皆様、こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今回も、ネットでも何処でも、ここだけしか「絶対に!」聞くことの出来ない神髄中の神髄、「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。
今回は、リスクアセスメントの診断結果についてお話致しますね。
目 次
既にリスクアセスメントは完了している?
さて、前回は「管理評価」のまとめ方についてお話させていただきました。
つまり、すでに貴方のお手元には、「状況評価」と「管理評価」の双方の診断結果があることになります。
これらの結果に基づいて、あなたの工場の状況がどうなっているのか、
既に有る程度の状況把握をされたのではないでしょうか。
さて、その際、各評価においての評点を付けていることでしょう。
で。
ここまで来て言うのもナンですが、
(管理評価のときにも触れたように)
正直言って、この数値自体には、それほど強く意味があるものではありません。

って驚かれたかもしれませんが、「有る程度」まではコレ、本当のお話です。
何故なら、この「リスクアセスメント」の目的はその名の通り、
工場の現状を客観的に把握し、リスクがどのように潜在しているか、その状況を知ることだからです。
高い評点をとること自体が、本来の目的ではありません。
よって当初の目的は、実は既にもう果たされており、
後はその自己把握に基づいて防虫計画をプランニングすればいいし、
また、もしその際に顕在化された重要なリスクに関しては、その前に内部発生昆虫の薬剤駆除や、重点清掃などといった、各問題を解決するための「是正措置プログラム」で排除すればいい。
ただ、今後の管理目標として、またその方針立てのために、
今回その評点に少しばかり目を向けたく思います。
「状況評価」と「管理評価」結果から見えるもの
では皆様のお手元にある、「状況評価」結果と「管理評価」結果を見てください。


上のほうに、10点満点で評点した「1.総合評価」というのがありますね。
その結果をそれぞれ、以下のグラフの縦軸と横軸に示します。
例えば、
「状況評価」が7で「管理評価」が8という優秀な工場はAのゾーンに、
「状況評価」が3で「管理評価」が6という工場はBのゾーンに、
「状況評価」が9で「管理評価」が2という工場はCのゾーンに、
「状況評価」が1で「管理評価」が4という工場はDのゾーンに、
それぞれ示されるでしょう。
なお各評価が5点という工場は、その間のどちらか、ということになります。

さて、あなたの工場の状況はどのゾーンに区分されたでしょうか。
A:防虫管理が構築され、効果的に機能している
あなたの工場は、既に防虫管理のシステムがある程度構築されており、またそれによって防虫対策の効果を果たしている、といえるでしょう。
よって現状の防虫管理を継続しながら、PDCAサイクルの弱い要素を強化していくことで、更にその管理レベルは高まるものと思われます。
またリスクも有る程度把握されていることでしょうから、それに対してのモニタリングを継続、或いは強化し、監視していくようにしてください。
その際に、アクションレベルを逸脱するような異常が発生した場合、即座に是正措置プログラムを発動出来るよう準備しておくことをお薦めいたします。
(具体的には、駆除施工の事前準備や、清掃の計画など)
B:防虫管理が構築されているが、効果的に機能していない
あなたの工場は、防虫管理のシステムが構築されているものの、それが効果を発揮していない状況にあります。
この場合、
防虫管理のシステムが実は構築不足で、何処かに致命的な問題を抱えている、
或いは、自己流で防虫管理のピントを外している、
といったケースが考えられます。
このような工場は多くの場合、PDCAサイクルにおいての「C(Check):評価」や「A(Action):改善」に問題を孕んでいるケースがまま見受けられます。
日々の点検やモニタリングの見直し、問題の確認、
或いは、効果の検証会議と、問題解決のための検討会議などが、もしかしたら必要なのではないでしょうか。
また多くの問題に関しては、やはりプロの手を借りて向かうのが一番早道です。
プロはやはり、そう言われるだけの解決の術を持っているものですし、
意外と簡単、格安で解決出来ることだって珍しくありません。
C:防虫管理が構築されてないが、効果を果たしている
あなたの工場は、防虫管理のシステムが構築されていないにも関わらず、有る程度の効果を発揮しているという状況です。
この場合、
設備構造の整った新しい工場であるためそう防虫管理上の問題が少なかったり、
製造品目上、それほど防虫管理上の問題が生じない環境であったりといった、
製造環境に恵まれていることが多いです。
また或いは、評価機能(C)が機能していないため、本当は問題があるのにもかかわらずそれに気付かないといった状況も大きく考えられます。
ちなみに新設工場は最初のうちは綺麗なので何の問題もないように見えますが、
数年もすればあっという間に経年劣化します。
私の経験上、3年もあればどこかしら問題が生じてくる工場がほとんどです。
数年経って久々に訪れたら、とんでもなく劣化していた工場だって珍しくありません。
なお、基本的に管理システムが構築されていないにもかかわらず、問題が見られない、というのは正直診断不足だとういう他にありません。
恐らくは何らかの見えていない問題が、既に隠れているのではないでしょうか。
しかもそうした場合、気付かず放置していたために、得てして重要な問題に発展していたりするものです。
(こういうケース、本当に多いです!)
実際のところはDゾーンだった、などとならないよう、Bゾーン以上に、このゾーンの工場は要注意が必要です。
一度プロの目から診断調査してもらう、或いは現在委託している業者とは違った目から見てもらう、ということも考えたほうがいいかもしれません。
D:防虫管理が構築されておらず、防虫対策も進んでいない
あなたの工場は、防虫管理のシステムが構築されていないため、防虫対策が効果を出してないという状況です。
このゾーンの工場は、比較的小規模クラスの工場に多く、
防虫管理を委託せず自社内で賄っている、
或いは、実のところ何もやっていない、というよりも寧ろ何をやっていいかわからない(こういう工場さん、実は多いです!)、という方も見られるのではないでしょうか。
更に、こうした場合はよくP(Plan:計画)に要因を孕んでいることが多く、組織的な問題があるのが特徴的です。
加えて現場も、ハードの弱さを言い訳に諦めが広がっている、
或いは、問題が常時化しているということも珍しくありません。
まずは現状をしっかり把握した上で防虫管理を構築し、
問題に対しては優先順位を付けて取り組んでいくようにしてください。
Aに向かうために必要なことは?
如何でしょうか。
工場で不足しているもの、適していないものが少なからず見えたのではないでしょうか。
これらを補い、強化、構築しながら、Aを向かうよう、今後の防虫管理に取り組むようにしてください。

まとめ
今日は、「リスクアセスメント」のまとめと診断結果についてお話しました。
- A:防虫管理が構築され、効果的に機能している
(状況評価5点以上、管理評価5点以上)
→そのまま管理の継続を進め、弱いところを強化していってください。 - B:防虫管理が構築されているが、効果的に機能していない
(状況評価5点以下、管理評価5点以上)
→システム上(多くはC、Dに)大きな問題があってピントを外しているのでは? - C:防虫管理が構築されてないが、効果を果たしている
(状況評価5点以上、管理評価5点以下)
→要注意!環境に恵まれているが、実は重要な問題が見えていないケースも - D:防虫管理が構築されておらず、防虫対策も進んでいない
(状況評価5点以下、管理評価5点以下)
→比較的小規模工場に多い。組織的な問題(P)に悩まされているケースも多い
さあ、防虫管理の最初の一歩がこれでようやく整いましたね。
ご自身の工場の状況もしっかり把握出来たことでしょう。
それではいよいよ、これから防虫管理計画に着手です。
では、今日はこの辺で。
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!
- 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
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