12月になりましたが、先週先日11月25日、第1回となる「フードテックジャパン」に行ってきました。
よって今回はそのレポートや見どころ、感想などをお伝えいたします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

第1回フードテックジャパンに行ってきました

いやあ、12月になってしまいました。
早いもので、やれコロナだ何だと世間が騒ぐ中、もう師走に突入です。
…ってことは、あと1ヶ月で2020年が終わる…ってマジ!?

とまあそんな相変わらず慌ただしい日々なのですが、それでも少しばかり余裕も取れてきましたので、ぼくも行ってきましたよ、「第1回フードテックジャパン」。
ちなみに、ぼくが参加したのは11月25日の初日です。

 

この「フードテックジャパン」というのは、今年から行われることになった食品製造関連の展示会です。
会場は、千葉県、幕張メッセ。
11月25日から27日までの3日間開催されており、テーマは「食品製造の自動化、省人化」です。
主催は、リード・エグジビション・ジャパン、とのこと。

さて実はこの展示会、医薬品や化粧品の展示会として名高い、かの「インターフェックスジャパン」と同時開催されているのです。
同時開催、というかもう普通に会場内は行き来が自由です。

しかもさらにはその他、飲料関係の展示会である「ドリンクジャパン」と同会場。
というかぶっちゃけ垣根もなく、普通に一緒くたに開催されていた、というのが実際のところでした。

尤も、そのドリンクジャパンと合併したら、このコロナ禍によるイベント中止が相続いていた本年度、とくに6月のこの業界の風物詩ですらあった、日本最大の食品関連展示会「食品工業展」もまた(オフラインのイベントとしては)中止されていました。
なので、これこそが実は本年度一番最大規模な食品製造総合展示会だった、と言えるのかもしれません。

「フードセーフティジャパン」との違い

さてこの第1回目となった、「フードテックジャパン」。

主な想定顧客としているのは、食品製造に関わる方々です。
しかし先月、東京ビッグサイトでも同様の食品製造に関わる方々向けの展示会が開催されていました。
そう、それがウチでも紹介・レポートしていた「フードセーフティジャパン」です。

 

では、今回のこちらと、前月開催の「フードセーフティジャパン」とは何が一体違うのでしょうか。

東京ビッグサイトで前月開催された「フードセーフティジャパン」のメインテーマが「食の安全・安心」であったのに対し、こちらでのテーマはあくまで「食品製造の自動化・省人化」であるということ。
ここがまず、違います。

どういうことかというと、「目的」のための技術の展示会なのか、「手段」そのものの技術の展示会なのか、という違いがそこにはあります。

もう少し踏み込んで言ってしまうと、「食の安全・安心」というテーマだった「フードセーフティジャパン」に比べれば、「食品製造の自動化・省人化」というテーマの「フードセーフティジャパン」は、よく言えば具体的でもありますが、少々意地悪く言ってしまえば、雑駁でまとまりがない。
…いや、これはちょっと余りに言い方がひどいな。

ええと、要はこういうことです。
例えば、「食の安全・安心」という目的を果たすために、食品製造を自動化する、省人化する。
だからこの技術が重要なのだ、というのが「フードセーフティジャパン」でした。
ゴールはテーマである「食の安全・安心」であり、それを叶えるためにこういう必要な最先端技術があるのだ、とアピールしているわけです。
これは、筋道として「なるほど」と納得出来る話です。

で、かたやこの「フードテックジャパン」。
これは、言ってみれば「手段」についての展示会です。
だって、「食品製造の自動化・省人化」というのは、結局何らかをしたい目的のための手段でしかない。
つまり、そこにゴールを問うてない。
言ってみれば、それ自体は最近話題のトレンドでしかない。

でも実際のところ、何らかの目的、つまりは需要がなければこういう技術は企業で研究開発されないわけで、各々各社がそれらの「目的」、「こういうことが果たせますよ」というニーズを訴えることになる。
つまりある大きな目的を掲げて、それを果たすための最新技術を集めたのが「フードセーフティジャパン」であり、逆にある技術のトレンドフルな方向性を掲げておいて、それをなすことで得られるものについては各社が各々好きに決めてくれ、というのがこの「フードテックジャパン」でした。

もちろん、展示会だってれっきとしたビジネスです。
ビジネスとして、そういう技術を求めている人がそこに集まるのだから、それは別に間違いだとかおかしいとかそういう話では全くない。
要は方向性の話だ、ということです。
まあ、ぼくは食品衛生の専門家であって、別に展示会の評論家でも専門家でも全くないので、これ以上は踏み込みません。
そうじゃない、というのであればそうじゃないのかもしれません。

HACCP特集という裏テーマへの疑問

そんなわけで、食品製造技術のための展示会ながら、今ひとつまとまりに欠けているというか、「目的」意識がちぐはぐな展示会ではあったと思います。
ぼくは展示会の専門家ではないのでその良し悪しはわかりません。ですが、食品衛生の専門家ではあるのでこれだけはちょっと言っておきたい。

象徴的なのが「HACCP」について、でした。
実は今回の展示会の裏テーマは、「HACCP」です。
実際、食品業界で知られる某業界紙への宣伝広告にもそう書いていましたし、セミナーのテーマも完全にHACCP一色。
いかにもトレンド展示会といった様相ですが、うーん、ぼくは首を傾げてしまいましたね。

いいですか、「手段」の展示会の、その裏テーマが「HACCP」ですよ?

今回の展示会の主体になっていたもの。
それは、デジタル化、ロボット化、AI化、ペーパーレス化、IoT化などといったものです。
それを各社たからかに話してました。

当然ながらHACCPについても然りです。
HACCPのためのIoTツール、とかですね。

でもちょっと待ってほしい。
HACCPって何のために行うのでしょうか。
デジタル化のためじゃないよね?
でもこれらをずっと一日じゅう見ていると、なんだか「HACCPは導入することが目的なのか?」という気になってくる。
温度管理の一元化、トレース情報のネットワーク化。
それらは何のために行うのか。
こういう意識が、ほとんど見られない、あるいは見えても薄っぺら。そんなものばかり。
今回展示されていたものをも含め、ぼくが昨今のHACCPビジネスについて余り好意的でないのは、そういうのが露骨だからです。
結局「HACCPってこういうものでしょ」と表層しか理解していないのが透けているからです。
今はまだ過渡期なのかもしれませんが、これじゃあ先はまだまだだなあと、正直内心ため息を何度もつきながらぼくは各社の説明を受けていました。

(まあ、展示会のブースに出てくるようなド素人の営業マンが、ぼくのようなプロ相手にやれ「HACCPがですねえ」と語るのを聞いて回るのですから、そりゃなおさらなんですけどね笑)

気になった商品について

さっきからネガティブなことしか言ってませんが、勿論「これは!」というものがなかったわけでもありません。
ということで、会場でぼくが見ていて気になったものについても少しばかり触れておきたく思います。

まあ、どれも今回のテーマである「食品製造の自動化・省人化」でもないのですが(笑)。

岡谷精立工業の「差圧コントローラー」

医薬品工場の差圧コントロール技術で名を高めてきた、岡谷精立工業。
そこで培ってきた技術を食品工場の差圧対策として提案したのが、この「差圧コントローラー」です。


岡谷精立工業㈱

給排気のダクトに当商品を設置し、またダンパーを自動調整することによって、室内の差圧をコントロールしようというもの。
メーカー自身の経験が浅く、正直、食品工場の製造現場をよく知っていないのが丸見えなのですが、それでもぼくはこれ、結構面白いのではないか、と思いました。

食品工場の加熱工程や洗浄工程などは、強力な排気を必要とするため、給排気バランスがどうしても崩れがちです。
すると外部から汚染された外気だけじゃなく、カビなどの真菌や、さらには昆虫などをも場内に吸い込んでしまうことになります。
しかもこの陰圧化問題って、現実的にはほとんど抜本的解決ができない、というのが現実的です。
いっくらあちこちの隙間を塞いだって、キリがない、といのが実情でしょう。
この商品のことはまだよくわかりませんが、それを本当にうまく解決できる、というのであれば、これはちょっと注目に値するのではないでしょうか。

フロンティアエンジニアリングの「交流高電圧殺菌」

ってこれもまたテーマと関係ない(笑)。

こちらの企業に加えて、農研機構とポッカサッポロフード&ビバレッジとの三社で共同開発。
そして実際に農協牛乳やポッカレモンなどで実際に使われている、というこちらの殺菌方法。


フロンティアエンジニアリング

食品(というか飲料)に高電圧を与えることで、瞬時に微生物に損傷を与え、また超短時間で内部まで発熱を行き渡らせる…という新たな殺菌法がこれです。
このメリットは、従来の加熱殺菌よりも加熱時間が短くてすむため、加熱による変色や変質、風味や栄養素の損失、加熱臭などの影響を抑えることが出来るという。

例えば、ポッカレモン。
その主原料であるレモン果汁は、熱に弱く、品質への影響を受けやすい。
そこで風味を損なわず、短時間で殺菌できるこの殺菌手法がとられているのだというのです。

この殺菌方法は、完全な飲料のようなものでないとできない、そのため製造の切り替えの多い工場では剥いていない、などといった制限もあるようなのですが、今後の新たな殺菌方法の一つとして広がっていく可能性は考えられるのではないでしょうか。

セミナーはどうだったか

展示会といえば、気になるものの一つのがセミナーです。
今回のセミナーは、各社の商品プレゼンのためのような宣伝セミナーの他、無料枠が各日程に数回ほど用意されており、その他有料のセミナーも設けられていました。

尤もぼく自身は、これらのセミナーにはほとんど参加せず。
唯一、初日の最終セミナーであったこれにだけ、参加させていただきました。

 

「HACCP義務化に向けて今やるべき対応」というテーマで、要するに農水のお役人さまと、認証協会のお偉方によるお話。
んー、どうかねえと当初から実は思っていたんですが、まあこれ、全くもって時間の無駄でしたね。
マ・ジ・で、いらんかった。

いや、一応フォローしておきます。
当セミナーの組み立てとしては、おそらく前半、義務化にむけてのアホでも知っているようなお役人からの基礎的な話を行い、そして後半はもう少し踏み込んで、それを踏まえてのビジネス展開や認証取得についてのステップアップの話を認証協会の会長さまから…という目論見だったのかと思います。
当日それがなされていれば、それなりの内容だったのかもしれません。
「それがなされていれば」、ね。

ところが、その一番重要な肝心の後半部について、出演予定の協会の会長さまが、まさかの当日ドタキャン。
ってマジかよ!?

農水の下っ端なコワッパ役人なんぞとの関係性なんてどうでもいいわとでも思ったのか知らないすけどその結果、セミナーは無価値化。
あとはもう「HACCPって何」「農水もそれなりにやってるよ」系の基礎話を、40分ほどずっと聞かされることに。
プロ目線からすれば、得られた知識や情報のないクソセミナーでした。

いや、プロ目線っていうか一般的な食品メーカーの品管レベルでも、あの程度の内容に今頃「へー」なんつって頷いてメモ取っているようであれば、悪いですが完全に勉強不足で出遅れていると反省したほうがいいですよ、マジで。

まあでも無料だし、所詮は展示会の無料セミナー。こんなもんだよなあ、とため息つきながら静かに途中で出てきました。

なお他のセミナー内容については、見てないのでわかりません。
どうやら「HACCPとIT対応」みたいな、いかにも今回の展示会らしい話をしていたようなのですが、少なくともぼくの立場からは微塵の興味も覚えずスルーしました。

展示会を終えて

さあ、そんなわけで展示会も夕方早々に終了。
今回は、うちの書院も連れずのソロ参加につき、ぼく一人、地元に戻ってのセルフ打ち上げ。
そんでは、乾杯、お疲れ様ー。
うんうん、これまた展示会のお楽しみ。

 

さて自宅に戻り、いつもどおり続きの晩酌をしながら、お土産を広げていきます。
各ブースを回っていると、結構色々なノベルティや無料サンプルなどをいただくものです。
そんな、本日の戦利品がこちら。
今回は割と少なめですな。

 

「ダッソー・ソリューション」さんの配布ノベルティー、マスクケース。
最近多いやつですね。
これはうちのおかんが、使いたいともっておうちに帰っていきました。
でも、説明を聞いたここの商品そのものは…うーん、やめておきましょう(苦笑)。

それと、「日立情報通信エンジニアリング」さんからいただいた、手帳。
さっすが一流大手バック、お金かけてメチャメチャよく出来ている。
ハードカバーも合皮ばりだし、デザインもシンプル。企業名も入れていないのもありがたい。
この手のノベルティ手帳って、とても使えないダサダサなのしかないけれど、これは普通にいいぞ!
自分で使おうかな、と思っていたら、娘ちゃんに「これかわいい」と取られてしまいました…。

一方こちらは、鶏卵情報センターが発酵している業界誌のサンプルという名のバックナンバー無料配布。
ちな、まともに買うとこれ、結構します。

まとめ(と次回開催予定情報)

今回は「第1回フードテックジャパン」の初日に参加しての感想について、お話いたしました。
ちなみにこちらの展示会は、次年度もすでに計画が進められているようで、来年2021年の10月に第2回を予定している、とのこと。

第2回フードテックジャパン
  • 会期:2021年10月13日(水)~15日(金)
  • 会場:幕張メッセ
  • 主催:リード・エグジビション・ジャパン
  • 同時開催:第6回ドリンクジャパン

 

なお来年は規模を2倍に拡大し、食品製造工場のみならず、飲食店も対象に加える、ということを考えているようです。
ご興味ある方はぜひお楽しみに。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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