ってもらう(OEM)わけです。
で、互いの連携から各工場は指定資材を使って、指定された製造工程に従って製造し、そして指定された包材によって包装し、それをローソンに収めている、というのだと思います。

さて、話をようやく戻します。
今回の問題の原因はなんだったのか。
報道には、「製造工程で一部の商品のパッケージに0.2ミリ以下の穴があいている可能性があることが判明した」とあります。
この報道をそのまま受けるのであれば、包装資材に問題があった可能性が推測されます。

しかもある工場で製造した単一の商品ではなく、数種の菓子類、それもナッツ類に関わるものだけが9社分にわたっての回収となっています。
実はここが、この情報だけではちょっとわからない。
包装資材の問題であるなら、他のオリジナル商品類も扱いは同じはずです。
これらの商品だけ包材が違っていた、なんてこともないのではないかと思うのですが、まあそれ以上の細かいことはローソンと製造元だけしかわからない話でしょう。


Business Insider

対象商品は四方シール包装

もう少し深く掘り下げてみましょうか。

今回の商品を見てみると、まずその包装形態はいずれも「四方シール」であったことがわかります。
四方シールというのは、四角型の商品パッケージの全辺を囲うように、縦横の全4方向を皆ヒートシール(圧着)する包装手法です。


ORIHIRO

四方シールのメリットは何よりも、三方シールなどと比べて密封保護性が高い、ということです。
これらは常温保管で販売するナッツ類などには向いているといえるのかもしれません。
四方シールがよく液体の製造品や顆粒の医薬品などで使われるのもそのためです。

その他(三方シールと同様)、ピロー袋に比べると、これらのお菓子類のように横方向の開封にも向いています。
あとはデザイン面だったり表示面だったりの他、店頭で多数並べて販売する際に統一性で美しかったり、ちょっと意地悪く言えば少量でも量が多そうに見える、などもあるのだとか。

以上かなにかのことを理由に、とにかくローソンはこれらの商品の包装を四方シールにしたのでしょう。
で、これらに0.2ミリ以下の穴が生じた可能性がある、というわけです。
包装技術の専門家ではないぼくが知識不足でわからないのが、この辺です。
(誰か詳しい方は教えてください)

普通一般的に小さな穴、いわゆるピンホールが生じるというのは包装工程上の問題、つまりシール不良です。
確かに時折、シール不良というのは起こります。
原因は色々ありますが、ほぼ確率論的な話です。
例えば、ヒートの熱が高すぎても低すぎても起こりえます。
しかし9社の包装工程の環境は、全く違うでしょう。
この工場で作った商品のあるロット分にそれが生じたというのであれば、複数社に渡って回収する必要はありません。
その工場分だけを回収対象にすればいい。

また搬送中や販売中に商品が揺れたりなどして、小さな穴(ピンホール)が起こることもあります。
その場合も同様です。
普通は、その工場で作っている、ある単一の商品だけを対象とするでしょう。

つまり、これまでをまとめると。
ローソン本社は別々の9社に委託していた複数のPBに対し、包装不良であると判断し回収に踏み切った。
これらは皆、いずれもナッツ類を原料とするものであり、そして四方シール包装だった。
しかし、当たり前だけどローソンの他のオリジナル商品にも四方シールは採用されている。

ではなぜローソンは、ここまで回収対象を広げたのか。あるいはこれらに限ったのか。
その線引の細部については正直、ぼくにはよくわかりません。
ただし、一つだけ言えること。
それは、「この商品の四方シールはちょっと他の商品にくらべて少し特殊だった」ということ。
そう、保存用のチャックがついている、チャック付袋の仕様だったのです。

いや、対象商品だけがそうだったというわけではないですよ。
結構この「チャック付袋の四方シール」商品は、ローソンPBのそのほかの商品にも一杯あります。
でも、少なくとも今回回収対象とされた商品には、皆、このチャック付袋が適用されていました。
これをどう捉えるか、という話です。

例えば、ある商品でチャック付袋に不良が生じたとします。
いや、ここからはもう想像でしかないのですが。
恐らくは、各社で行っているシールチェック(しっかり包装が出来ているか確認すること)でシール不良が複数社から見られた。
そのいずれもが、同仕様のチャック袋、例えばチャック部で不具合がみられていた、とします。
そこで、あるチャック袋のロット分に問題の可能性がある、とローソンが判断し、それらを包材として使用している商品に対し、回収の判断を下した。
これは考えられないか。

以上、これがぼくの見解、というかただの想像です。


流通ニュース

実際にローソンの回収対象菓子類を買ってきて食べてみる

さあ、そんなわけで実際にローソンに行って、これらを購入し、食べてみたいと思います。
何事も、実際に手に取って自分で触れてみないとわからないことも多いものです。

え、ただ食べたくなっただけじゃないのかって?
ゴ、ゴホッ、ゴホッ、い、いやぼくは食品衛生のプロとしてですねえゴニョゴニョ…。

おっとそれはさておき、こちらが店頭です!はい見てください!(話を逸らそうと必死に)
結構いっぱいあるんですよ、このローソンオリジナルのお菓子たち。

他の店舗でもこのように。
店舗にもよるのかもしれませんが、おつまみのみならず様々なジャンルにおいてローソンのプライベートブランド、結構幅を効かせています。

ではこの中から、今回回収対象になったものを…。

このように、どれもがジップ付袋です。
面白いことに、四方シールの仕方も、包装資材もまちまちなんですね。
ただし見た感じ、別にこれらのナッツ類のみがそうであるようにも見えません。
例えば燻製のイカなども、見た感じはほとんど同じ包装形態。
これをどうやって回収対象と括ったのか、単にこれを見ただけではわからないです。

でも一つだけ、買ってみて判ったこと。
それは、右上を見てください。
ローソンのプライベートブランドのロゴが入っています。
ここに「NATURAL LAWSON」とあります。
別にこれ、「ナチュラルローソン」のお店で買ったわけではなくて、普通のローソンでも手に入ったものです。
ですが、本来はこれらはナチュラルローソン用のオリジナル商品であったことがわかります。

つまり、オリジナルのプライベートブランドの中でもこの「NATURAL LAWSON」のナッツ類の包装資材に不具合が生じた…となると結構商品は限られてくるでしょう。

ぼくら外部者が得られる情報は、まあこんなところまでなのかな、と。

おっと、それではどれどれ、そろそろ中身を。
まずはこの「京焼ききなこくるみ」から。
ミツヤ社製のものですね。

…あ、美味しい!
くるみのコクを、さらっとした甘いきな粉でくるんでる。
きな粉の柔らかい甘みとのマッチングが、いい。
上品な逸品。
しかも健康志向の「NATURAL LAWSON」だけあって、糖質も低い。
ちょっと甘口なのに、ヘルシー。

続いて、同じくミツヤ社の「マヌカハニーアーモンド」。
なんだろ、クッキーとかに埋まっているアーモンドを食べる感じ?
アーモンドのコクを、甘く包んでいる。
ふっと香るシナモンの上品さもいい。
ビタミンもたっぷり。

「くるみとココナッツのキャラメリゼ」。
これは、ハース社製。

あ、香りがすごくいい!
ココナッツとキャラメルの甘い香りがすごくいい。
で、その割にはそれほど甘くない。
でもその自然な甘さと、香りの良さがすごく合っている。
肉厚のココナッツも嬉しい。
これは好きだな。

続いて、「アーモンドチョコレート」。
これは、三菱食品のもの。
深みのあるカカオ。
でも甘みは少ない。
そんな大人向けのアーモンドチョコ。
植物繊維もたっぷり。

あとこれだけ包材が違うのな。
これがどうして選べたのかはよく判らないけれど。

でもこれ、いいかもしれないですね。
ナッツ類はビタミンにも優れているし、亜鉛も取れる。
しかもこれらはそんな塩気も、糖質も心配なく作られているヘルシー志向商品。
だから、例えば糖質控えたお昼のご飯の後、小腹が空いたときにちょっと開封して一口、食べる。
そんなのに向いているんじゃないかな、と。
ぼくも今度、「ナチュラルローソン」に寄って、少し買っといて小腹対策に手元に置いておきたい。そう思いました。


NATURAL LAWSON

まとめ

今回は、ローソンPBの商品回収について、実際にその商品を買って食べてみながらその解説を行いました。

改めてもう一回まとめます。

ローソンは複数のPB商品に対し、包装不良であると回収を発表した。
これらは様々な製造工場に委託製造していたが、しかしいずれも共通点としてナッツ類を原料とするものであり、そして四方シール包装で、しかもチャック付袋だった。
よってこれらに関する商品を、広く回収対象とした、と。

このように、限られた情報からその奥を読み取るのは非常におもしろいのですが、やはり難しいものだったりします。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?