「トコジラミ」(ナンキンムシ)ってご存じですか?
実はこの「トコジラミ」による被害が、この2020年には増加する危険がある、と言われています。
それはなぜなのでしょうか。
またどうすれば駆除できるのでしょうか。
防虫対策のプロが、一般の方でも使える薬剤や駆除方法についてお教えいたします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 海外からの外国人による虫の持ち込みが問題化している
  • 2020年はオリンピックの開催、それにともなう外国人旅行者の増加によって、トコジラミの被害が増加する危険性がある
  • トコジラミとは、ナンキンムシの俗称で知られる衛生害虫の一種である
  • トコジラミは人間を吸血し、刺されると激しいかゆみを引き起こす
  • トコジラミは20年前まで日本では問題にならなかったが、2000年頃から海外で問題化し、それが日本に持ち込まれ、現在急激に被害が拡大している
  • 食品工場でも、更衣室や休憩室、仮眠室などで生息が確認されるケースが増えている
  • トコジラミが生息していると、フンによる汚れ(血糞)がみられるようになる
  • トコジラミはピレスロイド系薬剤に抵抗性があるため、一般的な殺虫剤では駆除ができないうえ、問題が拡散してしまう可能性がある
  • トコジラミの駆除には、「バルサン待ち伏せスプレー」が最適である

 


Wikipedia

 

東京には、海外から人に害を与える虫が持ち込まれている!?

今年2020年といえば、東京オリンピックです。
関連施設の建築もどんどん進行しており、間もなくこれから訪日外国人も、今までにないほどに増加することでしょう。

さて、そうなるといくつかの問題が想定されることになります。
ここで今回取り扱いたいのは、外国からの人に害を与える虫の持ち込み、です。
つまり、海外から荷物や人体、衣服などを介して、人体に害を与える害虫が持ち込まれてしまいかねない、という問題です。
実はこの問題、すでに東京都内では静かに進行していたりします。

「日本には生息していないはずの昆虫が、外国人によって持ち込まれる。」

一般の方は知らないでしょうが、こういうケース、実は時折みられる話です。
例えば、外国人のよく宿泊するようなホテル。
そこで北米やヨーロッパでしか生息を聞かないレアなゴキブリが捕獲、発見された、なんてことはそれほど珍しくありませんし、ぼく自身も相談を受けたこともあります。
これ、安い宿泊の施設じゃないですよ?
名前は出しませんが、誰もがその名を聞いたことがあるだろう一流の高級ホテルの話、ですからね。

まあゴキブリは人に対して健康被害をダイレクトには与えないでしょうが、ときにはそんな危険な虫も入ってくることがあります。
例えば、「ヒアリ」や「セアカゴケグモ」など。
この話、余り積極的には言われていないのですが、実は晴海や有明などの都内海沿いでは多くの外国船が見られるため、「ヒアリ」や「セアカゴケグモ」の発見が現在進行形でしばしばなされています。
湾岸の排水溝やフェンスなどには、セアカゴケグモが巣を張っていたりすることもあるくらいです。
(豊洲市場内には、セアカゴケグモ注意喚起のポスターも貼られています)

 

さて、今回はその中でも、「トコジラミ」について、お話するとしましょう。
これ、旅館、ホテルなどの宿泊施設では、この「トコジラミ」の被害が結構伝えられていたりします。

トコジラミとは

「トコジラミ」とは、古くから「ナンキンムシ」の俗称で呼ばれてきた、「衛生害虫」の一つです。

「衛生害虫」とは、人間や家畜に対して衛生上、あるいは健康上に被害を与える虫として法律上区分され、注意されている虫のことです。
実はこの「衛生害虫」に区分されている虫はそれほど多くはありません。
このトコジラミ以外に、ハエ、カ、ゴキブリ、ノミ、シラミ、イエダニ、ダニ、マダニがそれにあたります。

さてこのトコジラミ、その名から「シラミ」の仲間であると想像しがちですが、実は全く違うカメムシ目の昆虫です。


埼玉県ホームページ

 

茶褐色で、体長は1センチ以下。
およそ5mmから8mm程度でしょうか。
部屋の隅や、壁や柱の隙間、寝室のベッド、服、枕、その周辺で、集団で生息しています。

さて、トコジラミは人や動物(犬や猫のペットなど)の血を吸血するのですが、吸血されるとかゆみが生じるのが特徴です。
夜行性で、夜になると表れて吸血を始めます。
比較的寿命も長いほうで、成虫で1年以上生きるものもあります。
また飢餓に強く耐え、3か月くらいは吸血しなくても生存する、と言われています。


埼玉県ホームページ

なぜ日本にトコジラミが?

トコジラミが初めて日本で発見されたのは江戸時代。
オランダ船の中だったということです。

その後、戦後の防疫対策でDDTによって駆除され、トコジラミは国内ではすでに絶滅したとも思われていました。
ぼくがこの仕事についた20年前はそれほど話を聞きませんでしたが、なんでもアメリカなどで2000年代に問題が拡散。
それがヨーロッパなどにも飛び火し、やがて日本に持ち込まれ、近年被害が急激に広がっているのです。

最近ではホテルなどだけではなく、ネットカフェやスパなど、さらには一般住宅にも被害が広がりつつあります。


横浜市ホームページ

トコジラミが食品工場で捕獲されることも!

このようなトコジラミは、食品工場の防虫管理には関係ない、と思われるかもしれません。
でも、案外とそうでもなかったりします。
特に外人労働者を雇用している工場などは、更衣室や休憩室、あるいは仮眠室などで時々捕獲が見つかったりするのです。

実際、私のお客さんにも以前、工場内で生息が確認され、駆除施工を行ったこともあります。
ということは。
そうした工場に勤務していれば、それを自宅に持ち帰ってしまう可能性だってないわけでは全くありません。

トコジラミにさされたらどうなるの?

トコジラミの吸血の被害は、活動が活性化する夏場によく生じます。
ですが、冷暖房設備の発達によってほぼ1年中発生している、と言っても過言ではありません。
実際、トコジラミの被害はこのような真冬にも起こりうるものです。

さて。
トコジラミに刺されるても、すぐかゆくならない場合があります。
そのため発見が遅れる、といったこともあります。
これは人間の体内でアレルギー反応がまだ起こっていないため、かゆくならない、といわれています。
その後、何度か刺されているうちに、かゆみを覚えていくようです。

なお刺されると強い痒みを起こし、刺された箇所は蚊に刺されたようなあとが長期続くことになります。

トコジラミの生息の発見方法

トコジラミ自体は1センチ弱程度ですので、目視で確認することはできます。
ですが、実際にトコジラミが生息しているかどうかを虫体の有無によって目視で探る、というのは現実的ではありません。

ですが、生息している形跡を探すことは可能です。
それは、「血糞」を探すのです。

というのも、トコジラミは自身の体重の3~6倍もの血液を吸血します。そしてそのほとんどを糞として排出します。
ですからトコジラミが生息している箇所は、血まじりの糞による濃褐色の汚れが生じます。
これが周辺にトコジラミが生息していることの証となります。

またカメムシ目ですから、カメムシ類と同様の油臭い特有の匂いがすることも知っておくといいでしょう。

トコジラミは駆除がしづらい

さてこのトコジラミは、どのように駆除すればいいでしょうか。

実はトコジラミは薬剤が効きづらい、つまり駆除しづらいのも特徴です。
というのもホームセンターやドラッグストアなどで市販されている一般的な殺虫剤が効かないのです。

これは殺虫剤に対する「抵抗性」が原因です。

現在、日本で問題となっているトコジラミのほとんどが「ピレスロイド系薬剤」への抵抗性を持っています。
最もポピュラーな殺虫剤の一種である「ピレスロイド系薬剤」が効かない、ということは一般の方がスプレーなどで駆除するのが非常に困難だということになります。

 

少しだけ、殺虫剤のお話をします。

殺虫剤には幾つか種類がありますが、その中でもこの「ピレスロイド系」薬剤は、非常に扱いやすいため、昔から、それこそ100年くらい昔からよく使われてきました。
勿論ながら、今でも現役で使われ続けています。

ピレスロイド系薬剤の特徴
  • 即効性が高い
  • 忌避効果が高い(フラッシングアウト効果が期待できる)
  • 昆虫への効き目が高い一方で、人畜への安全性が高い(選択毒性が高い)
  • ただし魚毒性は高い
  • 残効性が低く、分解性が早い
  • 安価で入手しやすい
  • 抵抗性が養われやすい

 

ピレスロイド系薬剤とは本来、安全性が極めて高いとされる除虫菊(シロバナムシヨケギク)由来の殺虫剤です。
「フェノトリン」や「エトフェンプロックス」などが代表どころ。
昆虫への効果が非常に高い一方で、他の動物には安全性が非常に高く、吸収してもすぐに分解されてしまう。「選択毒性が高い」などと専門的には言います。

また即効性が早い分だけ、空気中での分解も早く、すぐ消えてしまう。つまり環境に優しい、ということにもなります。

さらに忌避効果も高い。虫が嫌がってこなくなる、ということですね。
蚊取り線香はそれを利用した忌避剤です。

 

さて、この「薬剤が効かない」トコジラミに、一般的なスプレーを散布するとどうなるでしょうか。
ピレスロイドには忌避効果が高い。
ということは、トコジラミにそれをかけると、死なずに逃げてしまうことになります。

ですから、普通のスプレー剤を何も考えなしに散布してしまうと、死滅することはなく問題がただいたずらに拡散してしまう結果となってしまいます。

また、薬剤が浸透しづらい狭い箇所に生息していることが多いので、燻煙剤(バルサンのようなもの)の効果もほとんど期待できません。
時折、スチーマーを用いての熱殺虫という話を聞きますが、プロ以外の方がスチーマーで殺虫するのは結構難しいものです。
なぜなら、そもそも高温で殺す、というのはある一定の時間、高熱を浴び続けなければいけないからです。

ですから、ぼくらプロの業者が駆除を依頼されると、「カーバメイト系薬剤」を選択して使用します。
でもあまりこの「カーバメイト系薬剤」って一般的にはそんなに売ってはいないんです。
ですから、もしトコジラミの生息が確認された場合は、できるだけ専門業者に依頼するのがよいかと思います。
一般の人が知識もなく、効果的に駆除を行うというのは、想像以上に難しいものだと思ってください。

トコジラミ用のお勧め駆除剤

それでもご自身で駆除したい、というのであれば、入手しやすく、使いやすく、かつ効果の高い薬剤を選ぶことが必要になります。

そこでお勧めなのが、このエアゾール剤「バルサン待ち伏せスプレー」です。

 

ぼくらプロでもよく使用する効果の高い薬剤です。
これを散布していればクロゴキブリやトコジラミが寄らない、とまではぼくは言い切りませんが、少なくともトコジラミには効果抜群です。
実際に使用しているベテラン中のベテランのプロが言うのだから、間違いありません。

またスプレー状で使いやすいというのもポイントが高い。
しかもアマゾンで買える。

ただし。
ちょっとばかり薬剤が強力なので、使用する際には必ず!マスクと手袋を忘れないようにしてください。
何もせずに使用すると、結構、喉にきます。

これね、ほんといい殺虫剤だと思います。
発売されたとき、メイカーの営業マンがかなり自信をもってお勧めしていましたが、それもよくわかる話。
なお、余談ながらこの薬剤、クロゴキブリやチャバネゴキブリにも効果が高いです。
とくにチャバネゴキブリの発生箇所に散布すると、営巣がばったりなくなる。

ちなみにぼくはここのメイカーから1円ももらっていませんし、リンク先で購入されたからといってぼくに1円も入りません。(笑)

バルサン待ち伏せスプレーを使っての駆除方法

「待ち伏せスプレー」はノズルを立てることで噴出可能になります。
このノズルを狭い生息箇所などに向けて、薬剤を噴出させます。

さて。
殺虫作業において、一般の方が軽視しがちなことがあります。
それは、「卵の存在」と「効果判定」です。
プロと一般の人の駆除で差が生じているのが、それに対しての認識でしょう。
これは虫の駆除において全般に及ぶことです。

 

ゴキブリの駆除も同じですし、トコジラミに対しても同じです。
仮にトコジラミの成虫を全部駆除できたとしても、卵が残ります。
卵には薬剤は効きませんから、放っておけばまた再発します。

ではどうすればいいのか。
1~2か月程度トラップなどを設置して、生息を確認するのです。

効果判定の具体的なやり方については、上の記事で扱っております。
基本的にはゴキブリもトコジラミも同じです。
そして、捕獲、生息がまだあるのであれば、改めて駆除施工を実施します。

まとめ

このように、最近増加の傾向にあるトコジラミ。
これからのオリンピック開催、それにともなう外国人旅行者の増加など、トコジラミをはじめとした外国からの昆虫の持ち込みには注意すべきものがあります。

実際、ホテル関係者などとお話すると、どこでもこうしたことに戦々恐々となっているところばかりです。
まずは、問題を知り、敵を知り、対策を知ること。
これが重要でしょう。

 

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?