実際に弊社が見てきた様々な事例に基づいて、実学として防虫対策の要訣を学ぶ「防虫対策ケーススタディ」。
今回は、更衣室でのチャバネゴキブリの発生について、一緒に学んでいくことにしましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

更衣室だけでチャバネゴキブリが発生!?

ケーススタディ・ザ防虫対策。
ただ虫の生態や論文のパクリを乗せているだけの他と違って、「工場の現場で起こりやすいこと」、「実際に起こったこと」を例題事例とし、「実際に実施し、効果があったこと、なかったこと」「現場に即したリアルな対処方法」を、ここではお教えしてきます。

というわけで、今回のテーマは、こちら。

「更衣室だけでチャバネゴキブリが発生!?」
です。

たまにあるこの事例。
製造室内では、熱源や水があるにも関わらずチャバネゴキブリが問題になっていない。
普通に考えたらそっちのほうが、チャバネゴキブリには生きるに都合がいいはずだ。
だけど、何故か更衣室だけで、いつもチャバネゴキブリが捕まる。
たまーに、それ以外ではその更衣室の近くの休憩室や食堂、下駄箱などで捕まる。
こういう問題を抱えている工場、意外とあります。
特に都心の工場、心当たりはないですか?
今回はその事例について、原因と対策を考えていきましょう。

どうして更衣室だけ?

この問題を考える前に、少しだけ復習です。

チャバネゴキブリとは、上の写真にあるような、薄茶色のゴキブリです。
その特性など基本的な生態に関しては、既にお話してきたことですので、あまり詳しくは繰り返しません。
以前の記事をまず最初にお読みいただくことをお薦めします。

さて、このゴキブリは、外部では生息が出来ない屋内性の昆虫です。
だからたやすく内部発生するし、すぐに繁殖し、拡散する。
そんな屋内性のチャバネゴキブリが、更衣室に、いる
まずこの事実をしっかりと踏まえることが必要です。

何事も基本って大事です。
問題は「内部」にあるのか、「外部」にあるのか。
つまり「内部で発生している」のか、それとも「外部から入ってきている」のか。
防虫管理の問題は、ここがキモ中のキモ。
これを踏まえていないから、読み間違えているから、大概対策の効果が出ないのです。

いいですか?他のエリアでは捕獲されない。
もし捕獲があったとしても、ポツンポツンと「点」でしか捕獲が見られない。
ということは、そこでは発生していないということです。
何よりチャバネゴキブリの生息範囲はかなり限定的だから、わざわざ「自力」で他の場所にまで移動して繁殖することは、意外と少ない。
食堂で捕まった、じゃあ発生している。すぐそう焦る人がいますが、一呼吸置きましょう。
それは「捕獲された」だけで、「発生」ではないケースがあります。
更衣室だって同じ「かもしれない」。
では、「自力」じゃないのであれば、なぜ更衣室にチャバネゴキブリがいるのでしょうか。
そう、これはつまり、人間の衣類や荷物などに付着して外部から持ち込まれている、ということです。

「げげ、自分の身体にゴキブリがついて持ち歩いている!?」
はい、その通りです。
バッグの中や、ポケットの中、書類の間、その他様々なところにゴキブリの虫体やその卵(卵鞘)を付着させ、それが更衣室で居座って、あるいは孵化して、ロッカーの中などで繁殖した結果が、これです。
つまり、更衣室にゴキブリが居座っている(内部発生している)要因は、「外部侵入」、つまり人による「持ち込み」なのです。
だから、「駆除=内部発生対策」も勿論必要ですが、それ以上に「持ち込み対策=外部侵入対策」が実は一番重要になります。

なんでゴキブリが持ち込まれているのか?

ゴキブリだって何もない無の空間からは生まれません。
さてこういう場合、どこか工場の外部に発生源があって、そこからヒトに付着して工場内に持ち込まれています。
では発生源はどこでしょうか。

どこかご飯を食べに飲食店に行って、そこでもらってきてしまう。
まあ、ない話ではないでしょう。
が、その可能性はやや低い。

ズバリ、結論から言います。
この場合、従業員さんの自宅で、大概は発生しているんです。
だから、いっくら工場内で駆除したって供給されるのだからいなくならないのです。

自宅でチャバネゴキブリが発生する。
私がこのことを知ったのは、15年以上前のこと。
数人のアジア系外国人が住んでいた木造アパートでの駆除依頼を受けたときでした。
現場に着けば、シンク下や引き出しには多量のゴキブリの糞や死骸、卵鞘の跡。
飲食店や工場内でしか発生しないゴキブリが、居住空間である自宅でも発生するのか、とこの時に知りました。

日々の生活空間でワンサカ繁殖しているんだから、そりゃあいつかは何かの拍子に付着して持ち込むこともあるでしょう。
こうやって、日々工場に持ち込まれているのだから、いくら工場内で対策したってキリがない。
こういうケース、私は差別意識や偏見を持ってでは全くなく、ただ経験に基づいて純粋に事実だけを言いますが、外国人の従事者が多い工場によく起こる話です。

さて、ではこれをどう解決するか。
意外と難しい問題です。

まずは生息状況の把握から

要因の目星が有る程度ついたのだから、その実状を把握しましょう。
まずはトラップを用意します。
従業員さんのロッカー分だけ、トラップを用意します。
この場合、誘引剤を使うのも効果的です。
誘引剤は一般的に過度に効果の期待をしないほうがいいでしょうが、しかしロッカーという狭い空間内においてのみでは、有効性も期待できる。

ではこれを、名前やロッカーナンバーを記入し各ロッカー内に置くように指示します。
回収は2~3週間後でいいでしょう。
この場合、犯人捜しをするようにやらないことが重要です。
ゴキブリが多量に捕獲されている事実をウヤムヤにされないことが、何よりも重要だからです。
とにかく全てのトラップを回収し、状況を確認すること。
でないと実状は判りません。
またロッカーは上下左右と連結していることが多いため、必ずしも捕獲された人のロッカーが発生要因ではないこともあります。
そうした事実を伝えて、咎めることをしないように行うことが重要です。

さあ、実状がわかれば、どこが発生源か見えてきます。
どこが発生源かが判れば、次の手だても見えることでしょう。

ピンポイントで駆除!

上の捕獲状況を確認しながら、問題のロッカーをピンポイントで駆除します。
すでにチャバネゴキブリの駆除については、お話した通りです。

これらにもあるように、主にベイト剤を用いて駆除していきます。
ただし、ポイントをいくつかお教えしておきましょう。

ロッカーの中でゴキブリはどこに生息しているのか。
それは長らく放置されている衣類などの暖かい箇所。
あとは、ヘリの裏側などです。

実際にロッカーの中で発生し、駆除施工を行ったケースがこちら。
左側の空間、ロッカー内に段を設置するようなワクの中に、大概ゴキブリはいます。
ですからこの場合、この近くにベイト剤を塗布してあげるといいと思います。
以前にお話したように、配線モールを両面テープで付けてそこに打ってもいいでしょう。

継続的な効果維持のために

さて、ここまでやれば問題はほぼほぼ解決するかと思います。
ですが、ここで一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、ゴキブリが自宅から供給されている以上、いつ問題が再発するかわからない、ということです。
かといってずっとこれを続けるのも大変でしょう。
ですから、数を大きく絞って、月度毎に更衣室をモニタリングすることが必要です。
部屋の規模にもよりますが、およそ四隅プラスアルファ程度で、モニタリングしていきます。
勿論、モニタリングで童貞分析する昆虫種はチャバネゴキブリ1つだけで結構。
コストはより効果的なところにかけるべきですから、他の昆虫種はいりません。
そしてまた問題が広がりつつあるときに、同様の対策を実施する。
これでチャバネゴキブリの問題から縁切りできた工場を、私はいくつもも知っています。

まとめ

今回はチャバネゴキブリが更衣室で捕獲されているケースについて、お話しました。
このケースは意外と実は多いもの。
しかもこれ、放っておくと他の場所に飛び火します。
最悪そのまま人を介して製造室内にまで持っていってしまうケースだって考えられなくはありません。
そうなると大々的、長期的な駆除施工が必要になります。
更衣室という限定的な空間に起こっている初期段階の問題のうちに、早々に手をうつべきでしょう。

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