工場で最もポピュラーに使われている防虫機器、捕虫器(ライトトラップ)。
今回は、前回の基礎知識やその仕組みを踏まえた上で、もう少し捕虫器の特徴についてお話を進めていくことにします。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
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捕虫器の目的

さて、捕虫器(ライトトラップ)の基本的な知識を踏まえた上で、次に実際の現場での使用について、少し踏み込んでいきたく思います。
前回の基礎知識を読んでいない方は、そちらから読むようにしてください。

「そもそも」に立ち戻りますが、なぜ捕虫器(ライトトラップ)を設置するのでしょうか。
ここでその目的を、改めて考えてみる必要があります。
捕虫器というのは、前回にも書いてきたようにその設置エリアにおける昆虫を誘虫ランプによって効果的に誘引してトラップで捕獲する機械です。

もう少し丁寧に説明すれば、そのことは
①設置エリアの昆虫を捕獲する
②捕獲した昆虫を粘着トラップに付着させる(電撃式殺虫機のように虫体を破壊させないで維持させる)
という行為を意味します。
つまりこれらの2点を行う目的こそが、即ち捕虫器を設置する目的となります。

捕虫器(ライトトラップ)の設置目的
  • 捕殺 :設置エリアの生息昆虫の減少
  • モニタリング :設置エリアの清浄度評価

 

つまり捕虫器(ライトトラップ)は、常に「捕殺」か「モニタリング」のいずれか或いは両方の目的のために設置されるのです。
これ、実はかなり重要です。
何故なら、これを踏まえて寧ろこう考えてみると判るかもしれません。

「その捕虫器はどんな虫を『捕殺』し、また何を、どこを『モニタリング』するのか」

考えてみよう、その捕虫器の設置の目的は?
  • どんな虫を捕殺するためなのか(→それによってどんなリスク回避が出来るのか)
  • 何をモニタリングするためなのか(→それによって何を知るのか)

 

ふと工場にある捕虫器を、或いは貴方が捕虫器を設置しようと考えている場所について上のことを自問してみてください。

貴方がここに捕虫器を設置する目的は何ですか?
そこにいる虫を殺したい、減らしたい。
ではその虫はどこから来るのですか?外からですか?ではどこから侵入してくるのですか?
それとも工場内ですか?ではどこから発生するのですか?
そしてその位置は本当に最適ですか?
その位置が、そうした昆虫を最も適確に捕らえられる位置ですか?
それ次第で、取り付ける場所や台数、エリアなどが変わってきますよね。

或いは、「モニタリング」がしたい。
ではそこで虫を捕らえることで、何が判りますか?
どの場所の清浄度が知り、どんなリスクを知りたいのですか?
外から入ってくる虫に対する危険度ですか?それはどこから生じるものですか?
それとも工場内での発生リスクですか?それはどこに対するものですか?
そしてその位置と台数で本当にそのエリアのリスクを監視することが出来ますか?

このように考えてみると、ただやみくもに捕虫器を設置すればいい、あるいは台数を増やせばいいというわけではないことに気付くでことしょう。

貴方の工場にもし捕虫器が設置されている場合、それはこの2つ、つまりは「捕殺」か「モニタリング」をするために設置されていることになります。
逆に言えば、そのいずれもの目的が曖昧、あるいは果たすことが不履行な箇所に設置されている場合、その捕虫器は「設置する意味が希薄だ」ということになります。

改めて確認します。
捕虫器を設置すべき箇所は、次のポイントです。

捕虫器の設置条件
  • 捕殺の目的:場内に生息、侵入、発生した昆虫を効果的に駆除出来る箇所に設置すること
  • モニタリングの目的:場内の昆虫の清浄度を反映出来る箇所に設置すること

 

捕虫器によるモニタリングのメリット

捕虫器によるモニタリングの、最大のメリットは2つ。
まず一つ目は、先の目的に沿う意味で、「モニタリングと同時に捕殺が可能」だということです。
別に言い方をすれば、「モニタリングという場内の清浄度監視とともに、捕殺による清浄度維持を機能的に果たすことが出来る」ということになります。
つまり、上の話の逆からの目線で、「モニタリング」と「捕殺」という2つの目的が同時に果たせる、ということです。
寧ろ、ほとんどの場合はその双方の目的を同時に果たすために設置されることが多いでしょう。

それともう一つ。
誘虫ランプによる誘引効果によって、効果的に昆虫を誘引、捕獲し、広くエリアの清浄度を監視出来る、ということです。
これらのことから、モニタリングのメインとして捕虫器はしばしば工場内の防虫管理に組み込まれます。

捕虫器のデメリット

このように非常に便利な捕虫器ですが、その便利さの一方で捕虫器ならではのデメリットというのも存在します。

捕虫器のデメリット
  • 誘虫ランプに誘引されない虫は捕獲しづらい
  • 飛翔能力を備えていない(少ない)虫は捕獲できない(しづらい)
  • 気流などの他要素に光誘引が負けてしまって、捕獲が難しい場合が生じる
  • 大型の昆虫は粘着力が負けてしまって、捕りきれないことがある
  • 粘着トラップの物理的限界で捕獲しきれない場合がある
  • 機械であるため、多くの種が湿度や水に弱い
  • 誘引ランプによって外部から必要以上に虫を誘引してしまうことがある
  • 100V電源が必要である(電源が確保できない場所へは設置が難しい場合がある)

 

これらはデメリットというより、寧ろスペック的、ハード的な限界、といったほうがいいものも含まれています。
重要な点を少し補足します。

全ての昆虫を捕獲できるわけではない

まず、捕虫器というのは基本的に飛翔性昆虫対象です。
よって、当然ながら飛翔する能力のない昆虫は捕獲できません。
またこの誘虫ランプに誘引されない昆虫、つまり正の走光性がない虫は捕獲が出来ません。

ということはつまり、飛翔する能力のない昆虫や光に誘引されない昆虫が多量に侵入、もしくは内部派生しても、捕虫器でのモニタリングではその危険に気付かない、ということになります。

光以外の要素に影響を受けることがある

更に言えば、虫は光に向かって様々な障害に影響なく呼び寄せられるわけではありません。
これ、結構理解されていないことが多いです。
よっぽどの大型の虫でない限り、気流には大きく影響を受けます。
しかも工場内で問題になりやすい昆虫は得てして微小なものが多い。
例えばどこの工場でも大型のトンボが製造室内入っていれば気付くでしょうが(笑)、ノミバエ程度の微小な昆虫が侵入しても気付きづらいことでしょう。
そしてこうした虫は飛翔能力が低いため、たやすく気流に押し負けます。
(そもそもこうした虫は外部環境から気流に乗って移動して侵入してくることが多いのです)

物理的に捕獲できないことがある

捕虫器というハードウエアである以上、スペック的な限界があります。
飛翔能力の高い大型の昆虫の場合、粘着トラップによる捕獲力より飛翔能力が勝る場合があります。
この場合、一旦捕虫紙に付着はするものの、逃げられてしまうケースもあります。

また余りに昆虫の生息数が多い場合、物理的限界から捕獲しきれない場合もあります。
この場合、より大型の強力な捕虫器を使用するか、そもそもその問題自体を解決すべきでしょう。

虫を不必要に誘引してしまうことがある

それと、もう一つ重要なことがこちらです。
この捕虫器は光によって昆虫を周囲から誘引し、捕獲する機械です。
ということは、設置位置によって、やもすると不必要に虫を場内に集めてしまうことになりかねません。
このことは、「エリア外に誘引機能を広げず、場内でのみその機能を果たせる箇所でしか使えない」、ということになります。

更に言うなら、このことは設置室内についても同様です。
この機械がライン付近に設置されていたらどうでしょう。
不必要にライン付近に昆虫を集めることになりますよね。
しかもこの機械には、100v電源が必要です。
つまり、付近に電源コンセントがある、ということが設置条件になります。
これ、設置箇所は結構制限されます。
使用の際には、これらのことを踏まえて使うことが必要です。

水や蒸気、粉体を浴びる箇所では適切な捕獲が出来ないことがある

捕虫器といえど、機械です。
よってダイレクトに水や蒸気、粉体を浴びる箇所では適切な捕獲が出来ません。
「この捕虫器は防滴だ」というものも中にはあります。
しかし捕虫器は水に強くとも、虫を捕らえる捕虫紙が防水などといった商品はありません。
水を浴びれば、あるいは高い湿度環境では、捕虫器の粘着力は弱まります。
その場合、昆虫を捕らえることが困難になります。
虫を捕らえるための捕虫器が、いくら本体は水に強くともそれでは意味がありません。

少し長くなってきましたので、更に次に譲るとしましょう。
次は、実際にこれらの特徴を踏まえて、どのような箇所に設置すべきか、或いはしてはいけないのかをお教えいたします。

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