前回までの「初心者もよくわかる冷凍食品の謎」で、よく判らない存在である「そうざい半製品」についてお話をしました。
では今回は、実際にスーパーに行って、「そうざい半製品」をチェックしてきましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

 

今日のお話の概要
  • 「冷凍食品」、「そうざい半製品」には実際にどのようなものがあるか、実際にスーパーマーケットに調査に行ってきた
  • 白い発泡トレイにのせられパックされ冷凍された商品は、「冷凍食品」ではない
  • 冷凍食品コーナーにも、「そうざい半製品」は普通に置いてある
  • 肉の比率が50%以上のものは、「食肉製品」となる

 

 

「そうざい半製品」とは

先日10月18日は、「冷凍食品の日」でした。
そこで込み入っていて複雑な「冷凍食品」について、3回にかけて様々なことを話してきました。
とくに3回目は、「冷凍食品」には含まれない「そうざい半製品」についてのお話でした。

 

ここに詳しく解説した通り、「そうざい半製品」は、「冷凍食品」ではありません。
ありませんが、だからといって明確な区分けがあるわけでもありません。
この曖昧さが、「冷凍食品」のよく判りづらさの一つであったりもします。

 

「そうざい半製品」とは
  • 「そうざい半製品」とは、消費者が加熱調理をほどこすことで惣菜として完成する、その言葉のまんまな「惣菜の半完成品」のこと
  • 「加熱後摂取冷凍食品」との製造工程上の違いは、ほぼ生の状態かどうか
  • 「加熱後摂取冷凍食品」との製品上の違いは、しっかり包装されているかどうか、また「冷凍食品」の表記があるかどうか
  • 「そうざい半製品」には、「冷凍食品」と違って食品衛生法上の規格基準がない
  • 要するに、製品の表示以外で「そうざい半製品」か「冷凍食品」かを正確に区分けするのは難しい

 

と、こんな曖昧な「そうざい半製品」ですが、
では!

実際にどんなものがあるのか、実際のスーパーマーケットに行って、探してみようではありませんか。

実際にスーパーマーケットに行ってきた

食品衛生の生きた知識は、実学こそが重要。
ぼく自身が長年のこの職務で、イヤというほどに身に染みている事実です。
判らないことを知るのに一番手っ取り早いのは、現場で実際に見てみることです。

そんなわけで、スーパーマーケットに行ってきましたよ。
ちょっと別件の用があって、少々遠出した近くで見つけた「ヤオコー」さん。
ここで「冷凍食品」、「そうざい半製品」の何たるかを学ばせていただきましょう。
ついでにそれらを買い込んで、今夜は冷食晩酌なんてしゃれ込むのもいいじゃないですか。

食品衛生の生きた知識は、実学こそが重要。
だったらそれらを食べないと、始まりませんよね?
(えーっ?)

そう、これはあくまで勉強が目的。
決して酒飲みのツマミ探しではないのです!

衣をつけただけのカツ類は「冷凍食品」か

まず、向かうは総菜コーナー。

すると、冷凍ケースに入れられた、衣を付けたカツなどが凍結状態で販売されていました。
スーパーのどこにでも、よくある光景。
決して珍しくはないでしょう。

 

さて、これらは「冷凍食品」でしょうか。

そう、もうお判りですね。
違います。
これらは「そうざい半製品」です。

何故なら、「冷凍食品」の条件に、「しっかりとした包装がされている」というものがあります。
このように、白い発泡トレイの上に魚の切り身や生のカツ、フライ類が乗せられ、そのままラップ類で包装されて凍結されているものがよくありますが、これらはその「しっかりとした包装」に含まれません。
ですから表示も簡易的で、「冷凍食品」の表示規格を踏まえていません。

「日本冷凍食品協会」による「冷凍食品」の4条件
  1. 下処理がなされている
  2. 急速冷凍されている
  3. 品温を-18℃以下で保管されている
  4. 適切な包装がされている

 

うーん、ハムカツかあ。
揚げたてのハムカツにビール。
悪くないけど、今日はちょっと違うかなあ。
こういうのは、上野の立ち飲み屋さんや大衆居酒屋でやりたいもんなあ。

…おっと、酒飲みのツマミ探しではありませんよ!
実学、実学!

 

ロールキャベツやポテトベーコン。
これらも同じです。
「冷凍」と書かれてありますが、「冷凍食品」ではありません。

 

と、隣の冷凍ケースに衣をつけただけの生のエビフライを発見。

 

こっちは「冷凍食品」だよ!

ええ?
「生のハムカツ」と何が違うの?

これはやはり、先の包装でしょう。
こちらのほうがしっかりと包装されています。

 

じゃあこの「かに入りクリームコロッケ」は?
それなりにしっかりと包装されています。
少なくとも先程のエビフライとぱっと見変わらない。

 

ええー!?
「そうざい半製品」なの!?

しかも表示もかなり細かく書かれています。
これだと、ほぼほぼ「冷凍食品」の表示規定と変わらない。

全然わかんないよ!
わからないけど、食べてみれば判るかも!
うーん、揚げたてのクリームコロッケで、ぐいっとビールかあ。(じゅるり)

(注:今回の目的は現場での実学です。酒飲みのツマミ探しでは断じてありません)

加熱調理された「白モツ」は「冷凍食品」か

更に進むと、「白モツ」発見。

 

いいねえ、日本酒で白モツ!
煮込んでもいいし、炒めてもいいな。
ビールでもいいし、日本酒も合うぞ。

(注:今回の目的は現場での実学です。酒飲みのツマミ探しでは断じてありません)

さてこれは…?
しっかり包装されているし、加工もされているぞ…?

 

ええー!?

「そうざい半製品」なの!?

裏の表示をよく読むと、実は「保存方法」は「-4℃保存」とあります。

そう、
上の「冷凍食品」の条件を見てください。
「冷凍食品」の保存条件は-18℃なのです。
だからこれは「冷凍食品」じゃない。

へー。面白いな!
あと美味しそうだな!
んじゃ、買ってきますか。
どーしよ、煮物かな、いやここは塩炒めでビールかな。
野菜はもやしとキャベツがいいかな…。

(注:今回の目的は現場での実学です。酒飲みのツマミ探しでは以下略

冷凍餃子は「冷凍食品」か

さて、そろそろ「冷凍食品」コーナーに行ってみましょう。

 

冷凍ケースに入った商品が所狭しと並んでいました。

その上に「冷凍食品がいつでも安い!!」とあります。
いつでもには点がふられて強調されてます。

成る程、保存のきく冷凍食品は、出来合のおかずや魚類などと違ってタイムセール対象にはなりにくい、そう考えがちなお客さんに対するアピールなのでしょうか。
あるいは、いくら待ってもこれ以上は安くなんねーよって意味なんでしょうか。

ところで「冷凍食品がいつでも安い」ってことは、
「そうざい半製品」は安くないのでしょうか。

ていうか、そもそもこの中に「そうざい半製品」は本当にあるのでしょうか。

色々と考えながら、ケース内を覗きます。

 

ケースの中に蟹クリームコロッケ。
お?と思いましたが、こっちは「冷凍食品」です。
わっかんねー!
ぼくが購入したさっきのものと、どう違うのか。
全く、わっかんねー!

 

冷凍餃子。
これは「冷凍食品」です。
焼かれてはいませんが、「冷凍食品」の表示がしっかり書かれてます。
いかにも「ザ・冷凍食品」って感じ。

 

一方、先程のコーナーで見つけたこちらの冷凍餃子。
まあ水餃子ですが、ちゃんと包装されてますし、-18℃保管も書かれている。
似たようなものですよね。

 

でも「そうざい半製品」。
うーん。

んじゃヤオコーさんのオリジナル品のこれは?

 

しっかりアルミ包装されてます。
-18℃保管。基本同じ。

でもこれ、実は「そうざい半製品」。

へー。
って、わかるかーーーーっ!

んじゃ判らないから、これ買って食べてみようかな。
餃子でビールか、うん、鉄板だがいいじゃないか。

冷凍ラーメン。
そんなものもあるのか。

 

…おい、待てよ…?

餃子、白モツ、コロッケ…てことはだな…

ビールに餃子、白モツ炒め、んでシメのラー飲み。
これ、かなりアリなんじゃないか!?
何ならコロッケもあんぞ!?

(注:今回の目的は現場での実学です。酒飲みのツマミ探しでは断じてありません)

同じ冷凍ケース内の似たような商品にも違いが

さらにはこんなものも。
同じ、冷凍ケース内で見つけた白身魚。

これ、前回の例に出したものです。

前回のお話の通り。
左が「冷凍食品」、右は「そうざい半製品」。

これは開封して判りました。
前回詳しく書いた通り、右のは完全に魚が生でした。

 

 

って、わかるかーーーーっっ!!

「食肉」の比率で規格が変わる?

さて、晩酌買い出し…じゃねーや、「冷凍食品」調査も、そろそろ佳境です。

ラーメン買ったなら、チャーシューも欲しいよね。
これでいいかな。

 

そうそう、
一つ大事な話を忘れていました。

冷凍食品でも何でも、食肉の比率が50%以上のは「食肉」として取り扱います。

例えば冷凍ハンバーグのようなものの場合、 肉の重量割合が商品全体の50%を超える場合、これは「冷凍食品」でも「そうざい半製品」でもなく「食肉製品」となるのです。
この場合、当然ながら食品衛生法における「食肉製品」の規格基準が適用されることになります。
このチャーシューも、肉の比率が高いため、「加熱食肉製品」となっています。

(冷凍された食品で、食肉50%以上を含むものは、このように加熱済みなら「冷凍加熱食肉製品」、非加熱なら「冷凍食肉」となります。)

ただし、冷凍メンチカツのようなものの場合、衣や具なども含めると50%を越えないことが多い。
この場合、「食肉製品」ではなく、「冷凍食品」或いは「そうざい半製品」となります。
前回触れた「そうざい半製品」の冷凍メンチカツによる食中毒もそうだった。
肉の比率がもっと高ければ、「食肉製品」とされ、大腸菌に対する規格基準が適用されたのです。

おっと、それはそうと、もっと大事なことがありました。
これ買わないと!

 

うーん。
クラフトビール系も勿論いいんですけど、餃子にもつ炒めにラー飲みときたら、こうじゃないんだよなあ。

 

そうそう。
こういうの。
こういうのを、がーっと飲みたいよねー、やっぱり。

.(注:今回の目的は以下略

まとめ

今回は実際にスーパーに行って、「冷凍食品」と「そうざい半製品」の違いの確認・調査に行ってみました。
双方の微妙な違いなどもお判りいただけたでしょうか。

…ってわかんないよ!

次回、いよいよこれを実食してみましょう。
おっと、今回はあくまで勉強が目的。
決して酒飲みのツマミ探しではありませんからね!

 

今日のお話の概要
  • 「冷凍食品」、「そうざい半製品」には実際にどのようなものがあるか、実際にスーパーマーケットに調査に行ってきた
  • 白い発泡トレイにのせられパックされ冷凍された商品は、「冷凍食品」ではない
  • 冷凍食品コーナーにも、「そうざい半製品」は普通に置いてある
  • 肉の比率が50%以上のものは、「食肉製品」となる

 

 

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