最新の食品関連ニュースから話題をピックアップし、衛生管理のプロの目線からその裏側や真実を教えます。
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本日のニュース

 

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

秋田市の学校給食への異物混入が過去最多に

先日、相次ぐ市内の学校給食への異物混入に、市政が動いたとのニュースが上がっていました。

Yahoo!ニュース
給食に異物混入過去最多 秋田市の対応は(秋田テレビ) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190808-00000005-akt-l05
秋田市の小中学校の給食に異物が混入していた事案が相次いだことを受け、未然に防ぐた - Yahoo!ニュース(秋田テレビ)

 

今回はこうした学校給食の異物混入について、異物対策の専門家としてお話しています。
尚、こちらは二部構成の「後編」になります。
まだ「前編」を読んでない方はそちらからどうぞ。

 

給食の異物で多いもの

前回にも軽くお話しましたが、給食の異物で多いのは、実は金属異物です。

ネジ、ビス、ワッシャー、クギなどのハード由来のもの。
ホチキスやクリップなどの、持ち込み由来のもの。
ほつれた金属片や破片など、調理器具由来のもの。
スチールタワシの脱毛など、清掃用具由来のもの。
缶詰の切りかすなど、調理由来のもの…。

こうしたものが、実は想像以上に、しかしズバぬけて多いのが、給食の異物混入です。
続いて、プラスチック片や毛髪、虫といった順が、まあデータはありませんが、大概のことかと「異物混入対策のプロの感覚」ですが、感じるところです。

給食の異物混入要因(恐らく多いと思われるもの順)
  1. 金属異物
  2. プラスチック、樹脂類
  3. 毛髪
  4. 虫、その他生物由来

 

これ、食品工場、メイカーの人なら、「え?」と思うかもしれませんね。
というのも、一般的に食品工場で多い異物といったら、虫、毛髪、樹脂類、植物片などが並んで、金属異物はかなり後のほうに出てきます。
それだけ金属異物混入は、メイカーにとっては致命的ですから相当に気をつけている。

それとやっぱり、なんだかんだで金属探知機の存在。
結局のところ、これが大きいんじゃないかな。
じゃあ給食センターに金探置けよ、となるかもしれませんし、そういうセンターもありますが、全部が全部導入出来るわけがありません。

ちなみに、工場での異物混入順は、大体こんな感じじゃないかなあと思います。

 

なお、工場の異物混入で何が多いかは、別記事に書いてますので、そちらを参照にしてください。

 

ところで我々の業界では、こうした給食への異物混入が多いのは年度替わりに多く発生する、というのが通説です。

これは新しいマニュアルや手法への対応に追われる、新入の調理者が増える、教育が行き届かない、などといった理由により不慣れな対応から生じる…と言われてはいるのですが、まあ傾向はしょせん、傾向。
何より金属異物混入の最大要因である設備由来だったり、環境由来だったりといった事例においては、それらの人的要因にさほど影響を受けません。
また毛髪が混入するのは暑い夏がやはり多かったりもするし、春期から秋にかけては虫の混入の激増期です。

給食の現場の実状

そこまで給食ビジネスには詳しくない身ではあるけれど、今まで私自身、それらに関しての衛生管理のサポートを何度かさせて頂いてきています。
そんな身からすると、一般的に給食センターやデリバリー先の衛生管理レベルには大きくムラがある、というのが正直な実感です。
少なくとも、食品工場のようなハイレベルな衛生管理体制を整えているところは、それほど多くはありません。

いや、勿論しっかりした衛生管理を行っている給食センターも少なくはないのです。
実際、自信で学び、研究して、下手な食品工場を遙か越えて、高いレベルにある給食センターを私は何度か見てきています。

ネット上ではそうした生の情報がさすがに余り見あたりませんが、例えばこちら。
2015年「第10回全国学校給食甲子園」の優勝校である群馬県みなかみ町月夜野学校給食センターさんの様子を見ると、かなり食品工場に近いレベルの域。
作業時の腕まくりさえ除けば(笑)、文句ないでしょう。

 

尤も、このレベルの高い水準にある給食センターも、少なくありません。
またこれほど新しく施設でもないにも関わらず、うまく限られた施設や人員、コストを活用してしっかり効果を出しているセンターさんだってあります。

しかしその一方で、そうではないまだまだ拙く不安の残るところも、やっぱり少なくはない。
一般的に、としておきますが、給食ビジネスは薄利多売で厳しく、なかなか様々な改善をするゆとりまでないのが現状のように思われます。

給食ビジネスはどうなっているか

少しだけ、給食について説明します。

今の給食は、「給食センター」というセントラルキッチンでの調理がもはや主流となっています。
つまり自治体単位で給食センターを建てて、でそこで多量に調理したものをそれぞれの学校に給食として配送するという方式ですね。
「共同調理場方式」、とも言われるときもあります。

私が子供の頃は、小学校や中学校自体に給食室があって、給食のおばちゃん達が給食を作ってくれていたものですし、今でもそうした学校は少なくはありません。

こうした自前での「自校式」のメリットは、出来たての料理を提供出来るということ。
一方でデメリットは、給食室は学校施設となりますのでその維持管理を学校側がもち、またそのぶんだけ専属の職員を雇う必要が生じます。
それを考えると、一番多い調理人数とコストが高く必要になります。

これに対し、先の「センター方式」ではセンター一括なので、学校側に給食室を作ったり専属職員を雇う必要はなく、また多量生産できるのでコストが安くすむ、というメリットがあります。
栄養管理や異物対策などの衛生管理、アレルギー管理なども全て任せることが出来るのでラクで低コスト、つまり給食費も安くなるため、学校側にも人気があります。
デメリットは、配送コストがかかり、また何よりも当然製造から提供まで時間がかかること(2時間以内とされている)。
その分、製造の時間を短縮させないといけないし、自ずと加工食品が増えることになります。
食中毒も考えたら、そりゃ美味しいものを作ることがなかなか難しくなります。

一方、少なからず「デリバリー方式」というものもあります。
民間の食品製造事業者が弁当を製造し、学校に届ける、というものですね。
とどのつまりが外注式ですね。
給食施設を自治体が持たなくていい、というメリットがありますが、デメリットは「センター方式」同様。
それと、あくまで民間企業なので、利幅が薄いことから様々なことが支障になる危険性も、ないわけじゃない。
勿論、そんな業者ばかりではないでしょうが、そりゃ民間企業ですから、利益のない仕事はちゃんと出来るわけがありません。

給食の方式
  • 自校式:調理施設を学校内に設ける方式
  • センター方式(共同調理場方式):自治体で調理施設を建て、複数の学校に給食を配送する
  • デリバリー方式:民間事業者が委託され、自社工場で製造した弁当を給食として配送する

 

2年前に問題になった神奈川県大磯町の中学校給食問題のときに、これらのことはよくメディアなどでも話題になっていたので覚えている方もいるでしょう。
「冷たい」「まずい」(そりゃ急速冷却かけた弁当なんて美味いわけがないでしょう!)、「異物が多い」と話題になって、最終的には町の対応の悪さがバッシング対象にあげられていました。
近年、これほど給食の難しさがここまで露呈した事件は、これ以外にないかと思います。


日テレNEWS24

あの時はデリバリー業者の杜撰な衛生管理、異物混入の多さなどが一般的には表だった話題になっていましたが、同時に給食ビジネスのカツカツな現状もその理由になっていたことも露わになりました。
要するに、給食ビジネス自体が叩かれて薄利なため、衛生管理まで回らない、という問題でした。
結構これ、実際問題として割と聞く話だったりします。
しかも現場の仕事は、時間や作業に追われてかなり過酷。
どういうことかというと、施設衛生や教育、その他にそれほどかけているゆとりが余りないのが、給食の現場である、ということです。


朝日新聞DIGITAL

カネテツの取り組み

これらのことから、給食業界の衛生管理を各食品工場並みに高めていけ、というのはなかなか難しい面があったりするのも、また事実だったりするのでしょう。

ただ一方で、興味深い取り組みが見られているニュースもあります。
こちらです。

給食への異物混入を防ごうと、練り製品メーカー「カネテツデリカフーズ」(神戸市東灘区)が学校現場向けに対策を発信する取り組みを始めた。

同社の調査では、毛髪の混入が多い工場では粘着ローラーのかけ方が不十分と判明し、正しい方法を教える動画を制作。8月には高松市教育委員会の研修会で、担当者がこうしたノウハウを紹介した。

(略)研修会の行われた高松市の学校給食では今年度、異物混入が多発している。
すでに昨年度に並ぶ4件に上っており、5~6月に小学校の給食で豚汁、ハヤシライス、あえ物、サラダから、金属片▽金属製のフック▽ボールチェーンの留め具▽金属製のばね-が相次いで見つかっている。

研修会では、こうした異物混入の原因になりかねないとして、同社が製造現場に持ち込みを禁じる物品を紹介。キャップの付いたペンやホチキス、シャープペンシル、刃を折って使うカッターナイフ、絆創膏-などが例示された。

 

 

カネテツさんといえば、「ほぼカニ」で知られている練り物のメイカーさんです。
練り物はウェットな加熱工程が多いため、毛髪対策にはかなり厳しく行っているのでしょう。
そうした目線が養われていることが、上の記事からも判ります。

このように民間事業者、とくに食品メイカーには、既に高い衛生管理のノウハウが蓄積されています。
それらを学校現場に伝える、という試みは高く評価されるべきだと思います。

重要なのは、こうした食品工場ではすでに衛生管理の構築がなされており、個々の表層だけの衛生対策ではなくしっかりと管理としてサイクルが回っている、ということです。
つまりここで大切なことは、「青いホチキス針を使え」だの「ノック式ペンを使え」だのという一つ一つの些末な行いでは、実はありません。
(まあ余り知識のない記者が、へえと目について記事やタイトルにしたんでしょうが)

いかに様々なルールを規定し、運用し、教育し、現場にあっているのかいないのか、効果があるのかどうなのかを見直す。
こうした衛生管理体制の構築を、各食品工場は死活問題で続けてきたのです。

「青いホチキス針」や「ノック式ペン」は、単なるその結果の一環として身につけた工夫や知恵、スキルの一つでしかありません。
ここが、実はすごく重要。

うまり、如何に工場は衛生管理体制の構築をしたのか。
学校現場は、そここそを知る必要があります。
これが、管理の構築、仕組み作りノウハウなのです。

このような取り組みが全国的に増えていくことを願っています。

 

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