皆様、2020年、あけておめでとうございます。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今回は新年のご挨拶に代えて、食品工場や店舗などに求められている今の防虫管理についてお話をするとしましょう。

今年もここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 更新が滞ってしまって申し訳ありません。今回よりまた復活いたします。
  • 今の防虫管理で求められていることは、「IPM」、「HACCP」、「マネジメントシステム」に対応した防虫管理である
  • 「IPM」対応の防虫管理とは、統合的な手法によって有害生物(昆虫)によるリスクを「目標基準」内に押さえるために、PDCAサイクルを巡回させることである。
  • 「HACCP」対応の防虫管理とは、昆虫の危害とその要因、および重要管理エリア、そこにおける昆虫の捕獲数値に管理基準を設定して(PLAN)、様々な防虫対策を実施しながら(DO)、それらをモニタリングによって監視、評価し(CHECK)、もし基準を逸脱すれば是正措置を行い(ACTION)、そしてこれらを文書化、記録していくことである。
  • マネジメントシステム対応の防虫管理とは、品質マネジメントシステムの根幹であるPDCAサイクルを枢軸とした管理仕様のことである。

 

 

新年のご挨拶と、ブログ休止のお詫び

多忙さのため、11月からしばらく更新が滞ってしまったこと、まずはお詫び致します。
またその間にもご訪問していただいている方々、どうもありがとうございます。

高薙食品コンサルティング事務所ブログ、新年明けての本日より再開させていただきます。

さて、今回は新年のご挨拶に加え、またブログの再開ということも含め、改めて今の防虫管理についてお話をしていきたく思います。

今の防虫管理に求められているものとは

HACCP義務化への対応が急がれている、この2020年。
防虫管理についても当然、様々なことが求められてきています。
現在、食品工場や飲食店の店舗などで求められている防虫管理の特徴とは、どのようなものでしょうか。
そして貴方の工場や店舗は、それらがしっかりとなされているでしょうか。

ズバリ言いましょう。
今、求められている「防虫管理」とは、これらを満たすものです。

 

今の防虫管理で求められているもの
  • IPM対応
  • HACCP対応
  • マネジメントシステム対応

 

いかがでしょうか。

勿論、これまで弊社のブログでは、これらについて詳細に伝えてきたつもりですし、それに対応出来る防虫管理方法も伝えてきたかと思います。
よってこれは何度にもなるお話なのですが、この際、改めてまたお話していくとしましょう。

IPM対応の防虫管理とは

皆様、「IPM」をご存じでしょうか。
「IPM」とは、「Integrated Pest Management」の略で、日本語で言うと「総合的有害生物管理」という意味になります。
つまり「IPM」を一言で言うなら、薬剤(殺虫剤)のみに頼らず様々な手法を根拠に喪届いて行う防虫管理、と「まずは」そうした理解となります。

 

IPMのポイント
  • 事前に環境調査を行って、現状を把握する
  • 目標の基準を設定する
  • 様々な防除対策を組み合わせる(薬剤だけの駆除対策に頼らない)
  • 事後に環境調査を行って、効果判定する

 

これらを踏まえて管理するのが、「IPM」です。

しかし。
こうなると、多くの工場や防虫管理委託業者は、「うちは薬剤に頼っていないからIPM対応ですよ」と言いがちです。
でも、そんな話は簡単ではありません。
「現状を把握し」、「目標基準を設定し」、その上で「効果的な防除対策を組み合わせ」、「効果判定」するのが、「IPM」です。
ただ薬剤を使わないのが「IPM」ではありません。
まずはここを押さえてください。

さて。
「IPM」とは、統合的な手法による有害生物の「管理」です。
「管理」、「マネジメント」ということをしっかりと踏まえてこその「IPM」なのです。

この上図のことがしっかり出来ていますか?

ここが一番のキモなのです。
いいですか。
「様々な手法を組み合わせる」ことは「目的」でありませんよ?
あくまでそれは、「手段」、「方針」ですよ?
「目標」、つまり「目標基準」に向けて、PDCAサイクルを巡回させる。
それこそが、この「IPM」の核、コアなのです。
ここを見誤っている業者は、意外と多いものです。

重要なので、もう一度言います。
「IPM」対応の防虫管理とは、統合的な手法によって有害生物(昆虫)によるリスクを「目標基準」内に押さえるために、PDCAサイクルを巡回させることのことを言うのです。

 

「IPM」対応の防虫管理とは
統合的な手法によって有害生物(昆虫)によるリスクを「目標基準」内に押さえるために、PDCAサイクルを巡回させること。

 

なお、弊社での「IPM」とはどういうものかを、以前に詳しく記事にしております。
ご興味のある方は、どうぞそちらをご覧ください。

 

HACCP対応の防虫管理とは

今やこの食品業界は、猫も杓子も「HACCP」一色。
そこで各社ともに、HACCP対応をうたっているところばかりです。

ですが、よくよく話を聞いてみると、それが本当にHACCP対応なのか、と首を傾げたくなるところが多いのが実状です。

ではそもそも、「HACCP対応の防虫管理」とは一体どのようなものでしょうか。
考えていきましょう。

さて、HACCPの構造は、その基礎に一般衛生管理、いわゆる「一般的衛生管理プログラム」(PP)があってこそ成立するものです。

 

ではこの一般的衛生管理プログラムとはどのようなものでしょうか。
それが次の10項目です。

 

 

ここで、上の10項目のうちの4項目めを見てください。
「4.そ族・昆虫の防除」とありますよね。

そう、このようにHACCPシステム上、「防虫管理」、つまり「そ族・昆虫の防除」とは、HACCPを下支えする基礎である「一般的衛生管理プログラム」(PP)の一項目なのです。
ですからHACCP対応の防虫管理というのは、当然ながら、「そ族・昆虫」による製品への汚染リスクを防止できる管理内容であることが前提として必要になります。
それはつまり、「防虫管理の仕様の適切性」が重要である、ということです。

では、適切な管理仕様とはどのようなものでしょうか。
手法、頻度、機器、トラップの設置箇所、設置数などなど、それらの全てが適切かどうか。
まずはそのように考えるところでしょう。
しかし、これらは防虫管理のプロではない一般の方が、そう簡単に判定出来るものでもないのが現実です。

では、どうすればよいのか。
そこで、HACCPの考え方に沿った防虫管理をしているか、ということから見てみてはいかがでしょうか。
つまり、現状の防虫管理はHACCPの基礎的な考えを有る程度踏まえて仕様設計されているかどうか、ということです。

さて、それではHACCPの考えとはどのようなものか。
それは、「想定される危害に対し重要な管理ポイントを明確にし、そこでの管理基準を逸脱しないようリスクをモニタリングし、問題があれば是正し、検証し、それらを記録する」ということでしょう。
つまり、これらのことが、しっかりと踏まえて仕様が組まれている防虫管理こそが、HACCPに沿った防虫管理といえるかと思います。

昆虫という危害に対し、内部発生なのか外部侵入なのか。
その要因分析がなされているのか。
また工場にはそれぞれ、固有の問題を孕んでいるものです。
そうした問題種を危害として認識し、モニタリングにおける指標、基準としているのか。

その危害を踏まえ、それでは自身の工場の製造過程において、どの過程でのリスクを排除しなければ異物混入となってしまうのか。
つまり、防虫管理上の重要管理点を明確にエリア分けしているのか。

そしてその重要管理エリアには、モニタリングの管理基準が設定されているのか。

そしてその基準値を逸脱した場合、是正措置をしっかりと行われているのか。

そしてこれらを管理報告書などの形で文書化されているのか。

これらが出来ていてこそ、あるいは理解されていてこそ、HACCP対応の防虫管理といえるのではないでしょうか。

これらのことが仕様として組まれ、またしっかりと実施されていることが、HACCP対応の防虫管理、と考えてよろしいかと思います。

つまりは、昆虫の危害とその要因、および重要管理エリア、そこにおける昆虫の捕獲数値に管理基準を設定して(PLAN)、様々な防虫対策を実施しながら(DO)、それらをモニタリングによって監視、評価し(CHECK)、もし基準を逸脱すれば是正措置を行い(ACTION)、そしてこれらを文書化、記録していく。
このようなPDCAサイクルがHACCP的に行われているということが重要です。

 

「HACCP」対応の防虫管理とは
昆虫の危害とその要因、および重要管理エリア、そこにおける昆虫の捕獲数値に管理基準を設定して(PLAN)、様々な防虫対策を実施しながら(DO)、それらをモニタリングによって監視、評価し(CHECK)、もし基準を逸脱すれば是正措置を行い(ACTION)、そしてこれらを文書化、記録していくこと。

 

 

マネジメントシステム対応の防虫管理とは

ISOなどをはじめとしたマネジメントシステムに対応した防虫管理とはどのようなものでしょうか。

HACCP義務化とともに食品業界で注目が高まりつつあるのが、ISO22000、FSSC22000などのマネジメントシステムです。
防虫管理においても、これらについて対応したものとなっていることが、昨今求められ始めています。

ではマネジメントシステム対応の防虫管理とはどのようなものでしょうか。
品質マネジメントシステムの考えの根幹、それは「PDCAサイクル」です。
ですから、防虫管理がPDCAサイクルを踏まえたものになっているかどうか、ということが重要になります。
つまり、マネジメントシステム対応の防虫管理には次のような仕様が必要となります。

 

PDCAサイクルを踏まえた防虫管理
  • Plan(計画):防虫計画の設計
  • Do(実行):管理計画の実施、従事者教育の実施
  • Check(検証):モニタリングによる管理結果の検証
  • Action(是正):駆除施工、問題の改善、仕様の変更

 

さて、ここで重要なこと。
それは「Check(検証)のために、「昆虫モニタリング」は行われているのだ」ということです。
ここを把握していない専門業者とは、はっきり言って委託を考え直したほうがいいでしょう。
なぜか。
「昆虫モニタリング」はそもそも虫の数を数えること、捕獲昆虫を知ることが主目的ではないからです。

「昆虫モニタリング」とは、工場(店舗)の防虫管理が適切に行われているのかどうかを知ることが本来の目的です。

「モニタリング」とは次のような「状況の把握と評価」のために行われています。

モニタリングの目的:「状況の把握と評価」
  • 現状の清浄度への評価
  • 対策効果への評価・検証
  • 問題の有無と原因究明
  • 防虫管理の適切性・妥当性の確認

 

特にこの4つめですね。
これをわかっていない専門業者は、意外と多いので注意してください。というかもしあなたの工場を専門業者に委託しているのであれば、これらがわかっているか確認するといいでしょう。

なお、モニタリングに関しては以前取り上げておりますので、こちらをお読みいただければより詳しくご説明しております。

 

まとめ:それぞれの関連性について

いかがでしょうか。
一つ思ったことがありませんか?
どれも共通点があるなって思いませんでしたか。

そう、それぞれが対応していることは、実はそんなに変わらないものなんです。
何故なら、「防虫管理」もまた「管理」、「マネジメント」である以上、「PDCAサイクル」を踏まえて仕様が組まれ、実行されているかが重要だからです。
つまり、これら3つの対応は、いずれもそのことを別の形で語っているに過ぎません。
過ぎないのですが、しかし!
それらが正しく理解、把握していなければ、それは「管理」ではなく、ただ場当たり的な防除作業でしかなくなります。
そしてそのような管理をしている委託業者も、決して少なくありません。
まずはご自身の工場や店舗の防虫管理がどのようになっているのか、それを見直すのもいいチャンスでしょう。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
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だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
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