地方と東京の食品工場は、何が違うか皆さんご存知ですか?
東京、関東近県の食品工場を日々まわっているぼくらだけが知っている、東京などの都心にある工場と、地方などの郊外にある工場の、その衛生管理の実情や違いを教えます。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のお話の概要
  • 東京都内は地価が高く、また広い場所を得られづらいため、食品工場が少ない
  • 東京の工場は、比較的規模の小さめなところが多い
  • 東京で工場を建てる場合、マンションやビルのフロアを抜いてそこに工場を入れることが多い
  • 東京の工場では外国人労働者が多く働いており、教育やルールの問題などが生じるケースもある
  • 東京の工場はネズミ、ゴキブリの問題が地方工場以上に深刻である

 

東京と地方の食品工場の特徴に違いはあるのか

東京。
いうまでもなく、日本の最先端にして、世界屈指とすらいえる大都市です。
多くの大企業の本拠地がここに構えられ、多くの技術がここで生まれ、研鑽され、研究され、開発されている、花の都、大東京。
ここにも工場だって、当然ながら存在します。

さて。
そんな東京の食品工場と、地方の食品工場に、特徴上の違いってあるのでしょうか。
衛生管理において、どんな違いがあるのでしょうか。
今回はそんな都市部の工場と、田舎の工場の違いについてお話していくとしましょう。

勿論、東京の工場もピンからキリまで様々です。
工場ごとによって状況は全く違いますし、全てが全て、皆そうだなんてことは余りに乱暴過ぎる暴論というか妄想、でまかせでしかありません。
それに勿論ですが、ぼくは東京の工場はみんな衛生管理レベルが低い、という話をしたいのでは、断じてありません。
ただし東京の工場にはその立地や環境上こういう特徴があって、結果こういう問題やリスクをはらみがちだ、という実情を言いたいだけです。

そこで今回は、誰も知らない東京などの都心の工場と、地方などの郊外の工場の違いについてお話していくことにしましょう。
これを知ると、立地や環境によって、衛生管理の実情がどのように左右されるかがわかります。

そもそも東京に工場は向いていない?

まず、「そもそも」なのですが、東京には食品工場はそれほど多くはありません。
いや、全くないわけでは勿論ないのですが、比較的少ないのです。

確かに、多摩地域などの東京西部や、物流倉庫など広めの敷地が取れる臨海のエリア、あるいは比較的地価の安い江戸川区などの千葉に近いエリア、北区や練馬区など埼玉に接するようなエリアなどには、それなりにないわけではありません。
しかし、新宿渋谷の都心部になると、かなり少なくなります。

勿論、例外も中にはあります。
六本木のはずれにビル1棟を工場にしている大手老舗企業があることをぼくは知っていますし、新宿のど真ん中にそれなりの規模の工場をかまえている大手食品メーカーだってあります。
渋谷にだって、少し離れればビルまるまるを工場と研究開発施設にしているメーカーがあります。
更に都内にも大きなパン工場はありますし、お菓子工場だってあります。
でもそれらはやはり例外であり、一般的にある一定規模の工場を出すとなると、やはり東京から離れて作るというのが一般的です。

何故なのか。
これはもう単純に、高い地価の立地に工場を建てて、高い賃金で人を雇って、ものを作るということがビジネスモデルとして極めて圧倒的に非効率だという話です。

とにかく、東京の地価は高い。賃金だって高い。
大体、工場というのは、如何に安くものを作るか、ということが何より重要なのです。
特に今は物流技術が日進月歩で進化していますので、だったらちょっと離れた地方の田舎に工場を作ったほうがビジネスとして圧倒的に有利です。
つまり、わざわざ高いお金を払って都内に工場を建てるメリットが余り見当たらない、というわけです。

しかも工場というのはある程度の広さが必要です。
製造施設を配置し、人員を雇い入れ、資材を納入し、製品を出荷する。
こうしたことがある程度出来るだけの広さを確保しなければいけなくなります。
ですが、当然ながらそうした広さを得るためには高い地価が障害となる。
一般的な大手食品メーカーなら、だったらどこか田舎の地方都市にある工業団地の一角を使って、そこに大きめの自社工場を建てたほうが絶対いいに決まってます。

こうなると、東京に工場を作る意味は、あまりありません。
それでも東京に工場があるのは、元々そこに昔からあるか、ビジネス上のあるなにがしかの都合があってそこに作るメリットがあるか、ほぼそのどちらかです。

いや確かに、地価の高い都内に工場を出すメリットだって少なくはないのです。
製品をいち早く運べる、届けやすい。
日配品など、こうした物流上のメリットが勝る場合だってあるはずです。
またそれほど大規模じゃなくてもいい工場の場合は、都内でも収益が十分可能だということもあるでしょう。
それに通勤もしやすく、立地自体がブランドになることだってあるかもしれません。
また工場に加えて本社機能や研究開発機能を兼ねている場合もあります。
こうした場合では、上の話のデメリットを超える意味があるから行っているのでしょう。
ここらへんの諸事情については、どこの工場もケースバイケースだと思います。

それと昔からある老舗工場も多いです。
結果的に、東京の工場は自ずと歴史のある古いところが多くなりがちです。
勿論、古くてはいけないというわけでは全くありませんし、歴史も伝統も重要です。
ただし、衛生管理という観点から見た場合には、そりゃあ当たり前ですが、設備構造上の問題も生じやすくなることは否めません。これはある程度、致し方ない話です。

東京の食品工場は小規模なところが多い

地価が高い東京に、それでも工場を立てるとなると、どうしたって小規模になります。
ですから東京都内の工場は、総じて小さめです。
というか、寧ろ「東京には食品工場が少ない」というよりも「大型の食品工場が少ない」と言うべきなのでしょう。

勿論ですが、東京にだって大きい工場はあります。
ただし、数が少ない。
それは先の理由から、どうしたってしょうがないことなのです。

ではどんな工場が多いのか。
古くからある、小さな町工場。
それこそ昔からそこにあるといった、街の職人工場。
都内の工場にはこういうものが多いのですが、そういうところは元々からして小ぶりです。

また中には新たに工場を作ることだってありますが、その場合、地方の広々とした工場に務める人が見たら、マジで?というような状況であるところも少なくないです。
とにかく狭いところに詰め込む。
詰め込まざるをえない。

そうなると、どうなるか。
動線がクロスします。
当然です、狭いのだから。
搬入搬出が同じ、こんなのしょっちゅうです。
作業もかなりキツキツです。
仕方ないんです、狭いのだから。
こういう工場は東京都内に結構あります。
というか、東京の工場というのは、どこも皆、なにがしかのスペースの問題や悩みを抱えているものです。

結果、異物混入や様々な交叉汚染リスクも、狭いがゆえに、スペースをとるゆとりがないゆえに問題になりやすい、ということだってあるでしょう。

東京の食品工場は多層階が基本

地方の工場は平屋がそれほど珍しくありません。
結構な規模でも平屋でやっているところは少なくないでしょう。

ですが東京は基本、他階層です。
狭くて上に長いのが、東京の工場の特徴です。
5階だて以上の多層階ビルまるまる1棟が工場だったり、どう見てもマンションのフロアを取っ払って工場にしたものなどといったところもあります。

こういう場合、様々なことが問題になりやすい。
まず、結露です。
冷蔵庫、冷凍庫を置けば上下の空気に影響を与える。
食品の製造工程上、室温の維持は必至ですが、それが周囲の温度差を生じさせます。
それから、排水。
どうしたって水を多用しがちですから、その処理が問題になります。

気密性も時に問題になります。
エレベーターや、排気の問題などでしばしばこれが見られます。

東京では意外なところに工場を作ることがある

「え、こんなところに!?」
先にも書きましたが、工業地帯の工場などに勤務する地方の人が見ると驚くようなところに、東京では工場を建てたりします。

まず、マンションやビルの1階。
ワンフロアを全て取っ払って、工場にしているところは少なくありません。
というか、これが一番多いかもしれませんね。

実際、ぼくは数年前、某大手メーカーによって都内のある一等地ともいえるおしゃれな高層オフィスビルのワンフロアを工場として稼働させるためのプロジェクトに、衛生管理面のコンサルとして参加したことがあります。
そこは最新鋭の設備を導入した一流の工場として今も稼働しているはずですが、それを聞いた一般の人からすれば「こんなところに工場があって作っているの!?」と驚くことは間違いないでしょう。

またこれの応用で、物流倉庫のある階を工場にする、というパターンもあります。
さらに、工場といえるかわかりませんが、物流倉庫の一部に製造加工の施設を設ける場合もあります。
食品のカットやリパック工程を設けて、そこで作業をやっている、なんてケースもよくあります。
いずれにせよ、それは借りものであるため柱などの躯体に何かすることは出来ないため、天井からパネルや空調、ダクト、パーテイションなどを吊ってハリボテのような加工施設を作る、という方法をとったりもします。

その他、商業施設などを居抜きで工場にすることも、ままあります。

東京の工場を支えているのは外国人労働者

地方の工場ではたらいているパートさんの多くは、近所の農家のおばちゃんだったりします。
最近ではそうでもなくなってきているでしょうし、地方によって事情は大きく変わっているのかもしれませんが、少なくとも関東近県では未だにパートのおばちゃん率は高いことでしょう。

ですが、東京の工場では外国人労働者が圧倒的に多くなります。

まあ、このこと自体は別によいも悪いも全くないでしょうし、そもそもぼくは別に彼らを蔑んで話す意図など全く微塵もありません。
ですが、こうした場合によく起こりがちなことを、「あくまで事実」として話します。

まず事実として、外国人労働者率が増えると、ルールの乱れが生じやすくなります。

勿論、くれぐれも誤解なきようにお願いしたいのですが、これは全ての工場に揃って言えるような話ではありません。
ぼくの知っている工場では、かなりな外国人労働者率であるのに衛生管理が高く維持されているところもありますし、また日本人労働者以上にしっかり清掃してくれる外国労働者だって、決して少なくはないでしょう。
彼らが入ってきてくれたおかげで工場がきれいになった、そんな魚の加工工場を実際にぼくは知っています。
本当に率先してよくやってくれるんだ、ありがたい、と品質管理の担当者さんはものすごく褒めていました。

要は、教育と、ルールに対する風土です。
もともとルール作りや教育に対する姿勢が弱い工場が、結果的にそれを出来ず、そうさせてしまっているだけの話です。
結局問題の要因は彼らではなく、衛生管理のシステムに、仕組みに、あるのです。
それを見ずして、人のせいにするものでは絶対にありません。
こういう工場はいずれどこかで、誰が入ってきたとしても教育とルールで必ず失敗します。

ただ、これだけは仕方ないのですが、どうしても言葉や文化が違うため、それらを伝えるのが難しくなってくる、という現実があることだけは事実です。
少なくとも、パートの農家のおばちゃんに衛生教育をするよりは遥かに難易度が高まるよ、ということです。

ネズミ・ゴキブリに悩まない東京の工場はない

郊外の工場の人が東京の工場を見て、一番驚くのはもしかしたらこれじゃないでしょうか。
東京の工場で、ネズミ、ゴキブリに全く悩みがない、不安がない、というところはありません。

もし今、現状で問題はなくても、明日はわかりません。
そういうリスクにいつも晒されているのが、東京の工場です。
これはもう、プロが言うのだから間違いありません。環境的にそういうものです。

例えば、郊外の工場だと、ネズミといっても、かわいいもんです。
粘着トラップを置けば、翌日かその次の日くらいには捕まります。
割と殺鼠剤も食べてくれます。
こういうネズミをぼくらの世界では「スレてない」なんて言ったりしますが、東京のネズミに比べれば郊外の工場でのネズミ対策なんて楽勝レベルです。
そもそもクマネズミ自体、あまりいません。
寧ろ、問題になるのは、ハツカネズミでしょう。
それでも余り高いところに登らず、大きな問題に余り発展することがない。
普通に小動物としてかわいらしいくらいです。

ですが東京のクマネズミは訳が違います。
まず、数が違う。
圧倒的に違います。
工場のすぐそば、建物や施設や家屋やどこかに必ずいます。
それがいつ来るかはわかりません。
よくある話ですが、工場の付近の集合住宅を解体し、取り壊した。
そのタイミングでネズミが工場に入ってきた、なんてこともあります。
その集合住宅にいたネズミが、生活場所を求めて、工場にやってくるのです。

それから、頭がいい。
経験で、どうすれば捕まらないかを学習しているので、そうそう捕殺できません。
粘着トラップなんて完全に理解し、避けて移動します。
あんなんに捕まるのは、まだ子供で経験の少ないネズミか、どんくさいネズミくらいです。
だから一旦工場にネズミが出始めるとそう簡単に収まりません。
かなり手こずりますし、よっぽどのスキルがないと駆除しきれません。
以前の記事に書いた通りです。

 

一方で、チャバネゴキブリが多いのも東京の工場ならでは。
場合によっては、ありえないほど出ます。
郊外の食品工場でチャバネゴキブリが大発生して問題になることはそれほどないでしょうし、仮にあったとしても局所的でそれほど深刻化することもないかもしれません。

ですが、東京だと、それなりの大手の食品工場なのにチャバネゴキブリが止まらない、そんなことも少なくないです。
例えば、日配品の弁当工場やパン工場で、こうしたことが生じたりします。

まとめ

今回は東京などの都心の工場の特徴について、お話してきました。
勿論こうではない、という工場だって一杯あるかとは思います。
しかしながら、ぼくは郊外の工場もさることながら、これまで相当な数の都内の工場を日々回ってきたので、それほど大きくは外れていないと自負できます。

ただし、再度強調しますけど、東京の工場全ての衛生管理レベルが低い、という話では全くないですよ。
こういう特徴があって、そこにはこうしたリスクやデメリットがある、という事実だけをぼくは伝えているだけです。
そのあたりはどうぞ誤解のないよう、お願いします。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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