衛生管理、異物混入対策のプロ中のプロが、異物混入に出くわした際の、正しいクレームの付け方をこっそりと伝授します。
第一回目は、「クレームの目的は?」です。
改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。
目 次
誰も知らない異物混入クレームの付け方
お店で買ったものに異物混入が発生していた場合、貴方はどうしますか。
どこに連絡し、どう対応しますか?
飲食店であれば、お店の人にどう伝えますか?
意外と知らない、というか誰も知らない異物混入への対応。
ネットを見ると、時折法律の専門家がさも最もらしいことを言っていますが、彼等はただの法律の専門家でしかありません。
食品衛生、異物混入についてはただのド素人。
何にも知りません。
しかもそのほとんどが食品衛生法ですら、まともに見たことが、読んだことがない。
だから、その多くが皆、間違っている。
そりゃそうです、素人が素人に適当なことを話しているんだから、まともな解答を望むべくもない。
法律を知っている、それで何?てのが、食品衛生であり、異物混入です。
じゃあ、貴方は食中毒菌を5つ以上その特徴を含めて言えますか?
じゃあ、貴方は内部発生要因昆虫を5つ以上その発生要因を含めて言えますか?
じゃあ、貴方はHACCPの7原則12手順を全部言えますか?
普通彼等は知りません、言えません。
言える人。貴方、私と同業者か、食品企業の品管さんですね。(笑)
さあ、そういう専門家だけが知っている、異物混入のクレームの付け方を、これから伝授していきます。

異物混入クレームを企業に付けることは悪いことではない
まず最初に、なんでこんなことを書くのか、についてお話します。
これ、どこの食品企業も思うことだと思いますが、本来、異物混入クレームを企業に付けること自体は決して悪いことではありません。
クレーマーがくどくどネチネチと、自分のさもしさと卑しさとみっともなさを露わにしながらクレームをつけてくるのは、人としてたまったものではありません。
ですが、商品に異常があったことを正しく伝えること自体、全く問題のある行為ではないです。
商品の提供者として真摯に企業は対応してくれるでしょうし、企業側としても再発防止のこれ以上ない情報となるわけで、これを嫌がる食品企業は世にはないと思います。
あったらそういう企業は競争で淘汰されていくことでしょう。
グッドマンの法則、というのがあります。
マーケティング界では有名な法則で、クレーム対応と顧客の再購入決定率の間の相関関係について導き出した法則のことです。
簡単に結論だけ言うと、「クレーム対応をしっかりする企業に顧客は増える」ということです。
- 不満を覚えた顧客のうち、しっかりクレーム対応した顧客は、不満を申し立てなかった顧客より多く、再びその企業の商品を購入してくれる
- ネガティブな体験は、ポジティブな体験より2~4倍噂が広がりやすい
- 企業の適切な情報伝達は顧客に信頼を与え、企業の市場拡大に貢献する
言ってみれば当たり前のことなんですが、それを論理的に法則化したのが、この「グッドマンの法則」です。
一流の企業であれば、これを基本的に踏まえているでしょうし、そうでなければ3のように、信頼関係を築けずに消えていきます。
このことからも、異物混入クレームを付けることは、別段悪いことではありませんし、企業側にも自社の問題要因分析においての貴重な情報になるはずです。

異物クレームをつける:何のために?
それでは、異物混入クレームの付け方を教えます。
ですが、その前にこれを踏まえる必要があります。
異物混入クレームを、あなたは何のために付けるのですか?
その目的を、しっかりと定めましょう。
何故ならそれによって付け方が変わるからです。
企業に不満と事実を訴えたい
恐らくはこの目的が一番大きいはずです。
その場合、重要なのは、真摯にその事実を伝えることです。
(別に何も欲しくはないが)「私はこういう目に合って、非常に不快だった。それを理解し、知って欲しい」
そう伝えて、真摯な対応、謝罪をしない企業はありません。
ここに、過度の激情やくだらない上から目線の説教、卑しい欲やらが加わると、向こうも人間なので対応が変わってきます。
まずはこの目的をしっかりと自覚することです。

溜飲を下げたい
気持ちはわからなくもないですが、落ち着きましょう。
こういう姿を家族や恋人、友人に見せてどう思われるか考えましょう。
かっこわるいです。
みっともないです。
器、ちっさ!です。
「性格悪いオレカッコイイ」、そんなこと思うのは貴方しかいません。
私なら貴方との付き合いを今後考えます。みんなそうだと思います。
ストレスを晴らしたい
今すぐ外に出て走ってきましょう。
そして、映画を観たり、買い物したり、美味しいものを食べたりしましょう。
今あなたがすべきは、企業に連絡することではありません。
企業はそんなために存在していません。
あとこういう人が周囲にいたら、付き合い方を考え直しましょう。
それから、貴方はそんなに偉くも凄くもなんともありません。
いい機会なので、自分をもう一回見直したほうがいいでしょう。
お金が欲しい
もらえません。
企業が払う必要がありません。
異物混入ごときでお金はもらえません。
世の中そんなに甘くありません。
精神的慰謝料?
健康被害も出てないで?
気持ち悪い?
その程度で?
大きく誤解している人がいて笑ってしまうところですが、健康被害も出ていない異物混入で企業はお金を普通払いません。
何故なら払う必要がないからです。

まとめ
今回は異物対策クレームの付け方の1回目として、その「目的」についてお話しました。
- 企業に不満と事実を訴えたい →落ち着いて、真摯に訴えましょう
- 溜飲を下げたい →気持ちはわかりますがやめましょう
- ストレスを晴らしたい →違うことをしましょう
- お金が欲しい →ムリ。もう少し頭を使ってください
次回は、どうしてこのような目的別の対応が必要なのか、より具体的にその内容に迫ってみたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
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