「5S」。食品関係の工場や店舗における衛生管理の基本中の基本、とされています。
ですが、これが実はシンプルそうで、なかなか奥深い。
特に、この「整頓」は奥深いものです。
というわけで、誰も教えてくれない本当の5Sの話、今日は「整理」に続き「整頓」について、その基礎をお話していきましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 「整頓」とは、「いるもの」の保管場所を定め、正しい箇所に保管することで、「ものがなくなったことがわからない状況をなくす」、そしてその「仕組み」を作っていくことである
  • 「整頓」とは「なくなってわからないもの」は製造現場から撤去する
  • 「整頓」とは、「なくなっていることがわからない」状況をなくすことである

 

 

まずは食品衛生の5Sを考えよう

前回お話しましたが、自動車部品の工場と食品を取り扱う工場や飲食店での5Sでは、全く目的が違います。

 

社員のやる気を育成するのだ、経営の効率化を目指すのだ。
そういう5Sを勿論否定はしません。
それはそれで大切かと思います。
(ぼくの専門や仕事ではありませんが)

ですが、ちょっと考えてみてください。
ちょっとした食品工場で一発異物混入ヤバいやつをやらかしたら、その効率化をしたい経営自体が終わります。
そのやる気を育成する社員の首が飛びます。
食品工場とは、そういうものです。ここは、そういう世界です。
そういう世界の5Sと、やる気育成や効率化の5Sの目的が違うのは、そりゃ当たり前の話ですよね?

前々回、ルールについて「安全安」神さまが降臨なされました。

いやね。
「いいから黙ってルールに従え」教ね。
ハイハイ、あります。
確かにそういうところ、あります。
一杯、あります。特に大手ね。こんなん、「大手工場あるある」です。
いや、それだと現場にルールが根付かないでしょ、ってつい言いたくなるところ。
(実際のお客様には遠回しに、しかし確実に伝えます)

ですが、そのくらい経営者側、管理者側は真剣であることも、その一方で強く認めるべきです。

別に威張りたくて、偉そうにしたくてそう言っているわけではなくて、それをやってくれないとこの会社がなくなるんだ。
真剣に、そう思っているから結果としてそうなるのです。
99.9%の企業さんが、皆そうなのです。

そしてぼく自身、日々のお付き合いにおいてそんなことなど勿論、重重わかっている上で、それでもルールの話をしたいがために敢えて書いたのが、あの記事です。
そこだけは誤解されたくないので、一応ここで釘をささせていただきます。

(加えて、何故このタイミングで敢えてこの記事を書く必要があったのかも、この次の後編まで読んでいただければ、よーくお判りになられるかと思います。
それは「整頓」をすすめる上で重要だからです!)

 

「なくなったことがわからない状況をなくす」が食品衛生の「整頓」

で。
そんなこんなで、「整頓」です。
食品工場や飲食店における、食品衛生としての5Sの、「整理」の次の「整頓」です。

「せ」「い」「と」「ん」。
口で言うのはたった4文字。
でもそう簡単でもなく、実はかなり奥深いのが、この「整頓」。
まあ、どれも勿論真剣に考えればそれなりに奥深いのですが、でもこの「整頓」もこれまた実に奥深い。

では、どういうことかを今回じっくりお話していきます。

さて、ここで答えてください。
「整頓」とは何でしょうか。

「整頓」とは、「いるもの」の保管場所を定め、正しい箇所に保管すること!

はい、ドヤ顔一丁喜んで。
軽くドヤってみました。

いや、そうです。
これは勿論、そのとおりです。そのとおりなんですよ。
では、それはなんで行うのか、なのです。

正しい位置に保管することで、効率的に使えるようにする。
時間を短縮する。
社員の仕事へのやる気を喚起させる。

まあ、それもそれでいいでしょう。
ですが、ここは自動車の部品工場ではありません。

会社が吹っ飛ばないように、社員の首が飛ばないように、衛生管理を徹底する。
そうした食品工場においての5Sの目的は、あくまで「異物混入防止」です。

つまり、食品衛生における「整頓」の目標、目指すべきこと、最終的にすべきこと。
それは「ものがなくなったことがわからない状況をなくす」、これに尽きます。
これを果たすのが、衛生管理における「整頓」です。

つまり「整頓」とは、「いるもの」の保管場所を定め、正しい箇所に保管することで、「ものがなくなったことがわからない状況をなくす」、そしてその「仕組み」を作っていくこと、なのです。

「整頓」が目指す状況とは

前回、食品衛生においての5Sということで、異物混入の起きやすい状況についてお話させていただきました。

 

異物混入が起こりやすい状況
  • 「なくなっていることがわからないもの」がある
  • 「なくなっていることがわからない状況」である
  • 「なくなっていることに何もしない状況」である

 

つまり、これをなくすのが「整理・整頓」です。
ですから、「なくなっていることがわからないもの」をそこに置かず、またその他についても「なくなっていること」がすぐ判るようにし、「なくなっている」場合にはすぐ対応出来る状況を整えること。それが「整理・整頓」、なかんずく「整頓」の役目です。
少なくとも、食品衛生においてはそうなります。

まず。
「要るもの」であろうがなんだろうが、そもそも「なくなっていることがわからないもの」を置くな、というのが食品衛生における異物混入対策です。

普通のオフィスや自動車の部品工場で、ビス一つがなくなったと上長に伝えると、彼は「ふーん、そうなんだー。」と答えます。
では食品工場で、同じことを上長に伝えてみましょう。
例えば、製造ラインの充填機上にメンテナンス時に放置していたビスが一つなくなりました、でもいつなくなったわかりません(ペロ)、と品質管理の課長さんにお伝えすると、彼の顔は気の毒なくらいに真っ青になるか、血圧の心配をしたくなるほど烈火の如く赤くなるかのどちらかでしょう。

だから、「なくなったことがわからないもの」の「適切な保管場所」は、製造区域外です。
そこに持っていくのが「整頓」の仕事です。

最低限でも、以下のようなものについての現場ルールを整備し、製造区域から出すことが必要です。

 

製造現場に置いてはいけない、「なくなったことがわからないもの」
  • 定数管理が難しいもの(例:輪ゴム、折刃式カッター、磁石、画鋲、クリップなど)
  • 消耗品としての使い捨てが前提なもの(例:シャープペン、ホチキス、セロハンテープなど)
  • 所有する本人しか判らないもの(例:小銭、アクセサリー、指輪、時計など)
  • 突発的に現場に持ち込まれて放置されているもの(例:工具、ひも、テープ類など)

 

「整頓」によって、なくなっていることがわかる状況にする

さて、その上で。
「整頓」とは、「なくなっていることがわからない」状況をなくすことです。

いくら現場から「なくなっていることが判らないもの」を取り除いたとしても、乱雑な状況であったらどうでしょうか。
なにがしかが原因で異物混入が生じることはあるのではないでしょうか。

 

なくなったことがわからない状況
  • 保管に対する表記がない(=保管に対するルールがない)
  • 保管すべきでないものがある(=保管に対するルールが認知、理解、許容されていない)
  • 保管されているものをチェックしていない(「整頓」の不徹底)

 

ですから、これらを「なくなったことがわかる状況にする」のが「整頓」です。

ここに保管されている、という表記がなければ、あるのかないのか、わかりません。
保管すべきかどうか、保管する場所にそれが記されてなければ、わかりません。
保管されていることをチェックしなければ、保管されているかどうか、わかりません。
これらの「わかりません」を「わかる」ようにするのが、「整頓」です。

つまり、

①いるものの保管に対するルールを策定、明示(表記)し、
②「なくなったら判らないもの」を撤去し、
③保管のルールに従って適切な保管場所に保管し、
④そしてそれらが適切に保管されているかどうかをチェックし、問題があれば直す。

それが「整頓」です。

 

「整頓」で「なくなっていることがわかる」ようにする
  1. 要るものの保管に対するルールを策定、明示(表記)する
  2. 「なくなったら判らないもの」を撤去する
  3. 保管ルールに従って適切な保管場所に保管する
  4. 適切に保管されていることを確認、改善する

 

「整頓」とはこうしたことを行うことを言います。

前回も言いましたが、3S、特に「整頓」の根幹とは、ズバリ「ルールの策定と遵守の循環」です。

ある取り決めを定め、それを回し、まもり、問題が生じ、取り決めを直し、また回し、まもり、また問題が生じ、また取り決めを直し…。
この「小さなPDCAサイクル」を繰り返し日々回していくことが「整頓」です。

まとめ

今回は、食品衛生における「整頓」に対しての根底、基礎的な理解についてお話させていただきました。
このように見ると、一般的なオフィスや自動車の部品工場などとは違うことがお判りになるかと思います。

もう一度いいます。
食品衛生における「整頓」の目標、目指すべきこと、最終的にすべきこと。
それは「ものがなくなったことがわからない状況をなくす」、これに尽きます。
つまり、「ものがなくなっていることがわかる」ようにします。

いくら「要るものが保管されている」としても、その「要るものがなくなったかどうかがわからない」のであれば、食品衛生としての5S、整頓は意味をなしません。
つまり、「要るものが保管されて、なくなってないことがわかる」ことが食品衛生における「整頓」の条件です。
ただ表記して保管するだけでは、それは食品衛生においては「整頓」がなされた、とは言いません。

そのために、「整頓」では、実際に次のようなことを行っていきます。

 

「整頓」で「なくなっていることがわかる」ようにする
  • 要るものの保管に対するルールを策定、明示(表記)する
  • 「なくなったら判らないもの」を撤去する
  • 保管ルールに従って適切な保管場所に保管する
  • 適切に保管されていることを確認、改善する

 

ではこれらはどのように行っていけばいいでしょうか。
次回、より具体的にそれらを解説していきたいと思います。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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