完成された「防虫管理図面」に基づいて、まずは自身の工場の状況を図面上からチェックし、その特徴を自己把握する、というのが今回の目的です。
そのチェックについて、少しばかりお話が長くなりそうだったので、前編後編に分けて解説させていただきます。
(こちらは後編です)

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。

潜在的な危険を防虫管理図面から見抜く

今回のお話は前回からの続きになります。
前回を読んでいない方は、何のことやら、となるでしょうから、まずはそちらを読んでからこちらに移るようにしてください。

ということで、お手元の完成された「防虫管理図面」を見ながらのお話です。
工場にはそれぞれその工場ならではのポイント、特徴やら長所短所やらが必ずあります。
それを図面から予め読み取っておくことは、今後の防虫計画においての重要なデータや材料となるでしょう。

まず、設備構造上、或いは管理運用上において次のようなところを注意して確認してください。

図面上、危険箇所を踏まえておくポイント
  • 外部接触箇所(マンドアなども含む)
  • 冷蔵庫、冷凍庫周辺、および上下階の作り
    →結露→カビ→食菌性昆虫、の発生箇所になりかねません
  • 清潔作業区域、準清潔作業区域なのに壁一枚隔てて外部環境という箇所
  • 重機の搬出搬入などの際に開けることのある大扉の箇所
  • 地面とのフラット箇所やスロープなどで繋がっている箇所
  • 動線上の交差汚染箇所
  • 加熱調理エリアなどの排気が生じる箇所
  • 冬季に温水を使用する箇所
  • 天井の点検口の位置
  • 排水動線

 

これらをチェックし、気がついたことがあれば図面に矢印などでもいいので、書き込んでいくことです。
以下、幾つか重要な箇所について、補足説明します。

意外な外部接触箇所はないか

マンドアをはじめ、意外と外部に通じているドアなどがあったりします。
その箇所は閉めきりにしていると思いこんでいるものの、実はこっそり使用されえていたり、或いは扉隙間からの昆虫侵入があったりするものです。
(ドアは意外とそのままでは機密性は低いものが多いです)

そうした場所をモニタリングしているのか、していないのであればその安全性はどう確認されているのか。
それらを改めて確認してみましょう。

冷蔵庫、冷凍庫周辺、および上下階の作り

これ、本当に重要です!
意外なんですが、そしてプロでも見落としがちなのですが、でも本当に、本当に!重要なんです!

平屋構造の多い地方郊外の工場などではちょっと理解出来ないかもしれませんが、地価が高く広大な土地を工場に出来ない東京都内の工場ですと、大概が上下階を製造に割り当てて使用しているケースがほとんどでしょう。

その場合、冷蔵庫・冷凍庫がもたらす影響が非常に大きいことを自覚したほうがよろしいと思います。
その温度差から上下に必ず、といっていいほどに問題が生じるからです。

夏になると、天井裏からカビ由来のチャタテムシ類やヒメマキムシ類がいつも発生する。
そんな工場は、冷蔵庫、空調ダクトなど、どこかに必ず温度差が生じる要因があるものです。

まずはこうした「上下の目線」を養うことが、優れた防虫管理における知識の元になります。
今一度、自身の工場の冷蔵庫周辺、上下構造を確認してみましょう。
思わぬ発見があるはずです。

清潔作業区域、準清潔作業区域なのに壁一枚隔てて外部環境という箇所

よくある問題のパターンの一つがこれです。

本当は理想的な工場構造として、

汚染区域→準清潔作業区域→清潔作業区域

と内側に向かって外堀を囲んでいくのが理想です。
ですが、運用上どうしたってそんな理想通りの設計は出来るものではありません。
必ず外部に接する箇所が出てくるものです。

上で用いた工場図面例で言うと、この箇所になります。

こうした箇所は、例えば床面の立ち上がりのシーリングが劣化したり、排煙窓に隙間が生じていたり、小さなクラックなどが生じていたり、などといった問題で、たやすく外部に繋がってしまうものです。
製造室内なのに、そこだけダンゴムシ類やハサミムシ類などといったあきらかな土壌由来の歩行性昆虫が捕獲されることがある、
或いは、4月~5月にかけてタカラダニ類(赤く小さなダニ類の一種)が多量に捕獲される、
こういうケースを見るようであれば要注意と疑ったほうがいいでしょう。

或いは室内は一見隙間がないように見えても、天井裏が外部に接していて、室内灯の隙間などから外部汚染と接触しているケースなども多いものです。

まずはこのような場所が自身の工場のどこにあるのか、見定めておくことが重要です。

地面とのフラット箇所やスロープなどで繋がっている箇所

地面と同じ高さに作られている工場か否か、
このことは歩行性昆虫に対するバリア性に大きく関わります。

まあこれほど単純な話では実際はないんですが、イメージとしてはこのような感じです。

例えばトラックヤードがあって、ドックシェルターなどが作られている場合は、歩行性昆虫の侵入の妨げを有る程度高さ分で補ってくれることになります。
しかし地面と同じ高さに作られている工場は、外部生息の歩行性昆虫がたやすく侵入しかねない危険をはらんでいます。
その場合、構造面のマイナスをなにがしかの方策で対処していく必要があります。

気がついた点を防虫管理計画に反映させる

以上のチェックから、自身の工場においての特徴がある程度見えてきたと思います。
折角ですから、これらのことは漏らすことなく自身の防虫管理計画に組み込んでおきましょう。

ここで重要なのは、上での評価に対し、その問題と要因、対策、評価を結びつけることです。
例えば、

・問題:夏季、製造室で土壌由来の歩行性昆虫が捕獲される
・要因:床面のシーリングに懸念がある
・対策:次月の補修対象
・評価:月度1回の定期点検箇所への項目追加

といったようにです。
つまるところ、防虫管理とは評価→問題→要因→対策→評価…の繰り返しです。

まとめ

「衛生管理図面」をもとに、現状の防虫管理状況を記して「防虫管理図面」が完成しました。

それを元にして、防虫管理上の適切性やウィークポイントなどを一通りチェックしてみましょう。
工場の数だけ、その工場ならではの様々な特徴があるはずです。
まずはそれらを書き出し、自分の工場のどこを補っていかねばならないのか、それを把握することです。
すると、今後の防虫管理計画において何をすべきかが少なからず見えてくることでしょう。

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