前回に続いて本日から始まります「ぶらり、衛生管理屋」。
さすらいの(?)衛生管理屋が、日本全国、東西南北津々浦々、あちこちにぶらりと出かけては、食品衛生のプロとしての鋭い眼差しをご披露。
た、ただの散歩や観光やドライブじゃないんだからね!
記念すべき第一回目の「ぶらり」先は、東京都江戸川区は、葛西。
昨日の話題にも出た「タカラ食品工業」さんの葛西工場、そしてその近辺にある葛西臨海公園などを探索してきました。
今回はそんな様子を、今回、そして次回と、二部構成でお話させていただきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

新企画、「ぶらり、衛生管理屋」始めます

(こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。)

さて。
前回からうちの所員さんらと始めてみた「ゆる飲みトーク」が殊更好評だったので、非常にテンションも高まっている高薙所長です。

 

で。
その「ゆる飲みトーク」企画に続いて、もう一つ、新企画を進めていくことにしました!
って新企画、まだやんのかよ!
はい、まだやるんです。
その名も「ぶらり、衛生管理屋」。
ここでは毎度毎度、さすらいの(?)衛生管理屋が、日本全国、東西南北津々浦々、あちこちにぶらりと出かけては食品衛生のプロとしての鋭い眼差しをご披露していきましょう。
どーん!

そんな最初の第一回に向かうのは、東京都江戸川区、「葛西」です。

タカラ食品工場は悪くない

では何故、今回「葛西」なのか。
それは、前回にも書いたように東京都江戸川区の葛西に工場をかまえる、「タカラ食品工業」さん。
この葛西工場に、ぼくが強く興味を持ったからです。

 

残念ながらこちらの工場、運悪く大型クラスターを発生させてしまいましたが、しかし。
すごく当たり前の話な上、こちらの企業の名誉のために申し上げますが、別にこの工場が悪いわけでは、全然、ありません。
そしてサンドイッチによって感染が起こる、なんてこともありえない。
大体、この工場の衛生管理レベルや意識が高いことは公式ホームページでの内容はおろか(ぼくもプロなので、薄っぺらなところとそうではないところの区別は付きますよ?)、ISO22000認証を取得していることからよく判ります。


タカラ食品工業

あのね、ISO22000認証ってそう簡単に取得できるもんじゃないんです。
ISO22000というのは、食品安全管理システムであるHACCPと品質マネジメントシステムの…なんて話をしてもわからないでしょうから敢えてわかりやすさ最優先に乱暴に言うなら、ですね。
これ、まともに取り組んだら1年くらいの期間と200万円程度のコンサル費、そして多くの人件費という大きなコストがかかるんですよ。
企業が自身の工場の衛生管理や製品の品質、安全性にそれだけ本腰を入れてなければ当然やるものではないですし、それだけ経費かけて取り組んだものを「認証したからもういいや」とないがしろにするなんて、ありえません。
つまりこの「タカラ食品工業」さんという食品メーカーは、製品の品質や食品安全にそれだけしっかりした強固な高い意識をもってあたっている企業なのだ、という現実を認識したほうがまずいいと思います。

にも関わらず、今回のようなことだって、そりゃあ運悪くありえるでしょう。
でもそれに対し、ろくな知識も持ち合わせないどこぞの輩が、やれ「回収すべきだ」などとまたぞろ無責任な素人世迷い言を叫んで煽っているのを幾つか見たけれど、こぞって見当外れも甚だしい。

クソ記事を引用するのもアホらしいのだけど、

サンドイッチや包装紙、箱などにウイルスが付着している可能性は免れない。
当然、全量回収すべきだろうが、日本の医療保健当局は、新コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同様だとの認識しか持ち合わせておらず、回収命令や回収指導などは行わない。当該のサンドイッチを食べ感染した善良な人は自己責任ということになる。

 

……えーと、だな…………。

 

 

悪意と無知と妄想とがあまりにひどくないか、これ。
「日本の医療保険当局」って、それ、厚生労働省のことだよね。
つまり行政リコールを出せ、と。
それは何の根拠で?
ちゃんと食品衛生法読む知識、あってそれ言ってる?

大体、ISO22000認証取得工場が作業従事中にマスクとるなんてことはまずないし、それによって製品汚染によるウイルスの付着で感染が生じるなんてことも、ありえない。
ましてや、食品内では増加しないウイルスが乾燥状態のなか不活せず、「善良な消費者」の感染源になるから全製造分を回収しろなんてのは、どういう根拠に基づいて言っているのか。
可能性がゼロじゃないではないか、というなら他の食品だって同じ理由でゼロじゃない。

そんなわけで、タカラ食品工業は、悪くない。
全く悪くないし、サンドイッチも全く危なくもない。
全く悪くも危なくもないけれど、でもそれはさておき、この工場にぼくは興味がある。

だって、こんな美味しそうなサンドイッチ作っているんすよ!?
どこか売ってるところあれば、すぐに買いたいくらいです。
見て、奥のこのパテの分厚いの挟んだやつ。これなんて、ヨダレもんすわ。
こんなん作っている工場あったら、絶対見たくなるやん?(職業病サイコパス)

 

しかも実はここ、ウチの事務所からそれほどに遠くもない
だったら実際に、この目で工場をちょっと見ておこうじゃないか。

さあ、
そんなわけで初めての第一回「ぶらり、衛生管理屋」、行ってみましょうか!

環七を下り、海の目前にあるタカラ食品葛西工場

では、ウチの事務所を出て、いざ葛西へ。
環状七号線、通称、環七。
東京をぐるっと囲んでいるこの環七の、東側最終地がこの葛西。
正確には、かの有名な葛西臨海公園です。

この「タカラ食品工業」葛西工場は、そのすぐ近くにあります。

葛西の駅を超え、臨海地帯の集合住宅地を抜け、そして少しばかり迷いながら、たどり着いたのが「雑貨村」(↓)。
幾つかの物流倉庫や事務所、工場のようなものが一区画に集められているその「雑貨村」のなかに、「タカラ食品工業」葛西工場はあります。

 

あとで知ったのですが、この雑貨村の通りでは時折週末などに、付近の工場やらが集まってワゴンセール市をやっており、そこではこの「タカラ食品工業」さんのアウトレット品なども出るのだとか。
ええなあ。行ってみたいわー。

さて、
やっと着きました「タカラ食品」葛西工場。
正確にはここ、「葛西フレッシュセンター」というそうです。


イーアイデム(以下同画像同様)

非常に清潔な外周

近くに車を止める。
うーん、やや小雨。
傘はいらないけれど、霧雨というやつだ。濡れていこう。

近づけなくもないのだけど、悪いので敷地内に入ることなく、道路から遠目でちょっとだけ眺めることにします。
工場画像も申し訳ないので、ほとんど使わず、多くは企業が公式にネット上に公表していいよとしているものをメインに使っていくとしましょう。
よって画像の使いまわしは、今回ご勘弁を。

 

さて、本日2020年9月25日。
報道によると既に工場の稼働は停止中とか。
まあ、そりゃそうですよね、昨日の今日でガンガン動いているわけがない。
よって工場は静かなもの。

まず、工場の第一印象。
周囲はかなり清潔に片付けられています。
こういう状況だからかもしれませんが、いや寧ろこういうドタバタな状況だからこそ、外周はおろそかについなってしまうものですが、しかしでもぼくのようなプロの目からしても大きな問題は見られない。
さすがISO22000認証工場。
日頃の管理がしっかりしている証拠といえますな。

別にお世辞でもなんでもなく、こういう外観は工場の中にも反映されるもの。
この工場がいかに衛生管理に気をつけているかは、外側を見れば大概判ります。

工場の外観からだけで場内を予想してみる(前編)

さて、
このように、ただ遠くの外から建物を眺めるだけ。
そんな外観を見るだけで、工場の場内が一体どのようになっているのかまで、予測できるのでしょうか。
その場合、プロはどのようにプロファイリングしていくのでしょうか。
ちょっとやってみましょう。

まず正面を御覧ください。
広い庇の下で、トラックを停めて、荷物をおろしたり、いれたりするスペースを設けています。
これをトラックヤードと言いますが、そのプラットホームは、この工場には5つあります。
要するに、5台分のトラックが並んで工場に荷物を出し入れできるようになっている。
ちなみにこの荷物の出し入れについて、工場に搬入することを「入荷」と、そして工場からトラックに積んで搬出することを「出荷」と言います。

うーん、5つか。
やや少なめかとも思いましたが、まあでも日配品のサンドイッチ工場ならこんなものなのかな。

で、その5つのうち、向かって一番左側のプラットホーム前に、工場が動いていないのに自社のトラックが止まっていました。
ということは、こちら側が恐らく「出荷口」なのでしょう。

どういうことか。少し解説しましょう。
こうしたプラットホームというのは、トラックが運送してきた資材などを搬入する側の「入荷口」と、それらを使って製造した商品を今度はトラックに載せて搬出するための「出荷口」の、二種があります。
工場の面積やスペースの関係上などで「入荷」と「出荷」の両方を一つで兼ねている場合も、確かにあります。
しかしそれでも理想を言うなら、やはり資材などの搬入には搬入専用の入荷口を、そして搬出のためには専用の出荷口を設けておくのが、本来は望ましい。
何故かというと、そうすることで汚れがついているかもしれない入荷したものと、汚れを完全に除去されたまま出荷していく製品とが交わることを防ぎ、製品の汚染リスクを最小限に抑えるためです。

当然ながら、この規模のしっかりとした工場ともなれば、そのくらいは明確に動線が分けられていて当前でしょう。
じゃなければ、ISO22000認証なんて取得できません。…とまでは言いませんが、まあ改善指摘されるでしょうね。
先のような方々、いいですか?
これはあくまで一例。ほんの一端です。
こういう様々な衛生管理の苦労と工夫を、この工場は重ねに重ねて、良質の品質を維持しようとしているんです。

さて、そのように「入荷口」と「出荷口」が分けられているとしたら、ではどれが一体「入荷口」で、どれが「出荷口」か。
これはケースバイケースで何とも言えませんが、しかしその場合、いつ物流業者が来て入荷してもいいよう、入荷側は空けておきたいものです。
また自社のトラックは、これから自身の製品を載せて出しに向かうものなので、自社のトラックを自ずと使うことが多い。
それらもあって、出荷口というのは結構、自社の駐車場のようになっていることがままあるのです。
なので向かいの右側が入荷側になるのではないかと思います。

下の広告用の画像のほうが判りやすいかな。
この自社トラックが入荷口。
他の2台は、資材の仕入先からこの工場に資材を運んで来た運送会社のトラックです。

 

それと。
これだとちょっと暗くなってしまって分かりづらいのですが、画像の左端。トラックに向かって右側にドアがあります。
一つは、運転手さん用の出入り口でしょうね。
そして、実はその更に左にもうひとつ扉がある。
これはきっと廃棄口。ゴミ出し用のものじゃないかな。
あるいは、番重などの受け口かもしれません。
いずれにせよここ、少しばかり高くステージになっているのです。きっとここにトラックがついて、廃棄物を出すのでしょう。

そのドアの両脇にある大きな白い長方形のもの。
さらに分かりづらいのですが、画像の一番左の縦、柱にも見えなくもない、細長の大きな白いボックス。
これは送風機、つまり屋外用のエアシャワーです。
ドアが開いたときに左右から送風し、外の虫やホコリなどを場内に入れないようにする。
つまり、この工場が侵入防止の防虫管理をしっかりと気にしていることがわかります。

と同時に。
このエアシャワーには、送風によって室内の温度を外の気温差から守り、空調効率を維持する機能もある。
ということは、このドアの先が冷温管理されており、温度管理にも気を使っているということも判ります。

まとめ

新企画、「ぶらり、衛生管理屋」。
そろそろ長くなってきたので、ここで前編を一旦区切らせてもらいます。
次の後編では、さらにより内部に向かって工場内がどうなっているのか、外観からの観察だけで予想していくことにしましょう。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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