前回、一回出てしまうとなかなか駆除しきれないシバンムシについて、夏季の長期休転を使っていなくさせるには、どうしたらいいかというお話をしました。
今日はその続きです。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

今日のテーマ:長期休転中にシバンムシを死滅させる

ケーススタディ・ザ防虫対策。
ただ虫の生態や論文のパクリを乗せているだけの他と違って、「工場の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、「実際に実施し、効果があったこと、なかったこと」「現場に即したリアルな対処方法」を、ここではお教えしてきます。

というわけで、今回のテーマは、こちら。

「長期休転中にシバンムシを死滅させる」
今回は、その「後編」です。
まだ「前編」を読んでなければ、そちらを先に読むようにしてください。

シバンムシの駆除手順

前回は、「シバンムシの駆除の難しさ」と、そのための「清掃の重要性」について、お話をいたしました。
もう一度言えば、シバンムシ対策には、フェロモントラップによる調査と、それによる生息源の特定。
そして清掃によるそれらの除去。まずはそこからです。
なお、フェロモントラップについてはもう十分お話しましたので、ここでは触れません。
前の記事を参照ください。

 

 

 

さあ、かくして発見、特定された発生源に対して、いよいよ駆除作業を行います。
駆除作業はこれまでも話をしたように「清掃」と「薬剤駆除」の二段回ですが、ここで一応言っておきます。
順序は、清掃、そして薬剤駆除です。
清掃がまず、最初にありきです。

シバンムシ類の駆除手順
  1. 清掃による生息源の除去
  2. 薬剤による生息昆虫の駆除

 

何故清掃が先なのか、は言うまでもありません。
第一に、粉の中で生息している貯穀害虫には、薬剤は到達しない、ということ。
それから、薬剤でいくら駆除しても、生き残りが他の生息源である粉だまりに移ってしまうこと。
前回に話した通りです。

ちなみに随分と過去に一度、「先に清掃したら、死骸の除去清掃はどうするんだ」と言われたことがありました。
私は愕然と呆れ果てながらハアとため息をつき、キッパリとこう答えたことがあります。
あのね、そんなの自分でもう一度清掃しましょう!
大体その程度のことはどこの工場や、ゴキブリ駆除を依頼した小さな飲食店ですらやってるごくごく当たり前以前の話です。
しかもこれ、こういうことを名前を出せば皆が知っているような大手メイカーの、しっかり教育を受けたはずの品管さんが、何の疑いすら抱かずに言ってきたのだから、泣けてくるというもの。
頭を抱えながら本当に、喉のところまでこう出かけましたね。
人や業者に命じてやらせるのが当たり前になっているから、あなたのところは虫が減らないんです、と。

おっと、思わず話が逸れました。
そんなわけで、清掃からの薬剤駆除、が手順です。

ですがこの場合、簡単に清掃ができないケースが多いです。
というか、だからこその長期休転中の駆除なのです。
重点清掃が必要だから、こういうときにやるのです。

どんなところを清掃すべきか

当然、生息源となる穀粉が貯まっている箇所なのですが、意外と目が届かないもの。
そこで具体的に、こんな箇所を清掃するようにしましょう、という例を挙げておきます。
極一例ですし、各所現場によってそれぞれ変わってくるでしょうが、こんなところを疑ってみてはいかがでしょうか。

シバンムシ類(貯穀害虫)の発生源例
  • ミキサーの脚部下や本体内部
  • スライサーなどの機械のモーター周辺や内部
  • 冷蔵庫のモーター部や裏側
  • コールドテーブルや製氷機などのモーター部
  • 棚下
  • 配電盤内
  • 清掃具保管用ロッカーの中や下
  • 掃除機の中
  • H鋼の粉溜まり
  • サイロの上部
  • 床面の溝の内部
  • オーブンの下
  • 排気口や有圧扇(換気扇)内部
  • 照明器具上
  • 排気ダクト内
  • 空調内
  • 天井裏
  • 内壁

 

私が長年見てきたシバンムシ類の発生源例は、こんなところでしょうか。

なかでも難しいのは、天井裏や内壁、ダクト内という場合。
舞い上がった粉が気流にのって、それらの普段目に見えない箇所に貯まり、発生源となってしまったというケースですね。
この場合は、清掃業者による清掃が必要となる場合があるでしょう。

なかでも排気ダクト内が発生源のケース。
こういう場合、多くは吸われたすぐ付近などで貯まっている場合が多いので、頑張れば手が届く、ということもあります。
ですが、かなり奥まで粉溜まりが広がってしまっているような場合、どこかでダクトを切断、取り外し、などの作業が必要です。
また一旦切断や取り外したダクトは、勿論ながら再度接続する必要が出てきます。
こうした場合は専門の業者さんにお願いするほかありません。
ですが、長期休転中の清掃は、業者さんも余り対応してくれないケースが多いです。
そりゃあそうです、誰だってお盆は休みたいもの。
しかもそこに集中するから、早急に依頼するほうがいいでしょう。

一方で、局所的な箇所での発生であれば、清掃で問題が片付くでしょう。
ミキサー内部やモーター内部。
こういうところは、上の通り「清掃こそが対策」です。
いっくら上から薬剤を掛けてもあまり意味がありません。
コールドテーブルなら上板を外して掃除機などで清掃します。

意外なところを幾つか見てみます。
まずは、場内の配電盤内。
滅多に開かないそんなところに古い粉が貯まって発生源になっていた、なんてケースもあります。

それと、なんというか灯台もと暗しというか、掃除機の中で発生していた、なんてケースも。
同様に、本来そんなものを使うべきではないのですが、清掃用具を入れるロッカーなどが現場にある場合、清掃用具自体やその内側、受け皿、さらに構造上隙間となっている下など。
これらは皆、清掃によって成虫や卵を集めたものが処分されきれず、発生要因となったというケースです。
珍しいように見えて、意外と多いものですが、このようなところからも如何に日頃の管理が重要かがわかるでしょう。
勿論、この場合もやっぱり、清掃です。

さあ、それだけやってもまだ虫というのはしぶとく生き残っているもの。
そこで、やっと薬剤による減数措置、「リセット殺虫」が必要になります。

薬剤による駆除

清掃を終えたら、いよいよ薬剤による駆除。
もっとも、これも前に描いた通りです。
そちらを参考にしてください。

ここでは燻煙剤を使うのが最も手っ取り早いかと思います。

もし天井裏で発生している場合。
その場合は、天井の点検口から薬剤を入れて、燻煙します。
排気ダクト内なども同様です。
ちなみに作業時空調は当然ながら一旦スイッチをオフにしてください。

さて、ここで一つ重要なお話を。
何度にもなりますが、薬剤は卵には効果がありません。
だから成虫は殺せても、卵は残ります。
卵が残れば、そこから幼虫が生まれ、成虫となり、交尾してまた卵を産んで、また増殖します。

それを断ち切るためには、実は薬剤施工は2回必要になる。
なので、出来たら燻煙剤は二回分を購入しておくほうがいいでしょう。
二度目の施工は、およそ1~2週間程度後を考えればいいかと思います。

まとめ

今回は、これまでの記事を踏まえながら、シバンムシの具体的な駆除手順を考えてみました。
このことは他の貯穀害虫にも言える話です。
この夏の長期休転中に、貯穀害虫の完全駆除を考えてみてはいかがでしょうか。

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