最新の食品業界ニュースからピックアップし、食品衛生管理のプロの目線からコメントさせていただきます。
今回の話題は、「明治」によるアイスへの賞味期限設定について、食品衛生の観点から追ってみることにしましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

 

本日の時事食品ニュース

 

 

今日のお話の概要
  • 明治が今後、自社のアイスに賞味期限を設定すると発表した
  • アイスは期限表示を省略してもいいとされている
  • 期限表示には、「消費期限」と「賞味期限」がある
  • 期限表示の省略が許されている食品は、アイスだけではない
  • 食品の期限設定は様々な検査を行い、その結果の可食期間に安全係数をかけて算出する
  • アイスには法で定められた規格基準がある
  • アイスは加熱殺菌してから凍結される。この段階で菌を死滅させるため、長期保管が可能になる

 

明治がアイスに賞味期限を設定

先日2020年1月22日、「明治」が自身の商品のアイスに、今後賞味期限を設定することが報じられました。

以下ニュースを引用します。

 

明治は22日、市販するアイスクリーム全商品について、来年4月をめどに賞味期限を設定すると発表した。
冷凍庫で保存するアイスは品質の劣化がわずかとされ「要冷凍(マイナス18度以下で保存)」などと記載することで、大半のメーカーは期限設定を省略している。
明治は食への関心の高まりから問い合わせが急増していることを主な理由に挙げている。

全てのアイス約30品目のうち「明治 エッセル スーパーカップ」シリーズの7品目は今年6月の出荷分から先行して記載し、他の商品も順次切り替える。
7品目の期限は保存試験の結果や海外事例を参考に、一部を除き製造日から2年後に設定する。

 

アイスに賞味期限はないということ

以前、うちのブログでも扱いましたが、アイスに賞味期限がないことは割と知られた話です。
(そうでもないのかな?)

 

なぜアイスに賞味期限がないのかというと、-18度で冷凍保管をすれば、理論上菌の活動が止まるからです。
ですからアイスはこの条件で保管している以上、腐りませんし、無菌状態であるとすれば食中毒は発生しません。

そのため、「-18度以下の冷凍保存」という保存方法を記載すれば、賞味期限は法律上記載の必要がないのです。

これね。

 

…と、ここまではどこでも言われている話。
ですから、もうちょっと踏み込んで考えていきましょう。

「賞味期限」と「消費期限」について

今回、明治が設定した期限は、「賞味期限」です。

期限表示には「消費期限」「賞味期限」があります。
このうち、品質の劣化が早くて急速に進みやすいものには「消費期限」、品質の劣化が緩やかで長期保存が可能なものには「賞味期限」を、製品に記載します。

 

消費期限
定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。

 

賞味期限
定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。
ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。

 

原則的に、加工食品にはいずれかの期限表示の義務があるのですが、実はこうした期限表示をしなくていい加工食品はアイスだけではありません。
実は、品質の変化が極めて少ないため、期限表示をしなくていい加工食品は意外とあったりします。

 

期限表示の省略が許されている食品
  • でん粉
  • チューインガム
  • 冷菓
  • 砂糖
  • アイスクリーム類
  • 食塩およびうま味調味料
  • 酒類
  • 飲料水および清涼飲料水(容器の限定あり)

 

さて、一般的に食品の期限設定は、次のような検査結果に基づいて行われます。

 

これらの結果に、実際には若干のゆとりを設けて一般的に設定されています。
「安全係数」というものですね。

例えば、これらの検査の結果、8日が可食期間だったとします。
「安全係数」に決まりはありませんが、まあ0.8くらいが一般的なのではないかと思います。
ですからこの場合、8日×0.8で6日を賞味期限に設定するのです。
逆をいうなら、賞味期限÷0.8で、賞味期限切れ食品の可食の基準にもなることになります。
まあ、保存状況や製品特性にも大きくよるでしょうが。

アイスの規格基準とは

もう一つ、アイスにおいて考えなければいけないことがあります。
それは、アイスの「規格基準」です。
つまり、アイスには独自の菌に対する決まりがあるのです。

 

「大腸菌群」と「細菌数」。
これについてアイスには決まりがあります。

例えば、明治の「エッセルスーパーカップ」はこのうち、「ラクトアイス」に含まれます。
(ちなみに、乳固形分 3.0%以上のものが「ラクトアイス」。乳固形分 15.0%以上、うち乳脂肪分 8.0%以上のものが「アイスクリーム」となります)

ですから、「大腸菌群が陰性(検出されない)、一般生菌数50,000以下(1gあたり)」の条件を守られている「エッセルスーパーカップ」しか、市場に出してはいけません。
当然ながら、この規格基準を満たせる製造方法で、アイスは作らなければいけないことになる。

アイスはどのように作られるのか

さて、それらを踏まえて。
皆さん、アイスってどう作られるか知ってますか?

 

アイスは原料である牛乳やバター、全粉乳、糖類、乳化剤、安定剤などを混ぜ合わせたアイスミックスが原料です。
まずこれを加熱して殺菌します。
で、それを冷却し、凍結させるのです。

さて、菌は加熱に弱いので、そこで死滅します。
先の「大腸菌群」もそうですね。
70度で死滅します。

だから、これらがしっかりとなされていれば、先の規格基準を逸脱するようなことは、理論上ありません。
なのに規格基準を逸脱しているということは、加熱殺菌がしっかり行っていなかった、ということになります。

そしてその加熱殺菌が十分になされていれば、あとは凍結させてしまえばいい。
-18度では菌の活動は著しく抑制されるので、食中毒や腐敗の心配がなくなります。
そのため、期限表示の必要がない、というわけです。

まとめ

今回の明治の賞味期限設定に触れながら、アイスについて今回はお話させていただきました。
こうしたことがきっかけで、これまでは期限表示されていなかった食品に、新たな流れが出てくる可能性もあるのでしょう。
まずはその動向を眺めていくとしましょう。

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