食品工場や厨房などの天井から、ゴキブリが落ちてくる。
そんな怖いことってあるのでしょうか。
実はあります。
では、どんなところがその侵入ルートとなっているのか。
結構あるものなんですよ、「え、こんなところから!?」という侵入箇所が。
今回はそんな、天井からの虫の侵入箇所についてお話したいと思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

結構多い、天井裏に潜んでいる虫

食品工場や厨房などの天井裏には、意外と虫が多く潜んでいます。
…なんていうと、「ええ!」と驚くかもしれませんね。
結構知られていないことなんですが、でもそれ、本当です。

 

詳しくは、この前回のお話を読んでみてください。
むしろ今回は、それを踏まえた上で、ではそれらの虫が一体どこから部屋の中に侵入してくるのか、その天井裏からの侵入ルートについてのお話をしていきたいと思います。

まず、ぱっとご自身の食品工場内や厨房内の天井を眺めてみてください。
で、そのあなたが見ている天井のその上、つまり天井裏に、虫がいるとしましょう。
では、その虫はどこから室内に入ってくるのでしょうか。

こういうと、なかなか答えがかえってこないものです。
だって、ぱっと見、そんな虫が入ってくるところなんて、そんな天井裏からの虫の侵入ルートなんて、一般の人にはそうそう見つからないからです。

そりゃ、例えば点検口がぱっかり空けっぱなしだったり、あるいはスコンと天井パネルが一枚ヌケてなくなっているような状態だったり、まあそこまで極端でないとしたって、昔天井に空けた今は使っていない配管穴がそのままだったり…。
そんな、天井裏とガチにつながっているようなわかりやすい隙間があれば、いやここじゃないかなと見当もつきやすいことでしょう。

でも。
普通は、そんな風にはなっていません。
だから、入ってこれそうにないように、見えてしまう。
じゃあ、虫なんてそうそう簡単に入ってこれないんじゃないか。そう考えてしまいがちです。
いや、違います。
ところがこれが、そうそう簡単に、大概が入ってこれてしまうのです。
そこが虫の厄介なところなのです。

では、一体どのような場所が天井裏からの侵入ルートになっているのか、探っていくとしましょう。

こんなところから虫は侵入している

今回はもうざざっと結論から挙げていってしまいましょう。
実は天井裏の虫は、こんなところを侵入ルートにして室内に入ってきているのです。

天井裏の生息昆虫の侵入ルート例
  • 室内照明の隙間
  • 点検口の枠部の隙間
  • 電源ケーブル引き込み箇所
  • 分電盤・制御盤の隙間
  • 水道配管のカバー内
  • 天井の電源コンセントの隙間
  • パネルの合わせ目の隙間
  • パッケージエアコンの縁
  • 排気フードの天井貫通部の隙間

 

それでは一つずつ解説していきます。

室内照明の隙間

例えば、天井裏のカビから発生した、チャタテムシやヒメマキムシなど。
これらが室内に入ってくる場合によくあるのが、この室内照明、例えば蛍光灯の隙間からの侵入ルートです。

そもそも蛍光灯というのはどのように天井につけられているのか。
まずは、天井パネルを切り抜かれて蛍光灯などの照明が設置されているケース。
俗に言う、「埋込式蛍光灯」というやつです。

その場合、蛍光灯と天井パネルには少なからず隙間が生じます。
周辺をぐるりとコーキング剤などを使ってシーリングしない限り、その隙間から虫が入り込みます。
そもそも一般的な蛍光灯というのは、こうした防虫対策上のことを考えられずに作られ、設置されています。

 

それに蛍光灯というのは、本体自体が隙間の塊です。
だから仮にその周辺をシーリングしたとしても、照明本体には様々な箇所に隙間が生じています。
LEDなどは、それでも比較的隙間の少ない構造となっていますが、しかしポピュラーな逆富士型蛍光灯などは、いつそこから虫が入り込んでもおかしくない作りになっています。
なかでも一番隙間が顕著なのは、蛍光灯のソケット部です。
よーく見てみてください、隙間だらけなのがわかるでしょう。

 

勿論、気密性の高い室内照明だって存在します。
例えばクリーンルーム用の照明などはしっかりとカバーがつけられており、こういうものであれば虫の侵入を遮断することができるでしょう。
しかしながら、こうした照明設備は当然ながらその分だけ割高なので、一般的な食品工場の室内灯火にはあまり使われなていないでしょう。
つまり、照明というのはそれだけ天井に隙間を作るものなのだ、と考えたほうがいいです。いいというか、事実隙間だらけの設備なのです。

実際に、点検口から顔を入れて、天井裏から灯火の周辺を見てみれば、一目瞭然。
室内の灯火や、その蛍光灯そのものの光が天井裏に漏れていることが多いものです。

さて、ちょっと虫になったつもりで、この事実を考えてみてください。
このような場合、天井裏で生きる虫からそれを見たら、どういう状況が生じていると思いますか?
つまり、真っ暗な天井裏で、その小さな隙間から、部分的に蛍光灯のまばゆい光が差す状態となっているわけです。
光に集まる虫なら、当然そこに誘引されますよね。

そうやって照明施設の隙間から、天井裏で生息している虫は引き込まれ、室内に入ってくる、というわけです。

点検口の枠部の隙間

実はこうした「ぱっと見そうでもないけれど、実は隙間だらけで虫の侵入が可能な箇所」というのは結構あるものです。
その一つが点検口です。

確かに食品工場や厨房での点検口には、外枠にパッキンの付いた気密性の高いエアタイトのものも使われていたりします。
この場合、こうした隙間が生じることはありません。


シンワ

ですが、ごく一般的な点検口の場合、そうではありません。
その場合、天井部の外枠と点検口の内枠の間に隙間が生じるケースがよく見られます。

 

この場合、この隙間から天井裏に生息する虫が流入する、場合によってはポロポロとその下に落下する危険があります。

特にラインの頭上に点検口などがある場合は、一度確認してみるといいでしょう。
やもするとそこに虫の混入リスクが潜在しているかもしれません。

電源ケーブル引き込み箇所

天井裏に生息していたクロゴキブリが、どこから室内に入ってきているかわからない。
そういう場合、まず疑うのがここです。

天井裏から電源ケーブルを引き込んで、室内で使う。
こういう場合、必ず電源ケーブルを室内に通し引き込むための穴が必要です。

この穴から侵入したゴキブリは、配線モールの中をつたって様々に移動し、行きわたります。
この場合、ご丁寧にもその電源ケーブルは、天井裏から場内の様々な箇所へとわたるための架け橋となっているのです。

またケーブルラックなどが走っている場合、すべてのケーブルの貫通部に隙間なくコーキング剤などでシーリングを行うのは結構大変です。
場合によっては、ここがネズミの侵入経路になっている場合も、少なくはありません。

分電盤・制御盤の隙間

これも同様です。
配電盤につながっているケーブルパイプの中を伝って、虫が配電盤の中に移動する。
そしてその配電盤の蓋や隙間などから、虫が侵入する。
こういうケースもあります。

 

以前、外周の配電盤から伸びている電源パイプを伝って、クロゴキブリが場内に侵入していたケースもありました。
やたらとある部屋だけ、クロゴキブリを見かける。
その理由がわからない。天井裏でもない。

そこでよくよく調べてみたら、外周で生息していたクロゴキブリが秋になって寒くなり、暖を求めて配電盤に入り込み、そこで卵(卵鞘)を産み落とした結果、そのような状態になってしまったことが後に判明しました。

そして、この配電盤ケーブルパイプからの侵入というのは、これまたネズミので場合も、「あるある」です。
しかも恐ろしいことに、結構な確率でネズミは電源ケーブルを齧ります。
当然ショートし、工場内や厨房内の電気が落ちることになります。
考えただけでもたまりませんね。

水道配管のカバー内

これも多いケースです。

天井裏に貫通している水道管カバーは、天井をくりぬいた穴にズドンと接続されています。
そのカバーの中は水道管とその周辺の保温材があるのですが、その中をチャバネゴキブリなどは移動します。

しかもこの水道管、とくに温水管は冬でも温かいのでゴキブリにとって格好の住みかになります。
チャバネゴキブリはしばしば、この中で巣を作ります。

天井の電源コンセントの隙間

天井に設置された電源コンセント。
実はこれもチャタテムシ類などにとっては、恰好の室内への入り口になります。

そもそも電源コンセントは、空洞だらけのものにカバーを付けているだけです。
その結果、隙間から虫が侵入することがあります。
場合によっては、カバーすらつけていない場合、外れかかっている場合すら見たことがあります。
これはもう金属などの異物混入対策の点からしたって、論外です。

パッケージエアコンの淵やフードの天井貫通部の隙間など

パッケージエアコンもまた、実は結構隙間の多い機械です。
これも天井パネルを切って、そこにズドンとはめ込む。
その隙間がまずある場合もありますし、そもそも天井裏に入った本体部も隙間だらけだったりします。

そしてもう一つ。
高温調理や洗浄機など、蒸気の出る工程には必ず排気フードがあるでしょう。
この周辺をよく見てください。
天井の貫通部に時折、隙間ができていることがままあります。
シーリングされていればよいのですが、これが経年劣化で剥離されてしまっているときもあります。
しかもこれが結構、盲点だったりします。

こうした排気フードから伸びるダクトは、温かいためゴキブリの生息要因にもなりやすい。
そこで隙間からゴキブリが侵入してきます。
食品工場においては、そうした直下では食品が暴露して調理されていることが多いものです。
大釜でボイルされていたり、フライヤーなどがあったり。
こうした作業の真上からゴキブリが侵入してくるというのは、ちょっと恐ろしいことでもあります。

まとめ

今回は、食品工場や厨房の天井裏にひそんでいる虫が、どのような隙間から室内に侵入してくるのかについて、お話しました。

天井裏の生息昆虫の侵入ルート例
  • 室内照明の隙間
  • 点検口の枠部の隙間
  • 電源ケーブル引き込み箇所
  • 分電盤・制御盤の隙間
  • 水道配管のカバー内
  • 天井の電源コンセントの隙間
  • パネルの合わせ目の隙間
  • パッケージエアコンの縁
  • フードダクトの貫通部の隙間

 

このように、実は天井裏から虫の入れる侵入ルートというのは結構あったりするものです。
しかもそれらがいずれも、人間の目からすれば隙間と映らない。
またそれらを作っているメーカーや、それを設置する作業者なども、これが虫の侵入要因になるだなんて考えもしない。
そんな死角から虫は、工場内や厨房内に入りこむのです。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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