最新の食品業界ニュースからピックアップし、食品衛生管理のプロの目線から分析・コメントさせていただきます。
今回の話題は、時々ぽろぽろと出る給食の異物混入のうち、金属異物の混入が二件建て続いたという沖縄での事故報告について、考察していきましょう。
これね、同じような異物混入なのに、ちょっとした企業の対応差によって結果が大きく違ってくるから面白いものです。
ズバリ、これが企業の分かれ道、です!

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

なお、今回のニュースはこちらになります。

本日の時事食品ニュース

 


八重山日報

給食のパンと米飯に金属片が!?

まずはもう一度、ニュース紹介からしておきましょう。
ちょっとローカルなニュースですが、食品衛生としての示唆に富んでいるので、今回取り上げることにしました。
というのも、同じような異物混入を起こしているのに、企業の対応差でこんなに変わってくるのか、という意味で、非常に面白い結果となっているのです。
そこらに注目しながら、どうぞよく読んでみてください。
あなたの企業、飲食店、工場はどっちを選びますか!?

さて。
沖縄石垣市教育委員会は7月12日、市内の学校給食に異物が混入していたと公表し、納入業者とともに謝罪会見を行いました。
以下、ニュースサイトから引用します。

(沖縄県)石垣市教育委員会は12日、公立学校の給食で10日までに2件の異物混入があったと発表した。
県学校給食会委託の業者が調理、提供したパンと米飯に金属片が混入していた。
いずれも調理器具の劣化による欠片の一部。
2件とも食前に発見され、児童生徒らに健康被害はなかった。
調理器具はすでに撤去か修繕を終えている。


琉球朝日放送

給食への異物混入二件が連発していた。
一つは5月末、つまりはもう1ヶ月以上前に、給食のパンで。
もう一つは、7月に、同じように給食の米飯で。

しかも、同じくなんと、金属異物です。

で、これの何が問題かというと、その金属異物の混入もさることながら、事故の発生から随分と時間が経過している、という話です。
ましてや最初の、パンへの異物混入が、5月28日ですから、1ヶ月以上も経っているだろう、ということ。

で、こういうことが起こると、学校はどうなってんだー自治体はどうなっテンダー!とつつかれて、よくわかってない教育委員会の人が「これも仕事か」と、頭をさげている。

これを受け、市教委は異物混入時の対応について各学校長に県の指導を通知していたが、7月10日の異物混入時には指導通りの対応はとられなかった。
市教委は、再度確認するよう各学校長へ周知する、としている。

 

それでは、これらの内容について解説していきます。

給食への異物混入対応はどうなっているのか

まずはちょっと、給食における衛生管理やそのマニュアル、指導なるものの基礎知識について、少し触れておきます。

そもそもですが、学校というのは文部科学省の管轄です。
だから学校給食の衛生管理も、文部科学省の管轄になります。
といっても、文科省は教育についての行政機関であって、食品衛生、公衆衛生のプロでも何でもありません。

でもそこは日本の誇る、「ザ・縦割り行政」。
食品衛生、公衆衛生のプロである厚生労働省は、しかしここに首を突っ込むことはありません。
そこで、文科省はそのプロである厚生労働省の出している「大量調理施設衛生管理マニュアル」という一般的な衛生管理マニュアルをパk…いや、参考にして、「学校給食衛生管理基準」を作りました。

で。
各自治体の教育委員会では、この「学校給食衛生管理基準」を元にしながら、各々の異物対策マニュアルを作っているところが多い。

とはいっても、何処も皆ゼロから作るわけは、勿論ありません。
そこはそこ。
大概の大枠は、ちゃんとそれ用の雛型があるのです。
それを少々自分たちでカスタマイズして自治体の名前を付けて、さあこれがウチの自治体の給食の異物混入対策マニュアルです、といって出している。

「今後はしっかり指導に沿って…」
というのは、得てしてこのマニュアルに沿いなさい、という話になる。

で、このマニュアルの雛型ってのがですね。
まず最初に、やれ「異物とはこういうものである」みたいな定義で始まっていまして。
そしてそれから次に必ず、この「混入異物の区分」というのがある。
お約束、です。
そこで、混入異物をその危険性に対し、「危険異物」かそうじゃない「非危険異物」に分けているんです。

 

どこいっても給食の異物混入対策マニュアルには、似たり寄ったりでこんな風な区分が書いてある。

どうしてこのように分類しているのか。
それは、たとえ衛生管理の素人である学校職員でも、マニュアル的な対応が出来るようにです。
「危険異物」だったらこういう風に対応しなさい、「非危険異物」ならこうしなさいって、その対応策がマニュアルとして書かれているわけです。

そして。
「危険異物」の場合には、ただちに教育委員会へ報告しろ、というのが定番です。
あるいは、自治体への報告までも命じているときもあります。

つまり先の引用は、「今回それをしてないだろ、何でこんな遅くなってんだ、マニュアルと違うじゃねーか」というのがこの話、というかつまりは教育委員会の言い分だということです。
7月の米飯のときにおいては、学校側の報告がねーよ、マニュアルと違うだろ、と。
で恐らくは、米飯メーカーからの報告はあがっていた。でも、お上に上がってきていない。これは学校の問題だ、と教育委員会が指摘しているわけです。
意地悪に意訳すれば、「俺たちゃマニュアルを作っただろ?それに従わない学校が悪い、俺たちは悪くない」と教育委員会が言っている。そういうふうにも聞こえます。

それからもう一点。
なんで今頃、5月に起きた異物混入が問題になっているのか。
それは、「異物混入をやらかした業者からの報告」、なかんずく最初にやらかした5月のパン工場からの報告が出てないからだ、という様子です。

金属の異物混入は深刻さが本来は違うはず

さて今回の問題は、給食センターが発注したパンと米飯に金属異物が既に混入していた、という話です。
つまり、給食センターにおさめている、二つの業者、パンメーカーと米飯メーカーの両方が、金属の異物混入をしでかした。
前者は、5月末に。
後者は、7月に。
で、今頃その両方、というか前者が今頃かよと、問題になっている。

まず。
上の表を見ると今回のような金属異物は「危険異物」という扱いです。
しかも「分類Ⅰ」。
どこも、そういう扱いをしていることが多い。。

実際問題、金属の異物混入というのは、数多い異物混入の中でも深刻な一つです。
各メーカーともにこの金属の異物混入は、意地でも避けたいところ。
というのも、金属の異物混入というのは「健康被害」に直結しかねないからです。
そうなるとこれは、食品衛生法違反です。
ちょっと虫が混入したというのとは、話が全く違うのです。

だって、かの食衛法第6条にも書かれている。
「健康被害を与える恐れのある食品を世に出すな」と。

食品衛生法第 6 条(不衛生食品等の販売等の禁止)

次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の
場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、
使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

四 不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの

 

正直、加熱調理されてしまった虫だゴキブリだ程度を食べたところで、人体への健康被害は微小です。
微小、というか、「ない」です。
ふざけるな、と言うのであればどうぞ、世の疫病データを探してきてください。
加熱殺菌された昆虫を食べての健康被害ってどこにあります?
こういう臨床データがあるから健康被害にあった、というなら話は別ですが、普通、ないんですよ。
まあ探したところでアレルギーがせいぜいあるくらいでしょうし、それがダイレクトに繋がる因果関係を証明するのはそんな簡単ではありません。

ちなみに気分を悪くした、精神的被害で嘔吐したというなら、その因果関係を出してくださいとなります。
そしてこのことを大手食品メーカーの担当者なら、勿論知っています。

で、これ。ぼくがブログに書くまで、そこいらの弁護士さんのサイトでさも勇ましげに、「虫の混入した食品を食べたら、食品衛生法の違反になりますので、告訴できます」的なことが書かれているところを見たものです。
この人達は、法律のプロですが、食品衛生の素人なので、こういうことを知りません。
そんなところが最近、慌てて書き直していた例を、ぼくは幾つか知ってますよ。

おっと、話が逸れました。
戻しますね。
とにかく、金属異物の混入というのは、食品製造において「してはらない異物混入」の最重要な一つなのです。
何故ならば、健康被害直結の異物混入というのは、金属異物がその筆頭だからです。

なので、金属異物混入は本来、ことさらに問題が深刻なのです。

さて、ニュースを読む限り、ここの給食センターでは、主食であるパンや米飯は外注し、惣菜を作ったりしているのでしょう。
つまりそこで混入した主食は、この給食センターではなく、発注をかけた一般の各メイカーでそれぞれ作られている。
この各メイカーの「やらかした」感は、尋常ではなかったはずです。

だって、パンメーカーにしては、発生が5月28日ですからね。
ようやく新型コロナウイルスによる自粛が開けて、学校が再開した矢先の話です。
給食も、やっとこさ再開された。
メーカーにとっては、業務ストップ或いは縮小だった状況から、晴れて待ちに待った業務再開です。
そんな矢先に「やらかした」のだから、普通の企業だったら真っ青なはずです。
報告が遅れた理由を、「報告書の提出が遅れた」と説明してますが、普通の企業ならそんな悠長な対応はしないでしょう。
真っ青にしては、ちょっと遅いんじゃねーかと。

断言しますけど、
金属異物の混入に対してこんな対応をする企業は、

絶対に、
ありえません。

そんなん、普通の食品企業に聞けば、秒で即答、というか否定されます。
でも実際は、こうやって起きているわけです。

では、どんなことが起こったのか。
これについて、少し考えてみましょう。

今回の混入要因を追ってみる

はい、ここで一回整理します。
教育委員会、つまりはお役人が、しゃーなく頭を下げながらしている説明のポイントは、次の3点です。
これ、よく読んでみてください。

 

教育委員会側の言い分
  • 7月に米飯への異物混入が起きたことを公的にご報告します。
  • で、この報告が遅れたのは、「金属異物混入」が起きたのにも関わらず、学校側が我々の作ったマニュアル通りに報告業務を怠ったからだ。(=俺らは悪くない)
  • (注:これは多分ですけど)あと、調べてみたら、なんと5月にも金属異物の混入があった。ムッチャ今更だけど、報告しまーす☆(ペロ
  • しかもこの企業はまともな報告書すら出してきてない。どうなってんだ!(=俺らは悪くない)
  • 結論、(俺らは悪くないけれど)マニュアルはしっかり守るように。あとやらかした企業はちゃんとした報告書を俺らにあげるように、以上。
    それと最後に、俺らは全く悪くない。ていうかぶっちゃけ、よく判ってないし。

 

まあ、こんなものでしょう。

で、ここで重要になるのが「やらかした企業」側の対応です。

さて、そのやらかした企業の対応内容とはどうなっているか。
以下の通りが報じられています。

学校が給食センターと同社に連絡。
同社は同日中に、パンを焼く際に使用する天板のかけらと特定し、天板2枚を撤去した。
天板を洗浄する際に金属のヘラで削ったことが原因。
今後は金属ヘラの使用を禁止、定期的な天板の目視点検を行うとしている。

2件目は7月10日、㈱なかみち(宮良里伺代表)が製造した米飯に約3㍉の金属片2個が確認された。(略)

同社は、大型炊飯器の溶接部分のかけらと特定。
翌日に劣化部分を除去し、再溶接を行った。
夏休み期間中に炊飯器を分解して再点検し、来年1月からは新しい炊飯器を導入するとしている。

 

といったところ。

しかもこれ、パン業者も米飯業者も、それぞれが「即日内に原因を特定した」と書かれているのです。
つまり、異物混入を起こした二企業ともに、ただちに「その日のうちに」、これが原因だと「説明」した、ということです。

少なくともこれを見る限りでは、一見、ともに迅速な企業対応といえるでしょう。
危機感に対し、真摯な企業姿勢とも見えるかもしれません。
まあ、間違ってはいない。
ですが、それもそれである一面、ぼくとしては「いやいや」と言いたくもなるところです。

というのも、これは「特定」ではなくて、あくまで「説明」「言い分」です。
つまり「こうじゃないかとウチでは思う」という、企業側の意見でしかありません。
この場合、重要なのは、「説明」ではなく「証明」であり、またそれに基づいた再販防止のための「事後対応」です。
それが「特定」です。即日に出る「特定」なんて、科学的根拠、客観的根拠がありません。
何故ならそんなたやすくそんなものが出ないからです。

で、これについてニュースには、こうあります。

1件目の異物混入確認から1カ月以上経過後の公表となった理由について市教委は、調理業者の報告書提出を待っていたと説明、「今後はすみやかに公表したい」とした。

 

ん、
どういうことか。

この言い分。
こいつっら、ほんま俺たちゃお役人様、責任はこっちにゃないという上から目線がひでーなオイ!
と、そう眉を潜めながら、「まあでもこの日本社会というのはそういうものだ」と、あくまで大人として飲み込みつつ、ですねえ。
とりあえずのところ、この報道が本当だとして話を進めましょう。

となるとですね、米飯企業の対応と比べて、先に5月にやらかしたパンの業者のほうは、「こいつらは”説明”はしたが、でも”報告書”を出さなかった」と言っているわけです。
想像するに、教育委員会レベルにおいては
「こないだ、お米に入った業者からは直ちに報告書としてのちゃんとした書類があがって来た。
でも5月のパン業者は未だに来てない。一体あいつらはどうなってるんだおい!」
となったと。

そう、
確かに、パンメーカーは、「説明」は、したのでしょう。
でも「説明」というのは、あくまで「仮説」なのです。
そんなものは、お前が考えた内容や都合でしかねーだろというのが、この世界の常識です。
だって、論拠は何なん?
やらかした事故当事者が言っている原因なんて、誰が信じるんだよ、と。
極論言ったら、こんなん、酔っぱらい運転で追突事故起こして、翌日に「ぼんやり考え事していて、つい」と言っているようなもんじゃないすか。

そりゃ彼らは確かに、目星を付けて「説明」は、したのかもしれない。
だが、それを立証するためには、客観的根拠としての「検査報告書」が必要になります。
んじゃ、どうするべきか。
まず異物としてあがってきた金属片が何であるかを、どこかの検査機関にお願いし、蛍光X線分析して金属の構成元素を検出します。
そして同様に、その原因と思しきパンの天板を比較検査することで、それが同質のものであることを科学的に立証します。
その上で、原因の究明を明らかにして、今後の対策なりをまとめて、検査結果報告書と一緒に提出する。

これが当たり前の、異物混入に対する一般的な企業対応の流れです。
これが、普通です。
そして「このパン業者は、なんでその当たり前をしてねーんだよ」、と教育委員会は本音として言いたいわけです。

 

そもそも、こういう場合、一般的な企業はどんな対応の流れを取るのか。
解説しておきます。

まず混入当日、何時になろうが血相を変えた業者の担当が慌ててすっ飛んでいき、謝罪とともに、その異物を回収しに来ます。
その後、お願いだから早急に分析してくれと、付き合いのある検査機関に泣きつきます。

尤も、検査機関だって、そんな事情はどこも一緒です。
腹が減って仕方ないからコンビニ弁当をどうかお前らより早く買わせてくれと、あなたがレジ待ちしてるときにおっさんに頼まれて、どう反応しますか?
それと同じです。
それでも泣きつけば、企業ですので場合によってはなんとか早くなることもあるかもしれません。

さて、この場合、検査項目は蛍光X線分析。
すると検査日数は、報告書作成まで2~3日といったところでしょうか。
いや、この時期はコロナ時期真っ盛りでしたから、もしかしたらプラス数日はかかったかもしれません。ここらの事情は検査会社の各社によって違うので判りません。

そしてこの蛍光X線分析の検査内容は、その金属構成元素からして、どうやらアルミ片、つまりは「アルミニウム合金」だ、と判明した。
尤も、一重に「アルミニウム合金」といっても、世には色々あります。工場内にも様々なアルミニウム合金は使われています。
これだけじゃ、異物要因に対する答えは、まだ出ていない。
つまり、この異物は「アルミ片ですね」というだけで、これだけでは何が原因だったか、何がどうして混入したのかの答えには、何一つなってない。
そこで可能性のあるもの、ここでは「天板」とされてますがそれと異物検体との「比較分析」を行って、つまりは「同じ材質である」と特定され、報告書として作成され、そしてこれを一般的には提出するのです。
(ただし、そんなにきれいに特定できるかは別の話だし、不明となることも多いですが)

ところが担当者は、即日で「これじゃないか」と「天板」説で報告している。
これはどういうことか。
まずは、異物混入状況や、破片の形状を見る。
あるいはこの場合、「食べる直前に気がついた」ということから、パンの表面に金属片が付着していたのかもしれない。
練り込まれていない、だったら焼成工程での天板だと突き止めやすくなりますからね。

さて、多くのパン工場では、パン生地を重ねた天板のままオーブンで焼成することがあります。
この天板は焼いたあとに、洗浄するのですが、その際にガリガリと焼き付いたパンを落とすのに金属ヘラをしばしば使用します。まあ、よくある話です。
で、この際に生じた破片や剥離が、混入したのではないか。
彼は恐らくそう、想定したのでしょう。

まずはそれが先んじた。
まあ、第一報として、それは別に問題ない。

さて。
ここからはぼくの、憶測です。
(これで最近痛い目にあってますけど、めげませんよ!笑)

んじゃなんで、この「報告書の提出」が遅れたのか。
これだけの情報では全くもって判りませんし、予測の範疇を超えません。
ですが、一番可能性があるとすれば「(天板とは即答したものの)正直な話、原因が実は未だにわかってない」説です。

でも、こんなことは、別に何ら珍しくもない。
というのも、金属異物の原因特定なんて、そんな簡単じゃない。というか、簡単なときもあるけれど、不明のときのほうが遥かに多いものなのです。
それで対応が、ついつい遅れた説。
というかさらに怪しいのは、意地悪く言うと「仕方なく実は根拠もないけれど、もう天板にしておけと」なっている説。
つまり、実は比較検査とかやってない、或いはやったけれど違った、だから結果として提出できない、という状況です。
これは、案外考えられなくもない話ですが、リスクマネジメントとしてはダメダメです。

結局、こっちの企業は、対応を誤って痛い目にあってます。
つまり、「5月にやって、まだ報告書すらあげてねーのかよ!」という悪評です。

だってこれ、
正直、ぼくらからしてみれば遠い他人事かもしれません。
でも、ですよ。
自分の子供が通っている学校の話だったら、どう思います!?

ここで差がつく企業対応

ちなみに、米飯企業のほうはどうか。
これもこれで、即日で「これだ」と勝手に「特定」されていますが、先のと同様に、そんな早くは原因究明結果は出てきません。
ここまでは同じです。

でも、異物検体を見る。
どうも溶接片のようだ。これは確かに見れば、わかるかもしれないし、おおよその見当がつく。
というのも用途上、ご飯を炊く釜って、割と粗雑に扱われます。そして一番、ご飯に接します。

このことは米飯の炊飯工程を見れば、明らかです。
サイロから洗米されて、その釜に入れられて炊きあがる。
それを盛り付けて、発送する。
この工程で最も金属にふれる、というとやはり釜だ、と帰結されます。
まあ、特定が判りやすかった、ってのもあると思います。
でもそれも結果論です。そして、それが全てです。

しかもこの企業は、これらに対し、迅速に幾つかの対策を段階的に行っている、あるいはその計画を提示している。
これがいい。

具体的には、

①翌日に劣化部分を除去して再溶接を行い、
② 夏休み期間中に炊飯器を分解して再点検し、
③来年1月からは新しい炊飯器を導入する

としているのです。
この対応は、うん、なかなかのものといえるでしょう。

これに対し、パンメーカーの対応はちょっといただけない。
しかも「結果はどうなってる、報告書もこないのか」と言われている。

ちなみに言うなら、この米飯メーカーの原因対策及び再発防止策に対し、パンメーカーの対応というと、「今後は金属ヘラの使用を禁止、定期的な天板の目視点検を行う」でした。
これ、どう思います?
ちょっと場当たり的じゃないですか、と言われてもおかしくないんじゃないすかね。

だって、別に金属ヘラを使わなくたって、天板の剥離破損はありえる話であり、それは問題の根本的解決ではないのではないか。
であれば、ここで再発防止策とすべきは、「天板の完全な洗浄による剥離片の除去」と「乾燥後の目視確認」です。
「定期的な目視確認」というのが、ちょっと曖昧な気がぼくはします。

そして。
こうした細かいところに、双方の企業の体質差、リスクマネジメントも含めた企業姿勢の差が出てくるものです。

で、結果の差はどうなりましたか?

まとめ

今回は、沖縄での給食の異物混入に対しての、異物混入対策のプロとしての見解についてお話しました。

言っておきますが、これらはあくまでニュースの情報からのみ見える事象に対しての、ぼくの経験上からの憶測です。
くれぐれも真実は判りません。

ですが。
こうやってそれらをよく比べて見てみると、同じ時期の同じような異物混入だとしても、それに対する対応における企業の対応差、そしてそこから見えるリスクマネジメントの差と、その結果がもたらす違いが出ているのがよく分かると思います。
結果、頭を下げているのはどちらなのか。どっちが結果的に企業として損失を被っているかも、よくわかることでしょう。
食品工場や飲食店さんは、こうした違いを他山の石として見ておくことを、強くおすすめします。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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