初夏から真夏にかけて、時々起こる羽アリ(クロアリ)の多量飛来。
それにどう対応すればいいのか。
こちらは前回の「前編」の続きの、「後編」。
プロならではの対策などを教えます。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のテーマ:羽アリの多量飛来対策

ケーススタディ・ザ防虫対策。
ただ虫の生態や論文のパクリを乗せているだけの他と違って、「工場や店舗の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、「実際に実施し、効果があったこと、なかったこと」「現場に即したリアルな対処方法」を、ここではお教えしてきます。

というわけで、今回のテーマは、前回の続き。

「羽アリの多量飛来対策」
です。
これ、昨夜我が家に起きた、実際の話です。
まだ「前編」を読んでおられなければ、そちらから先にどうぞお読みください。

 

多量飛来したアリ対策

さて、前回お話したように、多量飛来したアリをどうすればいいか。
羽アリは走光性が高い(=光に集まる習性が強い)ので、照明に誘引されて飛来します。
一番手っ取り早いのは、照明を消すことです。
家の中からすれば、これは「環境リスク対策」です。
「外部侵入要因昆虫」であるアリに対し、「環境リスク対策」を行うわけです。

 

ちなみに私の家では、夜のバルコニーでの照明に、ナトリウムランプを使っていました。
一般的にこれまでナトリウムランプは安価で明るく、虫の目から見ても割と眩しく見えない、つまり誘引力がないランプとされてきました。
まあ今はLEDがありますので、そちらのほうが更に明るく、誘引力がないのですが。

ただしそれでも、このように羽アリの多量飛来を受けている。
つまり、周囲から不必要に昆虫(羽アリ)を誘引してしまった。
また私のうちはマンションの10階なのですが、飛翔力のある羽アリはこの程度の高さはたやすく飛来してしまうのだ、ということを初めて身をもって知りました(笑)。
そういえば本当に時々ですが、ユスリカ類も集団で飛んでくることがあります。
ユスリカ、以外と飛ぶんだなって、これまた初めて知りました。

これがプロのワザ!羽アリを近づけさせない方法

更に、プロのもう一手を教えましょう。
自分がいるところから離れたところに、捕虫器を付けて置いておくんです。
すると、昆虫(羽アリ)は皆、そちらに集まってしまいます。
何故か。
通常の照明より、この青白いランプの照明のほうが、虫を集める力が数十倍くらい違うからです。

私も早速部屋から捕虫器を持ってきて、端のほうに設置。
ついでに粘着トラップでの捕殺も可能です。

 

そもそも、虫の目と人間の目は、光の明るさにズレがあります。
それは人間と虫の目では紫外線域が違うからです。
この波長を利用したのが、捕虫器です。
あの青白い誘虫ランプは、人間の目から見てもそう明るくは見えませんが、虫の目からは滅茶苦茶眩しく見えるのです。
一般的な蛍光灯の数十倍は、向こうのほうが明るく見える。

この波長域の話は、詳しく前に記事に書いてますのでそちらをどうぞ。

 

要は、照明より虫が集まりやすい捕虫器を遠くに置くことで、こちらに集まってきてしまった虫を捕虫器側に遠ざけてしまう、ということです。
仮に部屋の照明や外部灯火を消したとしても、一旦集まってしまった虫(羽アリ)はそう簡単に他所に行ってくれません。
ですから、集まってしまった虫を、より強力な誘引力によって別箇所に寄せればいい、ということです。
この方法は、かなり効果的ではあります。
だって元々灯火に誘引された虫なのですから、光では非常に誘引しやすいのです。

ただし、この方法には問題というか注意があります。
それは、より強い誘虫力によって、更に虫を自然界から呼び寄せてしまいかねない、ということです。
だから、虫の呼び込みをしないように局所的に使う必要があります。

時折、田舎のコンビニなどで電撃式殺虫期が屋外にぶら下がっていることがあります。
専門家なら、あんな方法を採用しません。
あれではかえって遠くから虫を呼び集めてしまっています。
だから、外部に捕虫器を設置することはかなり難しいのです。
(出来ないわけではありませんが、一方向のみに光を出すなど、かなりの研究と工夫が必要です)

なお捕虫器に集まった羽アリは、スプレー式のエアゾール剤で駆除します。
羽アリはそれほど薬剤に強いわけではありません。
しかも光に集中しているので、一斉駆除がしやすい状況です。
かくして、やっと我が家のバルコニーにも平穏が訪れました。

シロアリとの違い

ところで、うちの嫁さんが「これシロアリ!?」と叫んでいました。
羽のあるアリというと、やはり一般的にはシロアリのイメージが強いのでしょう。
ですが違います。一目瞭然で違います。

クロアリは、前後の羽の大きさが違います。
またお腹に「くびれ」があり、触覚がくの字状に曲がっています。
クロアリはどちらかといえば生物的分類としてはハチに近いのです。

またシロアリが多量に飛び立つのは、春から初夏にかけて。
真夏ではちょっと時期が遅いですね。
加えて、シロアリの羽は取れやすく、多量飛来すると羽が散らばっていることがよくあります。
一方羽アリの羽はそう簡単には取れづらく、羽があるまま死んでいます。

クロアリの特徴
  • 前後の羽の大きさが違う
  • お腹に「くびれ」がある
  • 触覚が「く」の字状に曲がっている
  • 飛来時期は、6~8月が多い
  • 羽がついたまま死ぬ

 

シロアリの画像がないのでわかりづらいですね(汗)
右のほうにいる羽の生えたものが、シロアリの羽アリです。

 

シロアリの特徴
  • 細長く、羽が長い
  • 前後の羽の大きさが同じ
  • 体が寸胴で「くびれ」がない
  • 触角が真っ直ぐ
  • 飛来時期は、4~6月が多い
  • 羽が散らばりやすい

 

羽アリが家の中に入ってしまった場合

この日は大丈夫でしたが、時折家や店の中に羽アリが入り込んでしまった場合はどうすればいいでしょうか。
この場合にも、防虫対策の「極意」が役立ちます。

まず、先にも書きましたが、羽アリは「外部侵入要因昆虫」です。
ですから「侵入リスク対策」を行い、これ以上被害を食い止めることが優先されます。
窓やドアをしっかりと閉めます。
網戸にしても、家庭使用程度の網戸ではその隙間からアリは侵入が可能です。
窓を閉めてください。

次にすべきは、「拡散リスク対策」
つまり、「すぐ殺す」ための対策です。
侵入したアリを広がる前に一部屋に集めてスプレーなどで駆除します。
毒餌(ベイト剤)はこの場合、羽アリには効きません。
毒餌は、羽のない働きアリがそれを巣にもっていって餌になって初めて効果を出すものです。
羽アリには効果ナシ、と思ってください。

侵入したアリに女王アリがいれば、家の中に巣を作られる危険があります。
ですから、「発生リスク対策」もしておいたほうがいい。
またうちのようなマンションでもクラックなどに営巣される場合があります。
アリが出た翌日は周囲を見て回り、付近での営巣がないか確認したほうがいいでしょう。

まとめ

真夏に時折発生する、羽アリの多量飛来。
前回、今回と我が家で実際に起こった問題を例にお話させていただきました。

最後に一点。
もしシロアリが飛来していたのであれば、直ちに専門業者を呼んだほうがいいでしょう。
私も10年くらい前まではよく調査、駆除とやっていましたが、なかなか一般の人では完全駆除が難しいものです。

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