工場で最もポピュラーに使われている防虫機器、捕虫器(ライトトラップ)。
ではこの捕虫器(ライトトラップ)とはどのようなもので、どこに設置し、どう取り扱うものなのでしょうか。
防虫管理上、最も知る必要のある機器、捕虫器についてお教え致します。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことのできない真髄中の真髄、
プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教え致します。

ライトトラップ(捕虫器)とは

皆さん、食品工場のみならず、高所でスーパーや飲食店などでも青白い灯火を放つ防虫用機器を見たことがあるかと思います。
これらを総じて、「捕虫器」、もしくは「ライトトラップ」などと呼びます。

捕虫器とは、その名の通り「虫を捕える」ための「機器」という意味です。
一方で、ライトトラップとは、ライトのトラップの意。
しかし「ライトトラップ」とは光で虫を集めるトラップ全てを指す呼び方であり、この捕虫器だけとは限りません。
正式には「灯火誘因式粘着ライトトラップ」です。
つまりある種の灯火(ライト)によって周囲に生息している昆虫を誘因し、呼び込んだ虫を粘着トラップによって捕まえる機械を、捕虫器と呼びます。

実際、昆虫を捕獲するトラップには実に様々なものがあります。
例えば臭いやフェロモン、音、温度など昆虫を誘因して捕獲するトラップは、(その効果はさておき)様々世に見られます。
しかしその中でも最も効率的で、かつ手っ取り早く、汎用性の高いトラップ
それがこの「捕虫器(ライトトラップ)」です。

捕虫器の仕組み~捕虫器と走光性について

あの青白く光る灯火は、一般的に「誘虫ランプ」という、通常の蛍光灯とはやや違った特殊なランプです。
この灯火は、紫外線を特に放射しているのです。
ではどうしてこのような作りになっているのでしょうか。

走光性とは

それを説明する前に、昆虫の持つ大きな特徴の一つである、「走光性」についてお話しましょう。
「走光性」とは、光に対する生物の反応のことです。
もし光に対して、光に向かって反応するのであれば、「正の走光性」、光から逃げるよう反応するのであれば、「負の走光性」ということになります。
そして昆虫は、その多くが「正の走光性」を備えています
そう、皆さんがご存じのように、「虫は光に集まる」という、その性質のことです。これを「正の走光性」の習性を備えている、という風に言います。
その運動特性を利用したのが「灯火誘因式ライトトラップ」、つまり捕虫器です。

光を好む虫、好まない虫

尤も、全ての虫が光に集まる習性なわけではありません。
中には光を嫌ったり、集まらないものもないわけではありません。
暗所を好むゴキブリなどはその代表ですね。
こうしたものは捕虫器(ライトトラップ)では誘引出来ないため、捕獲出来ません。
よってそれらに対しては別の方法での捕獲対策が必要になります。
雄を誘引するフェロモンを使ったり(メイガなどがそうです)、或いは臭いなどの誘引剤を用いたり。
また正の走光性を持っていても、さほど光に誘引されない類の虫もいます。
大型バエなどはそうです。その場合、捕獲は出来ないわけではないがそれほど効果がない、といったことになります。

(ただし全く誘引されないわけではありません。
よく家の中に入ったハエに殺虫スプレーをかけると、灯火や窓際に逃げたりしませんか?
これは本来持っている走光性に従って、光に向かっているからです。
家の窓際のサッシなどに死骸がよくあるのはそのためです)

ついでに言えば、光に一応誘引されはするものの、それほど飛翔能力がない微小な昆虫は、高所にあるトラップにまでたどりつけません。
ライトトラップを高すぎる位置に設置してはいけない理由がこれです。
こうした昆虫は光を求めて少しずつ移動するので、せめて床面から高くても2メートル程度に設置するのが、捕虫器の設置箇所のセオリーです。
でないと、場内の内部発生虫を捕獲出来ず、問題を見過ごすことにつながりかねません。
内部発生しやすいチョウバエ類などは、その代表です。

誘虫波長

ではなぜあのような青白い灯火の紫外線に、昆虫は誘因されるのでしょうか。

光には「波長」というものがあります。
その波長ごとに生物が走光性を示す相対値をグラフにした、「視感度曲線」というのがあります。

太陽光、つまり昼の太陽の光を分類すると、大きくわけて、我々人間の見える「可視光線」と、そうでない見えない「不可視光線」があります。
この「不可視光線」には、「紫外線」や「赤外線」などが含まれます。
光には波長があるのですが、我々人間が光や色として感知出来るのはこのうちの「可視光線」、つまり380~780nm(ナノメーター)の波長域のものです。
これより波長が短くなっても(紫外線)、また長くなっても(赤外線)、人間の目には見えません。
この人間から見える波長、俗に光、太陽光と思えるものを、「可視光線」と言います。
蛍光灯などは、この「可視光線」の波長を特に強く放出させることで、人間の目から見えやすい光として機能しているわけです。

多くの動物がこの「可視光線」を光として感知し、見ることが出来ます。
ですが、一部の動物と虫は、人間とは見えている光が違います。
虫などのそれらの例外種は、「紫外線」の波長領域を光として感知し、見ています。
つまり人間と虫とは光として感知する、すなわち太陽光の見える波長が異なり、若干ズレているのです。
この波長領域の違いを利用し、様々な防虫対策に利用するのです。

つまり、昆虫が「正の走光性」を最も示す波長が、紫外線領域である360~380nmということです。
ちなみに人間にとって一番光が見える波長域は、やや虫とずれており、470~530nmです。
つまり、虫にとってこの「360~380nm」の紫外線領域の光を強く放射すれば「正の走光性」、つまり光に虫が集まりやすくなり、逆にこの波長域の波長をカットしてあげれば虫は「走光性」を示さない、つまり光が見えない状態になる、ということです。
言い換えれば、昆虫を誘因し捕獲するライトトラップには、この「360~380nm」の波長を特に放射するタイプの照明が向いている、ということになります。
そのため、紫外線領域の波長を特に放射するような、あのような青白い灯火のランプを使っているのです。
つまり、昆虫の目から見るとあの青白い光は、通常の蛍光灯の数十倍明るく見える、というわけです。

粘着式捕虫紙を用いたライトトラップがお勧め

世には様々な捕虫器(ライトトラップ)が出回っています。
ですが、工場でメインに使用する捕虫器(ライトトラップ)としては、ネバネバした紙製のトラップに昆虫を捕獲できる捕虫紙を用いるようなタイプの捕虫器がおすすめです。
尤も、今ではこうした粘着式捕虫紙を使う捕虫器が主流です。

なお、このような捕虫器の基本構造は、そんな難しいものではありません。
誘虫ランプを点灯させ、その付近に粘着式トラップを固定設置できるようにする。
多少の細かな差異や機能はあれど、その基本コンセプトはほぼ共通しています。
この構造により、誘虫ランプで付近に誘因した昆虫を粘着式捕虫紙によって捕える、といった仕組みです。
つまり言ってみれば、捕虫器とは照明器具に粘着式トラップを取り付けたようなものだ、と理解していただいてもいいかもしれません。
よって構造自体は非常にシンプルです。
そしてシンプルゆえに、意外と丈夫だったりもします。

(ムシポン用捕虫紙)

なぜ電撃式殺虫機ではいけないのか

「電撃式殺虫機」というのをご存じでしょうか。
捕虫器と同じように誘虫ランプで昆虫を誘因し、周囲に寄った昆虫を電圧でバチリと感電死させる類の捕獲機器です。
我々のこの業界では、「電殺」と略して呼ばれたりしています。
見たことありますかね、
よくちょっと昔、田舎のコンビニの軒下などに掛けられていた、バチバチと音を出して虫を殺していた網製の箱状の機械。
あれが「電撃式殺虫機」なんですが、最近はとんと見られなくなりましたね。

数十年ほど以前は、虫の捕獲機器といえばこの「電撃式殺虫機」だというくらいポピュラーな存在だったのですが、それも今や遠い大昔の話。
現在では既にその使命を全うし、時代にそぐわない過去の遺物として、次第に防虫管理の世界から引退し、姿を見せなくなりつつあります。

ではなぜ、「電撃式殺虫機」は時代遅れになったのでしょうか。
確かに「高圧電流によって虫を捕殺する」、というその機能性は安全管理上からも危険がともなうようにも思えます。
しかしそれだけではありません。
簡単に言えば、異物要因の塊、だったからです。

電撃式殺虫機が工場の防虫管理上不向きな理由
  • 電圧の圧力により昆虫の死骸が飛散する
  • 昆虫の死骸をバラバラに粉砕してしまう
  • 高所に設置されているため、気流などで死骸を下にばらまきかねない
  • 清掃しづらい構造のものがほとんど
  • メンテがしづらいため、異物混入リスクの放置や死骸からの二次的な昆虫発生につながりかねない

 

まず、「電撃式殺虫機」の電圧は意外と、いや想像以上に強いものです。
そんな高電圧の力によって虫を焼き殺すのが、「電撃式殺虫機」です。
そのためこの電撃を食らった昆虫は、バチリという破裂音と同時にほぼ姿をとどめず粉砕、飛散します。
工場の高所にこんな、虫の死骸を飛び散らせる機械があったらどうでしょうか。
そう、死骸の飛散がしやすい、というのが何よりこの機械の最大の問題です。
実際、その衝撃だけで、半径2~3メートルに渡って虫体の破片が飛散する、と私達は昔教わってきたものです。

またこの殺虫機は高所に設置し、捕殺した昆虫の死骸は受け皿に貯める、という仕様になっています。
するとどうでしょう。
また昆虫というのは、その体のつくりから死ぬとすぐに乾燥し、バラバラになりやすくなります。
触覚や脚部、羽などが取れてしまうのです。
風で周辺にばらまいて飛ばされやすい高所に、そうしたバラバラになりやすい昆虫の死骸の塊をずっと放置している、とこれは同意です。

更にこのように虫体を粉砕してしまうため、状況把握、危険監視のためのモニタリングができない、ということがあります。

以上のことなどから、粘着式のトラップへとニーズが移っていったのです。

まとめ

捕虫器について、その基礎をお教えいたしました。
次は、実際にその使い方や設置場所などについてお話したく思います。

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    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
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