「5S」。食品関係の工場や店舗で働く人なら絶対に一度は聞いたり、見たり、教えられたりしたことがあることでしょう。
ですが、これが実はシンプルそうで、なかなか奥深い。
というわけで、誰も教えてくれない本当の5Sの話、今日は「いきなり5Sを始めてはいけない理由」についてお話させていただきます。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • いきなり5S活動を初めてはいけない
  • その理由は、
    「形骸化になりがち」
    「ルールの押し付けになりがち」
    「現場のモチベーションが損なわれがち」
    の3つの「ガチ」である
  • 「ルール」が守られるには、「認知・理解・容認・共有」のステップがある
  • ルールで「ただやらされているだけ」という状況を避けるには、「ルールへの積極的・自発的な共有化」が必要である

 

 

いきなり5Sを始めてはいけない!?

いきなりですが、前回の「本当の5S」のお話が、結構周囲で好評です。

 

「成る程、5Sって実はそういうものだったのか」
「あちこちで言われている5Sの話が、如何に薄っぺらだかよく判りました」
「どうして5Sが根付かないのか、理解出来た気がした」

など、お客様やSNSなどでご意見を頂きました。
ありがとうございます。

またもし、ここから入ってきて、そちらをまだ読んでないという方がおりましたら、まずはそちらを是非ともお読みください。
いやほんとガチでですね、ネット上でもどこでも、真の意味で誰も教えてくれない本当の「5S」とは何か、その一番重要で優先すべき真実が書かれています。

 

さて。
ここからはより具体的な5S活動についてお話をしていこうかと思います。
実践編ですね。

ですが!
「よーし、じゃあウチも本当の5S活動をするぞ!」
とはやる気持ちは理解出来ますが、ちょっとだけ待ってください。

いきなり5S推進活動を始めてはいけません。

物事には順番、というものがあります。
5Sが、整理・整頓・清掃・清潔・躾、とステップを踏まえて進むのと同様、それなりの準備、前段階ですべきことがあります。

今回は、5Sを始める前にすべきことについてお話をいたしましょう。

いきなり5Sを始めてはいけない三つの「ガチな」理由

まず、いきなり「5Sだー!今日からやるぞー!」というのは、余りよろしくありません。
こういう工場さんは割と多いし、その気持ちも判らないでもないのですが、でも5S活動を今後進めていく上では寧ろマイナスになることも、ままあります。

では何故いきなり5S活動を始めてはいけないのか。
それは次の三つの「ガチ」があるからです。

 

いきなり5Sを始めてはいけない三つの「ガチな」理由
  • 形骸化になりがち
  • ルールの押しつけになりがち
  • 現場のモチベーションが損なわれがち

 

そう、このような3つの「ガチ」に、ガチで陥り”がち”なのです。

一番重要なので何度でも繰り返しますが、5Sとは衛生管理におけるPDCAサイクルの「仕組み」を現場に作りあげ、それを運用し、根付かせることです。

整理・整頓・清掃。
まず、この「3S」を行う仕組みをルール化、マニュアル化させ、それらが行われ、チェックし、改善されることでPDCAサイクルが円滑に廻っている。
この運用こそが「清潔」であり、またその仕組みの運用が根付き、日常化しているのが「躾」です。

これを現場に根付かせようというのですから、そんな簡単でも短期間に出来るものでもありません。
いくらそうした下積みが他業種に比べて圧倒的に長けており、また5Sの重要性が広く認知され、衛生教育が一般的に高くなされてているこの食品業界の工場だとしても、それだって、それ相応に時間がかかります。

まあ、一般的に考えて、せめて1年くらいはかかるものだと思ったほうがいいでしょう。

これをしかし、勢いだけで早期的に行おうとすると、絶対に「無理」が起こります。
「無理」というのは、根付かない、ということです。
ですから大概、「形骸化」します。
結果、5S活動がただの片付けや掃除になります。

更には、これをやれという「ルールの押しつけ」になりがちです。
早く効果を出したい、と思えば思うほど、得てしてそうなります。
ましてや功を急ぐと、なおさらです。

「ルールの押しつけ」は、ルールに対する現場のモチベーションを著しく押し下げます。
「いいからオマエらは、言われた通りにこれをやれ」というルールは、皆が守るべき価値や意味のあるルールだと現場に理解、容認されずらくなるからです。

ルールの4ステップ:「認知・理解・容認・共有」

ここで、「ルール」というものについてもう少し踏み込んで考えてみましょう。

というか、この業界では何かにつけやれ「ルール」だ「ルール」だと簡単に言う割に、しかしこの「ルール」というものについてまともに考えられる試しが全く見たことありません。
いい機会なので、じっくりここでやっておきましょう。

あ、ちなみに以下のこれ、引用するならちゃんとウチをオリジナルソースとしてリンク元に書いておいてくださいね(笑)
てことで。

どんなことでもそうですが、「ルール」の遵守には「認知」「理解」「容認」「共有」の4ステップが重要です。
何故ならば「ルール」も「法律」も本質的に、他人に何かを強いる「強制力」、つまりは権力や暴力と同質のものであり、またそれを守るという行為は、その「強制力」に従うことを認めることだからです。

これはいっくら素晴らしく美しい目的のためのルールでも、どんなに守るべきルールにおいても、基本的に同じです。
そもそも、「ルール」「決まり」「規律」というものは、その内容に関係なく、本質的に、元来的に、例外なく「そういうもの」なのです。

 

ルールの遵守の4ステップ
  1. 認知
  2. 理解
  3. 容認
  4. 共有

 

 

つまり、人は、ルールという目に見えない強制力を備えたそれがあることを知り(認知)、その重要性や必要性や罰則を知り(理解)、その強制力を許し(容認)、それを互いに守りあい、実行することで。それが自分が守るべきルールだと「共有」するわけです。

実際、もしあなたがある所属先のルールに従え、と言われたとき、このような過程を踏みますよね。

言い換えれば、ルールというものは、しっかり皆にそれが存在していることが「認知」され、またその目的と目標、その重要性や守らない場合のデメリットが「理解」され、だからやろうと「容認」され、そして皆がそうして守るべきルールだと「共有」されてこそ、果たされるものです。

こうした「ルール」の持つ性質を、工場や店舗の管理者は、よくよく考えてみる必要があります。
すると、「ルール」がどうして守られないのかが見えてくることでしょう。

例えば、車が1台も通らないことが判っている田舎の道にある「一時停止」が守られないのは、一体何故でしょうか。
「交通安全」の目的で子供でも判っている(認知・理解)「交通規則を守ろう」というルールの遵守が、この場合、ルールに従わなくても目的が果たされれるので「容認」されず、その人にとっては、守るべきルールとして「共有」されていないからです。
ちなみにこういう状況のことを、「ルールの形骸化」と呼びます。

さあ、ルールの押しつけ、強制力の押しつけは、そのルールに対する「共有化」を著しく妨げます。
何故ならそのルールの「強制力」、暴力や権力と同質のその「強制力」への抵抗が「容認」を、更にはルールに対する「理解」を妨げるからです。

するとどうなるか。
当然、現場のモチベーションが損なわれ、「ルール」への積極的な共有がされなくなります。
要するに、5S活動が、ただやらされているだけのものに成り下がります。
ちなみにこういう状況のことを、「5S活動の形骸化」と呼びます。

上の例でいう、田舎の道路の一時停止と同じです。

衛生ルールの策定ポイントは「ルールへの積極的な共有化」にある

では、「ただやらされているだけ」という状況を避けるには、どうすればいいのか。
これを防ぐには、「ルールへの積極的・自発的な共有化」が必要です。

つまり、まずはルールの目的や目標を説いて、それが重要なもの、自身にとって意味や価値のあるものだと「理解」してもらいます。
更に、「いいからこのルールに従え」とルールの持つ強制力を上からかざすのではなく、現場の積極的・自発的な「ルールへのコミット」を促すのです。

そうすることで、ルールという強制力に従う「容認」の抵抗のハードルを下げさせるとともに、それが自分も含めた現場にとって意味、価値のあるルールだと「共有」を進める。
これが重要になります。

実はこれが、5Sに限らず、全ての衛生ルールの策定や運用において、現場主体のボトムアップが重要、有効であり、また逆にトップダウンがうまくいかない最大の理由です。

まとめ

今回は、前回の「5Sとは何か」という話を踏まえて、「いきなり5Sを始めてはいけない」というお話をさせていただきました。

いきない始めてはいけない、三つの「ガチな」理由があります。
それは、
「形骸化になり”がち”」
「ルールの押しつけになり”がち”」
「現場のモチベーションが損なわれ”がち”」
です。

 

いきなり5Sを始めてはいけない三つの「ガチな」理由
  • 形骸化になり「がち」
  • ルールの押しつけになり「がち」
  • 現場のモチベーションが損なわれ「がち」

 

それから、ルールを守るには4つの段階があるというお話をさせていただきました。

 

ルールの遵守の4ステップ
  1. 認知
  2. 理解
  3. 容認
  4. 共有

 

これらを踏まえて、5S活動や衛生ルールを現場に落とし込むには、「ルールへの積極的・自発的な共有化」が必要であることもお話しましたね。

次回は、では5S活動において最初にすべきことを具体的にお話させていただきます。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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