食品衛生のプロが教える、食品業界の裏側。
今回は前回の続き。異物混入について、そもそも「異物混入」における「異物」には何が多いのか、という話を、より具体的にしていきたいと思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

「異物混入」データを見てみよう

異物混入対策の専門家である身から、異物混入における「異物」とは何が多いのか。
前回に引き継いで、今回は後編をお話していきたいと思います。

 

さて、ネットという広い情報の海を探せば、あちらこちらに各自治体による苦情報告内容がデータとしてあがっています。
これらは、先の通り必ずしも実状を示しているわけではないけれど、それなりに実状を反映してはいるものです。
例えばこんなもの。

 

これは東京都の苦情発生データを資料としてまとめたものです。(2012年度)
さあ、どんなことがここから見えるのか。
少しばかり深掘りしていきましょう。

専門家は異物混入データをこうやって見る!

異物混入の専門家は、どのようにデータを見るか。
お教えしましょう。

誰もがぱっとみて、ここから
「そうか、異物混入の異物は、虫が一番多いのか!」
「ガラス・石・金属や毛髪なんかも多いんだ!」
って普通に判りますよね。
でもこれをもう少し考えていきます。

まずこれは「東京都の苦情データ」ということだけあって、そこにバイアスが加わっていますから、それを考慮すべきです。
つまりこれ、要するに飲食店における衛生管理データなんですね。
というか、そうとしてしか参考にならないデータです。
なにせ東京ですから、それこそとんでもない数のお店が密集している。
そこでの問題を統計したものです。
結果、食品工場で製造したものを、飲食店が調理加工する。
その際に生じる異物混入しか、このデータからは見えません。
どういうことか。説明していきますね。

例えば、成る程、異物混入要因としては「虫」が圧倒的に多い。
そりゃそうでしょう、
都内の飲食店はどこでも「チャバネゴキブリ」に悩まされていますからね。
ですから混入しているものの多くは、ゴキブリです。

それと「毛髪」を「人毛」と「その他動物性」に分けている。
恐らくこれは、「鼠」の問題があるからでしょうね。
ゴキブリ同様に、都内の飲食店はその多くが「鼠」に悩まされています。
鼠の毛や糞なども異物要因に成り得ます。

またタバコや絆創膏があるのも、如何にも飲食店の問題らしい。
こんなものは製造工程上で、今時期滅多に混入しないものです。
製造室内ではタバコの持ち込みは厳禁でしょうし、マスクもしています。
絆創膏だって同じ。製造時に入ったらそれ、黄色ブドウ球菌の固まりです。

更に言えば、ガラスや金属片などが割合としてこれだけ多いのも、飲食店ならでは。
こうした健康被害に直結しやすい異物混入は、製造工場なら真っ先にリスク対象です。
(それでもたまに出ちゃうんですけど)

一方で、原材料由来のものが少ない。
植物片とか骨片とかね。
これは、あるには恐らくあるのでしょうが、他の数値に埋もれてしまっているのでしょう。

それと、そもそも「ガラス・石・金属」って、本来一緒くたにしてはいけないものを一緒にしていますね。
何故一緒にしてはいけないのか。
同じ硬質異物でも、要因が違うからです。
ガラスは設備構造問題、石は多くがこれまた原材料由来です。金属は様々ですが、原材料由来もあります。このように対策が違うものを一緒にしていることになる。
こういう扱いをするのも、店舗・飲食店への指導をメインに見ているからでしょう。

つまりのところ、工場や食品メイカーでの異物混入状況がこれじゃ全然判りません。
どういうことかといえば、つまりこのデータは飲食店の衛生管理対策としては非常に有益ですが、製造工場のデータとしては実状を表していないので余り使えない、ということになります。
そして、東京都に限らず行政が出しているデータはこうしたものが多いのです
(まあそれでも自治体としてデータがあればまだいい方ですが)

検査企業に情報が集約する理由

つまりこれは、東京都内の行政、保健所などに寄せられた飲食店を主とした異物混入の苦情の分類です。
というわけで、工場の異物混入対策データとしては余り使えない。

更に言うなら、東京都内は地価が高いので、工場自体が非常に少ない。
いや、全くないわけでは勿論ないですが、余りに小規模ばかりな上に、業種もかなり偏っているものです。

じゃあ東京には異物混入情報のカギはないのかといえば、実はそんなことはない。
東京には多くの食品メイカーの本社や研究部門が固まっています。
彼等の元には実際に裏で起きている異物混入の情報が集約されているのですが、前回お話したように、しかしながらそうした情報は保健所などの外部には出ないのです。

ではどこがそんな情報を握っているのか。
小さな飲食店で異物混入が発生した場合、それがどんなものかまでお金をかけて分析し、報告書を作成する、なんてことはほとんどしないことでしょう。
ですが、大手のチェーン店や食品メイカーは別です。
そうした場合、取引のある検査企業に異物検査を依頼します。
そう、前回お話したように、だからこそ、こと工場や食品メイカーにおける異物混入は、検査企業が握っているのです。

異物混入の「異物」は何が多いのか

それでは飲食店、工場などを含めた、異物混入の「異物」は何が多いのか。
件数はさておいて、検査企業データなどを見てランキングしてみました。
多少の差こそあれ、おそらくこんな実体になっていると思います。
普通の衛生管理の専門家なら頷くんじゃないでしょうか。

では上位について、少し見てみましょう。

やっぱり「虫」が多い

多いのは、やっぱり「虫」です。
ただし飲食店で多い「ゴキブリ」は、工場ではそれほどに突出して多くはないものです。
しかし製造現場で発生するコバエ類などが、その替わりに多くを占めます。
業種にもよりけりですが、貯穀害虫なども多いですね。

未だに多い毛髪の異物混入

毛髪混入は、一頃より随分と減っています。
これは各社の努力の賜だと思います。
ですが、やはり今だに根強い。
人がいる以上、根絶が難しいテーマです。

種類が多い樹脂の異物混入

樹脂は要因が様々です。
ですが、定番はあります。
作業中に破れたビニール手袋の破片や、調味料などを入れている資材用の外装。
何かの留め具だったり、取れたインシュロックだったり。
様々な製造工程に使われるものだけに、バラエティに富んでいるのが樹脂の異物混入です。

原材料由来が多い植物片、骨片、石

植物片は、原材料に由来することが多いですね。
骨片や石もそう。
精肉などや魚介などを扱う工場では、この異物混入が多いです。

まとめ

前回、今回と、異物混入の「異物」は何が多いか、というテーマについて、専門家の立場からあれこれお話させて頂きました。
このように、異物混入から見えてくる情報は、かなり幅広いものです。
これらを参考に、ご自身の異物混入対策を考え直してみてください。

 

 

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