前回の、スーパーでの実際の「冷凍食品」「そうざい半製品」のチェック。
これを受けて、今日は買ってきたそれらを実際に食べてみることにします。
改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。
- 揚げたて冷凍餃子は、普通に美味い
- 揚げたてコロッケは、滅茶苦茶美味い
- っていうか、基本的に調理仕立ての料理が一番美味いに決まってる
- 「そうざい半製品」は、美味しいものがかなり多い

実際に「そうざい半製品」を買ってみた
先日10月18日は、「冷凍食品の日」でした。
そこで何度かに分けて「冷凍食品」のお話をしてきましたね。
さて、前回はこれらをもとに、実際にスーパーマーケットなどではどのように売られているかを確認してきました。
さあ、今回はそれらを実際に食べてみて、「冷凍食品」と「そうざい半製品」はどこが違うかを実際に検証していきましょう。
おっと!
一応強調しておきますが、今回の目的は「そうざい半製品」の実学であって、それをつまみに晩酌することが目的ではありませんからね!
そう、全ては食品衛生の学習のためにするのです!

「そうざい半製品」の「冷凍餃子」を食べてみる
さて今夜は「そうざい半製品」で楽しい晩酌…おっと、食品衛生の学習会です。
どっさり買ってきた冷凍食品の山。
まずはどこから行こうか。
うーん、
やっぱりビールつったら、餃子ですよね。
じゃあ、餃子からやっていきますか。

ぱっと見、普通に「冷凍食品」。
包装もしっかりしているし、保存温度も-18℃。
どこが半製品なのか、他の冷凍食品と比べても、一見全く判らない。

でもこれ、「そうざい半製品」。
その場合、細かな表示義務はなくなります。
ちなみにこれが「冷凍食品」の餃子。
派手な包装以外、なんか変わります!?

わっかんねー!!

開封した様子。
うーん、全然わっかんねー!
ではこれをフライパンで、加熱します。

おっと、加熱温度は重要、重要。
中心温度計を用意しましょう。

現在、49℃。
うーん、全然まだまだ。
厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、食中毒防止の加熱温度として中心温度75℃1分とされています。
これではまだ全然、至ってない。
2.加熱調理食品の加熱温度管理
加熱調理食品は、別添2に従い、中心部温度計を用いるなどにより、中心部が75℃
で1分間以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85~90℃で
90秒間以上)又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認するとともに、温度
と時間の記録を行うこと。厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」より引用

ではもうちょっと蒸していきます。
およそ水がなくなってきました。
それでは…

お、91℃。
これなら十分でしょう。
いっただっきまーす!
いやあ、作りたての餃子は冷凍ものでも美味いねえ。
何たってビールによく合う。
ぷっはー、美味い!
…え、なに?
あ!
…ええと…結論。
美味い。
マジに、食べても冷凍食品との区別は判りませんでしたあ!
(ほろ酔い)
(注:今回の目的は現場での実学です。晩酌では断じて以下略)
「そうざい半製品」の「クリームコロッケ」を食べてみる
さて、次はコロッケ。
これもしっかり包装されているように見えるのですが、「そうざい半製品」。

これです。
左下に注目ーっ。
うちに帰ってよく見ると、保存温度に「-5℃」以下ってあります。
てことは、「冷凍食品」の求める「-18℃」まで至らなくてよい。
そこで「冷凍食品」の規格からは外れますわけですね。
- 下処理がなされている
- 急速冷凍されている
- 品温を-18℃以下で保管されている
- 適切な包装がされている
うん、まあそういうことかー。
さあ、んじゃあこれも揚げていきましょう。
揚げたての熱々コロッケで、ビール。
くー、たまらん!

170℃。
そろそろいんじゃないですかね。
なお、レシピによれば「170℃~180℃で約4分30秒の加熱」とのこと。
んじゃあ、追っていきましょか。
3分加熱。
71℃。
うーん、もう少し。

4分30秒加熱。
84℃。
これならいいでしょう。

さて。
前にも描きましたが、数年前に「そうざい半製品」のメンチカツで、O-157が発生したことがあります。
この場合、消費者の加熱不足が原因であるとされました。
上の検証からも判るように、冷凍されている食品はある一定の時間をかけてゆっくりと揚げないと、内部まで熱が届きません。
そもそも冷凍されているため加熱が中心に伝わるのに時間がかかります。
しかも、今回のような液状のクリームコロッケならまだしも、挽肉の場合は、さらに温度が上がりづらい。
例えば、カツなどの場合、食中毒菌は肉の表面にいるため、その表面を加熱すれば死滅が可能です。
しかしメンチカツやハンバーグなどは、挽肉をこねて作るため、内部に食中毒菌が入り込みます。
そのため、完全に中心までしっかりと加熱することが必要です。

この違い、お判りでしょうか?
さて、この揚げられたクリームコロッケを割ってみましょう。

うん、よく加熱されていますね。
これでよし、と。
それじゃあいっただきまーす!
…うーん!
いやあ、
揚げたてのコロッケ、めちゃ美味いんですけど!
はっきり言って、既に加熱された「冷凍食品」をレンチンするより、実際に「そうざい半製品」を自分で揚げたほうが、100倍は美味しいです。
って、そんなん、そりゃそうですわ、
だって作りたては何だって美味いんですから。
こればっかりは仕方ない。
そういうものです、料理というのは。

揚げたての「そうざい半製品」を至福の笑顔で食べてるうちの娘ちゃん小五。
おかわり必至。
結局全部たいらげてしまいました。
うん、結論。
自分で調理したての「そうざい半製品」は、美味い!
(注:今回の目的は現場での実学ですからゴニョゴニョ…)
同じ白身魚の冷凍された食品で、何が違うのか
さて、次はこの二つ、行きまっせー。

左が「冷凍食品」である「白身魚と野菜の黒酢あん」、
右は、「そうざい半製品」である「白身魚のバジルソテー」。
両方とも、白身魚を使ってる。
包装もしっかりと真空パックされています。
保管温度も-18℃。

作り方だって、外装を見るにそんな変わらない。
フライパンに凍ったまま7分間加熱してください、以上。
何が違うんでしょうか。

まずは「冷凍食品」の「白身魚と野菜の黒酢あん」を、ご開封。
あ、これ加熱調理されてますねえ。
白身魚は、フライ状になってるし、ポテトも同様です。
他の野菜もそうだな。
成る程、そうすることで食中毒菌を死滅したまま商品としているわけです。
蓮根が凍結してくっついたままで、調理が少々手こずりましたが、まあ普通にフライパンで加熱して、出来上がり。
めっちゃ簡単。
この簡単さが冷凍食品ならでは。

黒酢がきいてる。
でも少々、白身魚がボソボソするなあ。
食べられないわけじゃないけれど、正直、そんな美味しい、という印象は感じられない。
さて、ではもう一つの「白身魚のバジルソテー」。
これいってみましょう。

あ、白身魚がそのままです。
野菜は一旦加熱されているっぽい。
でも、メインの白身魚は生ですね。

出来上がり。
こりゃあビール案件で。
うっっめー!
バジルとオリーブオイルが効いていて、それに何より魚がほっくり軟らかい。
これが実にいい味付けで、普通にレストランで出てきたって、それほどおかしくない。
少なくともちょっと程度のワインバルでこれ出ても、普通に美味いって思うんじゃないかな。
確かにこれ、ちょっと高めでした。
二人前で400円弱。
二人前つっても一人前強程度なので、これメインディッシュに実際に二人で食べるなら×2くらいは欲しいところ。
ただし、確実に、美味い。
値段の差はあるでしょうし、これをもってしてそれが全てに言えるわけでは全くありませんが、でも少なく見積もったって先程の「冷凍食品」の数倍は、美味い。
いや、あれだな、
「美味い」っていうより、最早ちゃんとした「料理」ですねこれは。
先の「冷凍食品」は、本当に「冷食」って感じ。
でもこちらの「そうざい半製品」は、どちらかといえば下味の付けられたものを「料理」したというような出来。
ここら辺が、「冷凍食品」と「そうざい半製品」の違いなのかもしれないですね。
ちなみにこれ、あまりの美味さに、子供らにほとんど取られてしまいました。
パパは、「冷凍食品」のほう食べていいよ、とのこと。

くっそー、子供は正直やなあ。
仕方ないので、焼酎でもいかせていただきます。
くー!
きくねえ!
長くなってきたし、今回はこの辺でいっかあー!
(注:今回の目的は現場での実学です。晩酌では断じてありません。いやほんとに!)
- 揚げたて冷凍餃子は、普通に美味い
- 揚げたてコロッケは、滅茶苦茶美味い
- っていうか、基本的に調理仕立ての料理が一番美味いに決まってる
- 「そうざい半製品」は、美味しいものがかなり多い

・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!
- 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
- 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです。 - そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
- どうですか?
そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?
