プロに聞く、衛生管理&防虫管理Q&A。
今回は2月中旬というこの春を前にした今の時期に、工場の防虫対策として何をしておけばいいのか、そんな質問に答えます。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

質問:春を前に何をしておけばいいの?

「もう間もなく春になります。
工場の防虫対策として、この時期にしておくべきこと、したほうがいいことなどはありますでしょうか」

この連休、私の住んでいる関東地方では雪が降り積もりました。
今も外はかなり冷たい風が吹いています。
しかし、とはいえもう2月中旬。
仰るとおり、春はすぐそこまで来ています。
実を言うと私は、重度の花粉症持ち。
自称「人の形をした花粉センサー」なので、晴れた日などは早くも鼻がぐしゅぐしゅし初めています。
さて、そんなこの時期だからこそ、春に向けてすべきことがあります。
決して大きなことではありませんが、しかしこれをするかしないかで全く違ってくることでしょう。
防虫管理のプロが教える、春の準備です。

昆虫の越冬と春期の活動

「啓蟄」(けいちつ)、という言葉を知っていますか?
「冬ごもりの虫が再び活動する」ことを意味する、3月上旬の春の訪れを示す言葉であり、春の季語でもあります。
このように、春期の到来とともに昆虫は「越冬」という冬ごもりを終えて、それぞれの活動を始めます。

昆虫の越冬の方法は様々ですが、その多くが冬季は活動を穏やかにしており、日照時間の長くなる春季の到来とともにゆっくりと活動を始めます。
なかでも気温が低く、餌の少ない冬を卵や幼虫の形態で越冬する昆虫は少なくありません。
それらはやがて暖かな春の到来を迎えて孵化したり、あるいは成虫となります。
また意外と成虫のまま冬を耐え、越冬する昆虫もいるものです。
それらは暖かな春の到来とともに、真っ先に活発に活動を始めます。

昆虫の越冬はいつごろ終わるのか

昆虫によって様々ですが、先の通り成虫で越冬する昆虫などは、早いものでは2月下旬頃から越冬を終えて活動をし始めます。
しかし多くの昆虫は3月初旬から次第に活動し始め、4月上旬にもなれば眠っていた多くの昆虫が越冬を終えて、活動を再開させたり、卵から孵化したりします。
つまり3月を目処にこうした対策をすることが重要になります。
まさに先の「啓蟄」ですね。

工場内の越冬場所を除去しよう

そこで、この時期にすべき具体策です。
まずは昆虫の越冬している箇所を除去し、周辺環境における春期の昆虫の生息数を少なくさせる。
こうした対策は、工場に晒されるリスクを予め軽減させるという「環境リスク」対策として非常に有効です。

かといって、敷地内の樹木を切り倒し土壌を掘り起こせばいいのか、なんてナンセンスなことは勿論言いません。(笑)
それに激烈な外部環境から守るための越冬形態である昆虫の卵や蛹には、殺虫剤はほとんど効果がないため、今それらに対しての駆除施工をすべきではないでしょう。

ではどうすればいいのか。
まず工場敷地内の落葉などを清掃し除去しておきましょう。
こうした中には、成虫で越冬する昆虫などが静かに潜んでいたりします。
また水が浸かりきらない排水溝の泥の中などには卵で越冬する昆虫が潜んでいたりもします。これらも春期を迎える前に除去したほうがいいでしょう。

今のうちから植栽由来昆虫対策を

工場に春の防虫対策の訪れを示す代表として、植栽由来の昆虫があります。
例えばタマバエ類やアブラムシ類(有翅)、コバチなどは3月上旬からふわふわと緑地帯に浮遊するのを見始めます。
こうした昆虫は、晴れた日中がその活動帯となります。
よって、シャッターや搬入口に近い箇所に緑地画も受けられている場合には、この頃が対策のスタート時になります。
外部隣接エリアでの外部侵入対策が甘い工場は、それらを急ぐなどが必要です。

春期の土壌由来昆虫

霜の降りるような時期の終わりあたりから、次第に土壌由来の昆虫が工場の外部隣接エリアなどで見られ始めます。
アリ類やトビムシ、ダンゴムシ類、ハサミムシ類などはその代表でしょうか。
これら土壌由来の昆虫はイメージ的に夏季の問題種であるように思われがちですが、決してそうとは言い切れないのでご注意ください。

また春期を迎えて餌である他の昆虫が増え始めると、クモなどのそれらを捕食する虫の活動も再開します。
工場の高さが土壌とフラットである工場や、土壌帯がすぐ付近に設けられている工場などは、そうした対策も早々に手をつけておくほうがいいでしょう。

この時期にこそ内部発生対策を

工場内の室温がそれほど上昇しない冬場と違って、春になると次第に温度上昇が見られ始めます。
するとこのあたりからぼつぼつと様々な内部発生の問題が再発するケースが、まま見られます。
やはりこの時期すべきことのメインは、何と言ってもこうした内部発生予防対策です。

代表的なのは、カビ由来の問題です。
例えばチャタテムシ類、ヒメマキムシ類などは室温が14度を切ると途端に生息が落ち着くことが多いものですが、しかし春期に入って次第にそこから脱すると、再び問題化する、といったことが割とよく見られたりします。
製造室内の室温はしっかり温度管理している、と思っているかもしれませんが、しかし天井裏や内壁は必ずしもそうではないでしょう。

また穀粉を多用する工場では、粉だまりなどの中で越冬していた貯穀害虫の問題が間もなく再燃します。
その代表種であるシバンムシ類の多くは、粉溜まりの中で卵あるいは小さな白い幼虫で越冬しています。
成虫になって活動が活発になる前に、それらの除去清掃をすべきです。
ここで重要なポイントは、こうした問題が軽症で潜在的なうちに要因を叩く、ということです。
とくに毎年貯穀害虫で困っている工場などは、問題が広がらないうちに今のうちに重点清掃を行い要因を排除するなどが有効です。
丁度今だと清掃業者さんも一旦業務が落ち着く時期だったりもします。外部委託なども今のタイミングに行うとよろしいかもしれません。

また同じ意味で、チャバネゴキブリで困っている工場などは、冬でも活動がみられるもののまだ夏季ほどではないはずです。
これらの営巣を叩き撲滅するなら、数がまだある程度抑えられている今のうちしかないと思ってください。4月を越えて本格的に増殖してからでは、完全に死滅が難しくなります。

年度の防虫計画の見直し・立案を忘れずに

また、まだ防虫対策に追われない今こそすべきことがあります。
それは前年度の防虫管理の総括です。

防虫管理の年度総括
  • 前年度の防虫管理評価
  • 管理基準値の逸脱の有無
  • 発生した問題と、その要因、対策
  • 次年度の目標値設定
  • そのために必要な事項とそのスケジュール

 

年間の防虫管理総括については、近くに別途記事を書くことにします。
ですが、まずは簡単でも構いませんから、少なくとも防虫管理の報告書にさらっと目を通すようにしましょう。
そして昨年の問題をおさらいし、
「どんな問題が発生したか」、「その要因は何だったのか」、「その対策は何をしたのか」
を再確認しておくことです。
同時に、それらを踏まえて、ではその問題を再発させないためには「いつ、どのようにすればいいのか」という「発生予防」の策を予め立てておくことが重要です。

それと同時に、そうした問題がいつ頃に発端を見せて発生していたのか、を知っておいてください。
抜本的な改善をしない限り同じ問題が再発しないとは言い切れませんし、意外と同時期に同じ問題が出ることは多いものです。
また昨年、あるいはその前に、春期の問題としてどのようなことがあったのかを遡れば、ご自身の工場で何をすべきかが見えてくることでしょう。
(そもそも、このように先を知ってリスクに備えるために記録や報告書とはあるべきです)

まとめ

越冬を前にした今こそ、今シーズンの防虫対策の本格的なスタートとなります。
まずは前年度の状況を確認するとともにすべきことを知りましょう。
それにそって各工場、それぞれの環境や内情に即した対応を、今のうちに進めるとよろしいかと思います。

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