最新の食品業界ニュースから気になった話題を定期的にピックアップし、食品衛生管理のプロの目線からコメントさせていただきます。
今回の話題は、前でもここで扱った秋田市の給食への異物混入事故のその後についてお話させていただきます。

本日の時事食品ニュース
  • 100%防ぐ方法はあるのか!?給食への異物混入(2019年8月27日)

 

Yahoo!ニュース
100%防ぐ方法はあるのか!?給食への異物混入 秋田(秋田テレビ) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00000005-akt-l05
給食の異物混入は秋田市の小中学校から2019年4月から6月にかけ5件報告され、この5年間 - Yahoo!ニュース(秋田テレビ)

 

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

今日のお話の概要
  • 給食の異物混入には、虫や金属が多い
  • 給食で問題になる虫とは、ユスリカやイエバエ、チョウバエ、ゴキブリなどである
  • 給食の衛生管理は「学校給食衛生管理基準」によって定められている
  • 給食の衛生管理を高めるためには、取り決めを定めてPDCAサイクルを自ら回すことだ

 

給食の異物混入の実態

給食への異物混入については、以前お話をいたしました。
今回はその話の延長線上。

なお以前の記事を読んでおられない方はこちらから先にどうぞ。

 

さて。
前にも書きましたが、秋田市が立て続く給食への異物混入に対し、行政として動き出した、ということです。

 

給食の異物混入は秋田市の小中学校から2019年4月から6月にかけ5件報告され、この5年間で最も多くなっている。
混入していたのはいずれも金属やプラスチックの破片。
市は食材の納入・調理・給食の運搬・児童生徒への配膳・食器の洗浄の際に混入したと見ているが、いずれも特定には至っていない。

こうした事態が続いたことを受け市は市内43カ所の調理場を一斉に点検したほか、7月末に対策委員会を設置し現在再発防止策を検討している。

小中学校の夏休みは終わりすでに授業が再開されている。
今後こうしたトラブルを防ぐにはどうすべきか。
8月19日に県内の小中学校の給食の調理員を対象にした衛生管理の講習会が秋田市で開かれた。

 

 

さて。
そんなわけで、給食への異物混入についてお話します。

給食の異物混入で一番多いものってなんだかご存じですか?
実は、「金属片」なんです。

…って話を前にしたのですが、

 

あれ、ここでは「虫」が一番になっています(笑)。

このデータ、何をソースにしてんだろ。
私もそれなりに確証のあるものから引っ張っているんですけどねえ。
ま、いいや(笑)。(えー!?)

いずれにしても、あれだ、要するに「虫」と「金属」は給食の異物に多いってことです。(笑)
金属異物については前にお話したので、じゃあ今度は給食への「虫」の混入についてお話しましょう。

給食への虫の混入

給食に虫が混入する場合、まあ原材料への混入リスクや、配膳後の混入ばどの例外もあるでしょうが、やはり調理中の混入が多いわけです。

この場合にも、当然「防虫管理の奥義」が役立ちます。

 

いいですか?
「管理」のスタートは、すべからく「現状把握」からです。

「管理」は全てが実はそういうものです。
例えば、「健康管理」。ダイエット、について考えてみます。

自分はどのくらい太っているのか、何をどのくらい食べているのか。(現状把握)
どうしたいのか、どうなりたいのか。(目標)
じゃあ、何をどのくらい食べればいいのか、運動すればいいのか。(方針)
ダイエット、つまり「健康管理」だってそこからですよね?
「管理」はみんなそう。
その上で、何をすべきかが見えてくる。

虫(防虫管理)も、衛生管理も同じです。

給食施設にはどんな虫がどのくらいいるのか。
そこから始まります。

そしてそれらの「虫」は、外にいたものなのか、それとも中で生まれ育ったものなのか。
つまりその虫の問題の原因は、「外部侵入要因」か「内部発生要因」か。
これによって話が変わってきます。

で。
一般的に、給食の現場で混入しやすい虫、というものがあるかどうかは何とも言えません。
環境が違うんだから、生息している虫も変わります。
そしてそこに多く生息していれば、当然リスクも高まります。
外に多く生息していれば厨房内にも侵入することが多くなるでしょうし、内部発生していればその分繁殖して個体数が増します。

ですからこれが危ない!という昆虫が一概にいるわけではないのですが、かなり一般的な意味において、しばしば給食施設で調理中に混入して問題になりがちな昆虫例を挙げることくらいなら、可能です。

 

給食施設で問題になる昆虫の例
  • ユスリカ(外部侵入要因種・内部発生要因種)
  • イエバエ(外部侵入要因種)
  • チョウバエ(内部発生要因種)
  • ショウジョウバエ(内部発生要因種・外部侵入要因種)
  • クロゴキブリ(外部侵入要因種)
  • チャバネゴキブリ(内部発生要因種)

 

うーん、こんなところかなあ。
あくまで「例」です。
ですが、割とここらへんは問題になりがちな常連どころです。

 

外で多量に生息しているユスリカは、虫体が小さい種類では網戸なども隙間から抜け入ってきます。
また臭いに誘引されてイエバエ(上の画)が入ってくることもあるでしょう。

一方でコバエ類は、調理場の排水溝などの清掃不足から内部発生します。
とくに多いのがチョウバエ類でしょう。
夏場を中心に、排水溝での食品のかすや残渣、汚水滞留などがあるとすぐさま発生します。

また食材が腐敗すると発生するのが、ショウジョウバエです。
下の画のコバエです。

ショウジョウバエが多量にいる場合、必ず何かが腐っています。
腐らないと発生しないのが、ショウジョウバエです。
その他、調味料やアルコールなどに誘引されます。
この辺の内部発生には、くれぐれも注意が必要です。

給食の衛生管理の基本、「学校給食衛生管理基準」

ここでちょっと、給食の衛生管理の法的な「根拠」について触れてみましょうか。

そもそも、給食の衛生管理は、「学校給食法」によって定められています。
そして、その具体的な衛生管理内容を規定しているのが、「学校給食衛生管理基準」です。

公的な衛生管理規定といえば、「大量調理施設衛生管理マニュアル」です。
ここには食品工場も含め、多くの食品製造に関わる具体的な衛生規定が書かれています。
ですが、学校給食は、文部科学省の管轄。
「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、厚生労働省の作った規定です。

なので、文部科学省としても衛生管理基準が欲しい。
そこで、「学校給食衛生管理基準」を作りました。
縦割り行政、かくありなん。

…って言っちゃうと少し可哀想かな(笑)。

もう少し細かく見ると、そもそも主旨が違います。
「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、その名から判る通り、マニュアルです。
1回300食以上または1日750食以上。
これらを作る施設向けに設けられた、食中毒防止を主に目的とした割と具体的な内容の書かれている衛生マニュアルです。

一方で、「学校給食衛生管理基準」は、より学校給食に沿ったかたちで作られています。
だから内容も、その具体的な文科省以下の管理に触れている。
教育委員会の責任でやれよという最初の一文からも、然り。
あくまで、文科省様の基準だぞと言っている。

なので、「大量調理施設衛生管理マニュアル」も「学校給食衛生管理基準」も、中身は似ています。
だって「大量調理施設衛生管理マニュアル」をベースに作ったのだから、そりゃそうなる。
作業場を、「汚染作業区域」、「非汚染作業区域」に分けなさい、「温度は25℃以下、湿度は80℃以下」ということからはじめ、やれ床から60㎝の高さで作業・保管しろ、ドライシステムを導入しろなど細かいところも結構似てる。

しかし一方で、例えば「調理した食品は2時間以内に給食できるようにしろ」「そのための配送車を用意しろ」といった、いかにも給食ならではの内容も記載されている。
例えば、これを根拠にして、各地で「2時間以内」の箇所に給食センターを作ったり、デリバリーの業者が地区ごとに入札したりするわけです。

で、これに基づいて、さらに各自治体などでは、自治体ごとの「衛生管理基準」を作っていたりもします。

学校給食の衛生「管理」とは

上のとおり、給食における衛生管理の内容は「学校給食衛生管理基準」に準ずればいい、とします。

でもね、食品工場などにいる人にはよく判ると思うのですが、異物混入防止、衛生管理をきっちり行うってのは、そんな簡単じゃないんですよ。

この偉いお役人やら講師の人やらが何を話してるかは知りません。
でも悪いけれどやれ指差し確認しろだの二重確認しろだの何だので異物混入がなくなるなら、誰も苦労しません。

じゃあ、どうするか。
衛生管理をするんです。

 

 

先にも言いました。
管理のスタートは、すべからく「現状把握」からです。

「健康管理」、ダイエットの話をしましたね。
どのようにあなたはダイエットをしますか。
最初に体重計に乗りませんか?
それは何故ですか?
自分を知るため、「現状把握」のためですよね?

あなたはダイエットでこのような手順を踏むはずです。

自分はどのくらい太っているのか、何をどのくらい食べているのか。(現状把握)
どうしたいのか、どうなりたいのか。(目標)
じゃあ、何をどのくらい食べればいいのか、運動すればいいのか。(方針)

ダイエット、つまり「健康管理」だってそこからですよね?
「管理」はみんなそう。
その上で、何をすべきかが見えてくる。

衛生管理も同じです。
「二重確認しろ」という話は、健康管理(ダイエット)で例えるなら、いきなり「毎日20分走れ」と言われるような話です。
それでいい人と、そうじゃない人がいますよね。
毎日20分走ってラーメン3食食べている人は健康になりますか?
つまり「健康管理」ができてますか?

何度にもなりますが、衛生管理も防虫管理も、「管理」です。
ダイエット、健康「管理」と同じです。

話として、メディアとして、「二重確認しろ」は具体的なので、判りやすい。
キャッチーです。
ですが、本当に「100%異物混入を防止する」のであれば、キャッチーさは「罠」です。
しっかりと地味に、実直に、管理体制を作っていくしか、実はない。
衛生管理なんてそんなものです。
だって、ダイエット、健康管理だってそうでしょ?

給食の衛生管理をつくる方法

では、どうするか。

衛生「管理」を行うんですから、「管理」、「マネジメント」を行う。
「管理」というのは、「目的」のために「目標」に目指して、いかにPDCAサイクルを回すか、ということです。

だから最初は、PDCAサイクルの「P」を行う。
取り決めを、徹底する。
場内はこういうルールにする、ということを明確にする。
内容は、まさに先の「学校給食衛生管理基準」の通りです。

給食に関わる管理者は、これをよく読んで、衛生区分を区分けして、ドライ環境につとめ、決められた温湿度管理を行う。

その上で、それを行い、教育する。(PDCAサイクルの「D」)
そしてそれがしっかり守られているか、それで問題が生じていないかを確認する。(PDCAサイクルの「C」)

まずは、ここからがスタートです。
すると、ここで初めて「これが最低限の線引きである」ことを知るでしょう。
そして何が足りないかを、ようやくそこで考えることでしょう。

ダイエット、健康管理だってそうですよね。
糖質制限をしよう、夜はご飯を抜こうという「方針」を定めて(「P」)、
それを実行して(「D」)、体重計に乗る。(「C」)

そこで、あれやっぱり夜ご飯抜かすだけじゃ体重減らない(目的未達)だから、「方針」を変える。(「A」)
そこで、20分走ろうかな、あるいは水曜だけジムに通おうかな、それともオヤツやめようかなってなる。
「二重確認」だって、ようやくここでの話じゃないですか?
ダイエット、「健康管理」だってそうなのに、「衛生管理」だと何で違うんですか?

 

じゃあ何が足りていないのか。
それだって各施設によって違ってくるはずです。

虫がまだ多いのであれば専門業者への依頼もありうる。
金属異物への懸念があるなら、更なる持ち込み制限の強化だ施設の補修だという話になる。
そこで初めて、じゃあ指差し確認だとか、そういう具体的な話になります。
(つーかそんなことより持ち込み制限だろ!)

食品工場だって、今日までそもそもそうやって少しずつ少しずつハイレベルな現在の衛生管理を培ってきたものです。
そうした姿を参考に見ながら、ヒントにしながら、少しずつ少しずつ、衛生管理のレベルを高めていく。
やれ100%防ぐすべはあるのかだの、そんなことを言う前に、それこそが今、給食の世界に必要なんだと、ぼくは思います。

 

今日のお話の概要
  • 給食の異物混入には、虫や金属が多い
  • 給食で問題になる虫とは、ユスリカやイエバエ、チョウバエ、ゴキブリなどである
  • 給食の衛生管理は「学校給食衛生管理基準」によって定められている
  • 給食の衛生管理を高めるためには、取り決めを定めてPDCAサイクルを自ら回すことだ

 

 

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    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
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