このところ続いている記録的な連日の猛暑。
そんな中、やたら元気を増している存在がいます。そう、ゴキブリです。
今日は夏のゴキブリについて、お話いたします。
改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所と申します。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。
ゴキブリが増えている!?
いやあ、毎日ほんと暑いですね。
これを書いている8月9日の東京都の気温は35度以上!
しかも、連日4日も続く、過酷な猛暑日。
なんでも東京で4日間連続で猛暑日になるのは2015年以来、4年ぶりだとのこと。
こう暑いと、もう何もしたくなくなる。
余りに暑すぎて、元気すらなくなりがちですよね。
しかし、そんな中、急激に元気を増している輩がいます。
そう、
ゴキブリです。

ここ2週間くらいでしょうか。
先月末の梅雨明けから、私たちのところでも急に問い合わせや連絡が多数入ってます。
とくにこの1週間は、そんな声をお客様のあちこちで聞いたり対応してきました。
いや、確かに6~7月にかけても、結構あったんです。
ゴキブリ案件、いつもより多いかなって思ってた。
今年はやや多めだなあ、という印象でした。
でもここのところは、それが滅茶苦茶増えている。
やっと今年のトレンド問題種、アザミウマが減ってきたかなーって思っていたら、今度はゴキブリですか…。
特に東京などの都市部は、そうした傾向があるように思います。
勿論、これらは統計データがあるわけではありません。
あくまで体感のお話。
まずはそれをご理解ください。
ただし、私たちは素人ではありません。よってこれは日々、衛生管理や防虫管理に触れている、虫屋のプロの感覚です。
それも一つの工場や店舗だけではなく、広域エリアの様々な種類の現場に対応し、ありとあらゆるデータに通じている、生粋のプロが「急にゴキブリの活動、捕獲、問題が増えてきた」と言っているのです。
尤も、「ゴキブリが増えたなあ」という感覚は、数年に一度程度のスパンで到来します。
ですから決して珍しいわけではない。
それともう一点勘違いして欲しくないのは、何もこれ、ゴキブリの固体数自体が増えている、という話ではありません。
勿論、活動が活性化すれば繁殖力や成長スピードも自ずと高まります。
でも、わずか1週間だとかそんな短期スパンでの話ではありえません。特にクロゴキブリの生態サイクルは長期的なのですから。
そうではなくて私がここで言っているのは、このところの暑さでゴキブリの活動が活性化し、工場や店舗でのゴキブリの捕獲数や目撃数、それによる私たちへのお問い合わせが急激に増えている、という意味の話です。
そのあたり、誤解なきように。

どんなゴキブリが増えているのか
まあ、多くなっているかどうかはさておいて。
このところ私たちへのお問い合わせでとくに目立っているのは、「クロゴキブリ」と「ワモンゴキブリ」です。
内部発生要因種である「チャバネゴキブリ」は、普段通りかな、といったところ。
尤も「チャバネゴキブリ」は内部発生なので、年中問題になりますし(まあそれでも確かに夏場は多いですけど)、年単位での変動はあまりありません。
それより、気温や天候などといった外部環境の問題なのでしょう。
要するに、この猛暑の中、外部環境で暑いのが得意な「クロゴキブリ」と「ワモンゴキブリ」が活性化してるんです。
これは間違いない。
さて、この二種について、もう少し探っていきましょう。
前者の「クロゴキブリ」ってのは皆さんご存じですね。
あの黒光りする、「G」。アイツです。

- 体長3~4㎝
- 光沢のある黒褐色
- 暗く湿った場所を好む(主にゴミ廃棄所や下水などで生息している)
- 比較的寒さにも強い
- 活動期は5~10月、卵または幼虫で越冬する
- 工場内での内部発生は比較的しづらい(家庭でも同様)
- 幼虫期間は約240日、成虫寿命は約200日と、非常に長期的
- 卵鞘(卵)を産み落とし、唾液で他に固着させる
- 夜行性である
クロゴキブリに関しての詳細は、これまでも記事に書いてます。
そちらをご参考にしてください。
ワモンゴキブリについて
かたや。
一般的には聞き慣れないかもしれませんが、「ワモンゴキブリ」もこのところ、急激に増加している印象です。
恐らく「ワモンゴキブリ」のほうが、どちらかといえばガチに熱帯性のゴキブリなので、この暑さで活性化しているのでしょう。
さて、このワモンゴキブリ、こちらではお初の登場となります。
ご紹介しましょう。
ワモンゴキブリはクロゴキブリよりもちょっと赤みを帯びた茶色で、そしてクロゴキブリよりも、更に体が大きい。
何せ国内生息ゴキブリの最大種ですからね、かなりデカイです。
ですから、見た目のインパクトが、クロゴキブリよりあります。
それから、クロゴキブリより熱帯性な分だけ、寒さに弱い。
20度以下では活動が止まってしまうんです。
だからこいつらは普段何処にいるかというと、地下の下水で生息しています。
地下に流れる下水は冬でも温かいから、こいつらが生きるにはうってつけなのです。
それが、暑い夏になるとはい出てくる。
そして店舗やら家やら施設やらに入ってくる。
こいつらがマンホールからわらわら出てくるさまは、正直我々でもヒくくらいのインパクトがあります。

- 体長4~5㎝以上(クロゴキブリより大きい)
- 淡褐色で、前胸背板にリング状の斑紋(輪紋)が存在する
- 温度が高く、暗く湿った場所を好む(主に下水や地下室などで生息している)
- 寒さに弱い
- 活動期は夏季(20度以上)
- 幼虫期間は約180日、成虫寿命は約600日を越え、非常に長期的
- 内部発生は比較的しづらい(家庭でも同様)
- 夜行性である
熱帯性のワモンゴキブリは、昔は日本の南のほうにしかいなかったんです。
それが温暖化のせいか、本州でも普通に見られるようになった。
今や、東京の下水はワモンゴキブリの巣窟となってしまっています。

ゴキブリの増加理由と今後の予想
急激にゴキブリが増えたように思う、その最大の要因は恐らく、このところの猛暑です。
勿論、暑ければイコール活性化するのかといえばそんなことはなく、他にもあるのでしょう。
ですが、その一方で一般的にはゴキブリも35度近い環境下では活動が大きく鈍る、とも言われています。
というのも、一般的にゴキブリの活動温度は20度~30度と言われているからです。
いや、猛暑だと30度越えるじゃね?と思われそうですね。
そう、確かに、さすがに35度越えの猛暑美の日中に、じりじりと高熱のアスファルトの上をゴキブリがわさわさと生息している、とは言いません。
ですが、日陰や湿った箇所はゴキブリにとって、格好・適温な生息環境になりがち。
恐らくそうしたことで、このところ活動力が増しているのではないでしょうか。

いずれにせよ、ゴキブリの活動ピークは8月です。
次月、9月も過ぎると、少しだけ活動が落ち着いてきます。
ですが。
今度は初秋からゴキブリは繁殖期に入ります。
つまり冬に向けて卵鞘と呼ばれる卵の固まりを、作り始めます。
そしてゴキブリはこの卵鞘を抱えながら行動し、ここぞという箇所に産み落とします。
これが孵化するのが、秋、あるいは冬季を終えた来春です。
つまり、夏季の活動の活性化は、この後の繁殖に大きな影響を与えるのです。

まとめ
今回は、最近急激に増えてきたゴキブリの話を致しました。
先述の通り、このところの猛暑で活動力が高まっているのでしょう。
次回は、そんな増加しているクロゴキブリの一般家庭での防除方法について、お話いたしましょう。
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・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
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