今回は、「防虫管理計画」の「達成目標」を数値設定する前に、予め知っておかねばならない基礎知識について、お話します。
それは、「①どのエリア」において「②どの程度」を目指すのか、ということです。
まずは、「①どのエリア」という点から話していくとしましょう。

改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今年も毎回、ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。

工場内をエリア区分する理由

さて、前回は「防虫管理計画」のプランニングのうち、「目標」の設定についてお話させていただきました。
目標は、大きく2つあります。
それは、目的のための最終的な「上位目標」と、そこに向かって短期的に達成することでそこに近付くための「達成目標」です。

そこで長期・短期の各目標をそれぞれ立てていくわけですが、しかし。
その短期的な「達成目標」を設定する前に、知っておくべき知識が実はあるのです。
その最初の一つが、「どのエリア」を対象に目標を設定するか、ということです。

結論から言えば、基本的には清浄度の高い区域を数値基準化し、工場の清浄度として評価していくべきです。
何故ならそこが重要管理エリアであるのだから、原理的に工場の清浄度はそれによってのみ評価されるべきです。
だからこそ、まずは評価すべき重要エリアとそうでないエリアを区分(ゾーニング)しましょう、ということになります。
どこまでがクリーンで、どこまでをダーティなゾーンとするのか。
そうすることで初めて、クリーンであることの根拠となる目標値=「達成目標」が俎上に上がってくることでしょう。

衛生管理におけるゾーニング(清浄度区分)の考え方

基本的な清浄度区分は、HACCPなどで一般的に言われているゾーニング手法に沿うかたちで、構わないと思います。

その場合、まずは工場を管理すべきエリアと、そうではない一般的なエリアとに分ける。
そう、いわゆる工場外部である「一般区域」と、それ以外の工場内部「作業区域」です
その上で、工場内部の「作業区域」に対して、より細かく清浄度区分していく。
外部に接触する「汚染作業区域」、
製造に携わる「準清潔作業区域」、
汚染を持ち込まない「清潔作業区域」、
という三段階にです。

衛生管理上のゾーニング例(清浄度区分)
  • 汚染作業区域
    →前室、資材保管庫、製品保管庫、入荷室、出荷室、荷捌き室、通路、入退場室、
     目安:落下細菌数100個以下
  • 準清潔作業区域
    →常温倉庫、下処理室、成形室、加熱調理室、調合室、検査室、
     目安:落下細菌数50個以下
  • 清潔作業区域
    →充填室、冷却室、包装室、
     目安:落下細菌数30個以下、落下真菌数10個以下

 

これが衛生管理における一般的なゾーニングとされています。
今後HACCPを構築していくにあたり、この手法を基本的に進めていくといいでしょう。
(中小規模の工場では、汚染作業区域と清潔作業区域の2段階でも構いません)

ただし。
ひとつだけ念頭に入れておくべきことがあります。
それは、防虫管理上における本来の清浄度区分は、目的をはじめ若干異なっている、ということです。
そこだけは踏まえておく必要があります。

防虫管理における清浄区域とは

上のゾーニングは、衛生管理、とくに微生物管理を重点において考えた区分方法です。
微生物管理においては、その特質上、交差汚染をいかに防ぐか、ということが重要になります。
よって、「準清潔作業区域」でリスクを軽減させた製品は、「清潔作業区域」においていかに汚染させないか、拡散させないか、といったことに比重が置かれるのが当然です。

しかし、ここで私たちが考えているのは「防虫管理」です。
「微生物管理」には微生物特有の、そして「防虫管理」には虫特有の性質がありますし、それを踏まえた対応が求められるはずです。

一言で言えば、「微生物は見えないが、虫は見える危害だ」ということです。
このことは割とごっちゃにされがちなので、別途記事を書きました。
詳しくはそちらを参考にしてください。

上の記事を踏まえて考えてみましょう。

微生物と違って、虫の行動リスクは予測不可能です。
そのため、準清潔作業区域でも清潔区域でも危害の除去は不可能です。
また異物として混入すれば、加熱されようが虫はそのまま異物として残りますし、その後の除去作業は困難を極めます。(というかほぼ不可能)

その意味で「準清潔作業区域」と「清潔作業区域」の差はほとんど、いや全く生じなくなります。
つまり防虫管理においては、重要管理区域は「準清潔作業区域」+「清潔作業区域」となります。
さらに言えば、汚染作業区域の中でもそうしたことはいえるかもしれません。
勿論、衛生管理上、上のような考えにのっとり進めることは非常に重要です。
ですが、防虫管理においては、若干異なっているところがあることも同時に念頭に入れておいたほうがいいでしょう。

まとめ

今日は、工場を清浄度別に区分する、という話を致しました。

さあ、早速自分の工場をゾーニングしてみよう。
そう焦って、マーカーや色ペンを握りたくなる気持ちはわかります。
ですが!
少し待ってください。

重要なのは、こうした知識を如何に貴方の工場に、より効果的に落とし込めるか、です。
どうぞ、真っ白の貴方の工場図面~別に建築図面でなくて結構です、何だったら手書きで各部屋の枠組みだけ書いてあるだけで十分です~をご用意して、次にお進み下さい。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?