先日2020年12月6日、オンライン上で開催された「醸すフェス」に参加してきました。
思いの外小規模なフェスでしたが、でも半日、たっぷり楽しませていただきました。
本日はそんな「醸すフェス」のレポートをお伝えしたいと思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

「醸すフェス」参加してきました

2020年12月6日、オンライン上で開催された「醸すフェス」に参加してきました。
しかもこれが小規模で行われたながらも、想像以上に楽しかったです。

この「醸すフェス」というのは、一言でいえば発酵食品のオンラインフェスです。
つまり発酵食品にまつわる生産者や技術者のお話を、ZOOMでつながって参加し、聞くことができる。そんなフェスでした。

発酵食品、というのはここ数年、健康面だったり文化面だったりなどである一定の支持を得ている分野でもあるのですが、しかし。
それがこのような、まあ初回ですから実験的ではあるでしょうが、それでもこのように多くの人を巻き込んで動き出していることに、ちょっとした驚きを感じえません。

今回はそんな発酵食品のオンラインフェスである「醸すフェス」の模様についてレポをしたり、感想を述べたり、あるいはお酒飲んだり、発酵についての基礎的なお話をこれからしようと思っているんですが、おっと、ちょっとその前に。

「いやお前、ここは食品衛生のブログだろ!?発酵食品って、食品衛生と関係あんの?」
いやいや。
めったくそに大アリですよ!
だって「発酵」というのは、腐敗と同様に微生物の活動なのですよ?

これね、往年の自分に対する自戒も込めてで、恥ずかしながら話しますけどね。
ぼくらのこの食品衛生の世界だと、微生物というとダークサイド、つまり食中毒菌やウイルス、カビの扱いがどうしても多くなるので、こっちのライトサイド「発酵」について余り勉強していない人が意外と多い。
いや、かなり多い。
(でしょ?)

なので発酵食品を知らないで、やれ微生物がとか割とこっちの世界の人はやりがちですが、とんでもない。
この発酵こそが、実は人間と微生物との関わりの表舞台。
発酵を知らずして、微生物を語るなかれ。
これを知らないのは、まるで一面を見てすべてを知っているかの振る舞いです。

…まあ、ぼくもかつて以前はそうだったので、反省を込めてですが。
正直、「どの口でそれ言うねん」という話なんですが…。

そんなわけで発酵を知ることも、重要な食品衛生の仕事なのです。
つまり、ぼくがお酒を飲んだり、ワイン片手にチーズを食べたり、チョコ食べたりするのだって、言ってみれば重要なお仕事だということです!

そう。
仕事だから頑張らなければいけない。
あー、つらいなー、過酷だなー。でも仕事だからなー。

そんなわけで本日、日曜日ではありますがしかしお仕事ですので、1日ずっと日本酒という発酵食品を手に、発酵食品を学ぶ、という非常に重要なお仕事をしたいと思います。
あー、つらいなー、過酷だなー。でも仕事だからなー。(ニンマリ

「醸すフェス」とは

さて、少しだけこの「醸すフェス」について、解説しておきましょう。

先にも書いた通り一言で言うなら、「醸すフェス」とは「発酵食品」のオンラインでのお祭りです。
そう、つまるところが「日本の発酵食品フェス」です。

そもそもこの「醸すフェス」のテーマとなっているのは、「発酵の世界の入り口を垣間見れる、体験型ショッピングモール」。
つまり、生産者と消費者が発酵食品を通じてつながることによって発酵への興味関心や食文化の発展に繋げることを目的としているわけです。

「発酵食品」。
これを通じて、参加者はオンライン上でZOOMを用いて幾つかのステージで行われている生産者のトークショーや対談、ワークショップ、販売会を視聴して楽しむ、というオンラインフェスが、つまりはこの「醸すフェス」です。

実はぼくがこのフェスの存在を知ったのは、開催の直前、12月に入ってのこと。
残念ながらすでに試飲のお酒販売やクラウドファンディングも終わってしまっていたので、視聴だけで参加させていただきました。
(ていうか宣伝活動少なすぎ。知らなかったよ…)

発酵食品を飲食しながらフェスの会場レポを

そんなわけで以下、フェスで参加してきたステージについて、簡単にレポートしたいと思います。

おっと、その前に。
折角ですから、微生物たちからの恵みである発酵食品をありがたくいただきながら、いくとしましょう。
(実際にぼくもフェス参加中はずっと、その恵みをいただいてました)

それでは、日本人にとって最も関わりの深い発酵食品を、いただきます。
くー、「亀齢」すっきりとしながら酸味があって、たまらないのう。

それに、「天美」。
噂に聞くだけあって、さすがの出来。バランスの良さが際立っている。

なお、おつまみは別の記事で書くために買ってきた、ローソンのナッツ類を。
(これについては、また今度ね!)

…え、日曜の真っ昼間から酒かっくらってるのか、だって?
い、いやいや、こ、これもお仕事ですから!

それに何せ日本酒というのは日本古来の発酵の中でも重要な存在であり、また日本の伝統と文化なんですよ。
何せ日本酒というのは縄文時代から弥生時代にかけて、稲作の始まりに連ねて始まったものなのです。
日本酒の始まりは、米に生えたカビが発酵をうながしたことだったとされています。
すでに平安時代には、朝廷に捧げるお酒造りが出来上がっていたとも言われています。

口噛み酒、って知ってますか。
そう、アニメ映画「君の名は。」でも出てきたやつです。

巫女が米を口に含んで噛み砕き、それを保存ます。
すると人の唾液の中にある酵素(アミラーゼ)が米のデンプンを分解し、糖分にします。
これを吐き出して保存しておくと、空気中の酵母がその糖分を発酵させてくれ、今度はアルコールにしてくれます。
これが最も原始的な日本の酒の作り方です。

そのくらいぼくらは日本酒と関わりが深いのです。
発酵の話を聞いたりするのであれば、当然ながら日本酒は欠かせないのです。
そう、これも仕事なんです!(必死)

蔵元「鷹勇」

このフェスでは、予め試飲用の日本酒を事前にオーダーしながら、それらを飲み比べることで元蔵人の方と日本酒バーのマスターが日本酒の味わいや飲み方のレクチャー講習を行うという楽しそうな企画もあったのですが、ぼくはこのフェスを知ったのが遅かったため、参加出来ませんでした。

代わり、ではないんですけど、鳥取県の蔵元「鷹勇」の杜氏さんのお話を聞くことにしました。

そこで蔵の中の様子を映しながら、お酒ができるまでを教えていただきました。
いやあ、おうちで日本酒飲みながら蔵元見学なんて、なんて贅沢!
ありがたい限り。

(当日画より。蒸した米に麹を加えているのかな?)

と、それじゃあ、ここで少々日本酒の発酵についての解説を。
実は日本酒というのは、世界のお酒の中でもかなり複雑で高度な発酵技術の産物なんです。

まず日本酒(清酒)を作る微生物は、次の3つです。

清酒の発酵に関わる微生物
  • 麹菌
  • 酵母
  • 乳酸菌(ラクトバチルス・サケ)

 

基本的に清酒は、米と麹菌、水によって作られます。
まず蒸したお米に麹を付着させ、米麹をつくります。
すると麹菌の酵素(アミラーゼ)が米のデンプンを糖分(ブドウ糖)に分解します。いわゆる「糖化」というものです。
この麹菌による酵素分解での糖化が、まず清酒の発酵の第一ステップです。
先の「口噛み酒」では、この糖化を人間の唾液に含まれている酵素(アミラーゼ)で行ったわけです。

次にこれに酵母を加える。これがやがてお酒のもと(酒母)になります。
こいつをタンクに入れて発酵を待ちます。
すると酵母がその糖分をアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)に分解するのです。
この酵母によるアルコール発酵が、清酒の発酵の第二ステップです。

さらに乳酸菌は乳酸発酵によって乳酸を作ることによって、雑菌の繁殖を抑える役目に使われます。
しかし乳酸菌はやがて高濃度のアルコールによって死滅されることになります。

さて、最初に言った日本酒の発酵の高度なところは、この麹と酵母の2つの発酵のステップを同時進行で行うところにあります。
いわゆる日本酒独特の発酵法である、「並行複発酵」というやつです。
これによって日本酒は、一般的にはアルコール度数の低い醸造酒でありながら、世界的でも最も高いアルコール度数のお酒となるのです。

そう、日本酒こそまさに日本の発酵の伝統と文化の結晶なのです。
そんなわけでぼくもありがたくいただきたいと思います。
ぷはー、美味い!

「発酵食品で健康な心と身体を作ろう」

予防内科医であり、ネット上では「Dr.MISO」の名で知られている味噌研究家、関由佳先生の講演。
医学の面から味噌や麹の世界に入り、栄養学に進んだ専門家の立場から、味噌の魅力や健康上のお話をしていただきました。

(当日画より)

なかでもぼくが興味を覚えたのは、三日間の「味噌ファスティング」なるもの。

これは三日間で行ういわゆる「ファスティング」に、味噌を取り入れるというものです。
初日の準備食は、軽めに腹八分目に。
ファスティングの本番となる二日目は、野菜出汁と具なしの味噌汁を作って、これをお腹の空いたときに飲む。
三日目は回復食。これには、具のある味噌汁から始めるのだ、という。

これに21日間のダイエットを加えると、人によっては12kgも痩せたというお話でした。
ってマジかよ!?
ぼくもやろっかな…。

(当日画より)

なお講演の終盤には、玉ねぎ麹の作り方もご紹介されていました。
麹とミネラルの入った天日塩を、フードプロセッサーですりおろした玉ねぎに混ぜるだけ。
そこに絞ったラップをかけて、温かいところで一晩置く。
その後数日発酵させると、出来上がり。
熱湯で温めたスープジャーを使ってあげるとよりベター、だそうです。

そんなわけで、視聴しながらぼくも味噌をつまみに発酵食品をいただき、味噌の魅力を体感で学ぶことに。
味噌キャベツ。

ざく切りキャベツを味噌マヨで。
発酵食品(味噌)で発酵食品(日本酒)をいただく。

うん、美味いぞ。お酒もおかわりしよっと。
おっと、これも仕事、仕事。←

「スペシャルゲストトークショー」

「麹の学校」代表であり麹文化研究家、南智征氏ことなかじさんによる初心者への麹の授業ということで、米麹作りのレクチャーを。
麹というのは実は日本食そのものともいえる、グランドマザーのようなものであり、日本文化そのものであるというお話をしていただきました。

ですがちょっとここで急な予定が入ってしまい、途中退席となってしまいました。

ただし、ここでもおそらくは語られていたのでしょうが、麹菌は長い歴史をもつ日本の食文化のなかでも非常に重要な存在です。
日本の発酵文化の主役、あるいはボス、といってもいいんじゃないかな。

実際、麹菌は2006年には日本を代表する「国菌」としても認められています。
まあ、認定云々は置いておくとしても、日本の食文化は麹菌なしでは成り立ちません。
清酒、味噌、醤油…。
このように古来、日本の食を支えてきたのが、この麹菌です。

しかも、実はこの日本の酵母菌は、実はカビの一種です。
ということは、カビ毒を生成する仲間「アスペルギス・フラバス」(↓下リンク参照)とメチャメチャ似てもいるのですが、しかし日本の麹菌はカビ毒をつくりません。
それも長い歴史のなかで、日本人と発酵の伝統のなか、無毒化していったというのが通説です。
それだけ麹菌は我々日本人とは馴染みの深い、優等生のカビなのです。

(漫画「もやしもん」でおなじみのオリゼー)

「7つの幸せトーク」

「発酵力」を主張する発酵ライフクリエイターの奥田涼子さんによる講演。
発酵食品を参加者の皆で挙げる、発酵リレーなどを楽しく行っていました。

(当日画より)

お話の中でも興味深かったことを幾つか、ぼくの理解でまとめます。
まず「自分で発酵食品を作ると、その作った発酵食品は人それぞれ味が違う」ということ。
ということは、発酵食品に正解はないのだ、と。
つまりそこには正解はなく「すべて〇(マル)」であり、これは生きる、ということと同じなのだ、と。

また発酵というのも、自然の流れで乳酸菌、酵母、酢酸菌という流れがある。
だから、自然なままでいいのだ。
これも人の生き方に通じている。

さらには、発酵食品というのは常に発酵し続けていて、熟成し変化していて、それが終わったら腐敗する。
これもまた人間の生き方そのものではないか。

要は「発酵」というものは菌が生きる、という自然の営みそのものである。
その恩恵をただぼくらは受けているだけに過ぎない。
そしてその営みは、同じ生物としての人間が、「生きる」ことにも通じているものなのだ。

ああ、確かに!
本当だわ。
ごめんなさい、
本音を話すとぼくは講演タイトルから最初は「あれ、これもしかしてスピリチュアルなそっち系?」っと穿ってしまっていました!(汗)

ところで、発酵食品リレーはとても見ていて面白かったので、ちょっとブログ記事のヒントをいただきました。
次の次くらいに、あとで違う形にして別記事として書き上げることにします。

「ワイン・日本酒・コーヒーとチーズのマリアージュ」

そろそろ日も暮れてきたので、ワインでも開けようか。

ぶどうの皮には天然の酵母がいます。
なので、熟した甘いぶどうをそのまま貯蔵していると、ぶどうのブドウ糖を酵母が食べてアルコール発酵してくれるので、ワインが出来ます。

…と、実際はそんな単純でもなく、美味しいワインを作るためは様々な技術が必要なのはいうまでもないのですが、それはさておき原理的にはこんな感じで世界最古のお酒、ワインは作られました。
そんなワインに敬意と感謝を込めて、いただきます。
なお、これはただうちにたまたまあった、嫁さんがカルディコーヒーファームで買った安い赤ワインです…。

ここでの肴は、クリームチーズの辛味噌のせを。
つまり発酵食品オン発酵食品を、発酵食品(ワイン)でいこうか。
これ、あり合わせで作ってみたけれど、美味しいな。
ワインつーよか、焼酎とか合いそうだ。

ちなみにこの辛みそというのは、嫁さんの実家である長野産。
明治21年に創業したというマルマンさんのもの。
これ、結構いいお酒の肴になる。

さて、最後は山口県下関市にある「ウミノネコーヒー」さんの、コーヒーとワインのお話でした。

興味深かったのは、自然派ワインは二日酔いもしないという。
いやあ、日本酒もワインも、いいものは二日酔いしないもの。
つっても今ぼくが飲んでいるこれは、そういうのじゃないけどね!

さて美味しいコーヒーのいれ方もご教授いただきました。
自分のためにも、以下ざっくりまとめておきます。

美味しいコーヒーのいれかた
  1. ドリッパーは真ん中から溝に沿って一本で出ていくのが理想(ここではHARIO製を使用)
  2. ドリッパーにコーヒー粉を入れたら、軽くドリッパーを叩いて平にする
  3. 沸騰させたお湯(95℃程度)を軽く10mlくらいかける
  4. 新鮮なコーヒー豆は、湯熱により二酸化炭素のガスFが出て膨らむので、それを30秒くらい待つ
  5. ドリッパーの真ん中を目がけて、10mlずつくらい湯を注ぐ
  6. 5秒おきくらいのスパンで、3回程度繰り返す
  7. やがてドリッパーの真ん中に穴があく
  8. 湯を多めに入れ、1円玉程度のサイズで注ぐ
  9. その際溝に当てると淀みが出るので、注意
  10. 出来上がり

 

ちなみに、「コーヒーと発酵なんて関係ないだろ」、という方。
んなこたあない、アリアリです。

確かにコーヒー豆の精製には幾つかあるので、コーヒーが全て発酵食品ではないです。
でも湿式コーヒーといって、コーヒー豆を発酵させ、独特の風味をつける場合があります。
つまりコーヒーにも発酵は多いに関係があるのです。
その代表的なものが、ジャコウネコの糞を使う最高級コーヒー、「コピ・ルアク」でしょう。
なんといってもこれはコーヒー豆を食べたネコが、その豆を腸内菌によって発酵させ、排出したものを使うコーヒーですから。

まとめ

そんなわけで、小規模ではありましたがなかなか楽しいオンラインフェスでした。
出来たら第二回、第三回と、ぜひとも続けてほしいですね。
だって一日、自宅でお酒飲みながら発酵についての話を聞けるなんて、めっちゃ楽しいじゃないですか。
オンラインってのも楽しかったです。

なので、どうかお願いなので宣伝活動をもう少しなさってください。
素晴らしい試みだとぼくも思いますし、気づけなかったら悲しいですしね。

そんなわけで、皆様も興味があればぜひ次回開催にご期待を。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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