夏になるとさまざまな昆虫の問題が顕在化します。
今回取り上げる貯穀害虫も、まさにそれ。
今回は、そんな貯穀害虫についてお話したく思います。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

貯穀害虫は、食品工場の厄介さん

貯穀害虫とは、「ちょこくがいちゅう」と読み、米や小麦粉などの穀粉を餌として生息している昆虫のことです。
これらはもともと自然環境下では農業害虫に属しているのですが、食品工場では原材料として使う米や小麦粉などに由来して工場内でも問題となるため、「貯穀害虫」として括られ、特別扱いされる存在となりました。

「貯穀害虫」は、はっきりいって、工場の防虫管理においては結構な「厄介さん」です。
まず「貯穀害虫」の発生源は、先の通り米や小麦粉といった食品製造の原材料です。
そのほか、大豆や豆類、乾燥果実、乾麺、ココア、コーンスターチ、乾物、そのほかあらゆる乾燥食品を加害し、発生要因とします。
だから、まず「原材料に元々入っていた」なんてことも、ありえなくありません。
そして一旦工場に入ってきた「貯穀害虫」は、工場内に住処を求めます。
結果、しばしば食品工場では、貯米庫のサイロや仕込みのミキサー周辺、そのほか穀粉を保管、取り扱うエリアで発生し、問題になります。
つまり製造エリア内で発生しやすい、というのが厄介なポイント、その2です。
しかも、原材料や製品自体が餌なので、製品自体を好んで自ら食害しようとします。
結果、異物混入リスクが高い、というのがまた厄介なところです。
更に言うなら、ライトトラップに誘引されない(捕殺対策が有効ではない)、あるいは袋などを食い破るような類の昆虫がいるのも、困りもの。
加えて、貯穀害虫は乾燥物を好むため、水分が少なくても生きていけます。つまり割と過酷な環境下下でも生存が可能です。
そして何よりも。
餌となる穀粉量は工場内に多量にあるため、しばしば多量に発生しやすく、そして粉体を使うエリアでは穀粉が広くこぼれることから生息が広がりやすく、またそのように広く分布してしまうことから一度発生すると駆除がしづらい、というのが最大の問題ではないでしょうか。

貯穀害虫はここが厄介
  • 大量発生がしやすい
  • 生息の拡散性が高くなりがち
  • 完全駆除がなかなか難しいことが多い
  • 原材料内に混入していることもある
  • 製造エリア内で問題になりやすい
  • 異物混入リスクが比較的高い
  • 走行性が低いものがある(ライトトラップで駆除しづらい)
  • 幼虫期に穿孔能力が高いものがある

 

貯穀害虫の種類

貯穀害虫は全部で100種ほどもいると言われています。
が、なかでも工場において問題になるのは、せいぜい10から20種程度。
また生態も餌も似通っているケースも多いので、その代表例を覚えておけば、よろしいかと思います。

とりあえず、貯穀害虫には「甲虫」のタイプと、「ガ(鱗翅目)」のタイプがあるのだ、とここでは覚えておいてください。

貯穀害虫の代表例

ということで、貯穀害虫の中でも工場で問題になるものは、そのうち数種類のみ。
よって代表的なものをいくつか覚えておくだけで、最初はいいでしょう。
主だったところは以下になります。

シバンムシ類


Wikipedia

まずは、「甲虫」の代表例がシバンムシ類。
2~3mm程度の楕円形の昆虫です。

代表的なのは、「タバコシバンムシ」と「ジンサンシバンムシ」。
いずれも乾物や穀粉を食害します。
一般家庭でもしばしば発生し、乾果、乾パン、海苔、昆布、鰹節、乾麺といったきわめて多くの種類の乾物から、果ては畳、健在なども食害する…とウィキペディアにはあります(笑)。
が、要するに工場では乾いた古い粉モノが好きな昆虫だと思ってください
よって製パンや米飯、菓子類、調味料などなど、小麦粉や米やその他の粉を使う工場では大概問題になっているのが、このシバンムシ類です。
私の経験でも、米のサイロでの米粉や豆腐工場の大豆の粉は勿論、カラシ工場の辛子の粉体、果てはベニヤ板や古い造花などからも発生したことがあります。
ちなみに、シバンつまり「死の番人」というちと厨二ちっくな名前は英名の「death-watch beetle」に由来しています。お、ますます厨二っぽいぞ!?(笑)
よく天井裏などに仕掛けた鼠用の毒餌の粉体から発生することが多いので何となくそうなのかな、となんとなく思っていたのですが、そうではないようです。(笑)(※1)

ノシメマダラメイガ


Wikipedia

シバンムシ類に並ぶ、貯穀害虫の二台巨頭といったら、ノシメマダラメイガでしょう。
向こうが「甲虫」のたぐいの筆頭であるなら、こちらは「ガ」のたぐいの貯穀害虫の筆頭。
いわゆるメイガ科の代表例で、体長7~8mm程度のやや白みを帯びた小さな蛾です。
米飯やチョコレートの工場などで、しばしば大量に発生します。
なお、ノシメマダラメイガの仲間として、スジマダラメイガ、スジコナマダラメイガなどがありますが、生態はそれほど大きく変わりません。
これらのメイガはいずれも光に集まらない(負の走行性)ため、ライトトラップなどでは捕獲できません。
ですから通常のモニタリングでは発生が気付かず、知らない間に多量に繁殖していた、なんてことも起こりかねないのが厄介です。

また多くのメイガは、幼虫期に糸を吐きます。
ですから粉を使ったり保管するエリアの物陰に細い糸状のものが発見されたら、それはメイガの巣である可能性が考えられます。
さらに幼虫は穿孔能力(かじって破る能力)が強いため、ビニールなどの包装資材をたやすく食い破ります。そのため、粉体の散乱要因、はては異物としてもぐりこんでいることもままある昆虫です。

コクヌストモドキ


Wikipedia

先の二大巨頭に比べると少し地味になりますが、コクヌストモドキも工場で発生しやすい貯穀害虫でしょう。
いや、寧ろ、内部発生率からすれば、こっちのほうが遥かにしやすいんじゃないかな。
かなり個人的な感覚なのですが、こいつとヒラタムシはすぐ内部発生する貯穀害虫のトップランカーじゃないでしょうか。ほんと、目を少し離すと、すぐ発生する。

さて、このコクヌストモドキは、主に米に由来した貯穀害虫です。
体長は3~4mm。赤褐色を帯びた細長い昆虫で、米のほか、小麦粉や菓子、パン類などからしばしば発生します。
成虫は飛翔が可能ですが、それほど積極的に飛翔するわけではありません。
ですが、たまに大量に外部で生息、飛来するという事例がどうやらあるようです。
(私はそのような案件に出会ったことはありませんが)

カツオブシムシ


Wikipedia

衣類などを食害する昆虫として一般的には知られていますが、原材料に鰹節やそのほかの動物性たんぱく質の乾物などを扱っている工場などでは問題となりかねない貯穀害虫です。
体長は2~3mm。ぽっこりと丸みを帯びた楕円形で、褐色と黒みを帯びた横帯がまだらな模様を形成しています。
ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシが代表種でしょうか。

…長くなってきましたので、今日はこの辺で。

 

 

※1:ヨーロッパ産の木材食のマダラシバンムシの成虫は、頭部を家屋の建材の柱などに打ち付けて雌雄間の交信を行う習性を持つ、この音は時計の秒針の音に似ているが虫の姿が見えず音だけ聞こえることから、死神が持つ死の秒読みの時計(death-watch)の音とする俗信があり、英名のdeath-watch beetleはこれに由来する。
…ってウィキペディアにはありました。

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