このところの猛暑で急激に活性化してきているゴキブリ。
そこで今日はゴキブリ対策について、お話したく思います。
しかもこれ、私の家での実話です。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のテーマ:マンションで出たクロゴキブリ対策

ケーススタディ・ザ防虫対策。
ただ虫の生態や論文のパクリを乗せているだけの他と違って、「工場の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、「実際に実施し、効果があったこと、なかったこと」「現場に即したリアルな対処方法」を、ここではお教えしてきます。

というわけで、今回のテーマは、こちら。

「マンションで出たクロゴキブリ対策」
です。

と言っても、すでにお気づきかもしれませんが、今回の話は「このところ、やたらゴキブリ案件が増えたんだよね」という前回の話を受けてのものです。
勿論読まなくても理解出来るようになっていますが、もしよろしければそちらを参考に読んでみてください。

なお、今回のテーマの対象は、このところ外部環境で活性化している「クロゴキブリ」、「ワモンゴキブリ」についてです。
それらの生態などは上の記事を参考にしてください。今回は繰り返しません。
飲食店などで目にする「チャバネゴキブリ」(小さく茶色いアレです)については、これまた別の記事で書いてますので、そちらをどうぞ。

また、クロゴキブリについては、実は以前「ケーススタディ・ザ防虫対策」で取り上げています。
こちらもあわせてお読みいただくと、より理解が深まるかと思います。

さて。
今回は虫屋、衛生管理屋の専門家である私の体験を元に書いています。
つまり、つい先日、私の家で実際に起こったお話です。

遂にウチにもGが出た!侵入ルートを探せ!

さて、私はマンションの10階とそれなりな高所の部屋に住んでいます。
ゴキブリは地下の下水やゴミ捨て場などに生息していますので、一軒家や低層で問題になります。
だからこれまで、ゴキブリが家の中に出るようなことは、10年以上ここに住んでいますが、ほとんどありませんでした。

しかしこの間。
仕事からウチに帰ると、娘が部屋にゴキブリが出たと大騒ぎしていたのです。

どうやら窓を開けていたようなのですが、そこから入ったらしい。
では10階の高層まで、ゴキブリはどう移動したのでしょうか。

飛んできた。
うーん、それはありませんね。
ゴキブリがいくら飛翔能力があるとはいえ、このレベルの高所まで飛んでくるとは思えない。
クロゴキブリはよっぽど必要がないと飛びません。
それもブンブンと飛び回るようなことはまずしない。
ましてやマンションの高所にまで自力で飛んできたなんてのは、なかなかないかと思います。

外装の壁面を伝ってきた。
ないわけではないでしょうが、うーん、どうだろう。

恐らくの理由はこれです。

高層階までのゴキブリの移動経路
  • 雨水管内を登ってきた
  • 荷物などに付着して持ち込まれた

 

まあ、恐らくは雨水管の中を伝って、10階まで来たのでしょう。


フジクス株式会社

基本的にクロゴキブリは下水内や排水内に生息しています。
だからこうしたパイプ内を経て、上まであがってくる。
そういうことは、ないわけではないでしょう。
それでも10階まで上がってくるのはなかなかないのでは。
ゴキブリは餌や住処を求めて移動しているのですから、餌も何もないところをゴキブリは高層まで登ってくるメリットはこいつらにもない。
途中下車すれば良かったのに。

そしてもう一つ考えられるのは、台車などに付着したまま持ち込まれるケースです。
え!?と思うかもしれませんが、これ、意外とあるものです。
寧ろこれ以上の高所の施設で目撃されたら、これを疑うべきかと思います。
私たちへの相談にも時折ありますが、ウン十数階でゴキブリがいた、なんてのは、ほぼほぼこのパターンです。

プロの自宅でのG捜索

さて、自分の部屋に入ったGに、私に助けを求めてきた娘。
仕方ないので、殺虫剤スプレーをもってゴキブリ捜索に。
そう、まずは生息調査です。
どこに問題(G)がある(いる)のか。
1匹なのか、そうじゃないのか。

ちなみに、「家の中に入って行方が判らないクロゴキブリを探す」には、ピレスロイド系のスプレー剤が一番です。
何故ならこうしたスプレー剤(エアゾール)などのピレスロイド系薬剤には、「フラッシングアウト」といって、隠れているゴキブリや昆虫の追い出し効果があります。
前の記事にも書きましたが、ピレスロイド系の薬剤にはこのような特徴があります。

ピレスロイド系薬剤の特徴
  • 即効性が高い
  • 忌避効果が高い(フラッシングアウト効果が期待できる)
  • 昆虫への効き目が高い一方で、人畜への安全性が高い(選択毒性が高い)
  • ただし魚毒性は高い
  • 残効性が低く、分解性が早い
  • 安価で入手しやすい
  • 抵抗性が養われやすい

 

 

 

さて、軽く散布してみたものの、反応がない。
反応がないということは、そこにいない、ということです。
ゴキブリの移動能力は高いので、もう別のところに移動した可能性が高い。
ではゴキブリは何処に行ってしまったのか。
「部屋に入ったゴキブリはどこに向かうのか」。

ゴキブリは水がないと生きられません。
ゴキブリにとって乾燥は、寒さと並ぶ大きな敵なのです。
というのもゴキブリは、水だけでかなり長い間生きていられますが、しかし水がないと1週間と生きられないのです。
ゴキブリが水回りで生息するのは、水が生死を握っているからです。

 

だからゴキブリが家や施設内に入ると、まず水場を求めます。
シンク、トイレ、キッチン、洗面所、洗濯機周辺、お風呂、など。
家の中に侵入したゴキブリは、こうした自分が生息するための水回り付近を求めて徘徊します。
なので、次はそうしたところにスプレーを散布し捜索する。

次に怪しいのは、パソコンなどの機械回りや、冷蔵庫の下、コンセント回りなど。
熱源ですね。
こうしたところは他箇所よりも温かいので、ゴキブリの生息に向いています。

さて、それでもなかなか見つからない。
そこで誘引剤付きトラップを配置します。
ゴキブリの生息箇所調査とモニタリングです。
設置する場所は上のようなところでよいでしょう。

G発見と駆除、そして事後処理

調査、モニタリングを初めて三日目のこと。
夜、一番最初にお風呂に入った娘の悲鳴が、またもや家じゅうに響きました。
駆けつけると、なんと風呂場の壁面にゴキブリが。
こいつかー!(↓)

 

ようやくここで殺虫剤で駆除し、無事解決。我が家にもやっと平穏が訪れました。

さて。無事Gを駆除した我が家。
最後に、再発防止対策。
忌避剤をスプレーします。
雨が降ったらオシマイですが、ゴキブリの侵入防止の効果を発揮します。

ちなみにゴキブリの忌避剤は、一般家庭の使用にも有効です。
何故なら、ゴキブリは積極的に一般家庭内に侵入するわけではないからです。
そのほとんどが餌を求めての迷入です。
だから、外部との接触箇所への忌避剤散布は、それなりに効果的です。

こうした薬剤には幾つか種類がありますが、なかでも私が使用した限り、効果が高いのはこちら。
バルサンさんの「待ち伏せスプレー」。
これ、薬剤が強いのが難点ですが(なので使う場合は手袋とマスクを絶対にしてください)、しかしプロからもお薦め出来る商品です。
実際にこの忌避効果、かなりあります。
数年前あまりの効果の高さにメイカーの営業さんも自信たっぷりでしたが、成る程確かによく効く。
ゴキブリ以外の歩行性昆虫にも効果があります。ゲジやヤスデ、ダンゴムシ類など土壌由来の害虫にお困りの方にもお薦めかと。
しかし夏季はときに雨風や日光で薬剤が分解してしまいがちなので、こまめな散布が必要です。


株式会社バルサン

プロがどのようにゴキブリ対策を行ったのか

かくして、平穏を取り戻した我が家。
さて、ここで一連の私の駆除の流れを見てみましょう。

ゴキブリ対策の流れ
  1. 生息調査による現状把握①(スプレー剤によるフラッシング調査)
  2. 生息調査による現状把握②(誘引剤トラップによるモニタリング)
  3. 要因の確定(①,②の調査結果データから外部侵入要因と確定)
  4. 是正措置①:問題の除去(駆除施工)
  5. 是正措置②:再発防止対策(外部侵入要因のリスク軽減):環境リスク対策、侵入リスク対策
  6. モニタリングの継続(効果判定と再発リスクの監視)

 

ゴキブリがいたという「問題」の発生に対して、私は「生息調査」を行いました。
現状把握。まずはそこからです。
スプレーでのフラッシングで、娘の部屋にどのくらいGが生息しているのか、見たわけですね。
ところが問題は見られなかった。
既に問題が転移している。
だから、今度はトラップによるモニタリングで、問題の拡散状況を調査した。
これでも捕獲がない。
となると、まず「内部発生」ではないことがわかりますね。
だから、これが「単体で外から来たものだ(外部侵入要因)」と判断しました。
「要因の確定」です。

さて、モニタリングとは、リスクに対する継続監視です。
ですからこのままモニタリングを継続し、問題を監視しようとしていたのですが、翌日、お風呂場でGが、つまり問題が、見つかった。
そこで駆除します。
「是正措置その1、問題の除去」ですね。

さて、この問題は上の通り、「単体で外から来たもの(外部侵入要因)」です。
かたや室内の問題、つまり他のゴキブリの生息はモニタリングによってリスクがないことがわかっています。
となれば「外部侵入要因」、つまり「外」に要因があるのだから、「外にいることのリスク」、「外から入ってくることのリスク」を減らせば、再発は防げます。
そこで、是正措置②、再発防止対策。
「環境リスク対策」として忌避剤を雨水口に散布し、また「侵入リスク対策」として忌避剤をドアに散布しました。
トラップはそのままひと夏置いて、このままGのリスクを継続監視します。
これは「発生リスク対策」と、今後のリスク監視のためのモニタリングが目的です。

 

 

どうでしょう。
この手順と選定は、非常に重要だったりします。
いってみれば、防虫対策の要です。
細かなワザもいいのですが、今回のケーススタディでは、出来ればここをこそ学んでいただきたいのです。
工場でも、店舗でも、一般家庭でも、防虫管理の基本はこれ、どこに行っても変わりません。
あくまで調査して「評価」し、「問題」の「要因」を確定させ、それに対する「対策」を行う。
これも変わりません。

これらの考え方は、何においても重要だということがわかるかと思います。

で、実はこれ、一般家庭でのゴキブリの問題でも全く同じです。
にも関わらず、ネットでは短絡的な素人対策ばかりが溢れています。
そこですぐ近いうちに、一般家庭においてのゴキブリ対策についても書こうかと思います。

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