食いしん坊なプロの衛生管理屋が、食品衛生に絡めながら、美味しいグルメや新商品を紹介、レビューする「グルメ衛生管理」。
今回は、セブンイレブンの新商品、「ガラスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」の感想やそれにおける食品容器製造上の技術の高さ、そして食品容器の衛生管理についてお話いたします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

 

今日のお話の概要
  • 2019年10月に、セブンイレブンで「がらスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」が新発売された
  • このレンジ麺は、麺が伸びにくくてコシがあり、スープが美味しいのが売り
  • セブンイレブンでは従来ゼラチン固形スープが使われていたが、新開発の中皿によってそのデメリットを克服した
  • 新しい包装容器では、ゼラチン固形させないストレートスープならではの美味しさと、スープ内で加熱させないレンジアップが可能になった
  • 実際に食べてみると、驚きの美味さ!スープが美味しく、ちじれた麺も生麺のようなコシが確かに感じられる
  • 同時発売の「Wガラスープが自慢!6種具材のタンメン」も、シャッキリ野菜が美味しい
  • 包装容器業界の衛生管理は、食品業界に比べればまだ一歩というところが多い。しかしこれは各々の製品の特質、用途によるところが大きいのも事実だ
  • 包装容器業界の業界基準として、古くから業界団体「軟包装衛生協議会」が「衛生管理自主基準」を出している

 

 

セブンイレブンの新商品「がらスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」

この秋、セブンイレブンから、新開発された容器に入った新商品が発売されました。
コンビニラーメン、いわゆる「レンジ麺」ですね。

 

商品名は、「がらスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」。
2019年10月15日から順次発売開始、ということです。
都内は既に発売開始、ぼくの住んでいる千葉のセブンイレブンでも置いてあるので、もう全国展開中といったところなのでしょう。

セブン‐イレブン~近くて便利~
ガラスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン
https://www.sej.co.jp/products/men1910.html
5種類のガラスープをブレンドしたガラリッチな醤油ラーメン。チャーシューと、ネギをたっぷり盛り付けました。

 

この製品は、たっぷりとのせられたネギ、チャーシューなどもさることながら、新開発の容器によって伸びづらく、麺のコシが豊かであることがトピックであるということ。

セブン「コク旨ネギ醤油ラーメン」新容器で麺がのびにくく

本商品は麺のコシとスープのうま味をさらに向上させたとのこと。
麺とスープの接触が抑えられる新容器の採用により、麺は余分な水分を吸うことなく、コシがアップ。
スープは、ゼラチン不使用のストレートスープ。
鶏ガラ、豚ガラのうま味をより感じられるコク深い味わいに仕立てたそう。

 

ほうほう。
それでは少しずつ、この製品に迫っていきますか。

セブンイレブンにおけるレンジ麺容器の進化

まず興味深いのは、このたび「新開発」したというレンジ麺容器です。

そもそもこの容器は、どこが優れているのか。
それは、「レンジで温めたときに、蒸気だけが通過するフィルターになっている」ということでしょう。
そんなことが実際に出来るのかよくわかりませんが、天下のセブン&アイホールディングスさんが「出来る」というのだから「出来る」のでしょう。

 

ぼくは衛生管理屋であって食品容器や食品開発には疎いのですが、今回、レンジ麺の容器開発の歩みを調べてみて面白いことを知りました。

まず。
少し前まで、このようなレンジ麺は常時汁に漬かったままであるものを、麺を工夫することで伸びづらくさせる、という方策が一般的でした。
しかしこれでは、いくら麺を工夫したって、どうしても汁を吸収して伸びやすくなってしまいます。

これに対し、開発を重ねて作られたのが、汁をゼラチン化させる、というもの。
これによってチルド状態では固形の汁が、レンジで加熱されることで液状になり、麺と混合する、という手法が登場しました。

なるほど、確かにこの方法だと、麺は常時水分を含むことない状態で保管できる、というメリットが得られそうです。

しかし一方でこれにおいて生じた問題。
それは、ゼラチンを液状にさせ、温かく食べられる状態にするまでにはそれ相応の加熱時間が必要だということです。
結果、汁より麺のほうが先に温度が高まりやすく、加熱過剰になりやすい、という問題が起こりました。

またチルド状態からレンジアップされて一旦加熱された麺が、しかし液状化したばかりの温度の低い汁と混ざることで再び冷却状態に至ります。
つまり温度が可能に上がり、またすぐ下がるという状態になる。
こうすることで麺の旨味が落ちてしまう、というデメリットが生じたわけです。

 

さあ、
そこで登場したのが、今回のセパレートタイプです。
つまり、麺とスープを、中皿によって別に分ける。

この中皿の最大のポイントは、通過するのは蒸気だけということ。
これによって、麺の加熱過剰が防げられるとともに、温度の低下もされることなく、また程よい状態に麺が加熱されることになりました。

さらには、ゼラチンで固形化させる必要がないので、スープも液状のストレートスープにすることが出来、スープ本来のすっきりした美味しさが維持できるようになった、ということも大きなメリットでしょう。

これには開発側も大きな自信を持っているご様子で、「この十年で最も品質がアップした」と言っています。

 

実際に食べてみた

では実際に食べてみてどうでしょうか。
セブンイレブンさんで買って、さっそく確認してみましょう。

 

「ガラスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」、これです。
税込み496円。
ワンコインでお釣りが来ます。

おっと衛生管理屋なので、食べる前の手指の除菌は忘れずに。

 

まず、封を開けると現れる、中皿の上に盛られた沢山のネギと、美味しいそうな大きめのチャーシュー。
そしてその下には中太~細目の縮れ麺が。

 

この中皿の下には、すでに温かいスープが。
そこに、これらを、ドボン。

 

ここで中皿に注目。
なんてことない、中央に小さな穴が空いてます。

つまり、レンジで温めると、スープが温まって蒸気が上がる。
それがこの穴から麺や具、野菜などに上がって、蒸される。
それによって程良く水分を含みながら、しかし含みすぎることなく、また熱されすぎることもなく、美味しい状態が維持出来る、という仕組みですね。

これはよく考えたなあ!

 

では敬意を抱きながら、さて頂きます。

 

うん、伸びてない。
伸びてないよ!

生麺に近い、コシが十分に感じられる食感。
温度加減も丁度いい。

スープ。

これもゼラチンじゃないストレートスープなので、美味さが違う。
しっかりコクのある、甘口の醤油だし。
しかししつこくはなく、スッキリとキレもある。
これがたっぷりネギにもよく合う。

おっと、このネギにも少々下味がついているかな。
シャッキリした歯ごたえに、ネギの香りがたまらない。

チャーシュー、これも予想以上に柔らかく、ジューシー。
スープより甘く煮た味付けに、またこの醤油だしと相性がいいな!

いやこれ、予想以上に美味しいぞ!
いや、マジでそこらのラーメン屋とタメ張るレベルなんじゃないかな!?

不満があるとすれば、やや具に寂しさがあることか。
でもワンコインのコンビニラーメンなんてそんなものかな。
むしろ、それにしては頑張っているのかもしれない。

 

うん、飲んだ〆の後のラーメンにはこれ、すごくいい。
派手なインパクトはないが、実直にうまい。そんな感じだ。

しかもこれで400kcalってのも、中年には嬉しいところ。
尤も、糖質は60g超えだけど。(笑)

製造元はニッセーデリカさん。
ここは国内初のセブンイレブンの調理麺専門工場ということ。

新商品「Wガラスープが自慢!6種具材のタンメン」はどうか

さて、それでは同じく新商品である「Wガラスープが自慢!6種具材のタンメン」はどうでしょう。

 

こちらは湯麺(タンメン)。
野菜たっぷりでローカロリーな、ヘルシー志向のレンジ麺です。
これも中々の出来でした。

 

しっかりダシが効いた白濁のスープが美味い上、野菜がシャッキリしている。
これもセパレート皿の効力でしょう。
汁と一緒に熱されないから、シャッキリ感が残っている。
キクラゲの歯ごたえもクニクニとしてる。

野菜がしっかり取れて、しかも何とカロリー300kcal以下!
これはありがたいなあ。
しばらくリピりそうです。

それにしても感心するのは、包装容器の技術。
一見なんということない容器なのに、このような工夫や開発の研鑽が重ねられたものとなっている。

いやあ、すごいですな、日本の食品製造技術は!

レンジ麺容器の衛生管理はどうなっているか

このようなレンジ麺の包装製造における衛生管理はどうなっているのでしょうか。

このような包装容器は、麺工場とは別の包装容器工場で作られています。
つまり麺工場からの受注を受けて、包装容器メイカーが委託製造しているわけです。

さて、包装容器工場の衛生管理状況というのは、正直、食品工場よりはワンランク劣るところが一般的です。

いや、この言い方は正しくないし、フェアじゃないな。
つまり、食品とは特性も用途も目的も全く違うから、事情も違う。
業種が変わればすべきことも当然変わる、ということです。

食品容器は人間の体内には入りませんし、樹脂製で加熱も洗浄も可能です。
だから包装容器由来での健康被害、食中毒になることがほとんど考えられない。
そのためか、この業界での衛生管理においての最大の関心は微生物制御ではなく、異物混入対策です。

しかし容器はものによっては洗浄して使用することもありますし、例え混入しても確認がそれほど困難ではないことも多い。
また異物リスクとして高い防虫管理に関しても、ウェット環境をやむなくされる食品工場に比べればドライ環境であるため、比較的管理がしやすいところも多い。
(尤も熱やインクなどの使用条件から、差圧が陰圧化しやすく、外部環境から不必要に埃や昆虫を吸い込みやすい工場が時折見られますが)

そんなわけで、衛生管理の事情が食品業界とはやや異なるのが、食品容器の世界です。
もちろん、衛生管理に関しては各社ともに努力しているのは確かですし、ISO 22000などを認証取得しているハイレベルなメーカーさんだって少なくない。

ですが、一般論として、何分この業界は中小規模の工場が多い。
ただでさえ薄利多売で中小企業の多い食品に対し、さらにそれ以上の薄利多売を求められる中小企業が多いのが、包装業界です。
それもあって、今や高い衛生管理レベルを誇っている食品業界に比べると、まだまだそこに至っていない、というのが現実的な事実でしょう。

「軟包装衛生協議会」と「衛生管理自主基準」について

そんな包装容器業界の衛生管理はどうなっているでしょうか。

2017年、厚生労働省から「食品用器具及び容器包装の製造等における安全性確保に関する指針(厚生労働省策定のガイドライン)」が出されました。
ここでは、以下の4つの取り組みを行って管理システムを構築せよと伝えています。

 

容器包装における安全性確保のための取組内容
  • 人員・施設・設備の管理
  • 安全な製品の設計と品質確認
  • サプライチェーンを通じた情報伝達
  • 健康被害発生時の対応策の整備

 

まあ訳すると、要するに「GMP(適正製造規範)」に基づいた管理を行い、トレーサビリティもちゃんとしろよ、とお上が言っているわけです。

で、これらに対応する業界自主基準として、「軟包装衛生協議会」という業界団体が、「衛生管理自主基準」というものを出しています。
包装容器業界の工場は、これを自主管理の衛生基準として使っているところが、かなり多いです。
またこの協議会の会員でなくても、ネット資料などで閲覧は出来るので、それを指針として参考にしているところも多いことでしょう。
その最大の理由は、やはり業界特有の事情や製造環境にマッチしたものであることかと思われます。
つまり、使いやすい、ってことですね。

この「衛生管理自主基準」は随分と長い間運用されているものですが、日々更新が繰り返されて、より時代にマッチしたものへとブラッシュアップされているのもポイント。
当たり前ですが、ぼくが駆け出しのころ、それこそ20年くらい前に読み、使用してきたものとは既に大きく変わっています。
その結果、今では随分とマネジメントシステムに近いものとなっているのですが、それでも軟包装業界に多い中小企業でも使いやすく、また具体性や判りやすさを損なわないのも特徴です。

なお、この「衛生管理自主基準」が求める要求事項に従って改善を進め、第三者からの診断を受け、オフィシャルな認定工場を目指すメーカーも少なくありません。

まとめ

今回はセブンイレブンの新しいレンジ麺「がらスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」の感想と、その素晴らしい包装技術について解説し、さらに包装容器業界の実用や衛生管理についてお話しました。

ていうか、書いているうちにまた食べたくなってきてしまいました(笑)。

どうぞ皆さんもお近くのセブンイレブンでチェックしてみてください。

 

今日のお話の概要
  • 2019年10月に、セブンイレブンで「がらスープが自慢!コク旨ネギ醤油ラーメン」が新発売された
  • このレンジ麺は、麺が伸びにくくてコシがあり、スープが美味しいのが売り
  • セブンイレブンでは従来ゼラチン固形スープが使われていたが、新開発の中皿によってそのデメリットを克服した
  • 新しい包装容器では、ゼラチン固形させないストレートスープならではの美味しさと、スープ内で加熱させないレンジアップが可能になった
  • 実際に食べてみると、驚きの美味さ!スープが美味しく、ちじれた麺も生麺のようなコシが確かに感じられる
  • 同時発売の「Wガラスープが自慢!6種具材のタンメン」も、シャッキリ野菜が美味しい
  • 包装容器業界の衛生管理は、食品業界に比べればまだ一歩というところが多い。しかしこれは各々の製品の特質、用途によるところが大きいのも事実だ
  • 包装容器業界の業界基準として、古くから業界団体「軟包装衛生協議会」が「衛生管理自主基準」を出している

 

 

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