「世界食品安全イニシアチブ(Global Food Safety Intiative)」こと「GFSI」をご存じですか?
この「GFSI」を知っていくと、制度化へと向かっている今の日本のHACCP事情が少なからず見えてくることでしょう。
今回、そして次回と、二部構成でこれらについてお話させていただきます。
(今回はその前編となります)

改めまして、みなさんこんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 「GFSI」(世界食品安全イニシアチブ)とは、食品安全を目的とした非営利の国際機関である
  • 「GFSI」の目的は、世界的、国際的に通用するような「食品安全マネジメントシステム」のスキームを作っていくことである
  • 「食品安全マネジメントシステム」とは「食品安全」という「目的」のため、それに対する「目標」、「方針」を擁する一連の仕組みを認証規格化したものである
  • 「GFSI」の主な活動は、「食品安全マネジメントシステム」のベンチマーキングである

 

 

「GFSI」とは

「GFSI」、を聞いたことがありますか?
「Global Food Safety Intiative」。
日本語でいうと、「世界食品安全イニシアチブ」です。
この「GFSI」を追っていくと、今制度化へと向かっている日本のHACCPが見えてくることでしょう。

そこで、まず「GFSI」とは何か、についてからお話をはじめていくとしましょう。

なお、こちらは二部構成の「前編」になりますので、もし「後編」から来られた方は、まずはこちらを最初に読んでください。

さて。
簡単に言えば「GFSI」とは、国際的な大手食品事業者や食品安全の専門家などによって結成された、国を超えてグローバルに活動する食品事業の業界団体です。
言ってみれば「GFSI」は、食品安全を目的とした国際機関の最高峰といってもいいでしょう。

「GFSI」は2000年、世界各国で相次いで起こっている深刻な食品事故の発生に対して国際的に取り組むべく、ベルギーにて世界的に事業展開する大手食品事業者らによって結成されました。
それはマクドナルドやコカコーラ、イオン、ウォルマートなどなど、世界に名だたる70か国計400社がここに集まったのです。

そもそも、「TCGF」(The Consumer Goods Forum)という国際団体がありました。
この「TCGF」では、様々な国際的活動を行っていたのですが、その活動のうちの一つであった「食品安全」分野が次第に発展を進め、やがて「GFSI」へと至ったわけです。

「GFSI」の目的と使命

では彼らの目的は何でしょうか。
公式にはこのように伝えられています。

 

「GFSI」の目的
  • 効率的な食品安全マネジメントシステムの間での等価性と一致度の情報を提供することで、食品安全リスクを減少させる
  • グローバル食品システムの冗長性をなくし、オペレーション効率を高めることで、コスト管理を行う
  • 持続的、効率的なグローバル・フードシステムを作るための食品安全についての能力強化
  • 国際的ステークスホルダーについての独自のプラットフォームをつくり、協同、知識交換、ネットワーク作成を行う

 

はい、相変わらずこの手のものは何言っているかわかりません。
なので、少し訳してみるとしましょう。

 

「GFSI」の目的(超訳)
  • 俺らが世界共通の「食品安全マネジメントシステム」を決めることにするわ。
  • あと国際的な取引上の効率良くして、もっと俺らの儲けとれるようにするわ。
  • 食品安全の能力を世界的に高めていけば、消費者の信頼高まってもっと俺ら儲けられると思わね?
  • そんな俺ら共通の利益になるネットワークの拠点の国際団体作ることにするわ。

 

はい、どうでしょ。
結構うがった見方ですが、少しは理解しやすくなりましたか?
要するに、①食品安全リスクの低減②サプライチェーンのコストカット③食品安全能力の向上④食品安全の国際ネットワーク化、てのが彼らの目的です。

なお、「GFSI」は、これを果たすために次の使命を掲げています。

 

「GFSI」の使命
  • ビジョン:「すべての消費者に安全な食品を」
  • ミッション:「世界中の消費者の信頼を得るため、食品安全マネジメントシステムの継続的改善を推し進める」

 

…ってどういう意味だかわかりますか?(笑)
まあ、要はですね、国にとらわれず、世界的、国際的に通用するような「食品安全マネジメントシステム」のスキームを作っていこう、ということです。

「食品安全マネジメントシステム」とは

さて、先ほどから何度も出てきている、「食品安全マネジメントシステム」という言葉。
この「食品安全マネジメントシステム」とは、いったいどのようなものでしょうか。そんなわけで、「食品安全マネジメントシステム」の解説もしていきましょう。

といっても実はこれ、以前にも解説したことがありますね。

 

「食品安全マネジメントシステム」とは、その通り、「食品安全」を目的とした「マネジメントシステム」です。
では「マネジメントシステム」とは何か。
その通り、「マネジメント」の「システム」です。

さて、ではこの「マネジメントシステム」とは何か。
めっちゃ端的に一言で言うなら、「マネジメントシステム」というのは、要するに「管理の仕組み」のことです。

この「マネジメントシステム」の定義は、ISO 9001に、次のように書かれています。

 

「マネジメントシステム」の定義
方針及び目標、並びにその目標を達成するためのプロセスを確立するための、相互に関連する又は相互に作用する、組織の一連の要素

 

…って何言ってるか判ります?
ぼくも一瞬、…え!?ってなるんですけど。
でも要するに、こういうことです。
ちょっと抽象的な話ですが、重要なので考えてみてください。

「マネジメント」とは、つまり「管理」です。
「システム」というのは、ちょっと抽象度が高まりますが、要するにあるひとかたまりの要素がおりなす「仕組み」です。
もう少し正しく言うなら、「ある目的を果たすために組み合わされた、機能的な複数要素のまとまり」のことです。

管理、「マネジメント」には、必ず「目的」「目標」「方針」があります。
何かの「目的」を果たすため、「目標」に向けて、「方針」を打ち立てる。
それを統制し、まとめるのが「管理」です。

この話は、このブログの最初から一貫してずーーーーーっと!話してきたことです。

 

「衛生管理」、だって管理とついている以上、同じです。
「安全安心」という「目的」を果たすため、何らか設定した「目標」に向かって、「方針」、つまり具体的なルールを制定し、実施し、確認し、問題があれば是正する。

 

このような、「管理」=「マネジメント」を行うためにまとめられた、一連の仕組みや体系、方式を認証規格化したものを、「マネジメントシステム」といいます。
つまり「食品安全マネジメントシステム」は、「食品安全」という「目的」に対する「目標」「方針」を擁する、一連の仕組みに対する認証規格、のことです。

さて、一般的に「食品安全マネジメントシステム」と言ったら、何を思い浮かべるでしょうか。
メジャーなものだと、例えばISO22000などが挙げられるのではないでしょうか。
あとは、FSSF22000ですかね。
日本発HACCPシステムである「JSF」も勿論「食品安全マネジメントシステム」です。

このように「食品安全マネジメントシステム」というのは、結構多いのです。
世界を見たら、各国でそのようなものがあるのですから、それなりの数になるでしょう。

GFSIのベンチマーキング

では「GFSI」は、具体的にどんな活動をしているのでしょうか。
その主な活動の一つが、こうした「食品安全マネジメントシステム」のベンチマーキングです。

はい、またよくわかんない単語が出ました。
「ベンチマーキング」。

何それ、意識高い系用語?
いや、違います。
「評価、承認、査定」
まあ、おおむねこんな意味だと思ってください。

要は「GFSI」は、世界に一杯ある数多くの「食品安全マネジメントシステム」に対し、これは国際標準として通用する基準となりうる規格だ、これはあかん、とベンチマーキング(評価、承認)しているのです。

先にも書いたように、世界には何百という「食品安全マネジメントシステム」があります。
しかしこれらのうち、グローバルレベルで世界的な標準規格として通用できるのは、実はそのうち極僅かです。
そこで「GFSI」が、それらに対してベンチマーキングし、「これぞ国際標準規格だ」とお墨付きを与えているわけです。

前編:まとめ

そろそろ長くなってきたので、ここら辺でいったん区切りましょう。

「GFSI」とはどういう業界団体なのか、どんな活動をしているのか。
前編ではそんな紹介、解説を行いました。

後編では、いよいよ本題。
その「GFSI」と日本のHACCPについてお話していきましょう。

以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?