食品衛生のプロが教える、食品業界の裏側。
今回は食品業界ではなく、ペストコントロール業界、駆除屋の裏側の「ネズミ」の話をします。
それは、この新型コロナウイルスで一変した東京都内や都心でのネズミの生息状況の今についてです。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のお話の概要
  • 新型コロナウイルス以降、東京都内でのクマネズミの生息が拡散し、これまで問題のなかった施設などでも問題が生じ始めている
  • クマネズミが生息すると、食中毒や健康被害の危険、食品などへの異物混入の危険、糞尿などの悪臭、更には死んだ後の腐臭やハエの発生などが懸念される
  • クマネズミは一回につき5~6匹の子ネズミを産む
  • もしクマネズミの生息が危ぶまれた場合、一刻でも早く問題が進む前に対応したほうがいい

 

新型コロナで都心の鼠の世界に起きた異変

緊急事態宣言が解除されて、そろそろ2週間強となります。
ようやく東京都内など、都心にも街の活気が戻ってきましたね。

ですがこの緊急事態宣言下で、人のいなくなった東京の街中で勢力を広げていたものがいます。
「ネズミ」です。

まあ、このことは4月上旬当時にネットニュースなどでも取り上げられていたので、ご存知の人もいることでしょう。
ここでは今更ですので、特にそれについてこれ以上は触れません。

Yahoo!ニュース
人が消えた渋谷でネズミ走り回る報道 衝撃走る「怖い」「ヤバくないか」(デイリ...
https://news.yahoo.co.jp/articles/96d97edd0539c0082608040859cb1d39668dd1b6
 新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令される中、テレビ朝日「モーニングショー」などが、行動自粛で人出がなくなった夜の東京・渋谷の路上を多数のネズミが走り回っている映像を報道し、ネット上

 

寧ろ、今日の本題に関わることだけ、少し補足しておきましょう。
ここで問題になっているネズミは「クマネズミ」というものです。


港区

クマネズミの特徴
  • ビルや家屋の中に侵入し、建屋の内壁や天井裏などに生息する
  • 寒さに弱いため、屋内に住み着いて営巣しやすい
  • 壁や柱を伝って、高所にもたやすく移動する(上下の垂直活動が可能)。
  • 警戒心が高く、賢い
  • 駆除が非常に難しく、一般的な家庭や施設内で問題になりやすい

 


港区

ドブネズミの特徴
  • 基本的には屋外に生息し、土中や下水内などに営巣する
  • 寒さに比較的強く、必要に応じて家屋内に侵入する
  • 水中活動をするが、しかし上下の垂直活動は苦手
  • 警戒心が薄く、あまり賢くない
  • 獰猛だが捕獲しやすいため、駆除はそれほど難しくない

 

都心で問題になる鼠は、大きくこれら「ドブネズミ」と「クマネズミ」の二種です。

ドブネズミの住み家は、河川付近や下水道内です。
凶暴ですが、警戒心が弱く、また高いところには登れません。

一方で、「クマネズミ」の住み家は屋外もそうですが、他にもビルや駅、建物の中のような、ひとの生活に関わるところです。
ドブネズミより寒さに弱く、しかし高いところにもスイスイ登るので天井裏などにも住み着くなど、しばしば問題になります。
しかも、ドブネズミに比べてはるかに駆除が難しく、一度いすわると滅茶苦茶に厄介です。

なので、一般的に、よく問題になりがちなのはこちらの「クマネズミ」です。
今回のお話も、この「クマネズミ」話となります。

ちなみに昨年、渋谷のファミリーマートで問題になったのもクマネズミです。

 

確かにクマネズミは、このようなことも時折起こしたりはするのですが、しかし一般的には警戒心がとにかく高いので、普段はそうそう簡単に人間に近づいたりはしません。
ひとの目につかないよう、さーっと走って移動し、潜みます。
一般的に大勢の人の中を走り抜けるようなことはしませんし、街中を闊歩するようなことも避けるものです。

ですが、コロナウイルスによる自粛で、街にひとが消えた。
そこで大手を振って、平気で走り回るようになったのです。
勿論、飲食店がこぞって臨時休業して閉鎖し、街中に出されていた生ごみなどの餌がなくなった、というネズミの識者の意見もそのとおりだと思います。
確かにクマネズミも餌がなくなり逼迫すると、警戒心を犠牲にしてでも餌を求める行動に出ることが多くなるものです。

東京の鼠の異変は今も起きている!?

さて、でここからがむしろ本題です。

そんなわけで緊急事態宣言で一変したクマネズミの世界ですが、それも終わって普段のように戻っていけば、また自ずとネズミも姿を消しつつあることでしょう。
ですが。
これが今もなお、影響を与えていることをご存知ですか?

いや、知らないですよね。
どの報道も伝えていません。
というか知りません。
この業種に携わる、プロの人だけが知っています。

確かに、報道時に比べれば街中からは見られなくなった。
ではそのネズミは、どこに行ったのか。
今、どこにいるのか。

実は、今までクマネズミなんて縁のなかった施設、例えば工場や倉庫や居住施設などに、クマネズミが出るようになっている。
東京都内では、そんなところが急激にここ2ヶ月くらいで増えているのです。

考えてもみれば、外出自粛だステイホームだで人がいなくなれば、渋谷だけに限らず都内各所でクマネズミの移動範囲は大きくなったに決まってます。
だって、ネズミが多いのは渋谷だけじゃないのです。
むしろ都内じゅう、どこでもネズミが多い。そう思っていいと思います。

それらが、一斉にひとの動きがなくなって、どうなったのか。
当然の結果ですが、今までよりも営巣場所の選択が増えたわけです。
しかも緊急事態宣言が解除され、ひとも街も動き出します。
あらたな住処を求めたって不思議ではないどころか、自ずとそうなることでしょう。
こうして、ネズミの問題があちこちで増えている。というか、要するに、拡散している。
それも、今までそれほど問題もなかったところで、です。

しかも実を言うと、この問題は今も現在進行形で続いています。
ここしばらくでいきなりネズミが住み着いてしまった、どうしよう、というところが陰ながら増えているのです。

今までクマネズミの問題なんてなかったのに、という冷蔵倉庫。
ここ何年も天井裏を走ったことがなかったのに、という工場。
いきなり外周のトラップに捕獲が増えだした、という工場。

こうした案件がこのところかなり軒並み増えていますし、実をいうと今なおそれが継続中です。
当然ながら、再開した飲食店なども同様です。

ネズミがもたらすリスクとは

いい機会なので、ここでネズミが生息していることのリスクについての話をしましょう。
ネズミが建物内に居座ることでもたらす被害って、なんだかわかりますか。
新たに住みだしたネズミがどんなリスクをもたらすのでしょうか。

まずネズミは様々な菌やウイルスを持っているため、食中毒などの健康被害の原因となる危険性があります。
ネズミの移動した後や触れたもの、フン、体毛、齧ったもの。
これらからレプストスピラ症やサルモネラ症を引き起こすこともあります。
夜、工場の稼働や店の営業が止まった後、ちょろちょろと出てきて、様々なものに触れる。
こうして食中毒菌の汚染が広がるリスクが高まります。

さらにネズミの体にはイエダニやノミなどが生息していることも多いです。
これらは人間にも外をもたらします。
結果、ネズミが生息する場所にはそれらが併発することも少なくありません。

また、異物混入という面においてもネズミは厄介です。
ネズミが生息すると、フンもしますし、体毛も落とします。
しかもクマネズミは高所を好んで移動、生息するため、高所にこうしたものがなされることもままあります。
当然高所なんて目が届きづらくなります。
それが落下すれば、異物混入要因となるのはすぐ想像出来ることです。

それからネズミの糞尿による悪臭も問題になります。
ぼくらのような専門家や駆除業者はその匂いを知っていますので、居酒屋などに入るとそこにいるかどうかすぐわかります。
あ、ここネズミ出てるな、と、その匂いでどのくらいの進行状況かがわかるのです。
なので、そういうところでは飲食を基本的にしません。

更に。
ネズミが天井裏で死ぬとどうなるかご存知ですか。
数日後に、とてつもない腐臭と、多量のハエ(ニクバエ)が発生します。

独特のきっつい匂いと、あちこちにハエが飛び回ります。
その場合、天井裏の死骸がどうなっているかというと、おぞましいほどの多量のニクバエの幼虫、要するに大きめの蛆虫(ウジムシ)がウネウメとうごめきながらネズミの死骸を食べています。
これは専門業者ですらヒく光景です。

これから夏を迎えますが、これがよく起こるのがこの時期です。
ネズミの死骸の肉がニクバエの幼虫、つまり蛆虫に食べきられ、餌がなくなり、ミイラになりと、だいたい2~3週間くらいでしょうか。
しばらくの間、そんな状況が続くことになります。
ですが、それを除去したくても死んでいるのは大概の場合、天井裏だったり、壁面の中だったりと、人の手の届かないところだったりします。

ちなみにネズミについていたノミやイエダニなどは、宿主のネズミが死ぬと血を吸わせてくれる餌がなくなります。
なくなると、当然餌を求めます。
餌となるのは、付近にいる人間の血です。
天井裏などでネズミが死んだ場合、これらのノミやイエダニが降ってくる、なんてことも十分ありえます。
そしてこれらに刺されると、皮膚炎を発症したりします。

ネズミはどのくらい生息しているのか

では、そもそも施設の中にネズミはどのくらい生息しているものなのでしょう。

まず、最初クマネズミは単体で侵入するケースがほとんどです。
そしてやがてそれが子を産んで繁殖するのです。

クマネズミは一回に5~6匹の子を産みます。
子ネズミは経験値が少なく警戒心が弱いため、一番最初に捕まります。
つまり大体同じようなサイズの子ネズミが数匹捕まった場合、親ネズミを含めてそれだけの数が生息している、と思っていいでしょう。

ランダムな大きさの個体が何度も何度も捕まる場合、これはかなり問題が進行しています。
数世代至っていると考えてもいいかもしれません。
こうなってしまうと、駆除も長期化してしまう危険性が出てきます。

フンが時折少量でパラパラと見られるだけ。
色々とあるでしょうが、そんな場合は、意外と個体数は少ないかもしれません。
どこかに侵入経路があって、そこから少ない数匹、あるいは1匹が出入りしていることが多いでしょう。
その場合、ラットサイン(ネズミの出入りの跡)を探し、侵入している隙間を探します。
ですが、一般の人にはなかなか難しいものですが。

新たにネズミの生息が見つかった施設がすべきこと

さて、今回のコロナ禍で起こった変化は、まだ1~2か月のこと。
ということは、まだそれほどに被害の進行が進んでいない状況だということになります。

このところネズミの生息が急に見られ始めた。
そんな場合は、この現段階ではまだ単体で生息している可能性も高いかと思います。
つまりまだ子を産んでそこに居座っているわけではないことも多いものです。

しかもまだ施設内を完全に把握しているわけではない。
そうした場合にのみ、粘着トラップでの捕獲が比較的容易になります。
また普通あまり食べない殺鼠剤(毒餌)の喫食もしやすくなります。

とにかく、ネズミの対策は早期段階で行うのがセオリーです。
これが子を産み、増えてしまってからでは後手後手となり、対策の手間も規模もだんだんと大がかりに、また長期的になっていきます。

早急に対応にまわることをお勧めします。

まとめ

今回は、都内のネズミの状況、それからネズミが生息している場合のリスクや、問題の進行状況、そしてそれに対する対応についてのお話をいたしました。

次回は、ではこうしたネズミの対策について、プロの専門業者があまり言わないネズミ対策の「裏」についてのお話をする予定です。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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