「なぜなぜ分析」についてのお話、いよいよ3回目です。
品質管理から製造管理、いや製造業のみならず今では幅広く様々な分野で使われることの多いこの「なぜなぜ分析」について、こと「食品衛生」に重心を置いて、3部構成でお話しています。
3回目の今日は、「どれどれ分析」、つまりはシステム要因としてのPDCAの真因探しについて、実例やそのポイントについてお話をしていくとしましょう。
そして、前回に引き続き、ぶっちゃけこのレベルになるとプロとしてマジでお金もらって普通に講習会でやってる内容です。
今だけの特別サービスだと思って読んでください。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のお話の概要
  • 「どれどれ分析」は、その工場・厨房によって要因は様々である
  • 「どれどれ分析」で見つけたPDCAのシステム要素は、必ず別の形でも問題を起こさせている
  • 問題の要因における「一事が万事」を見出すことこそが「どれどれ分析」のポイントである
  • 「なぜなぜ分析」に詰まった場合、次のようなことをするとよい
    ・「なぜ?」の回数にこだわらない
    ・多くの問題を並べてみる
    ・「そもそも分析」で目線調整する

 

多くの「具体」に共通する、1つの「抽象」

前回同様。最初に二つほど言っておきます。

一つ目。
前回も話したのですが、前回、そして今回くらいの内容になると、さすがにプロとしてそれ相応のお代金をもらって普通お話をしています。
はっきり言って、ググって出てポンとくるようなレベルの内容ではないです。
正直サービスしすぎているのですが、今のところはしばらく皆さんにシェアします。

二つ目。
なので、まずここから入られた方は、まずこれまでの記事を読んでください。
今回の話は三部構成のうちの三回目です。
当然ながら、順を追って前の記事から読んだほうが遥かに理解が進むよう書いています。
勿体ないので、ぜひどうぞ。

 

というわけで、始めます。
唐突ですが、皆さんはファッションブロガーのMBさんをご存じでしょうか。
(このパターン3回め)

 

ぐあー、やっぱこの人もかっけーなあ。
それに人間的な魅力があるんですよねえ。

さて、MBさんというのは、メンズファッションのブロガーから始まり、有料メルマガ、そしてオンラインサロンを運営し、最近ではファッションYou Tuberとしても目下メキメキと名を高めている、今話題のファッション系インフルエンサーです。

「ユニクロGUだって誰でもおしゃれになれる」をモットーとしたMBさんの理論はいたって明確です。
それは、「おしゃれ」の公式は「ドレスとカジュアルのバランスが7:3」というもの。

 

例えば、上にTシャツを着たらパンツはスラックスにする。
そうすると、このドレスとカジュアルのバランスが取れる。
このようにおしゃれというのは着こなしによるバランスであり、このロジックさえわかればユニクロGUでもいくらでもおしゃれに着れる、というわけです。

そして彼はそれを使って、自身のメルマガや動画で、こう言うのです。
この「ドレスとカジュアルのバランス」というのは、様々にある「おしゃれ」というものを、最も「抽象化」した「本質」である、と。
そしてこの「抽象」を様々な多くの洋服を組み合わせ、着こなして「具体化」していくことが「おしゃれ」というものの実践なのだ、と。

 

この、Tシャツとこのスラックスを合わせたコーディネイトはおしゃれです、という「具体」
そしてこの、ジャケットとデニムパンツを合わせたコーディネイト、これもおしゃれです、というまた違う「具体」
更に、このシャツとこのスキニーを合わせたコーディネイト、これもまたやっぱりおしゃれです、というこれまた違った「具体」
そしてそれらの様々の「具体」の背後には、皆共通した「抽象」がある。
それが、突き詰めると「ドレスとカジュアルのバランス」ということになる。
と乱暴にまとめると、彼はこう言っているわけです。

この「抽象」と「具体」という関係性。
これは、前回に紹介したまこなり社長の動画にも通じる話でもあります。

ただし彼の場合はもうちょっと踏み込んでおり、まず「抽象」が「ドレスとカジュアルのバランス」、そしてそれに沿っているからこの「具体」なんだ、と「抽象」に紐づく「具体」をしっかりと明確化しています。
「抽象」は一つだけど、「具体」はいくらでもある。でも皆、そこに共通している。
「抽象」としての「ドレスとカジュアルのバランス」というそれだけは、変わらない。
そこで「具体」を色々と変えていく。
でも重要なのは、そこに共通している「抽象」、つまり「ドレスとカジュアルのバランス」というロジックなんですよ、と話しているのです。

更に突っ込んで言うなら、この「ドレスとカジュアルのバランス」が7:3になってなくても成立するおしゃれは、実は他にも存在します。
つまり、全ての「おしゃれ」が皆、「ドレスとカジュアルのバランス」ではない、ということです。
ただし、少なくとも様々なおしゃれにある一つの「抽象」が、間違いなくこの「ドレスとカジュアルのバランス」なのだ、と。
全部が皆そうだというわけではないが、しかし多くの「おしゃれ」という「具体」は、1つの「抽象」である「ドレスとカジュアルのバランス」に結びついている、とMBさんは常に語っています。

これは、衛生管理におけるPDCA上の何らかの問題という「抽象」に、場内で発生しているいくつかの問題という「具体」が結びついていることと、構造的には同じです。
全部の問題が皆そうだというわけではないが、しかし多くの「問題」という「具体」は、間違いなくなにがしかのシステム要素「PDCA」のどれかにつながって起因している、というわけです。

 

どれどれ分析を実際にやってみる

さて。
おしゃれの「抽象」が「ドレスとカジュアルのバランス」だ。
それはわかりましたが、同じように前回話した通り、衛生管理の「抽象」は「PDCAサイクル」です。
ということは、「管理」に問題点がある場合、そのPDCAのどこかに問題があるということになります。

いくつかの工場内、厨房内に問題がある。
これらは全てがそうなわけではないが、しかしある問題において共通する要因がある。
それをたどっていくと、「PDCA」のいずれかの問題につながっている。

システムに要因がある、ということはそういうことです。
この「PDCA」のどれに問題があるのかを、より抽象性を高めて求めていくことを、ぼくは「どれどれ分析」と言っています。

工場、あるいは厨房の「衛生管理」という「管理」において、何かの問題が生じてしまった。
例えば、チョウバエが発生してしまった。
そんな例を、最初にお話しました。

この「問題」は、ある一つの事象であり、「具体」です。
ですからここからより抽象性の高い要素にまで向かっていくと、その工場や厨房の何が弱いかが見えてきます。

ただし、これがやってみるとなかなか難しいことがわかるでしょう。
「具体」を「抽象」に結びつける、ということの「言うは易し、行うは難し」を、身をもって理解するかと思います。

少しケーススタディをしてみましょう。

前々回のこれですね。
チョウバエが発生したので、「なぜなぜ分析」を行った。
その結果、清掃の重要性やその効果、虫の内部発生の危険性といったことが教えられていないという仕組みの問題、つまりは「教育」に問題の真因がある、という結論になった。
この図の通りです。

さてこれをPDCAのどこの問題となるでしょうか。
これを考えるのが、実はなかなか難しい。
なぜならこれは各工場においてケースバイケースだからです。

一般的に、教育の問題というとこれは「Do」が要因だと考えます。
何か決められていることを行い損ねた、行ってない、ということです。
教育をおこたっている、実行面での問題だという意味です。

ですがここに再び「なぜ?」と問いかけた場合、こういったこともありえるでしょう。

例えば、管理者における従事者への教育そのものへの姿勢が間違っている、あるいは、教育計画が間違っている。
こういう場合は、「Do」よりも「Plan」に問題が起因しているとも考えられるでしょう。

また、教育をやりっぱなしにしていた、教育成果の確認不足でした、現場に落としこんでいるかまで見ていませんでした。基本的に何かいっつもこの工場はやりっぱなしで問題になっている。
こんな場合には、「Do」ではなく「Check」に問題がある、と考えられます。

教育に問題があるのは判っていたけれど、それを直すことができませんでした、ていうかこの工場はこんなふうに問題があるのをわかっているけれど改善や補修を全くしない、しても対応が遅い、事後的だ。
これは「Action」の問題だとなることだってありえるでしょう。

このように、真因だとしても、これにおける仕組みの要素たるPDCAとの関連性は、場合によって様々です。
つまり、仕組み上の真因が見えたとしても、さらにそれを様々な角度からとらえられる眼力が重要なのです。
これが「具体」を「抽象」にまで深掘りし、要因を突き詰めることの難しさでもあります。

抽象から「一事が万事」の具体を見つける

このような場合、何がポイントとなるのか。

先の例に出したMBさんは、「ドレスとカジュアルのバランス」というファッションにおける「抽象」から、このアイテムとこのアイテムで、といくつものコーディネイトの「具体」を作り出します。
つまり「抽象」は個別の事例という「具体」に共通をもたらしているわけです。

さて、工場や厨房で発生したいくつかの問題。
これら個々の「具体」にも、その背後には共通した一つの「抽象」であるシステム要因がある。
逆に言えば、ある「抽象」のシステム要素に問題があるから、それが個々の具体的な問題を引き起こしている、ということになります。

このように考えてみれば、「どれどれ分析」で見つけたPDCAのシステム要素は、必ず別の形でも問題を起こさせているはずです。

例えば、教育計画が間違っている、計画そのものがない。
そんな「Plan」の問題が大きい工場というのは、そもそもルールがどれも曖昧だったり、ルールをしっかり作り定めていく風土がなかったり、といったような問題を抱えていることでしょう。

ルールはあるけれど、遵守されていない。
こういう「Do」の弱い工場は、教育以外にも清掃だったりその他のことだったりも、同様の問題が見られるはずです。

このように、問題の要因における「一事が万事」を見出す。
この「一事が万事」発見こそが「どれどれ分析」のポイントです。

そうすることによって、個別の問題という「具体」に共通をもたらしている「抽象」が見えてくるわけです。
そのためには、一つの問題を掘り下げるよりも、多くの問題をまずは並べてみることも必要です。

なぜなぜ分析につまったときのアクションプラン

このように「どれどれ分析」、つまり「なぜなぜ分析」により、仕組み上の要因にまで問題を結びつけていくことは、結構難しいものです。

こうした問題が起こった。深掘りしていくといくつかの要因が見えてきた。
で、頭がショートしてしまいそうになります。

そこで3つほど、ヒントを教えましょう。
これはぼくも現場で行っていることです。

「なぜ?」の回数にこだわらない

「なぜ?」を5回繰り返す。これが「なぜなぜ分析」だ。
そう思っている人は、ただ「なぜ?」を5回繰り返そうとします。

ですが、この回数にこだわること、これは大きな間違いです。
「なぜなぜ分析」の目的は、あくまで「真因を探すこと」であり、「なぜ?」の繰り返し自体ではありません。
「なぜ?」を繰り返すのは、その目的に対するただの「手段」です。

別に「抽象」の真因にたどり着いたなら、「なぜ?」の回数なんてどうでもいいのです。
逆に、5回「なぜ?」を繰り返しても、真因にいたらない。
そういうときもあるかもしれません。であればまた「なぜ?」が必要です。
いずれにせよ、5回ということが目的ではありません。
この点を間違っている人は割と多いですが、それは俗に言う「手段の目的化」ってやつです。

多くの問題を並べてみる

少し先にも触れましたが、場内にある他の問題に目を広げる。
これも重要です。
なぜなら、本当にそれが真因であれば、それによって起こされている共通した問題が必ずそこにあるからです。
これが先に言った、「一事が万事」を見つけよ、ということです。

「なぜなぜ分析」は奥に深堀りするがために、一つの問題だけに視野を狭めてしまいがちです。
ですがこれでは各問題をつなげている共通の「抽象」に向かいづらくなります。
そこで、他の問題を並べてみて、共通している要因を見比べてみるのです。
広く見比べてみると、また違った何かが見えてくる。そういうときも少なくないものです。

困ったときの目線調整「そもそも分析」

なぜなぜ?と原因ばかりを追っていくと、目線が狭くなってきます。
そこで、「なぜ?」という目線をずらすために、一旦離れて全体を見る。
「てゆーか、そもそもこの問題ってさあ…」と、「そもそも」という視点に立つのです。
そうして頭や視点を一旦離してみる。

場合によっては、「なぜ起きたか」ではなく「そもそもこうすれば起きなかったんじゃね?」と違う視点を与えてみることも有効だったりします。

まとめ

今日は「なぜなぜ分析」によるシステム要素の問題分析、「どれどれ分析」の実践についてお話しました。
その際にもし詰まってしまった場合、次のようなことをするといいという事例もお教えしました。

「なぜなぜ分析」が詰まってしまった場合
  • 「なぜ?」の回数にこだわらない
  • 多くの問題を並べてみる
  • 「そもそも分析」で目線調整する

 

これらを使ってみて、実際に工場や厨房での問題要因探しに役立ててみてはいかがでしょうか。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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