最新の食品業界ニュースからピックアップし、食品衛生管理のプロの目線から分析・コメントさせていただきます。
今回の話題は、「なとり」のおつまみがカビの原因で自主回収になったという件について、食品衛生の専門家が「なとり」のおつまみを実際に買って一杯やりながら、今回、そして次回と、二部構成でお話させていただきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

なお、今回のニュースはこちらになります。

本日の時事食品ニュース

 


なとり

なとりのおつまみがカビ懸念で回収

(こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。)

まずは、ニュース紹介からしておきましょう。
もたもたしていたら、ちょっと遅れてしまいました、すいません。
しかも小さめのニュースだったためチョック漏れすら起こしていたのですが、先日、乾きもののおつまみで知られる「なとり」にて、その製品内の脱酸素剤の不良によって商品にカビが生える懸念があるため、自主回収する、というニュースが報じられました。
以下、ニュースサイトから引用します。

商品に使用している三菱ガス化学(株)製造の一部の脱酸素剤において不具合があり、該当する脱酸素剤を使用している商品にカビや変質が発生する可能性があることが判明したため、自主回収する。現在まで健康被害の申し出はない。


なとり

なんでも、お酒のおつまみメーカーで知られる「なとり」さんが、商品へのカビの発生を懸念し、21点もの自社商品を市場から自主回収する、という。
さらにはなとりが製造しているファミリーマート向けの「ファミリーマートコレクション 牛もも赤身ビーフジャーキー」も回収となっているようです。

で、その原因となっているのは、「三菱ガス化学」が造った脱酸素剤に不良が発見された、ということ。
すでにその製造元である三菱ガス化学からも謝罪があがっています。

なとりのおつまみで実際に一杯やりながら考えよう

ということで、これからなとりのおつまみの自主回収について解説していくわけですが。
この高薙所長、ふと考えました。
そうだ。
折角だったら、なとりのおつまみを実際につまみながらやっていったほうが、よりリアリティあるんじゃないだろうか?

うん、我ながら実にいいアイディアじゃないか!
そうだ、
そっちのほうが絶対いいに違いない。

うーん、お酒飲みながら解説なんて、ちょっと憚られるけれど、でもこれもお仕事!
うーん、仕方ない。
だって仕事だから仕方ないよね!

さあ、
それでは、これから実際になとりのおつまみで週末の一杯をやりながら、今回のこの件についてお話していくとしましょう!
(超ウキウキモードで)

なとりのおつまみを買ってみる

そんなわけで、一路なとりのおつまみを求めて、まずは一番近所のセブンイレブンへいってみました。

 

うーん…

ない!

なとりが、ない。
なとり商品、一つも、ない。

さすがセブンイレブン、ほとんど自社商品でした。
なとりを置くスキを与えていない。
牙城感、ハンパねえ…。

あー、
ここは行くべきはやっぱローソンだったかな。
確か回収対象にローソンオリジナルのなとり商品があったものなあ。

仕方ないので、もう少しだけ足を伸ばして、地元スーパーに行くことにしました。

 

おー、あるある。
あるじゃない、あるじゃない。
というか乾きものつまみの棚は、ほとんどなとりコーナーになっている。
乾きもの市場でのなとりのシェア率、もしかしてえげつないんちゃう?

特にチー鱈は、様々な種類が置いてある。
それに乾きものといっても、なんともバラエティ豊か。
寧ろ、乾きものへの制覇感、伝わってくる。
さすがだな、なとり!

 

色々と目移りするも、やっぱりここは乾きものツマミ。
まず、なとりといったら、チー鱈。これは外せない。
それに乾きものといえば、やっぱりサラミでしょ、ここは鉄板でしょかわせないでしょ。
あとはイカだよねー、やっぱり酒の乾きものといったら。
イカくんもいいけれど、ちょっとひねっちゃおう。

 

いかなんこつ。
ついでに切れた洋酒も合わせて。
デイリーの安酒でいい。いんだよ、いんだよ、こういうのでいんだよ、家酒なんてのは。
今回はこいつをハイボールにして飲んでいこう。

 

さあ、揃った揃った。
うん、いいじゃない、いいじゃない。
なんか、いいじゃないか。
こいつらだったら最初は、そりゃもうやっぱりビールに決まってる。
最初の一杯は、ビール一択だ。

それでは、まずはビールをプシュりながら…

 

乾杯ー!
(一人だけど)

ぷはー、美味い!
暑い日には冷たいビール、たまんないなあ。
うん、美味いぞ。
ぐんぐん進んじゃう。

肴は、どこから行こうか。
サラミ、いいな。
ビールと言ったら、サラミだ。
こっからいってやろう。

え?
あ、
なんだっけ?ええと、そうそうなとりだ、脱酸素剤だ。
そうでした、そうでした。
おっと失礼、失礼。そう、仕事、仕事っと。

んじゃあ、こいつらでチビチビとやりながら、んじゃあお話を進めていきましょう。

脱酸素剤とは

はいー、
それじゃあグイっとやりながら始めますよ。

まずはここから。
そもそも皆さんは「脱酸素剤」というのをご存じでしょうか。

例えばスナック菓子だったり、パンだったり、あるいは先のなとりの乾きもののおつまみのような袋入りの食品の中に、よく小さな四角くて白い乾燥剤のようなものが入っているのを見ることがありますよね。
そう、「食べられません」と表記されていることのある、あれです。
実はあれが、「脱酸素剤」というものです。

 

そうそう、これです。
これこれ。
で、今回はこれが不良になったのが原因だという話です。

「脱酸素剤」という名からもわかるように、脱酸素剤というのはそれらのように食品包装内に入れることで、密閉されている包装内の酸素を吸収してしまい、その包装内から酸素をなくしてしまうことを目的とした薬剤です。
これには通常、「鉄が錆びる時に酸素を吸収する」という鉄の酸化が利用されていることが多いのですが、現在では鉄以外のものも一部あるようです。(よく知らない)

さてこの「脱酸素剤」という名は知らなくても、「エージレス」という商品名なら知っている、という人もいるかと思います。
ていうかぼくも含めて、「脱酸素剤」といったら「エージレス」だろう、という人もこの(食品)業界には多いかと思います。

実はこの「エージレス」というのは、「脱酸素剤」で最大シェアをほこる三菱ガス化学の商品のことです。
(言ってみれば、ニチバンの「セロテープ」みたいなものです)

勿論その他の企業からも「脱酸素剤」は出されていますが、やはり脱酸素剤といったら「エージレス」というイメージは非常に大きいことでしょう。

 

ちなみにこの「エージレス」は全国にある三菱ガス化学の各工場で製造されているのですが、実はここ東京にも大きなエージレス工場があったりします。

東京は下町、ほぼ千葉県な葛飾区は金町の駅から歩くこと約10分強。
中川のほとり、きれいなキャンパスや公園に囲まれた、東京工場(今は研究施設なども含まれ、「東京研究所」となっているのかな?)があるのです。
電車からも見えるのですが、うーん、東京理科大が来てからずいぶんガラリと変わりましたねえ。
だって昔はここら、本当に何もなかったものです。
なんでもこの金町という街は、かつて高度経済成長期にかけては、この三菱ガス化学の工業都市だったと聞きます。そういう時代もあったんですねえ…。

…おっと!
全く関係ない横道に逸れてしまいました、失礼、失礼。
やっぱ飲んで語ると、そうなるよねえ。うん。

カビの発生条件

さて、話を本題に戻しましょう。

食品の包装内に脱酸素剤を入れると、食品のカビを抑えることができる、とお話しました。
では、それはどうしてなのでしょうか。

ここでまず、基礎的なお話を。
カビが育成するためには、いくつかの要因が必要です。
それは「水分」、「栄養」、「温度」の3つです。

カビの発育条件
  • 温度
  • 湿度(水分)
  • 栄養

 

 

つまり、カビを生やさないためには、これらのいずれかをなくす必要があるのです。

いやいや、ちょっと待ってくださいよ、と。
そう言いたくなるかたもいるかと思います。

だって、今回なとりで回収対象になった商品を、見てください。
ジャーキー、あたりめ、サラミにドライソーセージ。
いわゆる、乾きものです。
乾いているから「乾きもの」です。
一般的に見れば、これらに水分がそんなあるとは普通思えないじゃないですか。
これってもうその発生条件を満たしてないかね、と。
そんなん、ハナから「水分」ないやん、と。
いやもうドライゆーとるがな、と。
そう思う人もいるかもしれませんね。(何故か関西弁)

そうなんです、
そんなところにもカビは生えるのです。

ぼくらはカビに囲まれて生きている

では、どうやってカビの発生を食い止めるのか。
つまりは「水分」、「栄養」、「温度」というカビの発生条件をなくすのか。
ここでカビという存在に一度立ち戻って考えてみることにしましょう。

そもそもカビというのは、目に見えない非常に小さな「胞子」がまず最初にあります。
そしてそれが発芽して植物のように「菌糸」を伸ばし、それが大きくなって「コロニー」を造り、そして数センチくらいの目に見えるような大きさになって、ここで初めてカビだと認識されるのです。

言い換えれば、一般的に、「カビが生えた」というのは、カビの「胞子」が発芽し、「菌糸」を広げて作った「コロニー」のことを指して言います。

さて、そんなカビの胞子は、実は空気中のそれこそありとあらゆるところに存在します。
それこそ、どこだろうと普通に存在しています。見えないだけです。
言うなれば、ぼくたちはカビに囲まれて生きている。
そう言っても過言ではありません。
自宅の部屋や寝室、お風呂、そしてあなたのオフィス、いたるところにカビの胞子が存在しています。
ありとあらゆる空間に、カビの胞子はふわふわと浮遊しています。

実際、あなたが今呼吸している空気の中にも、おそらくカビの胞子は存在しています。
ただ小さくて(3~10μm)見えていないだけの話です。
一般的に、人間(成人男性)は一日の普通の生活の中で1万個以上のカビの胞子を吸い込んでいる、とも言われています。
本当かどうかは不明ですが、空気中にあるカビの胞子数と呼吸量を換算するとそうなるという話です。

このカビの胞子の存在自体をなくす、というのは一般的には現実的ではありません。
HEPAフィルターで囲まれた無菌のクリーンルーム、くらいしかありません。
そのくらい、カビの胞子というのはどこにでもあるのです。

工場で作った製品にカビを生えさせたくない。
だったら、カビの胞子をその工場内からなくせばいいじゃないか。
そう思うかもしれませんが、以上のことから、これはおよそ不可能で非現実的な話です。

だからもう、「食品にカビの胞子を付着させない」というのは現実的には無理ゲーだという前提で、それ以外の条件、つまりはこれら「水分」、「栄養」、「温度」をなくすことでカビを胞子から発育させない、という対策が必要になります。

どうすればカビの発生を食い止められるのか

では、どうやってそんなカビの発生を食い止めることができるのでしょうか。
これらカビの発生条件「水分」、「栄養」、「温度」について、見ていきましょう。

まず、食品である以上、「栄養」をなくすのは、これは無理筋でしょう。
だって、そこに栄養があるから食品なのです。
とくに糖分はカビの大好物です。

では「水分」はどうか。これも同様です。
そもそも、「栄養」や「水分」が少なくても生きていけるカビというのが存在します。
まるで砂漠のサボテンのように、僅かな水や栄養分だけで生きていける、そんなカビも少なくないのです。

例えば、長らく押入れにしまっていた衣類にカビが生えている。割とよくある話じゃないですか。
これは、なぜか。上の条件、「栄養」や「水分」を、僅かながらも満たしたからです。
湿気を吸った着衣。人の脂が付着した着衣。
そこに生えているカビは、わずかその程度でも発育できるものだったのです。
つまりカビは、乾燥した食品であったとしても、そのわずかの水分で増えることが可能なのです。

そもそも、食品でカビが問題になるのは、その多くが常温保存で長期保管のきくものです。
そう、
実は乾燥食品、保存食品というのは、カビの問題になりやすいのです。
今回の乾きものもその一つ。
ジャーキー、あたりめ、サラミにドライソーセージ。
みんな、カビの問題になりやすい。

それはなぜか。

まず第一に、保存期間の短い、普通の食品も放置すればカビは生えます。
生えるんですが、そのまえに、腐ります。
カビが成長する以前に、違う細菌が食品に繁殖します。
結果、食品は腐敗し、あるいは食中毒菌が増殖して支配し、そして悪臭を放つので、カビ以前の問題となります。

2つ目。
常温での長期保存がきく保存食品というのは、こうした微生物による腐敗や食中毒菌の増殖を防ぐため、様々な手を加えたものです。
乾燥、というのもその一つです。
水分を抜いてしまい、細菌の増殖が出来ないようにする。これによって腐敗を防いでいるのです。
その他、塩漬けなどもそうです。
食品内の浸透圧を高めて、微生物が生きるための水分がない環境としているのです。
梅干しや漬物、あるいはジャムなどの砂糖漬けも同様です。

しかし、細菌が生きるほどの水分がない状況だとしても、それでも生きることができるカビもいるのです。
寧ろ、水分が少ないほうが都合がいい。そんなカビだっているのです。
いわゆる「好稠性」、つまり乾いた環境が好きな変わりもののカビです。
例えば、「カワキコウジカビ」や「アスペルギルス・レストリクタス」、「アズキイロカビ」あたりががその代表でしょう。

乾燥環境が好きなカビ

ちょっとだけ専門的なお話をしておきましょう。
よくわかんねー!って人は、この項を飛ばしてしまっても別にいいです。

さて。
ごく一般的には、カビは水分が多いほうが生えやすいとされています。
やや専門的な言葉で言えば、水分活性0.8。
自由水の割合が、つまりは80%。
俗に言うなら、じめじめとした環境。
こういう環境が、カビの発生が適しています。
いわゆるクロカビ(クラドスポリウム)などを筆頭に、普通のカビはこういう環境が大好きです。
しかしそうではないカビもいます。それが先のような「好稠性」のカビです。

少しばかり、そのメカニズムを解説しましょう。
以下、高校の理科で習うお話です。

「浸透現象」というのをご存知でしょうか。
カビを含めた微生物は、乾燥したような環境にあると、その微生物の細胞の水分が外部に脱水されてしまいます。
つまり、水(溶液)が低濃度から高濃度へと移動することを、「浸透現象」といいます。

そしてその結果、微生物は、その細胞から水が出てしまい、育つことができなくなってしまいます。
先にも簡単に触れたように、これを利用したものが、干物やビーフジャーキーなどの乾燥食品です。
これらの食品は保存のために、そうしたことを行うことで食品内の水分を少なくさせ、つまり「水分活性」を低くさせて、微生物の活動、たとえばカビたり腐ったり食中毒になったりすることから逃れているのです。

これと同様の効果を狙っているのが、塩漬けや味噌漬けなど塩分濃度を高めた食品、あるいはハチミツ漬けやジャムなどの糖濃度を高めた食品です。
これらの食品は「水分活性」を低くすることで、浸透現象、つまり微生物自身を脱水させたり、あるいは微生物が使える水分を減らしてしまうなどということによって微生物の活動を抑えるため、保存がきくのです。

しかしある種のカビは、そうしたことにも強かったりします。
普通だったらそんな環境では増殖出来ないのですが、ある種のカビは細胞内の浸透圧を調整する力があるため、水分を外部に出さないようにし、生きることが出来ます。
こうしたカビが「好稠性」のカビです。

ちなみにぼくが大手衛生管理業者にいたころは、とあるペットフード屋さんからのカビの相談を結構な頻度で頂いていたものです。
ペットフードです。
わんちゃんが食べる、あの乾燥してカリッカリでカラッカラな、アレです。
アレに生えたカビについて、これはカビなのか、であればどんなカビなのか云々と、結構な頻度で検査の依頼を頂いていました。
で、まあそのほとんどが「カワキコウジカビ」や「アスペルギルス・レストリクタス」、「アズキイロカビ」のどれかでした。

カビは何度まで発育できるのか

少しむずかしいお話をしてしまいましたかね。
んじゃ戻します。

カビの発生条件は3つ。「栄養」と「水分」と「温度」だという。
食品である以上、「栄養」は難しい。
「水分」をなくす、というのもあるっちゃあるが、しかしそれでも育つカビはいる。

んじゃ、3つのうちの最後の条件「温度」はどうか。
冷蔵すればカビは生えないのではないか。

それは確かにないわけではない。
確かに温度を下げることで、カビの活動は少なからず低下します。
一般的なカビは、20度から30度が活動に適しています。

しかしこれらのカビがその温度帯外で活動しないか、というとそうではないんです。
確かに発育は鈍るかもですが、それだけで、ゆっくりと発育したりもします。
食品を冷蔵庫に保管していたのにカビることってありますよね。
つまり冷蔵状態だって、カビは活動しているということになる。
実際には多くのカビは0度から40度で発育が可能です。

しかも、それを下回る低温でも活動するカビすらいます。
実際、ぼくは以前に、冷凍の肉にカビが生えたと相談されたこともあるくらいです。

ましてや、ですよ。
スナック菓子や乾きものといったら、普通は常温保存です。
そもそも、その時点でもうこの「温度」という選択肢は消えています。

ちなみに常温保存の食品だと、カビは冬だろうと生育可能です。
細菌の冬は建屋内だと10度をザラに上回っていることが多いからです。

いやいや、おい待てよ、と。
食品である以上「栄養」も「水分」も難しい。
常温保存商品だから、「温度」も難しい。
んじゃもう打つ手がないじゃないか。

あるんです。
あるんですよ、最後の一手が。

それが、更なる必要な要因、「酸素」です。

「酸素」を操作してカビを防ぐ、という方法

酸素でカビをコントロールできる。
というか、実際は「酸素」でしかカビを防止できない。
これはどうしてでしょうか。

とうのも、カビというのは、好気性です。
「好気性」というのは、カビは活動するためには酸素が必要だ、ということです。
そこで酸素を取り除くことで、カビの活動を妨げる、というわけです。

しかし人間などのように、カビは酸素がなくても死にはしません。ただ活動が停止するのです。
だから死にません。決定打ではありません。ですが、活動は止まります。

重要なので、もう一度言いますよ?
カビは、酸素がなくても死にはしませんが、活動が停止します。

だから、それ以上発育しません。
つまり、いくらカビの胞子が付着していても、酸素がなければカビは見えない胞子のままで、それ以上にならない、ということです。
これを使った保存法が、例えば缶詰です。
あるいは真空パックなどもそうですね。
そして今回のお話のメインである、包装内の酸素を吸収してしまう脱酸素剤の出番だ、というわけです。

しかしカビというのは、結構しぶといものです。
酸素濃度を1/5程度の4%くらいにしても、まだ活動するものもいます。
そこでこの脱酸素剤は食品包装内の酸素濃度を0.1%以下にまで減らし、維持することでカビの発育を抑えているのです。

まとめ

乾杯ー、と言いながら結構カビの話をしてしまいました。
まとめます。
前編である今回は、脱酸素剤とはどういうものか、というお話でした。

カビに必要な生息条件、それは「水分」、「栄養」、「温度」の3つです。

カビの発育条件
  • 温度
  • 湿度(水分)
  • 栄養

 

つまり、カビを生やさないためには、これらのいずれかをなくす必要があるのです。

ところが、カビは少ない栄養や水分でも生きることが可能であるため、常温で長期保存するような食品内でも育つことが出来ます。
(当然、常温保存ですので、温度による管理は難しくなります。またカビは、そもそもかなりの低温状態でも発育が可能です。)

となると、これらによる発育抑制が難しくなる。
そこで「酸素」です。
つまり脱酸素剤で、包装内の酸素をなくすことによって、カビは死にはしないけれど、活動が停止する。
それが脱酸素剤によるカビ対策、ということになります。

さて、続く後編では、では今回それがどうしてカビの懸念が出てしまったのか。
またなとりのおつまみを実際に開封して、どのように脱酸素剤(エージレス)が使われているのかを見ていきたいと思います。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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