ようやく、世は緊急事態解除の動きへと向かっているところです。
そして始まる、ポストコロナ時代(あるいはウィズコロナ時代)。
大きな痛手を受けた飲食店は、今こそHACCP制度化に向かって一歩前に進むべきでしょう。
今回、そして次回と、二部構成でこれら今飲食店がすべき具体的なHACCP対応について、お話していきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 夏に向けての食中毒対策、他店との差別化、コロナ対策などの観点からも、飲食店は今のうちからHACCP対応を進めていったほうがいい
  • HACCP制度化においては、次の2つの基準が存在する
    ①大手食品工場が行う「HACCPに基づく衛生管理」(旧基準A)
    ②飲食店や小規模工場が行う「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)
  • 飲食店の行う「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」とは、次の3つである
    ①危害要因分析と、重要管理項目の設定
    ②HACCPに沿った衛生管理計画の策定
    ③モニタリングと、その記録・確認
  • これらはPDCAサイクルに則った「衛生管理の仕組み」である

 

 

いよいよ世界はポストコロナ時代へ?

(こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。)

ご存知のとおり、緊急事態宣言が解除の方向へと向い始めました。
すでに全国各県で休業要請が解除され始め、ようやく飲食店も長かった暗黒の時代を終え、晴れてお店を開けることが出来るようになりつつあります。

 

さて、そうして始まったポストコロナ時代。
まあ、ウィズコロナなのかそちらの医学的、専門的な話はここでは置いておくとして。

すでに飲食店においてはHACCP対応が迫られてきています。
ましてやこれから迎える夏場。
こんな状況で食中毒などを起こしたら、泣きっ面に蜂。是が非でも避けたいところでしょう。

そこで、飲食店がHACCP対応として何をしなければいけないのか、これからお話していきたく思います。
まだ緊急事態宣言が続いているエリアでは、飲食店さんもすることがなかったりしているお店も少なくはいことでしょう。
ですから、今のうちにこうしたことをしておくことをお勧めします。

おっと、ご安心ください。
最後はタダで入手出来て、誰でもHACCP対応の出来るツールのご紹介もするつもりですので。

今のうちに飲食店がHACCP対応をしておくメリットとは

もうすでに対応済みだよ、という飲食店さんは、もう一度その対応を振り返ってみてください。
実はまだなんだよねえ、という飲食店さん。
今この、自粛期間(もう解除されたところもあるかもしれませんが)こそ、千載一遇のチャンスです!

先にも書きましたが、もうすでに夏はそこまで来ています。
だってもう1週間後には6月です。
つまり、食中毒の季節の到来です。
このHACCPは、食中毒防止のためのシステムですので、夏の食中毒防止対策にはうってつけです。
こんな痛手の時期に、食中毒なんて泣きっ面にスズメバチの大群もいいところでしょう。
折角戻りつつあったお客さんの足がまた離れてしまいかねません。

また「うちは最新鋭の衛生管理を行っている」と、他店との差別化にもなります。
ましてや本格的にHACCPに取り組み進めている、となればお客さんのコロナ不安対応にもつながることでしょう。
それに実際、効果があります。
衛生管理のプロが言うのだから、間違いないです。
だって、しっかりとした洗浄殺菌こそが微生物対策のかなめ中のかなめなのですから、否定のしようがありません。

さあ、時間と余力のある今だからこそ!
すぐにでもHACCP対応をすすめるべきなのです。
今このときだって、遅くはありません。

改めてHACCP制度化の基本を知ろう:2つの基準

まずはHACCP制度化の、その基本を知りましょう。
いやいや、知っている。
そう思うかもしれませんが、意外と知らないことも多いものですよ。

まずその一歩は、自分が2つのうちのどちらの基準に所属するか、です。

HACCP制度化には2つの基準が存在します。
正式にはこうは今は呼ばないのですが、分かりやすく「基準A」「基準B」というのがあるのだ、と思って下さい。

で、この「基準A」「基準B」の2つのうち、どちらに所属するか。
一般的に大手企業以外は「基準B」だと思ってください。
中小企業の工場や一般的な飲食店は、この「基準B」に属します。

 

では「基準A」「基準B」とはなんでしょうか。
本当は、「基準B」とは一体どんな基準なのでしょうか。

HACCP制度化の「基準A」「基準B」とは

さて。
HACCP制度化にあたり、当初は「基準A」「基準B」という区分けを行うように進められてきたんですね。
これらはすげえぶっちゃけると、大手食品工場などの「基準A」の人は「ガチなHACCP」を、小規模工場や飲食店などの「基準B」の人はもうちょい緩めな「なんちゃってHACCP」をやりなさい、という意味です。

 

HACCP制度化の2基準
  • 基準A:「HACCPに基づく衛生管理」(大手食品工場などが対象)
  • 基準B:「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(飲食店や小規模食品工場などが対象)

 

しかしこれが法案化する2018年、わかりやすい呼称だった「基準A」「基準B」が公式に使われなくなります。
以降、現在は正式には「基準A」は「HACCPに基づく衛生管理」、そして「基準B」は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」となっています。

ま、一応のタテマエです。
実際はというと、今も割と普通に「基準A」「基準B」と使われているのが実情です。

「HACCPに基づく衛生管理」(旧基準A)とは

「HACCCPに基づく衛生管理」(旧基準A)にあたる事業者は次のものです。

 

「HACCPに基づく衛生管理」(旧基準A)対象事業者
  • 一定規模(50人以上)の従業員が従事する事業所
  • 屠畜場(屠畜場設置者・屠畜場管理者・屠畜業者)
  • 食鳥処理業者(認定小規模食鳥処理業者を除く)

 

まあ要するに、大企業がその対象であることがわかります。

この「HACCCPに基づく衛生管理」がすべきことは、先の通り「ガチなHACCP」です。
つまり、CodexーHACCPにあるよう、しっかりと「7原則12手順」にもとづいて、マネジメントシステムを計画作成し、管理しろという話です。

勿論、認証の取得は強要されていません。
でもほぼ同様レベルのことをしろよ、というわけです。
こうなると、誰もが皆「でも、どうせやるしかないなら認証欲しいよな」となります。
昨今、そこそこ大手めな食品メーカーのJFS規格認証のニーズが激増している一つの大きな要因がこれです。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)とは

一方、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)にあたる事業者とはどんなものでしょうか。
飲食店、小規模工場がこちらです。

 

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)対象事業者
  • 小規模な製造・加工事業者
    (食品の製造又は加工を行う者のうち、一の事業所において、食品の製造及び加工に従事する者の総数が50人未満の者)
  • 併設された店舗で小売販売のみを目的とした菓子や豆腐などを製造・加工する事業者
    (菓子の製造販売、食肉の販売、魚介類の販売、豆腐の製造販売等)
  • 提供する食品の種類が多く、変更が頻繁な飲食店等の業種
    (飲食店、給食施設、そうざい・弁当の調理等)
  • 低温保存が必要な包装食品の販売等一般衛生管理のみの対応で管理が可能な業種

 

はい、要するに、製造従事者が50人以下の食品工場、飲食店は皆、基準Bに含まれる、というわけです。

で。
この「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)の人は、「ガチなHACCP」ではなく、それっぽい「なんちゃってHACCP」をしましょう、と言われています。

もう少し具体的には、CodexーHACCPの7原則12手順ってのがあるのですが、これをもう少しカスタマイズして簡略にした「手引書」というのを各業界団体が作成しています。
なので、それに従った衛生管理をしなさい、ということです。

そして。
事業者が自分で「衛生管理計画」を作成し、それに沿った衛生管理の記録を行っていく必要があります。
これがちょっとだけ、今後の飲食店のひと手間として増えることになります。
まあ、食品工場なんて日々その繰り返しなので、慣れてしまえば何ということはありません。
それにこんなこと、食に携わるものとしては当たり前の話です。

飲食店は具体的に何をしなければいけないのか

それでは「旧基準B」、つまり「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」とは、具体的にどのようなことをするのでしょうか。

それが以下の3つです。

 

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)の実施事項
  1. HACCPに沿った「衛生管理計画」の策定
  2. 衛生管理計画に沿ったモニタリングの実施
  3. その記録・確認

 

まず、中小工場や飲食店はこれらをしていかねばいけません。
正確には、これを行う「仕組み」を工場や飲食店の運用、つまり日々の業務として組み込むのです。

これはどういうことか。
それは、衛生に対する「管理の仕組み」を、日々のしごとに組み込みなさいよ、と言う意味です。

「管理の仕組み」とは何か。
ズバリ、端的に言うならそれは「PDCAサイクル」です。
つまり今後はあなたのお店の運営に、こうした食品衛生に対する「管理」の「仕組み」としての「PDCAサイクル」を組み入れるのです。

「PDCAサイクル」は、昨今なんだかビジネス意識高い系連中によって安売り投げ売り叩き売りされて陳腐化されてしまっていますが、しかし実はそもそも「管理」、つまり「マネジメント」の根底中の根底です。
根底というか根幹、中枢、骨格です。

そして、なんでもそうなんですが「管理」というのは、「目的」「目標」「方針」に沿ってPDCAサイクルをいかに上手く回すか、ということです。

例えば、健康「管理」。
健康に長生きする「目的」のために、体重3kg減という「目標」に向かって、糖質制限ダイエットといい「方針」を立てる。
そしてそのために、PDCAサイクルを作って回す。
つまり、具体的な献立を作り(P)、実行し(D)、体重計に乗って(C)、ああ食べ過ぎた明日はラーメンやめようビールやめようと反省する(A)。

例えば、経営「管理」。
会社の存続の「目的」のために、利益ウン億円という何らかの経営「目標」に向かって、なにがしを売っていくという「方針」を立てる。
そしてそのために、PDCAサイクルを作って回す。
つまり、部署ごとに戦略を立て管理職を与え(P)、実際に営業し(D)、数値を会議で発表し(C)、売れなかったから来月はこの部署はこうしよう、などと考え直す。(A)

ね?
「管理」というのは、そういうものなのです。
PDCAサイクルという「仕組み」を作っていき、それをいかに上手く回すか、なのです。

当然ながらこれは、「衛生管理」でも同じです。
「食(製品・商品)の安全安心」という目的のため、「食中毒防止」という「目標」に向かって「HACCPを進める」という方針があります。
そしてそれに沿って、PDCAサイクルに基づいて、先の1~3を進めるのです。

 

さて。
このことを頭に入れて、もう一度、先のやること1~3を見てください。

 

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)の実施事項
  1. HACCPに沿った「衛生管理計画」の策定
  2. 衛生管理計画に沿ったモニタリングの実施
  3. その記録・確認

 

1は、PDCAサイクルでいう「P:計画」です。
そして2で実際にそれを行って(D:実行)、モニタリングし、3でそれを記録、確認する。(C、A:評価、改善)。

このように、しっかりと「目的」「目標」「方針」に沿ってPDCAサイクルを回していますよね?
こうしたことを組み立て、実際にサイクルを回していくことを「管理の仕組み」作り、と言います。

さあ、大枠はここまでです。

では実際に、何を行えばいいのか。
それについては後編でお話いたしましょう。

まとめ

今回は飲食店がHACCP制度化で実際に何を行えばいいのか。
その前編として大枠についてお話いたしました。

飲食店は、いわゆる「旧基準B」、つまり「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に含まれます。

 

HACCP制度化の2基準
  • 「HACCPに基づく衛生管理」(旧基準A):大手食品工場対象
  • 「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B):飲食店や小規模食品工場対象

 

そしてこの「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」では、次のことを行います。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の実施事項
  1. 「危害要因(ハザード)分析」と、「重要管理項目」の設定
  2. HACCPに沿った「衛生管理計画」の策定
  3. 衛生管理計画に沿ったモニタリングと、その記録・確認

 

さあ、ではこれらについて具体的な実施内容について、後編はお話していきたく思います。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです

 

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