虫の発生源(あるいは侵入経路)の究明というのは、一般の人ではなかなか判るものではありません。
そんなプロの技を、一番わかり易い「チョウバエ」という例を使って、今回は特別に教えます。
あなたの工場や店舗で、こんなところを見逃していませんか?
そんな事例を数多く出して、現場で使えるテクニックとしてご紹介します。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 今日のテーマ:「チョウバエの発生、もしくは侵入要因を特定せよ」
  • 排水溝などでのチョウバエの発生源は、水の動きの少ないところや常に濡れているけれど流れの強くないところに多い
  • シンク下は覗きづらく暗所になっているため、チョウバエ発生の発見が遅れることが多い
  • チラーやフリーザーの排水や温度差での結露水は、しばしばチョウバエ発生の要因となることがある
  • 冷蔵・冷凍室の壁面や下、ドア周辺などは結露が生じやすいため、チョウバエの発生要因となりやすい
  • その他、破損した壁面の中やアール内、配管内、ドレン受け、洗浄機内などでもチョウバエは発生する
  • チョウバエの排水由来の外部侵入の侵入経路として、使用していない排水口やシンク、ドレン配管などがある

 

 

今日のテーマ:チョウバエの発生源を特定せよ

ケーススタディ・ザ防虫管理。

「工場や店舗の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、その要因や現場に即した対処方法を、お教えしていきます。

というわけで、今回のテーマは、こちら。

「チョウバエの発生源(もしくは侵入要因)を特定せよ」

です。

なおチョウバエに関しての解説は前回たっぷりといたしましたので、そちらを参考にしてみてください。

 

 

ネット上ですらほとんどない「チョウバエの発生源例」

チョウバエ。
夏になると大概問題になる虫の代表例です。
今回はこのチョウバエの完全駆除の方法を教えたく思います。

前回書いたように、チョウバエほど、簡単に内部発生する虫はいません。

「内部発生」というのは、工場や店舗の中に入ってきた虫が、ただ入ってそこにいるだけでなく、卵を産んでそれがかえり、幼虫になって、蛹になって、また成虫になり、そしてまた新たに卵を産んで…と繰り返され、工場や店舗の施設内で繁殖が行われることを言います。

内部発生の怖いところは、繁殖しているその供給源、「発生源」というのですが、それを潰さないと問題がいつまでもおさまらないことです。
ただ外から入ってきている外部侵入なら、その虫を殺し、侵入箇所を潰して終わりです。
まあそれもそれで「どこから侵入しているのか」を潰さなければいけないのでそんな単純なものでもないのですが(後で話に出ます)、少なくともドアやシャッターなどから入ってきている虫は、工場や店舗の中で長らく生き残ることが出来ません。
なので間もなく死滅していきます。

ところが、ある生息条件が揃う虫のみ、工場の環境に適応し、生き残ります。
生き残って子孫を増やそうとします。
それが「内部発生」です。

これを見つけるというのは、かなり難しいものです。

 

チョウバエはその点、比較的(あくまで比較的、ですが)その「発生源」が見つけやすい昆虫です。
わらわらと幼虫が存在し、成虫がふわふわその付近を飛んでいる。
こんな状況が発生源なので、確かに難しいとはいえ、可視化されているので頑張れば見つかります。

ぼくはこの道20年以上のプロです。
チョウバエの発生源なんて、数百回見てきました。
何ならこないだ、また新たに見つけてきたばかりです。
そんなプロ中のプロである身が、「こういう場合がある」というのを事例として紹介しましょう。

然るに「事例」というのは、経験知を知る最大の近道です。
こういうのは普通、苦労してしか知りません。
何時間もかけて調査し、「ここか!」というのが虫の発生源です。
そうそう、みんなが知っているわけではない。

排水の溜まっている場所がチョウバエの発生源になりやすいですよ。
水がたまっているところを探してください。
うん、知ってる。
そんなん、誰でも知っている。
こんなものは、言ってしまえばクソみたいな情報です。
自分自身がやってないものを、ネット上で見つけてただ貼り付けているだけです。
そして素人が素人に伝えてる生活便利系コピペサイトは、99%こんなものばかりです。
ご家庭の主婦さんならさておき、食品工場や飲食店の防虫管理において微塵の価値すらもありません。

排水溝にカーブはありませんか?
重いものや機械や作業テーブルなどが置かれていませんか?
グレーチングの裏側を見ましたか?
グレーチングを置く排水溝の、フチを見ましたか?
温水は使ってますか?
そこにチョウバエの幼虫がいるので、スプレー剤とLED懐中電灯で調べてみてください。
調べ方は過去記事の通りです。

これが本当の価値ある情報じゃないでしょうか。
今回はそんな、20年以上の現場のプロが、どんな事例があり、どんな場所にチョウバエの発生源を見つけたか、そんな「生きた情報」をお伝えいたします。

 

チョウバエの発生源例とは

おっと、今回の記事を読む前に。
重ねてになりますが、前回の「チョウバエの発生源の調べ方」をお読み頂いたでしょうか。
まだの場合、できればまずはそちらをお読み下さい。
無論、これを読んだ後でも構いませんが、ぜひ一度目を透しておいてください。
それが今回の話の基礎知識になります。
今回のお話は、そちらの話を前提として書いています。

ということで、チョウバエの発生源例を挙げていきたく思います。

 

排水溝、排水桝のここが危ない

チョウバエの発生源、と言われて一番最初に怪しまれるのが排水溝と排水桝。
定番、鉄板です。
まずはここからいきましょう。

ですが、ただ排水溝を見たところで、なかなか問題なんて発見できないことが多いもの。
それは、目線が甘いからです。
ただ排水溝をいつまで眺めたって、問題は探せません。

というのも、排水溝全面で一斉に問題が生じていることは、少ないというかほとんどないからです。
チョウバエにせよ、排水溝におけるコバエなどの発生要因は、ある局所的な問題箇所があって、そこで生じていることがほとんどです。
なので、これを見つけることが重要となります。

では排水系統はどのようなところに注意すればいいのでしょうか。
それは次のようなところをチェックするのです。

 

排水溝内でのチョウバエの発生源
  • 重いものや機械、テーブル置かれている下
  • 排水溝の側面
  • 排水溝のグレーチング裏
  • 排水溝とグレーチングの接触面
  • 温水を使っている箇所
  • 栄養価の高い排水が流れる箇所(洗米の排水など)
  • 排水溝のカーブ部
  • 排水溝の勾配が弱い箇所
  • 排水の滞留箇所
  • 残渣などが溜まっている箇所

 

まず「あるある」ベスト1は、重機などが排水溝の上に置かれているパターンです。
その下が洗浄出来ないので、放置されています。
よく見る光景です。

続いての「あるある」は、排水溝の側面です。
それと、グレーチングの裏側。
これがチョウバエの発生源となっているケースは非常に多いものです。
(排水の流れが弱い場合には、排水内でも幼虫が生息しています。)

 

 

同様に、排水桝なども側面が一番危なかったりします。
しかもこうした作りになっていることが多く、上から見た場合に死角になってしまうこともままあります。

 

ここで、一つポイントを解説しましょう。

チョウバエにせよ、多くの虫は流れの強い場所に卵を産みません。
虫もそいつらが食べる餌もみんな、水で流されてしまうからです。
なので、水の動きが少ないところ、止まっているところ、常に濡れているけれどそれほど流れの強くないところに大概発生源があります。
これは排水由来の虫のセオリーです。
水中に卵を生むチョウバエも例外ではありません。

多くの人は、排水溝に問題がある!と思って、その真ん中に発生源を探します。
ですが多くの場合、そこに問題はありません。
水の流れの生じているところに、発生源はありません。
ではなく、濡れているけれど滞留しているところを探すのです。

そういう意味で、例えば排水溝の側面だったり、グレーチングの裏だったり、床面とグレーチングの接触面だったり、カーブ箇所だったり、勾配が弱くなっているところなどは、恰好の生息場所です。
餌は豊富だし、流される危険もない。
こういうところを探すのです。

また数多い排水溝のうち、どんなところで発生しているか。
それは温水を使用していたり、洗米工程などの栄養価の高い排水が生じる箇所に目星を付けます。
それらの、上のような箇所を探すのです。

 

シンク下のここが危ない

水を多用し、排水が生じるシンク。
手洗いや流し場ですね。
ここも定番中の定番の、チョウバエ発生源です。

ではどんなところが問題になりやすいのでしょうか。

 

シンク下でのチョウバエの発生源
  • シンク下床面
  • シンク下のパイプ周辺
  • シンク周辺の結露水滞留
  • シンク周辺のカビ
  • シンク周辺パイプのジョイント箇所(「にじみ」が生じている)
  • シンク下に落下しているもの

 

まず、シンク周辺からチョウバエが発生している場合、そのほとんどはシンク下に問題があることが多いです。
当たり前ですが、水は上から下に流れます。
なので水が滞留するのは、大概下なのです。

チョウバエが発生するのは、「汚水の滞留」があるからです。
流れる水ではなく、「貯まる水」が「常時そこにあって」「しかもそれが餌になる」から発生するのです。

そして。
シンクの厄介なところは、下を覗き込みたくない作りになっているところです。
誰も、膝をついて下を覗き込むことをしたい人はいません。
だから清掃も水切りも、大概甘くなります。
配管が走っていれば、清掃の邪魔になります。
その手前は清掃しても、奥やその下の清掃をしようとしません。
こういうところが発生源となります。

それから割と多いのが、シンクの下にスポンジやダスターが落ちているケース。
水を吸って放置されているので、何を況や、ですね。

あとぼくの経験では、「オーバーフローがただのシンクに開けた穴だった」という事例もありました。
さすがに「マジかよ!?」と、呆気にとられましたね。
だって、溜まった水がシンクの後ろの壁面にダダ漏れしてるんですよ?
ダダ漏れというか、ザーザー流れていましたからね。
しかもその壁をシンクが目隠ししてるんですよ?
おかげでカビや残渣が壁に付着し、えらいことになってました。
ありえなさすぎです。

 

チラーやフリーザーの下部、周辺、排水

以上は、どこにでもある定番箇所ですが、ここからは実際にあった事例を紹介します。
勿論、ありがちなことも多いので、ご自身の工場や厨房にそういった箇所、あるいは似たような状況がないか思い出しながら、読んでみてください。

まず、チラー。
ブラストチラーや真空冷却などの冷却装置です。
あるいはトンネルフリーザーなどの、フリーザー。
こうした装置は、必ず使用水が発生しますし、温度差による結露が生じます。
これらが汚水の滞留を生じさせ、発生要因となっていることがままあります。

またチラーの排水は結構な栄養分を含んでいたりします。
そこで、それらが流れる排水からもチョウバエの発生がしやすくなります。

 

冷蔵、冷凍室の周辺

先のとおり、温度差から結露は生じます。
それは、暖かい空気と冷たいものが接するからです。

空気というのは、水分を含んでいます。
そして暖かい空気は冷たい空気に比べ、水分を多く含んでいます。
逆に言えば、空気は冷やされると水分を含むことの出来る量が減ってしまうものなのです。

さて、それでは暖かい空気が冷たいものに触れた場合、どうなるでしょうか。
空気は冷やされ、含んでいた水分を含みきれなくなります。
そして生じるのが、「結露」です。

 

夏にキンキンに冷えたビールを頼むと、グラスの廻りに水滴がついてますよね。
冬に暖房を付けた自宅にいると、窓に結露ができますよね。
これらはいずれも、暖かい空気が冷たいものに接触し、冷やされることでおきている現象なのです。

そしてこの結露水が貯まると、虫の発生要因となりやすくなります。

冷蔵室、冷凍室の壁面はどうでしょう。
ではドアの周辺はどうでしょうか。
冷気が生じるので、この周辺は結露、カビの温床となっていることがままあります。

そして意外ですが、よくあるのが、冷蔵・冷凍庫の下です。

これはチョウバエより寧ろチャタテムシなどの食菌性昆虫にバカみたいによくあることなのですが、冷蔵・冷凍庫の下は問題が起きやすい典型です。
というのも、冷蔵庫、冷凍庫メーカーは、側面に対する断熱についてはかなり考えているけれど、基本的に上下への断熱についてはそれほど考えていないからです。

冷気はどうしたって下に向かいます。
ですが冷蔵庫や冷凍庫の基礎のコンクリートはその冷気を通してしまいがちです。
結果、ここに下の外気との温度差が生じます。

地方や郊外の工場などは一般的に平屋のところが多いので、それほど問題にはなりません。
ですが、都心の工場は違います。
2階に冷凍庫などがある場合、夏場などは天井裏の暑い空気と冷蔵庫の底面がぶつかって結露が発生することもあります。
結果、なんと天井裏で結露水が滞留する、なんてことも少なくありません。

ではこういう場合、どうするか。
ぼくなら、まず天井裏にサーキュレーターを置いて、空気を撹拌してあげることを提案します。
それだけで天井裏の空気の滞留を防ぎ、ある程度結露を防ぐことが出来るからです。

また基礎を設けて、そこにドンと冷蔵・冷凍庫を置く、というケースもあります。
その場合、その下に空間が生じ、そこに結露水が滞留し、チョウバエをはじめとする虫の発生要因となることが多くなります。
最初からそれを考えずに設計したことの、構造的なミスです。

 

洗浄機下や裏側、内部など

洗浄機もまた、虫の発生要因になりやすい機械です。
しかもこれらは温水を使うことが多いため、冬季でもチョウバエなどの発生要因となるのが厄介です。

また野菜洗浄などの工程で用いられる場合には、機械の足回りや裏側などがしばしばチョウバエやユスリカなどの発生要因となります。

壁の内側、アールの内側

壁の中で、チョウバエが発生している。
こんなケースも、案外多いものです。
例えば、次亜塩素酸ナトリウム液を多用して壁面がもろくなり、台車などでぶつけて破損する。
そこに汚水が流れこんでしまう。
まあ、これはわかりやすい例ですね。
破損がそこにあるから目に見える。

ですが、見えないケースもあります。
例えば巾木やアール、その他のカバーなどで隠されている。
この場合、壁と床との間に隙間があり、それを巾木やアールが目隠ししている場合がよくあります。
この巾木やアールがしっかりシーリングされて隙間をなくしているならいいのですが、そういうときばかりではない。
するとその隙間から汚水が流れ込み、壁面、あるいはアールの内部で滞留し、発生要因となります。

配管内

排水溝の内部でチョウバエが発生するケースもあれば、排水が流れる配管の内部で発生する、というケースもあります。

配管はいつも流水に満たされるわけではありません。
寧ろ大概はその下部をチョロチョロと水が流れているケースがほとんどです。
すると、その側面などは大概汚水が付着した状況になり、恰好の生息箇所となりがちです。

配管は一ヶ月に一回程度は大量の流水によって洗浄することが必要です。

ドレン水受けやそこからの漏水

意外にも見落としがちなのが、ドレン水受けです。

加熱と冷却が繰り返される食品製造、調理の世界は、ドレン水が必ず生じます。
空調のドレン水、冷蔵庫のドレン水、チラーのドレン水など、必ずドレン水が生じるものです。

で、このドレン水を由来に、チョウバエに限らず虫が発生するケースが非常に多い。

例えばチラーのドレン受け。
またそのドレン水が受けきれず漏れて床面に垂れていたり、或いは床面に放流っぱなしだったり、排水管に流れるはずが漏れていたりなど。

同様のことが、多くのドレン水に言えます。
ちょろちょろと流れるがゆえに、盲点だったりするので何気に厄介だったりします。

靴洗浄機やジェットタオルの内部

盲点だったりするのが、靴洗浄機などの何かを洗浄するのに水を使う機械、あるいはジェットタオルなど水を弾いて乾燥する機械の内部です。
場内で洗濯機を使っている場合も、同様です。
いずれにしても、「水を貯める」「水を流す」「水を使う」機能があるものです。

こうした「排水」が生じる機械というのは、チョウバエの発生要因となりやすいのに意外と盲点だったりするものです。

チョウバエの外部侵入という現象

こうした工場内や厨房での「内部発生」が見られる一方で、「外部侵入」によるチョウバエの生息、捕獲がみられることもあります。

しかもこういう場合は、結構厄介です。
というのも、「外部侵入」とは、何も建屋の緑地帯や駐車場などで生息している虫が、ドアやシャッターから侵入することだけではないからです。
しかも一見、「これは内部発生要因なのか!?」と考えてしまうことがあります。

そう、例えば下水に通じる配管などから侵入する。
こういう場合も、立派な「外部侵入」なのです。
なぜなら、「外部侵入」の「外部」とは、確かに工場や店舗などの「外」のことでもあるのですが、より正確に、より抽象度を高めて言えば、それは「管理領域」、つまり管理することが可能な領域の「外」を意味するからです。

そもそも、管理領域を超えたところから管理領域内に入ってくるから「外部侵入」なのです。
そして、管理可能な領域内で発生するから「内部発生」なのです。

おわかりでしょうか。
少しだけ、抽象度を高めた話をしますね。

つきつめれば、「管理」とはひとの「理知」であり、またそれが効く範囲のことです。
つまり管理領域とは、その人間の「理知」によってある程度コントロール可能な領域のことを言います。

神ならぬ我々は、外部の緑地帯を完全に管理しきれません。
「理知」では計り知れない様々な自然界の因子がそこに複合的に働くので、外の緑地は「管理領域外」となります。
そこでは何が起きているか判らない。だからそれに対しては何も出来ないから、せめてそこから入ってくるリスクを極力抑えよう。
これが、虫というリスクに対しての「外部侵入要因対策」です。

そしてこのことは、管理が及ばない下水道などに対しても同様です。
下水道の中までは、工場内のひとの「理知」が届かない。
だからそこから入ってくる虫について、「外部から侵入してくるリスク」という意味で「外部侵入」というわけです。

例えば工場のなかに排水桝がある。
グリストラップが設置されている。
これは、管理領域内です。
ですから、そこでチョウバエが発生すれば「内部発生」です。

ですが、上の図のように排水管を引っ張って、工場の外部、敷地のどこかにグリストラップがある。
これは自然の影響によってひとの「理知」が届ききれない状況にある。
そりゃ多少は清掃やメンテによって管理は出来ないわけではないが、完全には難しい。
ここでチョウバエが発生し、排水管を登って工場内に入ってきた。
これは「外部侵入」です。

ではこうした、チョウバエの内部発生に一見似ているような、外部侵入要因にはどのようなケースがあるのでしょうか。
これが、かなーり実は多いのです!

ではどんなケースが考えられるでしょうか。

 

使用していない排水口やシンクからの侵入

本来、排水配管には「排水トラップ」(封水トラップ、あるいは水封トラップともいう)というものが設けられているものです

封水トラップとは、下水道の悪臭や硫化水素などのガス、さらにはチョウバエ、ゴキブリなどの虫を侵入するのを防ぐための仕掛けのことです。

例えば、水洗式トイレや自宅の水道の下の部分を思い出してください。
水洗式トイレにはいつも水がたまっていますよね。
また自宅の水道の下にはS字のパイプがあるかと思います。

これは何をしているのかというと、水をためることで水によって下水からのものを遮断しているんです。
これが「封水トラップ」です。

 

これはS字じゃなくてP字(横にすると)ですので、P字トラップなんて言われてますが、いずれも同じ。
この機能は、大概の排水配管に付けられています。

しかしこれが長期使用しないでいると、どうなるか。
水封の水位が下がってしまい、その機能が切れてしまいます。
すると、下水に生息しているチョウバエなどが場内に侵入することになります。

 

場内で余り使わないシンクや、ドライエリアでそれほど水で洗浄しない箇所の排水口などではそういうことが起こりがちです。

ドレン配管からの侵入

こうした水封トラップは、大概どの排水施設に対しても設けられているものですが、たまに例外があったりします。
例えばエアコンなどのドレン配管です。
ダイレクトに下水道に直結しているものもあります。

たまに「弁」などで封じているものもあるのですが、あんな弁は「おまけ」です。
虫の侵入を防ぐほどの機能は持ち合わせていません。
しかもドレン水の水量は少ないので、虫の侵入がたやすいことが多いです。

チョウバエも勿論なのですが、こういう場合、ショウジョウバエやノミバエが侵入する、というケースをよく目にします。

ぼくの経験では、床置きエアコンのドレンからチョウバエが侵入し、送風と一緒に吐き出されていた、なんてこともありました。

破損したベルトラップからの侵入

排水桝に、ベルトラップ、つまりベル型の封水トラップがある。
なのにチョウバエの生息をよく目にする。

こういう場合、その水封トラップ自体が壊れている、外れている、機能していなかった、そんなケースもあります。

以前、そのような食肉工場に行って調べてみたら、封水トラップのパッキンが外れており、水封が機能していないことがありました。
これは一回トラップを外してみないと判らないので、なかなか見つけづらい問題です。
またそれ以外にも、ベルトラップにヒビが入っており、隙間が生じていた、なんてこともありました。

配管貫通部やジョイント部の隙間からの侵入

床面の排水管に、蛇腹ホースなどでジョイントしている場合、その隙間からチョウバエが侵入している。
こういうケースは、かなり多いです。

ご家庭で考えてみてください。
洗濯機の排水ホースを、床面の排水管につなげる。
この場合、ホースと排水管のジョイントが甘かったらどうなりますか?
そこからチョウバエやゴキブリが侵入しますよね。
工場や店舗でも同様です。

またシンクの排水管が壁面や床面に貫通している場合、カバーがない、あるいはあっても隙間がある場合、同様の問題が生じます。

特にこうした場合、炊飯や加熱調理工程などで蒸気を排気するため、室内の差圧が陰圧化し、下水から外気と一緒に虫を引っ張り上げているケースもあったりします。

切りっぱなしの排水管からの侵入

論外ですが、意外と「あるある」です。

なんかよく判らないけれど、使用していない、謎の排水管がある。
こんなケースもよく見ます。
当たり前ですが、何の処理もしていないので、下水道から虫が侵入します。
ですが余りに日常の光景になりすぎて気づかない。
マジかよ、と思うかもしれませんが、結構な頻度でこれ、見ます。

まとめ

今回は、チョウバエの発生例(と侵入例)について、ケーススタディいたしました。

とにかくチョウバエの発生なんてものは、現場の分だけ事例があるので題材にこと欠きません。
これら以外にも山程あります。

 

チョウバエの発生例
  • 水を多用する工場の、エアシャワー下に汚水が滞留していた
  • シンクの配管ににじみが生じ、汚水が滞留していた
  • 汚水が床面スロープ下に滞留していて気が付かなかった
  • 床面の凹凸や塗装の剥離によって排水が溜まりやすく、しかも機械やコールドテーブル下で発見に遅れた
  • 床面への洗浄機の水漏れが生じていた
  • 清掃用モップや受けのバケツの洗浄が不十分だった
  • 充填工程での液跳ねが機械内で生じ、発生要因となっていた
  • 謎の排水桝、排水口が放置されて、ないことになっていた

 

などなど、例をあげればキリがありません。

このような箇所があなたの工場や厨房にありませんか?
夏本番を迎える前に、今のうちに対応していたおくべきですよ。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
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