「虫」と「微生物」。
いずれも食品工場における衛生管理上の「有害生物」の代表格であり、これをどう「管理」するかが問われる象徴的な対象でもあります。
と、このように双方並び称されることの多いこれら二種ですが、意外とその管理上、その違いについては余り意識的に注目されないことが多いものです。

よってここでは、小さいけれど大きなその違いについて、説明をしておきたいと思います。

せめてプロを名乗る身なら混合するな

改めてのご挨拶です。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今年も、ここだけしか聞くことの出来ない「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。

さて。
「虫」と「微生物」といえば、工場の有害生物の筆頭です。
(あと鼠ですね)
その二つに共通はあれど、しかし全く違う特徴を持っていますし、管理の焦点も当然ながら違いがあります。
というか、決定的に違います。
ついでに言えば、その専門家自体が違ったりもして、お互いなんとなく囓ってるけれどと、足かけが多いことが目立つものでもあります。
(私のように、微生物出身で虫を手がけている、しかも現場で続けているという人も、大手PCO職員ですら相当少ないのが現実です)

にも関わらず、「虫」に対して微生物のような見方を、
またはその逆を、プロとしてお客様に接しているケースをままに見たりします。
その結果、「それは微生物対策についての話だろう」、「虫と微生物は別物なのに何を言っているんだ」と、自称プロの物言いに疑問を持つこともしばしば。
貴方は本気で双方の管理に対峙しているのか?と、私はいつも疑問になります。

よくあるのが、HACCPの手法そのものを、まんま防虫管理に当てはめているという場合です。
すごく格好のいいことを言っているようですが、はっきり言って素人丸出し。
これは「虫」の特質をまるで判っていない、現場経験のなさを露呈した典型例です。

勿論、管理上、共通点はあります。
しかし、「共通点がある」ということは、差異も大きいということであり、
その差異を踏まえないと管理がずれる、ということでもあります。
常に神は細部に宿るというもの。

改めて、双方の特質とその違いについて、しっかりと踏まえておく必要があります。

「虫」は「見える」が「微生物」は「見えない」

こう言うと生々しく声が聞こえてきそうです。
そんなこと、よく知っているよ、と。

じゃあ、なんで双方を管理上において混合するのでしょうか。
それは、その特質を理解・消化していないからです。

「虫」と「微生物」の最大の違い、
それは結論だけを言うなら、成る程、「目に見える」か「目に見えない」かです。
しかしそれは「これを知っていればいい」、という話ではありません。
双方の様々な差異の全てが、考えてみればおよそここを発端としている、ということ自体が重要なのです。

で、その結局。
「虫」は目に見えるからこそ様々なステージで問題になるし、
「微生物」は目に見えないからこそ発見しづらいまま大きな問題へと発展しがちなのです。

「虫」と「微生物」の違いとは

以下に述べることを、「目に見えるか」、「目に見えないか」を念頭に置いて、よく考えてみてください。

工場の衛生管理上における「虫」の特徴、「目に見える」
  • 物理的な異物要因である
    →死骸自体が、目に見える異物である
  • 製造工程後にも問題が異物として残る
    →加熱工程などでも死骸が残って問題になる
  • 移動力が高くランダムで、予測不規定な存在
    →目に見えるくらいの存在の虫は、自分で勝手に動くので、モノやヒトの動線だけに限らない
  • 資材・製品に「入れない」ことが最重要
    →目に見える異物混入。
    だから動線にかかわらず、「入れない」ことを目的とした工場全域が管理対象になる
  • 重点管理点(CCP)が広範囲に及びがち
    →予測不規定、製造「環境」重視の危害
  • よってゾーニング(清浄度区分)の目的は、生息数による「リスク評価」の対象エリア区分
    →清潔作業区域とは、危害を極力軽減させるべき領域のこと
     清潔作業区域=準清潔作業区域(双方の目的が同じ)
  • 問題においては、健康被害ではなくイメージ(異物混入)の問題が大きい
    →問題は目に見えている異物(虫体)の物理的混入

 

工場の衛生管理上における「微生物」の特徴、「目に見えない」
  • 帰結的な健康被害の起因である
    →死骸が物理的問題なのではない、見えないから除去出来ず起きる
  • 製造工程上の管理で有る程度まで問題を抑制出来る
    →加熱工程などで死ねば問題は消える
  • 移動力は低く、比較的予測可能な存在
    →目に見えず(虫ほどに)自在には動けないので、モノやヒトの動線に大きく左右される
  • 資材・製品を「汚染させない」(「除去」、「汚染防止」)ことが最重要
    →目に見えない汚染。
    だから「除去」と「汚染防止」双方を目的とした動線管理、ゾーニングが重要になる
  • 重点管理点(CCP)は比較的限定的
    →予測可能、製造「工程」重視の危害
  • よってゾーニング(清浄度区分)の目的は、交差汚染防止
    →清潔作業区域とは、危害から製品を隔てるための領域のこと
     清潔作業区域≠準清潔作業区域(双方の目的が異なる)
  • 問題においては、異物混入ではなく健康被害の問題が大きい
    →問題は目に見えない異物(菌)の拡散

 

どうでしょう、違いがお判りでしょうか。

このように、「虫」と「微生物」は、たかが「目に見えるか」「見えないか」の違いを起点にしているだけで、その特徴は大きく変わってくるものです。

まとめ

見える「虫」と、見えない「微生物」では、このように対応自体が基本的に正反対なことが多いです。
にも関わらず、「微生物」管理の考えを「虫」に当てはめているケースも時折見かけます。
そういうときにはまず、上のことなどを参照に、問題の対象がどんな存在であるかを、見極める必要があるでしょう。

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