遂に始まりました、新企画!
全国の食品工場を工場見学し、そこの衛生管理状況とガチバトル。プロとして鋭い指摘を付けられるかどうか、ガチ勝負していきます。
題して「衛生管理屋高薙の、工場見学一本勝負」
記念すべき1戦目は、茨城県は大洗「かねふく」さんの明太子工場にて、今回・次回と二部構成でお話させていただきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

新企画、工場見学一本勝負!

(こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。)

さあ、皆さん!
いよいよですよ、
遂に始まりましたよ、新企画。
その名も、「衛生管理屋高薙の、工場見学一本勝負」。

食品衛生、異物混入対策、防虫管理、微生物対策、マネジメントシステム構築…。
そんな衛生管理の世界を長く生きてきたプロ中のプロである、この高薙所長。
その名誉をかけて、毎回、全国の食品工場を訪ねては工場見学を行っては、その工場がどのように衛生管理をしているかをチェック&バトル。
プロとして鋭く指摘が出来るかどうかを競います。

 

いやあ、勢いだけで始めちゃったはいいけれど、これねー。大丈夫かなあーマジで。
正直、不安たっぷりなんですけど。

というのもですね、一般的に工場見学コースなんていうのはですね、言うてみれば工場の「顔」ですわ。面ですわ。ツラですわ。
だから、ぱっと見てケチつけられるような、そんなおかしなものなんて絶対に、もうそれこそ絶対にね、
絶ーーーー対!に!出さないんですよ。許されないんですよ。
だからヌケだとか、指摘だとかね、そういうのがないように普通はがっつり入念に作りこまれてるんです。
何なら、ぼくらが呼ばれて「専門家として、完璧にプロデュースしてくれ」とすら言われますかんね。
(てゆーか実際に昔、そういう事案が数回ありました)

だって、実際に作っているのを見せるというのは、その製品がホラ、安心でしょ?というアピールの場だからです。
そりゃあ企業も全力、いやもうそれこそド全力で、落ち度のないものにするんです。

だってこのSNS全盛のご時世に、もし変なものでもあって御覧なさい。
下手すりゃ首、飛びますよ。スパーン、宙を舞いますよ。
やもすれば工場長は本社に呼ばれ「どうなってんだ、バカ殿なのか、それとも会社なくしたいのか」と問われ、やもすれば品管は工場長に呼ばれ「どうなってんだアホで無能なのか、それとも工場なくしたいのか」と怒鳴られなじられ、そしてしでかした作業者は、やもうすれば本当に職を失いかねません。
…と、そこまでではちょっと大げさですけど、でもそのくらいに真剣なんです。

さあ、そんな実をバラすと「見るほうは気楽、でも見られるほうは真剣」というのが食品工場の工場見学。
ではそんな工場見学に衛生管理のプロが、専門家が、実際に行って見てみるとどうなるか、をここではお伝えしたいと思います。
しかも折角なので、ガチに一本勝負していきましょう。
だってこれ、おもろないですか!?

いや、あのね。
悪いですけどぼくも一流中の一流のプロですよ?
こうやって記事にするほどのお土産もなく、どのツラ下げて「はい、何もなかったですが、こんなところでしたあ☆」なんて失態レポを晒せます?
さあ、そんなこっそり一人隠れガチバトル。
第一回目はどんなチェックを入れることができるのか!?

工場見学一本勝負:1本目「かねふくのめんたいパーク」

そんなわけで、この初戦。
1本目の舞台に選ばれしは、茨城は大洗の海辺。
明太子の大手老舗である「株式会社かねふく」さんの大洗工場に行ってきました。
実はここ、工場見学のみならず、明太子のテーマパーク「めんたいパーク」となっており、一般公開がなされているのです。

 

そんなわけで、8月の最終日曜日。
我ら高薙家ファミリーに、娘ちゃんのお友達を車に乗せ、いざ茨城に。
子どもたちにとってはただの楽しいうかれはっちゃけ海ドライブですが、ぼかあ違います。
さながら戦地へと向かう、さすらいのソルジャー。
そんな気分です。
え、ランボー?
こないだチャオビゴキブリに誤射して怒られていた、自称精鋭の?
…い、いや、何のことだか全くわかんないんですけど…。

 

おっとそんな旅道中、まずは茨城県の入り口「守谷SA」(下り)に寄って、朝ごはん代わりにお目当て「大山」のメンチを。

(朝から全力頬張る娘ちゃん)

ちなみに「大山」というのは、知る人(飲兵衛限定)ぞ知る上野の名店立ち飲み屋さんです。
この「大山」は、俗に言われる「ハムカツトライアングル」と呼ばれる3店の一角なのですが、実はそのトライアングルを成す他の二店とは決定的に、「大山」は違っています。
というのもここ、本業はガチな「食肉加工業」なのです。
だから、はっきり言って他2店とは、全くランク自体が違います。
ましてや、本当にこの「大山」が美味しいのは、ハムカツではなくてメンチです。
ハムカツなんてのは、いわば座興。前座。
勝負は寧ろ、メンチなんです。
そしてそれが、この守谷SA(下り)では、唯一、東京以外で食べられるのです。
そんなわけで常磐道を下って茨城に行く際には、是非オススメ。
ただし他のメニューではなく、ここではメンチ一択。それ以外は、ぶっちゃけ「まあ悪くない」レベルです。

…おっと、寄り道&無駄話している場合じゃない。
いかん、とっとと、目的地に行きましょう。
今回、字数が多いんだった。

 

そんなわけで。
照りつける太陽の下、常磐道を走ること東京から2時間弱。
大洗ICを降りて、しばらくのどかな田舎町を少し走っていくと、突然目前に広がるのが、青くきらめく広大な太平洋。

海だー!
今年最初にして最後の、海だああ!

はい、海を見ると興奮するのは子供だけではありません。
大人だって好きなんです、夏の海。

て、
ええーっ、海の中に鳥居!?

 

…さ、行きます。
スルーして行きます。

さて。
ここ大洗といえば、海産物。
この付近にある「大洗海鮮市場」に行けば、新鮮な魚や貝、干物などを味わうことができます。
実はここが、大人の大洗観光のお楽しみポイント。

マグロ、カニ、岩牡蠣、エビ…。
目移りするような、海の恵み。

「うーん、どれを晩酌に買っていこうか…」

(撮り損ねたので、イメージです)

おっと、違う、違う!
今日の戦場は、そこじゃない。
そこじゃないんだ。
そう自分に言い聞かせながら、大洗サンビーチに向かって海沿いに車を走らせること5分程度。
かねふくさんの明太子工場のかたわらに作られた、明太子専門テーマパーク「めんたいパーク」が、やっと見えてきました。

ここは全国に4つある、かねふくさんの関東唯一にして「めんたいパーク」で、海水浴やおいしい海の幸を目当てに大洗に来た観光客たちの楽しみの一つとなっているようです。
「来て楽しい、知って楽しい、食べて楽しい」
をモットーに、明太子直売、フードコート、子供たちの遊べるギャラリーコーナー、そして明太子の工場見学ができるのが特徴です。
(かねふくホームページ参照)

いざ工場見学!…となる前にプロはここを見る

さて、到着です。
かねふくさんの誇る、「めんたいパーク」。

それでは早速ながら工場見学に…と普通なるところですが。
違うんですよ。
全然、違うんです。
それは、何も知らないアマチュアのやることです。

プロは、焦りません。
なぜなら、その前にすべき、やもすれば最も重要なことがあるからです。

それは、工場の外周を歩いてチェックすることです。

 

工場の外周の状況から、その工場を知ることは山程あります。
ていうか、もう外周のチェックからその工場との勝負…いや、その工場を知るための情報合戦は、とっくに始まっているんです。
外観は、内情を写す。
はっきり言って、その工場の情報合戦の3割は、工場外部にあると言っても過言じゃありません。
(実際にこれからそれをプロが証明しますので、楽しみに読み進めてください)

工場を取り囲む自然環境はどうなのか。
建屋外の設備、例えば廃棄物保管庫などはどこにあるのか。
照明施設はどこにあって、どんな種類を使っているのか。
工場は平屋なのか、事務エリアはどこなのか。
緑地帯はあるのか、土壌はあるのか、排水施設はどうなっているのか、雨が降ったらどうなるのか、風が吹いたらどうなるのか、春になったら夏になったら秋になったらどうなるのか…。
いくらでも見るべきポイントは存在します。

そして何より、資材はどこから入って、そして製品はどこから出ていくのか。
それを外側から見るだけで、なんとなくですが、工場の工程動線が見えてくるものです。
それをしないものは、プロたりえません。プロ失格です。

 

なるほど、こちらが資材の搬出口か。
この規模の工場になれば、搬出搬入はワンウェイで、一緒ということはないはず。
てことはもう一方が、資材搬入口でしょう。

ちなみに到着したのは、14:00過ぎ。
すでに工場側の駐車場には物流用のトラックなどは停まっていません。
今日のぶんの出荷はもう終了したのでしょう。

さて。ここでチェックすべき一つが、「窓」です。
なぜ窓なのか。
それは、「窓」というのは外を覗くものであると同時に、外から中を覗くものでもあるからです。

どういうことか。説明していきましょう。
まず、この工場の窓には、特殊な加工がされています。
3つある窓の真ん中、ちょっと緑に見えますよね。これです。

これは何かというと、場内の灯火の漏れによる虫の誘因を防ぐため、特殊な偏光フィルムによって加工がなされています。その結果、緑になっている、というわけです。
つまりこのフィルムを窓に貼ることによって、外に生息している虫を工場に誘引してしまわないよう、場内の灯火漏れの紫外線をカットし、虫の目から見えないようにしているのです。
そうすることで、工場内に虫を呼び込み、侵入するのを防いでいる、というわけです。

これらのことから、この工場は、外から虫が入ってくることに対しかなり気を使っていることがわかります。
しかもぼくレベルになると、この加工方法から、この工場の防虫管理にはあの企業が入っているのか、というのが判ります。
それも業界大手二番手とされるPCO企業です。
うむ、相手に不足なし。

さらによく見ると外部灯火も、防虫用のものが使われています。
この手の防虫用の外灯は、結構コストがかかるものです。でもそれを取り入れている。
それを起用しているのだから、かなり気にしているのでしょう。

さて、この工場は砂浜に近い箇所に建てられています。
つまり、これらのことからこの工場は、外周の豊富な自然環境なため、夜間に飛来してくる虫が非常に多くて困っているのだ。
これだけの情報から、専門家ならそのことがわかります。プロなのでプロファイリングできます。(←違)

駐車場に見つけたミステリー

と、そのとき。
その駐車場内、建屋からやや離れた箇所に、不思議なものを発見しました。

ええ!?

これは…。

こ、こ、こ、こ、
これは……………。

これは、一体、何なんだ…?!?

皆さん、これが何だか判りますか?

 

広大な駐車場の、その照明の下に何やら、照明のような器具がついている。
これは一体なんだと思いますか?

構造からわかること。それは、これは「高圧電撃式殺虫機」だということです。
いわゆる「電殺」。
つまり、虫をバチンと電気で殺す機械です。
そう、たまーに、田舎のコンビニの軒下などに置かれている、アレです。

ですが。
これはでもちょっと、いや、かなり「変」です。
ヘンというか、どうにも解せません。
ありえないんですよ、こんなものがついていることが。
完全に矛盾しているんです。

ここにあるはずがないんです。
あっちゃいけない、あること自体がミステリーなのです。

というのも、ですね。
いいですか、この工場はかなり外から虫が入ってくることを嫌っている。
相当に、気をかけている。
それは前に書いた通りです。

ですが。
では、この機械、電撃式殺虫器というのはどういうものかというと、虫を強い紫外線で遠くから集めて、電撃で殺す機械なのです。
つまり、虫を呼ぶ機械なのです。
それも相当なパワーの光源で。

わかりますかね、その「ミステリー」の意味が。
どういうことかというと、わざわざ高いコストをかけて、特殊偏光フィルムや防虫用の外灯によって工場周辺に一生懸命虫を呼ばないようにしているのに、その一方で、この電殺で虫を呼び込んでいるのです。
とんでもない矛盾です。
虫を呼んでほしくないのに、呼んでいる。
そんなとんでもない矛盾を、こうやって実際にやっている。

んじゃそれは工場がアホなので知らないから、間違っているのか。
いや、絶対に違います。
断言できます。
完全に、わかった上でその矛盾の手段を取っているんです。
ある目的があって、そのために、その矛盾をわかっているけれど敢えて許しているんです。

皆さん、この謎が分かりますか?

この不思議なミステリーをどう解くか

虫を呼ばない灯火施設を導入しているのに、一方では虫を呼ぶような電撃殺虫機を使っている。
このミステリーを解くことができるでしょうか。

申し訳ありません。
この謎、はっきり言って一般的な品管さん、食品衛生を齧った程度の人には絶対に、絶対に!わからないと思います。
何故なら、この謎をとくことが出来るのは、ぼくの同業者、それもプロ中のプロの防虫屋しかいないからです。
これを見抜けるのは、この道のプロ以外いないし、そもそもプロ以外、この謎に気付くことすらないでしょう。

ちなみにぼくはこの謎を、数秒で見破りましたよ。
だって、プロ中のプロの防虫屋ですからね。

おっと、それでは皆さんのために、少しヒントを出しましょうか。

なぜ電撃式殺虫機を設置しているのか、のヒント
  • この工場は、大規模な海水浴場(大洗サンビーチ)から近い場所に建てられている
  • この工場は窓を特殊偏光フィルム加工しており、工場内の光が漏れないように工夫されている
  • この電撃式殺虫機は、工場から少し離れたところに設置されている

 

さあ、どうでしょうか。

電殺ミステリーを紐解く

それでは、少しずつこの謎を解いていきましょう。

 

さて。
実をいうと、こういう設備を備えている工場というのは、かなり珍しいです。
だってそりゃあ、そうです。そもそもが、大きく矛盾する対策なんだから。
そして、防虫対策にかなり力を入れているこちらの工場は、そんな矛盾を勿論わかったうえで導入しているのです。

どういうことか。
それでは謎解きをしていきましょう。

まず、ヒント1。
「この工場は大規模な海水浴場(大洗サンビーチ)から近い場所に建てられている」

つまり、砂浜近辺に建てられている。
こういうところにはどんな虫がいるか。
代表的なものが、アリです。
それこそ、とんでもない多量のアリがこの近辺には生息していることでしょう。

そしてアリは毎年夏になると、その巣で生まれた新たな女王アリによる羽アリの巣立ちが起こります。
女王アリの他、とんでもない多量のアリが巣から飛び立ち、付近一帯で激しく空中を舞いながら交尾し、次の新たな巣を目指します。

しかもそんな際に、このように近くにポツンと光のある施設が付近にあると、どうなるか。
なんと、一気に、どどどどどどおーっととんでもない量の羽アリが押し寄せるのです。
とんでもない量の、とてつもない量のアリが飛んでくるのです。

大きな公園に隣接しているぼくのマンションですら実際にあったのですから、このレベルだとこういったことが、あちこちで繰り返されていることでしょう。

 

つまり、夏の夜になるとしばしば、この工場には多量の羽アリが飛んでくる、ということです。
で。
そういうときは、どうするか。

先にリンクした記事にも書きました。
自分の居場所にアリがこないよう、別の光源をわざと設けて、そこに集めるのです。
普通はそうしてしまうと、余計な虫を呼んでしまうけれど、背に腹は代えられない。
そこで、より強い光源を使って、リスクを承知でそっちに集めるのです。

必要ない虫を呼び寄せてしまうのですから、この手は、本来余りすべき手段ではありません。
だから、そういう特殊な状況があったときにだけ、これを使うのです。

おそらくですが、この電撃式殺虫機は毎晩使うものではないでしょう。
あるそうした被害が発生した場合に、それを使って、即座にアリを駆除する。そのための機械だと思います。
だからある夏の数日の晩のためのものではないか、というこれはあくまで想像です。(が、そう間違ってはいないであろうことが予測できるプロの意見です)

そして。
その場合、できるだけ自分たちのいる場所は暗いほうがいい。
じゃないと、その光を求めてアリが来てしまいます。
そう、ヒント2。「この工場は窓を特殊偏光フィルム加工しており、工場内の光が漏れないように工夫されている」です。
だからこそ、工場の光の漏れにこの工場は特に気を使っているのです。

またこの場合、余りにも離れてアリがそちらに誘引されなくてもいけませんし、だからといって近すぎても工場に来てしまうので、いけません。
その距離感も重要だったりします。
それがヒント3。
「この電撃式殺虫機は、工場から少し離れたところに設置されている」の意味なのです。

まとめ

おっと、不思議な機械があったために、まだ入場しないままで前編が終わってしまいました。
てか、こんだけ書いてまだ入場もしてねーのかよ!

さすが試行錯誤の新企画。
後編は、もっとサクサクと進めることにしましょう。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?