前回は、衛生管理上の清浄度区分(ゾーニング)の方法についてお話しました。
今回は実践編。それに従って一緒に作成してみることにしましょう。
実際の現場には、意外と知らなかったウィークポイントや盲点などが、必ずあるものです。
そして、清浄度区分(ゾーニング)の作業とともにそうした実情を把握していくこともまた、この作業の影の目標だったりするのです。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今年も毎回、ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。

防虫管理図面を作ろう

清浄度区分(ゾーニング)をはじめとした、各種の工場内衛生管理情報、なかんずく防虫管理情報を記載した図面を、衛生管理図面(または防虫管理図面)といいます。
防虫管理計画にあたり、まずこれを作成することは非常に重要です。

衛生管理図面(防虫管理図面)を作る意味(目的、メリット)
  • 清浄度区分や動線をビジュアルで把握できる
  • 各種防虫機器の図面管理ができる
  • 工場の特質が把握できる
  • 現状の衛生評価がしやすくなる
  • 問題や要因、対策の把握がしやすくなる

 

と、このように衛生管理(防虫管理)の基本となるのが、衛生管理図面(防虫管理図面)です。

尤も、そんな厳密な図面を作成する必要は全くありません。
ましてやCADで作るような建築図面なんて、全く必要ありません。
ご自身のパソコンにある使い勝手のいいソフト、例えばExcelやPowerPointなどで全然十分です。
なぜなら、重要なのは図面としての厳密性ではなく、情報のビジュアル化に他ならないからです。
ですから、図面作成ソフトの使用法の習得なんかに時間を割くくらいなら、
そのぶん自分の工場がどのような状態かの分析に費やすほうが、数百倍は意味があるでしょう。
何なら、紙に手書きだって構いませんよ。
ただし、「やるとやらないのとでは全然違う」、これだけは断言しておきます。

それでは、まずは工場の基礎図面を、ささっと作成していきましょう。
建築図面、なければ何でもかまいません、自身の工場の基礎図面をご用意いただき、これを元に作成していきます。
くれぐれもですが、ざっくりで構いませんからね。
簡単な構造と、各部屋、名称、そのくらいは入れておくといいと思います。

最初はこんな感じでいいでしょう。

動線を把握しよう

さて、骨組みができました。
次にやるべきことは、各種の動線の流れです。
動線は大きく分けて、
「モノの動線」と「ヒトの動線」
とに分かれます。
つまりは大まかな工場の、モノの流れとヒトの流れを図面上で把握します。

把握すべき動線
  • ヒトの動線
     入退場の動線
     作業の主動線
     など
  • モノの動線
     資材、製品の工程上の動線
     包材の動線
     機材(台車、番重)の動線
     廃棄の動線
     など

 

これら、すべてを記入しなくても結構です。
上のおおまかな流れを、図面に矢印で入れていけばそれで構いません。
重ね重ねですが、重要なのは全体の現状把握であり、そのためのビジュアル化なのです。

どうでしょうか。
ヒト、いやそれ以上にモノの流れの把握によって、
かなり清浄度区分(ゾーニング)の目安が定められてきたのではないでしょうか。

衛生管理上のゾーニング例(清浄度区分)
  • 汚染作業区域
    →外部の汚染と接触、あるいはある程度を受け入れる領域
    対象エリア:前室、資材保管庫、製品保管庫、入荷室、出荷室、荷捌き室、通路、入退場室、
  • 準清潔作業区域
    →(特に微生物による)汚染の拡散を抑え、コントロールを行う領域
    対象エリア:常温倉庫、下処理室、成形室、加熱調理室、調合室、検査室、
  • 清潔作業区域
    →(特に微生物による)汚染から隔離され、その影響を受けない領域
    対象エリア:充填室、冷却室、包装室、

 

ところで、実際にやってみると、動線のクロスが意外と多いことを知ることでしょう。
食品衛生では、交差汚染はないほうが当然理想的です。
しかし限られた空間で多様な作業にあたらざるをえない現場では、実際はそうもいかないことが多いことがわかるはずです。

と同時に。
ここで防虫管理上、動線の把握からあらかじめ踏まえておくべきことがいくつかあります。

防虫管理上、作業動線において押さえておくべきポイント
  • 外部汚染(侵入昆虫)との接触エリアはどこか
    →作業動線と「環境リスク」との関係性
  • 外部汚染(侵入昆虫)に対する工場内の緩衝(侵入遮断)エリアはどこにすべきか
    →作業動線と「侵入リスク」との関係性
  • 製造室内(清潔作業区域、準清潔作業区域)への汚染拡散の流れはどうなっているのか
    →差魚動線と「拡散リスク」との関係性

 

これらのことは、次の段階である、防虫機器設置箇所の立案において非常に重要になります。
なぜなら、上のようなポイントがあるということは、それらの箇所には必ず監視のためのモニタリング機能が果たされていないといけないからです。
つまり、ライトトラップや床置きトラップがその箇所にはリスク監視上、設置していないといけない、ということになります。

各リスクに大しては、別途以前の記事をご参照ください。

高薙食品衛生コンサルティング事務所
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https://shirasakieisei.com/2018/12/09/%E9%98%B2%E8%99%AB%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AF%E3%80%81%EF%BC%94%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%A7%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%88%E3%81%86%E2%91%A0/l
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以上、これで動線把握がある程度完了しました。
続いては、いよいよの清浄度区分です。
これまでをもとに、ゾーニングを実施します。

清浄度区分(ゾーニング)をしよう

さあ、ここでやっと、前回のお話です。
2段階、あるいは3段階でのゾーニングを進めていきます。

しかしここで注意点。
まずはその前に、今一度動線を確認してみましょう。
ヒトの流れ、モノの流れに対し、清浄度は定められていくものです。
具体的には、外側から内側へ。奥部に行くにつれ、よりクリーンなほうへ。

その上で、2段階、あるいは3段階に塗りわけていきます。

まとめ

いかがでしょうか。衛生管理図面が作成できましたでしょうか。

衛生管理図面(ここまで)
  1. 工場内の設備図を作る
  2. 工場内の部屋名を入れる
  3. 工場内のヒト・モノの動線を記入する
  4. それにあわせて、工場内の清浄度区分(ゾーニング)を行う

 

とりあえずここらへんまでは進んだでしょうか。
衛生管理図面ができたぞ!と思う前に、あともうステップだけあります。
もう少しだけお付き合いいただければと思います。

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