自身の工場図面に動線を記入し、ゾーニングを行い、さあ、衛生管理図面が出来ましたね。
ではそれを更に防虫管理図面にしてしまいましょう。
ついでに、何処が問題なのかもチェックしておきましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

防虫機器やモニタリングポイントの追記

さて、前回までで皆様のお手元には、自身の工場の衛生管理図面が出来上がっているはずです。

ここまで来たのですから、それではこの「衛生管理図面」を防虫管理の図面、つまりは「防虫管理図面」にしてしまおうではないですか。

現在、工場内で防虫管理している場合、モニタリングの目的、或いは捕獲の目的で幾種類かの捕虫トラップを配置、設置しているはずです。
それを図面にプロットしてみてください。

主な有害生物(鼠属昆虫)用トラップの種類
  • ライトトラップ(光学式捕虫器)
    →主に飛翔性昆虫対象。
     誘虫ランプによって昆虫を積極的に誘引、捕獲するタイプが主流。
  • 床置きトラップ
    →主に歩行性昆虫対象だが、飛翔性昆虫の捕獲も兼ねる。
     偶発的に棲息していた昆虫を無誘引で捕獲する。紙製、或いは樹脂製など。
  • フェロモントラップ
    →上での捕獲が困難な貯穀害虫対象。
     特殊なフェロモンによって周辺生息の特定昆虫(雄のみ)を誘引、捕獲する。
  • ゴキブリトラップ
    →主にチャバネゴキブリ対象。
     基本的には無誘引だが、誘引剤や喫食剤(ベイト剤)等を使用することもある。
  • 鼠用粘着トラップ
    →鼠対象。
     粘着式のトラップによって無誘引で捕殺する。

 

有害生物(鼠属昆虫)のトラップといえば、およそこんなところでしょう。
では、これらの防虫機器の配置ポイントを、図面上にプロットしてみましょう。

なお、外部のペストコントロール業者に防虫管理を委託している場合は、このような図面を委託業者からもらうことが出来るでしょう。
であれば、その際に上を参考に、欠けているものをチェックしてみてください。
特に委託業者が御社工場のゾーニングを管理図面に記入していないケースがままみまれます。
この場合、業者にすぐに相談し、
「どのような意図でそれをしていないのか」
重要管理区域とそれ以外のエリアの、目標・方針・評価を一緒くたにしている理由は何か
(↑恐らくこれを問われたらぐうの音も出ないでしょう)
を確認すべきです。

なお、弊社では工場の大小の規模に全く関係なく、これらのことは当然のものとして対応します。
というかそうでなくて、どうして「管理」が出来るのか、この仕事で長年やっている私には全く意味がわかりません。
(更に、もしそれすら提示しない業者があれば、今後の委託を考えたほうが絶対によろしいでしょう。その場合、多くは安かろう悪かろうです。)

防虫管理図面を見直してみる

さあ、「衛生管理図面」みならず、「防虫管理図面」も完成してしまいました。

では、ここで改めて自身の工場を俯瞰して見てみましょう。
特に、以下のところに注意して見てみてください。

防虫管理図面のチェックポイント
  • モニタリングポイントの適切性
    →重要管理エリア(清潔作業区域・準清潔作業区域)には、全てその清浄度評価(リスク評価)のためのモニタリングポイントが設置されている
    →各ポイントにおいて、それぞれの設置の目的が明確にされている
    (このトラップは、こういう目的のために設置されている、というのが明確かどうか)
  • 外部侵入昆虫捕獲ポイントの適切性
    →動線に沿って、外部侵入昆虫を捕獲出来るように、ライトトラップ(光学捕虫器)が設置されている
  • トラップの過不足
    →モニタリング箇所が必要に応じて設計されているか、不足・過剰になっていない
  • トラップ位置の適切性
    →そのエリアの清浄度を反映できる(リスク評価が出来る)箇所に設置されている
    →ライトトラップの設置箇所は適切である

 

これらを見極めるには若干ながら、防虫管理の経験や知識が必要です。
ですから、外部委託の際には、トラップの一つ一つの設置目的を説明してもらうとよいと思います。
その際、あやふやな答えが帰ってきた場合には、それは適切性に欠けている可能性が高くなります。(モニタリングポイントの細かな選定条件については、後に別途記事を書くことにします。詳細はそちらを参考にしてください。)

なお、以下にライトトラップの原則的な設置条件を記載しておきます。
電源の関係上や動線の関係上で必ずしもこれらが守れない場合もありますが、しかし原則的にプロがライトトラップを配置する場合には、有る程度これに従うのが一般的です。

ライトトラップの設置箇所
  1. 床から高さ1.6m~2mに設置する
    →高すぎるトラップには、微小な昆虫は飛翔能力が低いため捕獲されません
  2. 資材・製品動線の直上から1m離れた場所に設置する
  3. 作業台や保管場所の直上から1m離れた場所に設置する
  4. ラインをまたいで昆虫を誘引しない箇所に設置する
  5. 外部(ドアや窓など)に誘虫ランプ灯火がダイレクトに漏洩しない箇所に設置する
  6. 比較的エリア内を広く誘引出来る箇所に設置する
  7. 100V電源の取りやすい箇所に設置する
  8. ラインや製品に近づけず、出来るだけ室内の入り口付近で捕獲する

 

ライトトラップの設置箇所については、別途記事を書くことにします。
いずれにせよ、上記のような条件を「原則」として「極力」満たすようにしてください。
尤も、工場という限られた空間、しかも電源の位置の限られた室内では全ての条件を満たすことは難しいかと思います。
その場合にはいずれかの条件を妥協せざるをえなくなります。
最低限、1から4位は守れるようにしたいものです。

潜在的な危険を防虫管理図面から見抜く

更に設備構造上、或いは管理運用上において予め見ておくべき箇所があります。
例えばこんな箇所です。

図面上、危険箇所を踏まえておく
  • 外部接触箇所(マンドアなども含む)
  • 冷蔵庫、冷凍庫周辺、および上下階の作り
    →結露→カビ→食菌性昆虫、の発生箇所になりかねません
  • 清潔作業区域、準清潔作業区域なのに壁一枚隔てて外部環境という箇所
  • 重機の搬出搬入などの際に開けることのある大扉の箇所
  • 地面とのフラット箇所やスロープなどで繋がっている箇所
  • 動線上の交差汚染箇所
  • 加熱調理エリアなどの排気が生じる箇所
  • 冬季に温水を使用する箇所
  • 天井の点検口の位置
  • 排水動線

 

これらをチェックし、気がついたことがあれば図面に矢印などでもいいので、書き込んでいくことです。

なお、これらについては少し補足しておきたいのですが、ですがこれ以上の説明となると少しばかり長くなってしますね。
この続きは、次回の後編にて詳しくお話することにしましょう。

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