新型コロナウイルスのせいで、何処に行くにもマスクが不可欠な昨今。
さて、皆様はそんな新コロナ対策用のマスクをちゃんとされていますか?
今回は、マスクについてのお話をしたく思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • マスクには「防塵マスク」「家庭用マスク」「医療用マスク」がある
  • 現在の医療現場では、医療用マスク(N95マスク)不足が深刻化している
  • 家庭用マスクの機能は、「捕集ろ過機能」「保湿・保温機能」「防寒機能」
  • 家庭用マスクには、その性能にあわせて「花粉用」(約30㎛)、「BFE」(約3㎛)、「VFE」(約1.7㎛)、「PFE」(約0.1㎛)などの捕集ろ過試験を行い分けられている
  • コロナウイルスは0.1㎛だが、飛沫感染防止としてはそれ以外のマスクでも対応が可能

 

 

事態の収束が読めないコロナ騒動

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出されて、今日4月10日で三日目。
東京では、連日100人を超える新たな新型コロナウイルス患者が発見されています。

そんなわけで、最早、そこかしこでマスクをしていない人を見かけることの方が少なくなっているような、そんな異常が日常化し始めている今日この頃。

さて、この深刻なマスク不足。
マスク事情については、割と早くからウチでは裏事情を出していました。
今では首相ですらはっきりと「中国からの輸入が止まっている」と説明していますが、そんなことはぼくらにとっては1月くらいにはとっくに知っていたことです。

 

実際、現状でも(注意:3月確認)中国からの輸入品は半年前ウン十枚で数円だったものが、なんと1枚ウン十円。
つまり100倍以上は軽く値上がりしています。
ですが、これを輸入販売業者はやむなく飲んでいる。
それでも売れるからです。

一方、日本国内では行政主導で目下国内生産を進めていますが、実際のところ、そこまで簡単な話ではありません。

工場に勤めている人なら感覚でお判りでしょうが、製造施設のないところで、さあ助成金やるから製造しろと言われても、そんな単純な話ではありません。
製造施設を設備投資でオーダーし(工場の製造設備なんてほとんどオーダーメイドに近いです)、人を雇い教育し、物流先を探し、年単位での製造計画を進める。
普通に数億をかける事業です。
それが何ヶ月か後に、「もうコロナ終わったからええわ、後は中国輸入品でやってくから、乙!」と言われたら、これらは全部泡になります。
だから、おいそれとやりたがらない。今やそうした状況です。

さて、今日はそんな「マスク」の話をしていくとしましょう。

マスクの種類を知ろう

そもそも一言で「マスク」と呼んでいますが、マスクにもいくつか種類があります。

 

「マスク」の種類
  • 防塵マスク
  • 家庭用マスク
  • 医療用マスク

 

「防塵マスク」というのは、国家規格に定められている、溶接作業や粉塵作業などの作業現場などで、粉塵などを防ぐための保護用具です。
ぼくらも、例えば工場内の昆虫駆除のためにガス剤や燻煙剤を散布するときに使うこともあります。

「医療用マスク」は、例えばN95マスクなどといった医療機関向けのマスクがそこに含まれます。
この「N95」というのは「NIOSH(米国労働安全衛生研究所)」規格で、ここに合格したマスクがそれにあたります。
サラっと言いましたが、いいですか。日本の医療用マスクは「アメリカの規格」に合わせています。なぜなら日本には医療用マスクの規格がないからです。
(防塵マスク規格にあるDS2相当)

ちなみに「N」は耐油性の無さを示し(「Not resistant to oil」の意。まあ医療機関では耐油性は必要ないですからね)、「95」というのは0.3㎛(マイクロメートル)以上の試験粒子(塩化ナトリウム)を 95% 以上除去できるという意味です。

あ。
ちなみに「1㎛=0.001㎜」です。

医療機関では、従事者がインフルエンザやコロナウイルスに感染しないよう、こうしたマスクをつけることが重要です。
しかし実際問題として、かなり大きな病院でないと、現在医療用N95マスクを完備し、従事者教育を行っている病院は実はそれほどありません。
そう、民間の家庭用マスク不足だけが取り上げられていますが、その実、今最も必要であるN95マスクが病院で手に入らないのです!

そもそも病院でのN95マスクなんて、結核でもなければ出番はありません。ですから、こんな異常状態を予測してどこの病院も備蓄してはいなかったからです。
ところが大手の3Mしかり、N95マスクはほとんど欠品です。
(今はどうか知りませんが)
そして、医療用N95マスクがないと、PCR検査はできません。
従事者への感染の危険があるからです。


3M

「家庭用マスク」って何?

おっと、話がずれました。
で、今回ここでお話しようとしているのは、いわゆる「家庭用マスク」の話です。
元に戻しましょう。よいしょ。

そもそも、「家庭用マスク」とは何でしょうか。
この一般的な「マスク」に対する定義については、「全国マスク工業会」がそれを示しています。

って、「全国マスク工業界」て何だよそれ?って話ですよね。
「全国マスク工業界」というのは、多くのマスクメーカーや、輸入業者、材料製造業者などで構成された、マスクに対する業界団体です。

ことの始まりは、「一般社団法人 日本衛生材料工業連合会」。
ここに対して厚生労働省が働きかけたことで、2005年、発足が進みました。

で、ここで出している「マスク」の定義が「家庭用マスク」、つまり一般的なマスクの標準定義となっています。
以下、引用してみましょう。

天然繊維・化学繊維の織編物または不織布等を主な本体材料として、口と鼻を覆う形状で、花粉、ホコリなどの粒子が体内に侵入するのを抑制、またかぜなどの咳やクシャミの飛沫が体内外に侵入、飛散するのを抑制することを目的に使用される、薬事法に該当しない衛生用品を言う。

はい、こういうのは大概、何を言っているかよくわからないことが多い。
そこで箇条書きにしながら、「マスク」の条件を書き並べてみます。

 

「家庭用マスク」の条件
  • 主原料は、天然繊維・化学繊維の織編物、または不編物
  • 口と鼻を覆う形状
  • 目的は二つ。
    ①花粉やホコリなどの粒子が体内に侵入するのを抑制する
    ②風邪などの咳やくしゃみの飛沫が体内に侵入するのを抑制する
  • 薬事法に該当しない

 

成程、こうやって見ると、一見「まあそれがマスクだよね」と思うことでしょう。
ですが。
ここのうちの、「目的」ってのが重要です。
どうして、①②と分けているのか。
それは、①の句的を果たすマスクと、②の目的を果たすマスクが違うからです。

家庭用マスクの機能と種類

では、「家庭用マスク」にはどんな機能があるのでしょうか。
つまり、何のためにマスクをぼくらはするのでしょうか。

 

「家庭用マスク」の機能
  • 捕集ろ過機能
  • 保湿・保温機能
  • 防寒機能

 

ウイルスや花粉などを通さない。これを「捕集ろ過機能」といいます。
そしてマスクの性能は、この「捕集ろ過機能」によって大きく変わります。

また保湿機能とは、喉の乾燥を防ぎ、また鼻粘膜の表面にある絨毛運動を活性化させることでウイルスや花粉などの異物を対外へ排出しやすくする、あるいは粘膜を絡ませウイルスの繁殖を防ぐことです。
そのほか、防寒、ということも冬場などではあるかもしれませんね。

さて、この「捕集ろ過機能」をもう少し着目してみましょう。

家庭用マスクにおいては、「捕集ろ過機能」別の区分けが、実はあります。
つまり!
マスクとして、様々なものを防ぐための、そのフィルター部の性能に対する適合規格があるのです。

ではマスクの適合規格とはどのようになっているのでしょうか。

 

家庭用マスクの性能別区分
  • 花粉用:試験粒子(約30㎛)
  • BFE(Bacterial Filtration Efficiency)
    :バクテリア飛沫捕集ろ過効率試験:試験粒子は黄色ブドウ球菌(約3㎛)
  • VFE(Virus Filtration Efficiency)
    :生体ウイルス遮断効果試験:試験粒子はバクテリアオファージ(約1.7㎛)
  • PFE(Particle Filtration Efficiency)
    :ラテックス微粒子遮断効率試験:試験粒子はポリエチレン粒子(約0.1㎛)

 

さてこれらは何が違うのか。
「捕集ろ過率」、つまりウイルスや花粉などの遮断率が違うのです。

当然ながら、粗くて薄いマスクではウイルスを通してしまいます。
そこで、性能が高いマスクは、これらに合わせて規格されます。
「BFE」規格に適合していれば、3㎛までの細菌を通しませんし、「VFE」に適合していれば1.7㎛まで、「PFE」に適合していれば0.1㎛までの細菌を通しません。

目的にあった性能のマスクを使おう

このように、マスクには性能に沿ったいくつかの規格が存在します。
ではどのように使い分ければいいのでしょうか。

まずは、それぞれの目的を果たせる規格に合わせることです。

 

目的別のマスクの選び方
  • 花粉対策用:30㎛以上の粒子カットフィルター使用マスク
  • 風邪対策用:「BFE」(約3㎛以上)あるいは「VFE」(約1.7㎛以上)
  • PM2.5、インフルエンザ対策用:「PFE」(約0.1㎛以上)

 

花粉対策用に使うのでしたら、花粉粒子に対する捕集ろ過試験を行っているものを用いるのがいいでしょう。
また風邪対策をするのであれば、BFE(約3㎛)、VFE(約1.7㎛)の試験を行っているものを用いるのがよいでしょう。
PM2.5や、あるいはインフルエンザなど微小なウイルス対象の場合は、「PFE」(約0.1㎛)の試験を行っているものを用いるのがよいでしょう。

市場のマスクにはよく、こうした試験結果について、「99%カット」などと書かれているものが多いかと思います。
それは、おのおのの試験において、そうした結果を果たせたものである、という意味になっています。

なおそれぞれの目的の大きさはどのようなものなのか。
先の「全国マスク工業会」の資料にわかりやすいものがありましたので、引用させていただきます。
大体こんなイメージだと思ってください。

コロナウイルス対策にはどのマスクを使えばいいのか

さて、ここまでくれば当然ながら、「それじゃあコロナウイルスを防ぐにはどのマスクを使えばいいの?」という話になるかと思います。

コロナウイルスの大きさは、一般的には0.1㎛と言われています。
ということは「PFE」適合のマスクではないと防げない、ということでしょうか。

飛沫感染は、感染者が咳をした際に放たれるウイルスを含んだ呼気によって感染します。
この場合、ウイルスは呼気の水分を含んだ飛沫となります。
ですからウイルス自体の大きさより当然大きくなります。
よって、必ずしも「PFE」適合のマスクでなくとも防げる、といことになります。

尤も、これに対しては「確かに飛沫で鼻垂れるウイルスは水分を含んで大きくなるが、しかしマスクに付着し、乾燥してしまえば0.1㎛だからマスクを通過し、たやすく体内に入ってしまうではないか」という意見があるのも確か。
ここらへんにもなると、さすがにぼくの専門を超える話になるので、何ともいえません。
「空気感染マスク意味ない」論は、このようなことに基づいている(のかな?よくわからないけれど)とも、まあ思わなくもないですが、少なくともぼく個人からすれば「マスク意味ない」論は余りにばかげているし、ダイレクトな飛沫感染を防ぐ、広げないためにもマスクをしっかりとつけておくのは当然だと思っています。

まとめ

今回はコロナウイルスにあわせて、マスクのお話をさせていただきました。

いいですか?
「コロナウイルスの飛沫感染防止には、PFEマスクが理想。
なくともBFE、VFEでもいいから、マスクをつけること」です!

ここだけでも覚えておきましょう。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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