あなたは、自分の工場の「特性」を知っていますか?
いや、それを知らなくては、折角やっている防虫対策が無駄なものだったり、何よりも本当に必要な対策を仕損じていることになりますよ。
今日はそんな、工場の「特性」について、お話いたします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 工場には必ず、その工場ならではの固有の「特性」がある
  • 工場の「特性」には「環境特性」と、内的特性である「状況特性」がある
  • 「環境特性」とは、工場の立地的、あるいは地域的特徴によって規定される
  • 「条件特性」とは、工場の内的要因によって規定される

 

 

工場には必ず固有の「特質」がある

おっと、随分とご無沙汰の「プロが本気で教える防虫管理」。
もう概ね基礎については伝えたかと思って油断していましたが、これが残っていました。
いや、他にもあるかな(笑)。

ま、それはさておいて。

工場には、必ずその工場特有の、その工場ならではの「特質」というがあります。
あ、店舗にもあります。
そして、それを自分で把握しているかしていないかでは、防虫管理においてその効果が全く違ってくるのです。
というか、ぶっちゃけ「特性」を理解しないで行う対策は、大概間違っています。
何故なら、本質を掴まず、そこに起きた表層の現象について、あたふたした結果の場当たり的な対応になりがちだからです。

何か行動を行うときは、「現状把握」って大事ですよね。
というか、まずそれがありきで、それに基づいて何を行うかを決めるじゃないですか。
防虫対策も同じです。
この「現状把握」が出来ていないのに、あたふたして行う対応が正しいと思いますか?
んなわけないじゃないですか、普通に考えて。

ぼくらプロは、衛生管理、防虫管理、いずれにせよ一流であればあるほど、「現状把握」に拘ります。
ぼくも勿論、そうです。

工場はみんな、オンリーワン

まず、最初に揺るぎない真実を。

防虫対策を行う上で、すべての工場には、その防虫対策上の「個性」があります。

同じ個性の工場なんて、実は存在しません。
工場の数だけ個性があります。100工場があれば100の個性があります。

例えば、ぼくのように毎日、さまざまな工場に入って衛生管理、防虫管理に携わっていると、
「ああ、この工場は”こういう工場”なんだな」
「この工場は、ここは強いけれど、ここが弱いな」
と言うような、カンというかアンテナというか感覚が、すぐに働きます。
これがプロのプロたる由縁です。
現場感度こそが、プロの武器ですからね。

そして。
もしかしたら、あなたは自分の工場しかわからないかもしれませんが、確実に、あなたの工場には、あなたの工場だけの「個性」があります。
いや、個性というか、クセ、特徴、タイプ、スタイル、長所短所、得意不得意、得手不得手、持ち味、カラー。
そうしたものを、「特性」と呼ぶとしましょう。
とにかく、そういうものがあるものです。

そして。
この工場の「特性」は、さまざまな要因によって作られます。
しかも、それがずっと継続するわけでもありません。
一過性のものもあるし、変わるものも、或いは変わらないものも、あります。
ただ、間違いなく、それでもなお工場の「特性」というものは存在します。
そしてこの、自分の工場の「特性」を知ることは、防虫対策の効果を出す上で非常に重要なことでもあるのです。

おのれを知る、という大切さ

「自分の工場の”特性”を知ることは、防虫対策の効果を出す上で非常に重要だ。」

うん。まあ、そりゃそうですよね。
何らかのことを行う上で、その「特性」を知ることは、その効果に必ず直結するはずです。

例えば、RPGゲームを思い出してください。
このキャラは剣士だから力を高めていこう、このキャラは魔法使いだから体よりも魔法を覚えさせていこう、ってその個性や特性を知ったうえで、成長させていきますよね?
やみくもに、剣士に魔法を覚えさせたり、魔法使いに剣の技を覚えさせたりは余りしませんよね?

勿論、そのようなゲームみたいに「特性」が判りやすければ、対応がしやすいかもしれません。
ですが、工場の特性はそんな明確に判るものでないことが多い。
だから判りづらい。
ですが、それだとしても「特性」を知る重要性に揺るぎは生じないでしょう。

工場の防虫対策だって、効果を高めたいのであれば、その工場は一体、何が弱くてその対策をすべきなのか、その工場はこういうタイプだからどんな対策が必要なのか、その割り振りには必ず「特性」に基づいて行うものです。
少なくともぼくらのような一流のプロは、必ずそうしています。

あなたの工場は、こういうところは強いけれど、こういうことに弱さや潜在的危険が隠れていますね、だからこういう対策を行ったほうがいいですよ、とぼくらは提案します。
隣の工場が、他の工場がみんなこうしているから、こうしてください、とは言いません。
だって、隣の工場とは「特性」が違うからです。

だって、学校の教室で座っているあなたと、隣の席の生徒が全く同じように、同じ算数の計算式と古文の勉強をしないと成績が上がらない、なんてことはないですよね?
それと同じです。
勿論、共通する一般論や参考になる事例はある程度存在するかもしれませんが、しかし実際のところ、そこには大きな差異があるものなのです。
そしてその「差異」を知ることこそが、重要だと言っているのです。

では工場の「特性」とは、どのように知ればいいのでしょうか。

工場の「特性」は二つ:「環境特性」と「状況特性」

自分の工場の「特性」を知るにはどうすればいいでしょうか。
その前に、工場の「特性」ということについて、もう少し突っ込んで考えてみましょう。

防虫管理上の工場の「特質」は、大きく二つに分けられます。
それは、「環境特性(外的特性)」「状況特性(内的特性)」です。

 

工場の「特性」
  • 環境特性(外的特性)
  • 状況特性(内的特性)

 

これらはどう違うのでしょうか。
一つずつ解説していきます。

まず「環境特性(外的特性)」とは、工場の外的要因、つまり工場の立地環境や地域的特徴などによって生じる特性です。

例えば、河川に近い、敷地内に排水処理施設がある、などといった場合には水域に生息するユスリカなどの昆虫が多量に飛来するかもしれませんし、北国の工場なら冬季の到来は早く昆虫の問題の収束時期も早いかもしれません。
山に囲まれている工場では夜間に様々な昆虫が光に誘引されて飛んでくるからもしれませんし、都心の工場では鼠やゴキブリの影響を近隣から受ける危険があるかもしれません。
年に数回、付近の野原からアリが多量に飛来する工場もあるでしょうし、海辺で吹き曝しの風が強く虫が吹き込んでくる工場だってあることでしょう。

このように、工場の外的な環境によって生じるその工場特有の様々な特性のことを、「環境特性」(外的特性)といいます。

一方、「状況特性(内的特性)」とは工場の内的要因、つまり工場の製品の特長や施設などに由来して生じる特性です。

例えば、製パン工場のように、粉を多量に使用する、ホイロなどで蒸す工程があり湿度が高まる、といった特有の状況が生じることでしょう。
あるいは総菜工場では、水を多用する、24時間工場が止まらない、などの条件によって問題化する虫も大きく変わってくることでしょう。
また間仕切がしっかりしている工場、新築の工場では昆虫の問題が場内で広がりづらいでしょうし、その他方で、経年劣化の進んだ工場や衛生設備の少ない工場は問題が深刻化、拡散しやすいかもしれません。
更には清掃をさぼりがちな工場はそれによって昆虫の発生が進行しやすくなるでしょうし、教育に力を入れている工場、衛生ルールがしっかりしている工場、従事者の意識が高い工場などは問題を軽微に抑えているところも多いかと思います。

こうした、工場の内的な特徴によって生じる特性のことを、「状況特性」(内的特性)といいます。

さて。
もう少しだけ突っ込んで話しますね。

「状況特性」とは、外的な要因ではなくその工場自体が備えている、いわば「資源(リソース)」がどうなのかという話です。
なので、「資源(リソース)」、即ち「ヒト」と「モノ」と「カネ」がそれにあたります。
言い換えるなら、つまりそれらは「ハード」「ソフト」です。
ですから、

状況特性の構成要素
  • 設備構造(ハード=モノ)上の特性:設備構造上や「モノ」に由来した特性
  • 管理運用(ソフト=ヒト)上の特性:簡易運用上での「モノ」を扱う側である「ヒト」の面の特性

 

例えば先のような、粉を多量に使用する施設があり、ホイロなどで蒸す工程があるため湿度が高まるという、製パン工場のハード的な状況特性。
あるいは、経年劣化が進んで問題が深刻化、拡散しやすい、という古めの工場の「ハード的な状況特性」

また一方で、教育に力を入れており、また衛生ルールがしっかりしており、従事者の意識が高いために、問題を軽微に抑えているという工場の、「ソフト的な状況特性」

このように「状況特性」とは、言ってみれば「環境特性」という外部環境以外の、言ってみれば工場の中身の、つまりは工場の資源(リソース)を示すものです。
そのため、このようにそれを形成する「モノ(ハード)」「ヒト(ソフト)」との関連性が自ずと強くなります。

 

環境特性と状況特性の関係

あくまで一般的に、の話なのですが、「環境特性」は外部侵入要因昆虫に、「状況特性」は内部発生要因昆虫に関わることが多いです。

そりゃあそうですよね。
だって、外の自然環境に川が流れていてそこから飛んでくるユスリカが多ければ(←環境特性)、自ずと工場内でも捕獲が目立つことでしょう。(←外部侵入要因)
それに工場で小麦粉を多用し、そこからシバンムシが発生していれば(←状況特性)、そりゃシバンムシが多量捕獲されることになります。(←内部発生要因)

ですが、逆のことだってあるでしょう。
例えば、工場の差圧管理が弱く陰圧になって虫を吸い込んでいる場合(状況特性)、外部侵入要因であるユスリカなどの多量の捕獲につながることもあるでしょう。
つまり、工場内が外部環境の影響を過剰に受けやすい、拡散しやすい、ということは重要な「状況特性」であるわけですが、それは外部侵入要因にも作用することです。
このように、必ずしも先の事柄がイコールで結ばないこともあるものです。

いずれにせよ、自分の工場の外的な「環境特性」と、内的な「状況特性」を知るということ。
それがその工場の防虫管理のキモになることは間違いありません。

自分の工場の「特性」の知り方

では「環境特性」、「状況特性」はどのようにすれば調べることができるでしょうか。
一番手っ取り早いのは、防虫管理結果の報告書などをパラパラと見返すことです。
そこでどんなものが問題になっているのか、どんな危険が潜在的にあるのか。
おそらくはそこに書かれていることでしょう。

こうしたモニタリング報告書は、まともなプロであればそうした工場の「特性」を踏まえながら作られるものです。
ですから、外部委託をしている工場では、それを改めて眺めることでそれを知ることが出来ます。

或いは、いっそのこと外部委託しているのであれば、「うちの工場の特性ってなんですか?」と聞いてみるのがいいでしょう。
これであたふたするなら、プロ失格。
そういう業者とは、はっきり言って何処かで縁を切ったほうがいいでしょう。
ちなみにぼくなら、待ってましたとばかりの笑顔で、「(それ聞いちゃう?)いいですか、御社はここが確かに強いですが、しかし一方で…」と小一時間話せますよ(笑)。

しかし、プロはさておき、一般の方がデータから漠然とした「特性」を探り出すのは、なかなか難しいかもしれません。
何故なら、これにはちょっとした訓練や経験知が必要だからです。

そこで。
まずは紙とペンを用意してください。
紙は何でも構いませんが、A4くらいがちょうどいいかな、と思います。

で。
そこに、思いつく「環境特性」と「状況特性」を書いていくのです。

 

あなたの工場の「環境特性」はなんでしょうか。
まずは、工場の立地を考えてみてください。
周囲に何がありますか?
川、山、畑、海、建物、民家、林、がけ、緑地、公園、店、別の工場…。
その工場の数だけ周囲にあるものは異なりますし、それぞれの「環境特性」を作っているはずです。
そしてそれは防虫管理のモニタリングデータとして表れているでしょうか。
もしそうであれば、それがあなたの工場での「環境特性」になります。

一方、あなたの工場の「状況特性」はなんでしょうか。
あなたの工場は何を作っていますか。
それを作ることで生じる特性、ものはなんでしょうか。
温度、湿度、水、カビ、残渣、ごみ、廃油、包材、台車、番重、機械…
さらには自身の工場は新しいのか、古いのか、ルールはどうか、清掃状況はどうか、空調設備はどうか…
こうしたことに思いをめぐらせると、思いのほかに様々な要因があることに気づくことでしょう。
それらがあなたの工場での「状況特性」になります。

まとめ

今回は、工場の「特性」についてお話をいたしました。
工場の「特性」は大きく二つに分けられます。
それが工場の外的特性である「環境特性」と、内的特性である「状況特性」です。
これらを知ることで、工場の防虫対策ですべきことが明確になることでしょう。

対策にコストをやみくもにかけるのは、当然ながら意味がありません。
ではなく、自分の工場の弱いところ、「特質」のリスクを踏まえたところにかけることこそが、最も賢い防虫対策に他なりません。
その意味でも、工場の「特性」を知ることは、非常に重要なことなのです。

以上、このように当ブログでは食品衛生の最新情報やPCO、防虫対策の知識は勿論、その世界で長年生きてきたプロだから知っているテクニックや業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

 

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