10月10日は「ポテトサラダの日」、ってご存知ですか。
そこで、衛生管理のプロであり、また「自称」料理男子である高薙が、食中毒や異物混入などの食品衛生に思いを馳せながら、実際にポテトサラダを作ってみるとしましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

10月10日は「ポテトサラダの日」

皆さん、10月10日が何の日だかご存知ですか。
実はこの10月10日というのは、一年中で最も記念日の多い日だとされています。

目の愛護デー、銭湯の日、トートバッグの日、貯金箱の日、窓ガラスの日、冷凍麺の日、缶詰の日、ちくわぶの日、ドラムの日、TOTOの日…
ってあのルカサーのいた?「Africa」の!?


Steve Lukather

そして。
それらと一緒に10月10日に定められているのが、「ポテトサラダの日」なのです。

えーっ、
なんで10月10日が「ポテトサラダの日」なの!?
いや確かにポテサラは美味しいけれど、でも意味が判らないよ!

なんでもこれ、キューピーグループの一員である「デリア食品」という、麺やパスタ、デザートなどを製造販売しているメーカーさんが制定を進めたとのお話。
その理由は、北海道じゃがいもの収穫時期に合わせた、ということと、それと英語の「POTATO」が10月10日、つまり「1010」をイメージする、野菜の形が1010をイメージする、など…。

 

あー!
なるほどー。
そりゃ確かに、ポテサラから1010をイメージ…

しねーよ!無理矢理すぎだろ!!!

 

まあ、この手の理由なんて要はこじつけなのでしょう。
とにかく、そんなわけでこれを書いている本日、10月10日。
衛生管理屋らしく異物混入や食中毒に話題を絡めながら実際にポテトサラダを作ってみることにしましょう。

ポテトサラダでO157食中毒発生

さて、ポテトサラダでの食中毒といえば、3年ほど前、埼玉から群馬にかけて発生した「腸管出血性大腸菌O157」の感染が真っ先に思い出されるところです。


NHK

2017年の8月のこと。
埼玉県の熊谷市、深谷市にて、「フレッシュコーポレーション」の運営する惣菜屋「でりしゃす」で売られていたポテトサラダが原因で、24人が「腸管出血性大腸菌O157」に感染。
うち3歳の女児1人が死に至る、という痛ましい事件となりました。

事件当初は惣菜屋に問題があるのでは、と疑われたものの、やがて、違う系列店でも感染が発見。
となると、可能性は寧ろ双方の店舗で共通して扱っていた材料にある可能性が強くなってくる。
そこで店側ではなく、ポテトサラダの製造元である群馬県高崎市のの食品加工工場が原因であることが次第に判っていきます。
というのも、ここで売られていたポテトサラダは、工場でじゃがいもを茹で潰し、そこにマヨネーズなどの調味料やカットした生食のきゅうりや玉ねぎ、キャベツなどの野菜の具材を加えて出荷したものを仕入れていた。
これに、店の調理場でハムやリンゴなどを加え、店先で販売していたのです。

さて調査の結果でも、店内の汚染の可能性は低い、ということになりました。
では工場はどうか。
しかし肝心のポテトサラダの同一ロット品からも、また工場内での検食からはおろか、施設や製造従事者からも菌の検出はなされず、最終的には原因不明となりました。


岡山放送

O157というのは、そもそもある一定の割合(20%程度)の牛の腸管にあるもので、それが牛の解体の過程で食肉に付着して汚染が広がります。
なので、生肉などを使用しない限りは一見、食中毒に至らないものだと思われています。
ましてやポテトサラダです。
特別な調理法を覗いて、別に食肉を使うような料理でもありません。
しかも、メインの資材であるじゃがいもに付着していたとしても、熱湯で茹であげてしまえば、失活されます。

では、ポテトサラダの材料に使われる、それ以外の具材はどうか。
例えば、ポテサラなどで時折レタスやきゅうりが使われることがあるじゃないですか。
これらの野菜は、加熱されることはないので、もし汚染されており、その殺菌が完全でなければ食中毒につながりかねません。
例えば、こうした野菜を作る際に肥料として使われる堆肥などが考えられます。

O157を保菌した牛の糞便を使った、発酵不足の未熟な堆肥があるとします。
農地でO157が拡散され、土壌汚染が生じます。
O157は乾燥には強いため、農地でも数ヶ月は生存するとも考えられるでしょう。
結果、これによって土壌から農作物への汚染だって十分に考えられます。
そのため、生食で野菜を使う場合には、次亜塩素酸ナトリウム液による殺菌が必要になります。

しかし、このケースでは上の通り、検食などからも汚染要因の特定は出来なかった。
つまり、ここにおいてはそれらではなかったということになります。

結局のところ、この件においては原因特定にはいたらず。
ですが、工場内のどこかに汚染があったことは間違いない。
例えば、肉の調理をした器具などの洗浄不足だったり、何かによる交差汚染だったり、なんらかのことで起こった食中毒事件だったのであろう、という予測だけが残ることになりました。

北海道のブロッコリーサラダでの集団サルモネラ食中毒

O157のみならず、少量で発症する食中毒菌においては、別の生肉などを扱った器具の洗浄不足などによって汚染が広がり、感染するケースがあります。

ポテトサラダではありませんが、サラダによる食中毒、それも恐らくは先の事例と似たような要因であろう食中毒事件で有名なのがこちら。
2011年に、北海道は岩見沢市で起こった学校給食でのサルモネラ集団食中毒です。
なんと、ここでは1500人以上もの小中学生が感染したのです。


日テレNEWS24

2011年2月、岩見沢市内の給食施設が調理・提供した給食を食べた小中学生1500人以上が、サルモネラ・エンテリティディス(SE)に感染。
この原因は、ブロッコリーサラダにありました。

このブロッコリーサラダは、ブロッコリーとニンジンを大釜で95℃以上で茹でた後、回転釜でドレッシングと一緒に撹拌される、というものでした。
「熱湯で湯で上げるブロッコリーサラダがどうして?70℃1分なんてたやすく超えるだろう」と思うところですが、原因はそこじゃなかった。

この回転釜の撹拌用シャフトの洗浄を、52℃程度のお湯をかけるだけだった。
52℃ではサルモネラは殺菌されませんし、そもそも流水での簡単な洗浄で流し切ることも出来なかった。
で、その結果、シャフトからサルモネラが検出されたのです。

またそのすぐ隣で、生の鶏肉を調理していたこともやがて判明されました。
これらのことから、器具の洗浄・殺菌不足や交差汚染などがその原因であることが推測されたのです。

このように、いくら加熱調理するサラダであっても、何らかの交差汚染による食中毒がありうる、ということがわかります。
しかも、O157やサルモネラのような食中毒菌は、極めて少ない菌数でも食中毒が起こります。
ということは、ちょっとした加熱不足や殺菌不足、あるいは交差汚染などでこのような深刻な食中毒が起こっても不思議ではない、ということになります。
ましてや、抵抗力の弱い幼児や高齢者ならば、なおのこと起こりやすくなることでしょう。

マニュアル改正の引き金になった、2016年のきゅうりのO157食中毒

ちなみにポテトサラダの食中毒で、具になっていた生野菜(とくにきゅうり)の殺菌不足が原因として特定されることは、時折見られる現象だったりします。
生野菜、キュウリでの食中毒といえば、有名なのがこちらでしょうか。

 

先のポテサラによる食中毒からさかのぼって、丁度2年ほど前のこと。
2016年の8月、千葉県、東京都の老人福祉施設で、やはり腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒が発生。
発症者は84人、そして10人の死者が出る結果となりました。

ここでの原因食材は、「きゅうりのゆかり和え」でした。
ここではきゅうりは流水によって洗浄はしたのですが、しかしそれが不十分で、食中毒が発生してしまいました。
というのも、同きゅうりを用いた施設のうち、熱湯や次亜塩素酸ナトリウムで殺菌した施設では食中毒が怒らなかったのです。

先にも書いたように、農作物はときにして土壌汚染からO157に汚染されていることがあります。
だから、生食の野菜についてはよく洗浄するのみならず、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた殺菌が推奨されていました。

例えば衛生規範においては、「75℃1分」の加熱が出来ない生食用の野菜では、「次亜塩素酸ナトリウム溶液」を使っての「100ppmで10分間、または200ppmで5分間」の殺菌が規定されています。
(同時に、その後の十分なすすぎ洗いと、塩素濃度管理の徹底、その記録も)

にも関わらず、こうしたことがそれまで何度か繰り返され、そしてこのような深刻な集団食中毒に至ってしまった。
そこでこの事件は、2017年6月の「大量調理施設衛生管理マニュアル」の改正の引き金となっていきます。
(ちなみに、この事件の後起こったきざみのりによるノロウイルスの大量感染もそれを後押ししました)

その結果、「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、従来の「必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌」に対し、高齢者施設や幼児施設、病院などにおいての給食に対し、未加熱食品の殺菌を義務付けるようになったのです。

1.原材料の受入れ・下処理段階における管理
(6) 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、流水で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いを行うこと。
特に高齢者、若齢者及び抵抗力の弱い者を対象とした食事を提供する施設で、加熱せずに供する場合(表皮を除去する場合を除く。)には、殺菌を行うこと。
(平成29年6月16日付 生食発0606第1号「大量調理施設衛生管理マニュアル」の改正について。より)

 

実際にポテトサラダを作ってみよう

色々と事例紹介していたら、長くなってきてしまいました。
それでは、ポテサラを実際に作っていきましょうか。
おっと、その前に手洗いは勿論、器具などの洗浄も忘れずに!

さて、ポテサラと一重にいってもレシピは様々あります。
なめらか系、ごろごろ系。
具だくさんか、シンプルか。
野菜は何を入れるのか。
肉は何を入れるのか…。

ぼかあ最近、行きつけの日本酒バルが出してくれる柴漬けとクリームチーズのポテサラにハマっているのですが、しかし。
今夜は育ち盛りのガキンチョどももいるので、夕飯のおかずとして出せるような、そんながっつり系のおかずポテサラを作っていくことにしましょう。

つってもまあ、ぶっちゃけクックパッドに従ってのものなので、レシピが気になる方はこちら↓で詳細をどうぞ。
何度か作っていますが、割とがっつり食べたい人にはオススメです。

材料

さて、材料は以下の通り。
これで、ちょっと多めの2人~3人前程度かな。

基本、このポテサラのメインの具は、カリカリベーコン。
その豚の油の旨味を、玉子で全部からめて含ませポテサラに入れる、というレシピです。

なので、ベーコンは多めのが美味いです。
美味いベーコンを使って遠慮なく刻み、「え、こんな入れるの?」てくらいブチこむと、最高です、至福です。

基本の材料
  • じゃがいも(中3〜4個)
  • オリーブオイル(小さじ1)
  • ベーコン(100g以上)
  • 玉子(2個)
  • マヨネーズ(大さじ6〜8)
  • 塩(調節分)
  • こしょう(たっぷり)

 

おっと、忘れちゃいけない、これこれ。
分量外の、ビール。
んじゃ乾杯ー。

ジャガイモを茹でる

それではまず、ジャガイモの皮を剥いて、芽を取り除きます。
そしてそれを鍋に入れて、浸る程度の水を加え、水の状態から茹でていきます。
水から茹でる、というのがポイント。

大体、10分くらい茹でたかな。
ちょっとだけ茹ですぎたかも。

串を指して、抵抗なくスーっと入ったらそれで、おけ。
お湯を捨てて、少しだけ火にかけて水分を飛ばす。
そして大きめのボールに入れる
茹ですぎると、ちょっと鍋底にくっつきますが、それもボールに入れちゃえばいい。

ジャガイモをつぶしてマヨネーズで味付け

次に、ジャガイモを潰します。
そしてそこにマヨネーズを投入。
ジャガイモ1つあたり大さじ2。
結構多いな!
マヨラーにはたまらんレシピ。

具のベーコンと玉子を炒める

さて、上でも書きましたが、今回のメインの具はベーコン。
なので遠慮なく使いましょう。
一杯あったほうが、そりゃ美味いに決まってます。
美味いベーコンを使ったほうが、そりゃ美味いに決まってます。

で、そのベーコンを食べやすい程度に、細かく刻む。
そして、フライパンで炒めます。

オリーブオイルを少しひいて、最初はやや強火に。
そして、中火にしてカリカリにしていく。
こうすることで出てくる油の旨味を、あとで玉子に含ませます。

まだまだ。
あ、その間に玉子は溶いておきましょう。

泡が出始め、カリカリになったら、ここで火をとめて玉子を混ぜます。
固まってきたら、それらをボールに混ぜます。

味付けして完成

ベーコンと玉子をボールに投入。
そしてそれらを好みの状態にまで、混ぜ合わせます。

混ぜたら、塩コショウで味をととえます。
黒胡椒を、ガリガリと削る。
もういいっちゅーくらいに、削る。削る。削りまくる。

さあ、完成です。
それでは、皆で食べていきましょう。
いっただーきっまーす。

美味い!
ベーコンの旨味がポテマヨに合わさって、美味くないわけがない。
そして、ビールが進む。
めっちゃ進むぞ、これは。
あまり具の多くないシンプルなポテサラだが、でもそのぶんだけベーコンの旨味が引き立っているのが、素晴らしい。

あと、あれですね。
個人的には滑らかすぎるのよりも、ジャガイモの食感が残っているゴロゴロ系のポテサラのほうが好きなんですけど、そっちに合ってる感じがしますね。

家族皆で、あっという間に完食。
ふう、美味かった。
いいじゃないすか、ポテサラの日。
無理やりなのも許しちゃう。

まとめ

今回は、10月10日「ポテトサラダの日」ということで、ポテサラにまつわる食中毒事例の紹介や考察とともに、実際にポテサラを作ってみました。

「食品衛生、今日は○○の日」。
このように、たまに何かの記念日にはそれを扱ったり、作ったり、食べ比べたりしながら、それに関わる食品衛生についての話をしていこうかと思っています。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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