シバンムシ。
一回出てしまうとなかなか駆除しきれないこいつを、夏季の長期休転を使っていなくさせるには、どうしたらいいか。
今日はそんなことをお話したく思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のテーマ:長期休転中にシバンムシを死滅させる

ケーススタディ・ザ防虫対策。
ただ虫の生態や論文のパクリを乗せているだけの他と違って、「工場の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、「実際に実施し、効果があったこと、なかったこと」「現場に即したリアルな対処方法」を、ここではお教えしてきます。

というわけで、今回のテーマは、こちら。

「長期休転中にシバンムシを死滅させる」
です。

と言っても、すでにお気づきかもしれませんが、今回、実はこのところのお話の総括となっています。
つまり、貯穀害虫を知って、その生息を調べる方法を知って、実際に生息の有無や発生源を探して、そして夏季の長期休転を使って駆除する、とそういう流れです。

貯穀害虫を完全駆除するために
  1. 貯穀害虫を知る
  2. その調査法を知る
  3. 生息の有無、発生要因を実際に探る
  4. 長期休転中に完全駆除する

 

というわけで、この1から4は既に順を追って様々な形でお話してきた通りです。

まず「1.貯穀害虫を知る」は、こちらを。

「2.その調査法を知る」は、こちらを。

そして「3.生息の有無、発生要因を実際に探る」は、実跡編の前回ですね。

さあ、それを踏まえて「4.長期休転中に完全駆除する」は、こちらでも少しばかり触れました。

今回はこの記事の、もう少し実跡編、シバンムシ編を行おうかと思います。
よって、これらを読まれていない方は、その前に上の記事からお読みいただくといいかと思います。
(読まなくても有る程度は理解出来るようになっていますが、合わせて読まれたほうが理解は深まるでしょうし、効果も高くなるでしょう)
なお、同じような貯穀害虫であるメイガに困られている工場も、同様のお話になりますので是非お読みください。

シバンムシは完全駆除が難しい

さて。
最初に少しだけ復習。
シバンムシ類について紹介いたします。
シバンムシ類とは、2~3mm程度の楕円形の昆虫です。

代表的なのは、「タバコシバンムシ」と「ジンサンシバンムシ」。
いずれも乾物や穀粉を食害します。
一般家庭でもしばしば発生し、乾果、乾パン、海苔、昆布、鰹節、乾麺といったきわめて多くの種類の乾物から、果ては畳、健在なども食害する…とウィキペディアにはあります(笑)。
が、要するに工場では乾いた古い粉モノが好きな昆虫だと思ってください
よって製パンや米飯、菓子類、調味料などなど、小麦粉や米やその他の粉を使う工場では大概問題になっているのが、このシバンムシ類です。

そして、シバンムシ類ほど厄介な内部発生昆虫はいない。
何故なら、一度発生してしまうと完全駆除が本当に難しいからです。
本当にいなくさせることが難しいのが、このシバンムシ類です。

シバンムシの完全駆除が難しい理由
  • 粉溜まりの中にいるので薬剤が到達しない
  • 成虫が広く粉に分布するので局所的な対策では効果が出ない
  • 日々粉溜まりは生じるため、根源的な環境対策が難しい
  • 目の届かない箇所に粉溜まりが生じやすいため発生源の特定が難しい

 

まず、一般的な薬剤施工ではシバンムシ類を駆除しきることは出来ません。
何故ならシバンムシ類は粉の中にいるからです。
ですからエアゾール剤(スプレー)を掛けても、粉の表面だけで、中にいる虫には効き目がありません。
そのうち薬剤は空気中で分解し、次第に効果が低下します。
昆虫の致死量まで触れないと薬剤の効果はないので、シバンムシは生存することになります。
イメージ的にはこんな感じ。
だから、シバンムシを駆除しきれない。
いくら掛けても、いくら場内を薬剤で満たしたって、届かないのだから死なない。

丁度こんな状況です。
これじゃあ薬剤をいくら掛けても効き目がないでしょう。

また、粉溜まりって一箇所にどん!とあって、「ほらここにいるよ」っていうわけではないのが一般的です。
自分の工場を見てください。
製造工程で穀粉を使えば、穀粉はあちあこちらに散らばります。
そうした粉を食べているので、ある一箇所だけを清掃したって、シバンムシ類は別の箇所にいくだけです。

こんなイメージ。
いや、これなら多少の効果はあるでしょう。
でも、実は大概の場合は、こうではなくこういうケースが多いんです。

つまりどこかに判らない発生源があるのに、小さな生息源ばかりを駆除してる。
これは「発生要因の究明調査結果が間違っている、足りていない」ために生じています。
プロがやったってよくあるケースです。
こりゃ効果があるわけがない。

しかも、完全駆除がなされない場合、生存したシバンムシは日々の製造で生じる穀粉の粉溜まりを探し、そこでまた内部発生を繰り返します。

シバンムシ駆除にはまず清掃

このような完全駆除の難しいシバンムシはどうすればいいのか。
まず、第一に清掃です。
何をどう言おうが、清掃が、絶対。
清掃もしないのに、虫なんか減りません。論理としてムリです。ムリなものは業者に言ったってムリです。
一に清掃、二に清掃。三、四がなくて、五に薬剤。こう知ってください、覚えてください!

このように清掃による粉除去なくしてシバンムシ類対策はあり得ませんが、しかしかといってそれが決定打にはならないのがシバンムシや貯穀害虫駆除の難しいところ。
粉溜まりって日々の製造上、どうしたって生じます。
これをなくすなってのがそもそも現実的じゃない。

また、シバンムシ類は古い穀粉から発生します。
意外と新しい穀粉からは発生しないものです。
となると、目に見えない粉溜まりが、どこかにある。
例えば、こういうケースでよくあるのが内壁の中や天井裏です。
また排気ダクトの中も吸い上げられた穀粉が貯まりやすい。
こうした見えない箇所で、シバンムシ類は生息、内部発生していたりします。
そこにピンポイントで対策をしないから、問題が解決しない。
こういうケースは、上で言ったように非常に多い。

そもそも、粉溜まりって製造によって生じるものです。
だからその付近で問題が生じやすい。

例えば、スライサーのモーター部の内部とかね。
清掃しませんよね、普段。だって面倒ですもんね。
だからその周辺ばかりを拭いてますよね、毎日。
これ、上の画のやってることじゃないですか?

そして何より厄介なのは、このシバンムシ類は穀粉が大好き。
ということは、原材料や製品が餌になるため、異物混入がしやすいのです。
私も、シバンムシ類が発生している大手パン工場で、パンの中に異物として混入した事例にあったことがあります。

…おっと、少し長くなってきました。
「後編」へと分けることにしましょう。

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